本来やる予定だった凛ちゃん回はかなり作るのが難しかったのですが、逆に今回は割とやりたい放題、好き勝手自分の好きに遊びまくったせいでちょっと長くなってしまいました。
原作アニメのエピソードがギャグ回だったから、もう今回はかなりネタとかに走ってたりします。
所謂パロディ回、みたいな。
本来ならこういう話ニジガクZでやるべきでしたが、ニジガク本編だとちょっとできそうな話がなかったんで。
なので今回はほぼほぼ「これがやりたかっただけ」的なところが多いです。
何回か番外編で書こうとしたけど上手く行かなかったですし。
今回出て来る怪獣の原作エピソードは割とホラーチックでしたが。
前回のラブライブ! オーブ!!
穂乃果達が行った沖縄の修学旅行で「台風怪獣 バリケーン」が出現し、バリケーンの起こした台風のせいで週末に行う予定だったファッションショーでのライブまでに帰ってこれなくなった紅葉、穂乃果、ことり、海未の4人。
そんな4人が不在の中、臨時のリーダーを務めていた凛だったが、小学生の頃スカートを履いてきたことを同級生の男子達にからかわれたことがあり、その時のトラウマからリーダーを務めることやセンターが着る予定だった可愛らしい衣装を着ることに彼女は後ろ向きな考えだった。
しかし、花陽やμ'sの仲間達のおかげで凛はトラウマを払拭することができ、ライブでは当初は嫌がっていたセンターの衣装を着込み、無事にライブは成功。
バリケーンも紅葉が変身したウルトラマンオーブ ハリケーンスラッシュに倒されたのだった。
『俺の名は、オリバー・クイーン。 孤島で地獄の5年間を生き抜き、戻ってきた理由はただ1つ。 この街を救うこと。 だがその為には今までのような人殺しではなく、亡き友に恥じない存在にならなくてはならない。 今までとは、別の、何かに・・・・・・』
これまでのARROWは・・・・・・。
『バリー・アレン、セントラル・シティ警察の犯罪現場捜査班に所属してます』
*
「お兄ちゃんまたその海外ドラマ、DVDレンタル借りてきて観てるの?」
居間でレンタルショップから借りて来たとある海外ドラマを紅葉が視聴していると不意に自分の後ろからアイスをペロペロと舐める穂乃果の声が聞こえ、紅葉は穂乃果の方へと顔を向けながら「興味あるのか?」とでも言いたげな表情で「まぁな」とだけ応えると、穂乃果はナチュラルに紅葉の膝の上に座り込む。
「お、おい!? 穂乃果!?」
穂乃果が自分の膝の上に座り込むなんて何時ものことではあるのだが、そんな彼女に対し、自分が特別な感情を抱いていることに気付いてしまった為か、以前と比べると最近は穂乃果がこういったスキンシップをしてくる度に彼女のことを意識してしまい、激しく動揺するようになってしまった紅葉。
(これじゃドラマの話に集中もできない・・・・・・!!)
そう思いながらも穂乃果に文句を言うことも出来ず、むしろこの状態を嬉しく思う部分もある為、結局は彼女が満足するまでこの体勢のまま過ごすことに。
「このドラマ面白い?」
「ま、まぁな。 アクションは映画かってぐらい気合い入ってるし、毎回引きが良いって言うか、いつもいつも気になる終わり方するもんだから続きが気になって仕方ないんだよな。 その結果、見事に俺はこの作品に引き込まれちまった訳だ」
「ふーん、私も観てみようかなぁ。 お兄ちゃんが好きになるぐらいだし、私も興味がある!」
紅葉の話を聞いて少しばかり興味を抱いたのか、穂乃果も紅葉が視聴している海外ドラマに興味を持ち始め、紅葉は自分の好きなものを共有できる仲間が出来そうになったこと、それもそれが穂乃果であったことも相まって嬉しいのか口元を緩ませながら作品の魅力を彼は穂乃果に語るのであった。
さらに、穂乃果とその海外ドラマの話をする度に紅葉自身の緊張もほぐれたようで穂乃果が自分の膝に座っている状態に慣れてくると彼は穂乃果と一緒にそのドラマを観ることとなり、2人して視聴を楽しんだのだった。
*
それから穂乃果と紅葉がドラマを視聴し始めて45分後・・・・・・。
「いやぁ、まさか幻影とはいえ、死んだ親友のトミーがオリバーに激励して敵に逆転勝利するとは、熱い展開だったな」
ドラマを見終わった穂乃果と紅葉はというと・・・・・・。
「これより前の話とか観てないからよく分かんない部分もあったけど、確かに面白かったかも! あのバリーって人も最後雷に打たれてどうなるの!? ってところで終わっちゃうし・・・・・・」
「あれは『フラッシュ』ってドラマに続くらしい。 しかし、そうか! 穂乃果がこれに興味持ってくれて嬉しいよ。 それじゃあ今度ファースト・シーズンのDVD借りてくるからまた一緒に観ようぜ? 近い内にまた見返したいなって思ってたしな」
「ホント!? 観たい観たい!! 約束だよ、一緒に観ようね、お兄ちゃん!!」
どうやら、ドラマを見終わった穂乃果はこの作品をお気に召したようでそれに対して紅葉も満足げな表情を浮かべると彼は今度、ファースト・シーズンからのドラマを借りてきて一緒に観ることを穂乃果と約束を交わすのだった。
*
それから、その翌日。
「ハロウィーンイベント?」
とあるフードコートにて。
「えぇ、みんなハロウィンは知ってるでしょ?」
「あぁ、ここにも飾ってあるカボチャとかの?」
そこには紅葉、穂乃果、絵里、真姫、にこ、花陽、凛、希の8人が集まっており、絵里から今度秋葉でハロウィンのイベントがあるそうで彼女が言うには前回のファッションショーライブの時と同様、そのイベントの運営から直接「出演してみないか?」というオファーが自分達に舞い込んできたのだという。
「そう! 実は今年、秋葉をハロウィーンストリートにするイベントがあるらしくてね? 地元のスクールアイドルであるA-RISEとμ'sにも出演依頼が来ているのよ!」
ただ、前回のファッションショーでのライブと違うのは今回は自分達μ'sのみならず、同じ地元で活躍するA-RISEにもイベント出演の声がかかっているようでそんな絵里の話を聞き、それに対して穂乃果は「ほえー」と感心するような声を上げるのだった。
「予選を突破してからというもの、何だか凄いね~」
「でもそれって歌うってこと?」
だが、そこで何か引っかかる部分があるのか、真姫が疑問に思ったことを口にすると、紅葉は「そりゃそうだろう」と頷き、A-RISE、μ'sの秋葉のスクールアイドル両方に声をかけているぐらいなのだから当然それはライブをしてくれということなのだろう。
「・・・・・・有り難い話だけど、この前のファッションショーと言い、そんなことやってていいの? 最終予選も近いのに・・・・・・」
「そうよ! 私達の目標はラブライブ優勝でしょ!?」
前回のファッションショーも、今回依頼のあったハロウィーンイベントも自分達の知名度などをあげるには持って来いのイベントなのは確かであり、ハロウィンの方にも出演できればさらにμ'sの知名度もあがる可能性もあり、知名度も上がればその分ラブライブで優勝する可能性も少しは高くなるというのは真姫もにこも理解はしているのだが・・・・・・。
やはり、ラブライブの最終予選が近くに迫っている中、ハロウィンのイベントまで予定をねじ込める余裕があるのだろうかと真姫は疑問を抱き、にこも彼女と同じ考えなのか、真姫の言葉に同意するように頷きながら他のイベントに出演している暇なんてないのではないかと一同へと問いかける。
「だけど、そのイベントA-RISEは出演する気満々なんじゃないのか? A-RISEが出るのに、μ'sが出ないのはなんだか負けた気がして嫌だな、俺は。 A-RISE出演するってんならやっぱり俺は多少強引だとしてもμ'sにも出て欲しいって思うけどな」
そのようなにこの疑問に対し、紅葉は真姫やにこの言い分も理解できるもののA-RISEとの差を少しでも埋める為にも、ラブライブ優勝の可能性を少しでもあげる為にも、多少無茶してでもハロウィンイベントには出演した方が良いのではないかと自分の考えをにこや真姫に伝えると、絵里もまたそれに賛同するかのように首をコクリと縦に振るのだった。
「にこや真姫の言いたいことも分かるけど、こういう地道な活動も重要よ? イベントには、テレビ局の取材も来るみたいだし」
「えっ!? テレビ!!?」
テレビの取材が来る、と聞いた瞬間、にこは目の色をかえながらガバッとてつもなく嬉しげに席から立ち上がるとそんなにこの態度の豹変っぷりに真姫と紅葉は呆れたような視線を注ぐのだった。
「態度変わりすぎ・・・・・・」
「手の平ドリルで草ァ!!」
また凛と花陽はハロウィンイベントの詳細が書かれた広告紙を一緒に見つめながら、花陽はA-RISEと同じイベントに出ることに緊張を覚えるのだが、逆に凛は確かに緊張するのは分かるが、同時にそれは自分達の名前を多くの人達に覚えて貰う為のチャンスであると主張し、それに花陽も「そうだね!」と力強く頷く。
「A-RISEと一緒ってことはみんな注目するよね? 緊張しちゃうなぁ・・・・・・」
「でも、それだけ名前を覚えて貰うチャンスだよ!!」
「そうよ!! A-RISEより強いインパクトの強いパフォーマンスでお客さんの脳裏に私達の存在を焼き付けるのよ!!」
テレビの取材が来ると聞いたからか、先ほどまでとは打って変わってやる気を燃やすにこ。
それに感銘を受けてか、穂乃果は「成程!」と言いながら両手の拳をギュッと握りしめながら目を輝かせる。
「おぉ~! 真姫ちゃん! これからはインパクトだよ!」
「ハァ・・・・・・。 ところで、穂乃果に紅葉?」
「「んっ?」」
「あなた達、こんなところにいて良いの?」
そんな真姫の問いかけに、2人はなんのことか分からず「どういうこと?」と穂乃果と紅葉が首を傾げていると、真姫に続くように花陽が「生徒会長の仕事は?」と問いかけられたことで穂乃果と紅葉は「あっ!」と2人揃って生徒会の仕事を忘れていたことに気付き、2人は互いの顔を見合わせながら顔を青ざめさせる。
「なんでお兄ちゃんまで忘れてるのー!?」
「いや、すまん! みんなでフードコート行くって聞いてお腹もちょっと空いてたし、つい・・・・・・。 ってか俺だけのせいにすんなよ!?」
すると、そんな時・・・・・・。
「ごきげんよう」
「さ、探したんだよぉ~?」
「「ヒエッ」」
不意に花陽達の後ろから苦笑を浮かべることりと、顔は笑っているが目が笑っていない海未の2人がやってくると、海未の表情を見た紅葉と穂乃果の2人はビクリと肩を震わせる。
「へぇ~? これからはインパクト・・・・・・なんですねぇ?」
「お、おい穂乃果? お望みの特大インパクトが来たんだけど・・・・・・!」
「あはは・・・・・・。 うぅ、こんなインパクト、いらない・・・・・・!」
その後、兄妹2人揃って仲良く海未にこっぴどく怒られたのは言うまでもない・・・・・・。
ちなみに、この時紅葉はベゼルブ軍団や6体の魔王獣、マガオロチやギャラクトロン、ゼッパンドンといったこれまで戦ってきた強豪達と相見えた時以上の恐怖を感じたとか。
「それにしても、ハロウィンかぁ」
一通りの話を聞き終えた希は何か引っかかる部分でもあるのか、顎に手を当てながらそんなことを呟くと、彼女の向かい側に座っていた絵里は「どうかしたの?」と尋ねながら不思議そうな眼差しを向ける。
「いやな、ハロウィンって聞いてウチが知ってる都市伝説のことを思い出してなぁ」
「えっ? 何? ちょっと待って、もしかして怖い話・・・・・・?」
「都市伝説」という言葉を聞いたからか、ホラー系が苦手な絵里は怯えるように体を縮こませると、それを見て希はそこまで怖い話ではないから安心してくれと言いながら手をブンブン振り回す。
「実はな、ここ数年起きではあるものの、ハロウィンの日が近くになると子供達が大量に蒸発するっていう事件が世界各位で起こっているらしいんよ。 しかも、蒸発した子供達は未だに行方不明な者が殆どで、例え見つかったとしてもその子供は顔が真っ白になっていてまるで廃人のように無気力な状態になってるんやって」
「えっ、何それ普通に怖くない!?」
そこまで怖くないと希は言っていたのに、絵里としては思いの外希の語った都市伝説は彼女にとっては恐怖エピソードだったらしく、ガタガタと震えながら両腕で自分の体を抱き締めていた。
「言うても日本じゃまだそんな事件起こってないし、それに子供達言うても狙われるのは基本小学生~中学生ぐらいの子達らしいで。 だから高校生のウチ等は対象外や。 都市伝説が本当だとしてもウチ等が狙われることはないと思うで?」
「だとしても、子供が狙われるんでしょ? 自分達が対象外だからってそんな話聞いたら安心できないわよ」
「まぁ、それもそうなんやけど。 あくまで噂やし」
希はただの「噂」だからと言って特にすることはないのではないかと言うのだが、希の話を聞いていたにこは未だに穂乃果と一緒に海未から説教を受けている紅葉に一瞬だけ視線を向けると、彼女は顎に手を乗せながら「うーん」と先ほど希が話した都市伝説についてそれは本当にただの噂なのかと思い、考え込む。
(怪獣が宇宙人が現れる今のご時世のことを考えると、怪獣や宇宙人の仕業って可能性があるんじゃなかしらね・・・・・・。 まぁ、いざって時には頼りにしてるわよ、ウルトラマンオーブ。 今ものすっごい情けない姿晒してるけど・・・・・・)
*
そのまた翌日、音ノ木坂学院の放課後アイドル部の部室にて。
「うーん、インパクトかぁ」
部室の机の上にはそれぞれジャック・オ・ランタンの顔が置かれたミニチュアやデフォルメされた見た目の魔女の帽子を被った布のお化けが置かれており、ジャック・オ・ランタンは裏返った穂乃果の声を出しながら先日にこが言っていたインパクトについて考え込んでいた。
「でも、今回は大会じゃないよね? 優劣つけるものじゃないし、そんなの気にしても・・・・・・」
その見た目に見合った可愛らしい脳トロボイスを発しながら、布お化けは今回のイベントはA-RISEも出演するとはいえ、順位を決めたりするようなものではないのだからそこまで深く考えることはないのではないだろうかと意見を出すのだが・・・・・・。
「何言ってるの!?」
そんな時、布お化けとジャックの間に割り込むように机の下からスーツを着込んだ骸骨男の人形が現れると、彼は布お化けの考えに意義を唱える。
「にこちゃんの言う通り! 確かに採点も順位もないけど、お客さんの印象に残った方が多く取り上げられるだろうし、みんなの記憶にも残る!」
さらに今度はそこに骸骨男に同意するように、真姫の声をした巨大なゴーレムの人形が現れると、ゴーレムは優劣がつかないとしても何かしらのインパクトはやはり必要だとジャックと布お化けに説き、ゴーレムの説明を受けたジャックと布お化けの2人は「成程」と納得する様子を見せる。
「つまりは今回はラブライブの大会じゃないとしても、むしろこういう機会だからこそ、何時ものように気合いを入れろと言う訳か。 いや、新しい試みをやるんだからいつも以上にってことかな」
今度は妙に悪役チックでやたらドスの効いた紅葉の声を発しながら、SO-DO CHRONICLEの仮面ライダーゴーダの食玩フィギュアが出て来ると彼はむしろこういうラブライブとは関係無い、優劣をつけないイベントだからこそ、ある意味では何時も以上に力を入れるべきなのではないかと考えるのだった。
「そう、最終予選も有利に働くってことね!」
「その通りよ!」
「それにA-RISEは前回の優勝者! 印象度では圧倒的に向こうが上よ! それなのに、こんな大事な話をしなきゃいけない時に・・・・・・! あなた達、一体何やってるのよ!?」」
骸骨男達が今後のハロウィンイベントについて話し合っていると、そこへ絵里が現れ、彼女は机の上に集結した怪物達+仮面ライダーを見つめると、絵里はワナワナと肩を震わせながら穂乃果達は何をフィギュア達に自分達の声を当てて遊んでいるんだと怒鳴りあげる。
「ちょ、ちょっと、ハロウィン気分を・・・・・・」
「いやぁ、なんか楽しくてつい」
「トリック・オア・トリート!」
穂乃果、紅葉、ことりの順で3人は誤魔化すようにそう言いながら苦笑いを浮かべると、絵里はそんな3人の反応を見て彼女は呆れたような表情を浮かべながらため息をつく。
「ハァ、向こうは前回の優勝者だから有利。 取材する側だって先ずはA-RISEに行くわ」
「じゃあ私達の方が不利ってこと?」
そんなことりの問いかけに、絵里は「そうなるわね」と応えながら頷き、それ故に何かしらのインパクトのあるパフォーマンスが今度のライブでは必要になってくるのだと彼女は語るのだった。
「だからこそ、印象的なパフォーマンスで最終予選の前にその差を縮めておきたい」
「つまり前哨戦って訳ね?」
「・・・・・・可愛い」
「ヴェ!?」
真姫の傍に寄りながら、ハロウィンイベントで行うライブについてのメリットについてより詳しい説明を絵里は穂乃果達にするのだが、その際絵里の視界に真姫が大事に抱えているゴーレムが入って来ると、彼女はそれを興味深げに見つめながら「可愛い」と呟くと、真姫は驚いたような声をあげながら絵里に取られまいとしてか彼女はギュッとゴーレムを大事そうに強く抱きしめるのだった。
「真姫ちゃん気に入ったん? そのゴーレム?」
そんな真姫の姿に、紅葉は珍しいレアな姿を見たと少しばかり特した気分になるのだった。
「でも、A-RISEより印象に残るって・・・・・・」
「どうすれば良いんだろう?」
しかし、一口に相手よりもなるべく印象に残ると言っても相手はスクールアイドル達の中でも絶対王者と呼ばれるほどのあのA-RISE。
彼女等よりも印象に残る、というのは中々に難しい話である。
「ハードルクソたっけぇな。 でもまぁ、それでもそっちの方が燃えるってもんだとは思うがな! そうだろにこ!?」
「紅葉の言う通りよ! 何回も言っているけど、兎に角大切なのは、インパクトよ!!」
*
という訳でそのさらに翌日。
紅葉、穂乃果、凛、にこの4人がやってきたのはハロウィンイベントの最終日で行われる自分達のライブの宣伝を行う為、この4人は秋葉原へとやって来ていた。
尚、この宣伝はテレビでも放送される為か、マイクを持った「アキバレポーター」と呼ばれる女性のレポーターも訪れており、彼女はハイテンションな様子で本日から始まったハロウィンイベントの開催を宣言。
「さあ!! という訳で!! イエイ!! 今日から始まりましたぁ!! アキバハロウィーンフェスタ!! テレビの前のみんな~!! はっちゃけてるかぁ~い!!?」
「あの人、私達よりインパクトあるんだけど・・・・・・」
「確かにはっちゃけてるにゃー」
そんなレポーターのハイテンションっぷりには流石の穂乃果ですら引き気味の様子を見せながら苦笑し、にこはいきなり目立つレポーターに対してぐぬぬ顔を見せ、初っぱなから出鼻を挫かれた紅葉は「いきなり全部色々と持ってかれた・・・・・・」と頭を抱えるのだった。
「1番印象が残りそうな3人をチョイスしたのに、あのレポーターのせいでただでさえ高かったハードルがまた上がってるじゃねーか・・・・・・」
因みに、ライブの宣言に穂乃果、にこ、凛の3バカ・・・・・・もといスマイル組を選んだのは紅葉だったりする。
なぜこの3人なのかと言うと、別に他のメンバーは印象が薄いとか花が無いとかではないのだが、μ'sの中でも限られた短い時間の中で何かと目立てそうななのはこの3人だろうかと思ったからである。
とは言っても紅葉は本当なら女性人気も高い絵里なども加えたかったのだが、希共々今日はどうしても外せない用事があったらしく、ことり等に関しては衣装の製作があるので出来れば彼女にそちらに専念して貰おうと考えた為、あの3人は呼ばなかった。
ならば真姫や海未、花陽はどうなのかと言うと・・・・・・真姫は素直な性格じゃないので、こう言ってはなんだが紅葉としては不安がある部分があり、海未と花陽は校内放送の時のことを考えると緊張のあまりまともに喋れなくなりかねないので連れて来なかったのだ。
では逆に、なぜ穂乃果、にこ、凛ならば行けると紅葉が思ったのかと言うと先ず穂乃果は言わずもがなμ'sのリーダーなのでいるのは当然。
凛もまだそれほど日が経ってないこともあり、前回のファッションショーでのライブが大好評だったことや動画サイトなでも後に配信されたあのライブを切っ掛けに彼女のファンが増えたこともあり、紅葉は彼女を選定。
にこに関しては「弄られキャラって愛されやすいし目立つよね」ということで紅葉は彼女を選んだ。
「私の選定理由だけあっさ!!? ってか誰が弄られキャラよ!?」
「褒め言葉のつもりなんだけどなぁ。 ってほら、そろそろレポーターこっち来そうだから3人とも心の準備して」
紅葉からの選定理由を聞いたにこは彼に対してグチグチと文句を言っていたが、そうこうしている内にレポーターがそろそろ自分達に話しかけようとしている雰囲気を紅葉は感じ取り、彼はマネージャー兼裏方担当なので今は穂乃果達の傍にいるべきではないと思い、彼はそっと彼女達の傍を離れる。
「ご覧の通りイベントは大盛り上がり!! 仮装を楽しんでる人も沢山! みんなもまだ間に合うよ!!」
レポーターは熊のようなパンダのような形をしたカボチャみたいなマスクをつけ、身体の装備は若干貧相なベルトをつけたガワコスの人やギターを持ったピンクのジャージの何かのアニメのキャラの衣装を着た女性や、胸に巨大なサングラスをつけた赤いロボットの仮装をした人々にカメラを向けながらイベントの様子を中継すると、今度はカメラを穂乃果達に向け、レポーターはライブにかけての意気込みを尋ねる。
「そしてなんとなんと!! イベントの最終日にはスクールアイドルがライブを披露してくれるんだ~!! アハハハハ!! やっほーはっちゃけてる!? ライブにかけての意気込みをどうぞ!!」
「えっ? あっ、う・・・・・・精一杯、頑張ります・・・・・・」
(あの穂乃果が気圧されてる・・・・・・だと!?)
やはり、アキバレポーターのハイテンションっぷりには何時も元気っ子な穂乃果ですら圧されてしまうようで、彼女は顔を引き攣らせ、紅葉は穂乃果を上回るレポーターの元気っぷりに驚愕するのだった。
「よーし!! そこの君にも聞いちゃうぞ!?」
「うっ、ライブ頑張るにゃん♪」
「わあ!? かわいいぃ~!!」
今度はレポーターは凛の方へとライブの意気込みを聞く為に凛へとマイクを向け、マイクを向けられた凛は少しばかりたじろいたものの、すぐさま両手を猫の手にしながらそう応えるとそれがレポーターにはウケたようで彼女は凛にすりすりと頬ずりする。
「私も!! にっこにっこ・・・・・・」
そんな凛に続くように、にこも「にっこにっこにー!」をやろうとするのだが・・・・・・。
「さあ!! という訳で音ノ木坂学院スクールアイドルでしたぁ~!!」
「ぶふぉ」
にこのターンはレポーターにぶつ切りにされてしまい、それを見た紅葉は失礼だとは思いつつも笑いを我慢することができず吹き出してしまうのだった。
「あのレポーター、にこの扱い方を心得てやがんな・・・・・・」
「なんでアンタは感心してんのよ!!」
なんてやり取りを紅葉とにこがやっている内に半ばぶつ切りに近い形でμ'sの宣伝ターンが完全に終わると、スタッフの1人が台車に乗ったテレビを運んでくると、テレビの画面が映り、A-RISEの3人、ツバサ、あんじゅ、英玲奈の姿が映し出される。
「そしてそして~! ぬぁ~んと!! A-RISEもライブに参戦だぁ~!!」
そんなレポーターの言葉に、この時点でこの場に来ていた来場者達はA-RISEの参戦を聞いて大歓喜の声をあげながら大いに盛り上がる様子を見せる。
『私達は常日頃、新しいものを取り入れて進化していきたいと考えています。 このハロウィーンイベントでも、自分達のイメージを良い意味で壊したいですね!』
モニター越しに、ツバサ達がそう言いながら観客達に向かって微笑むと、不意に画面がキラキラと一瞬眩い光を放ち、次の瞬間にはツバサとあんじゅは魔女、英玲奈は吸血鬼の仮装姿へと変化したA-RISEの3人が映し出され、ツバサは画面越しの投げキッスをするのだった。
『ハッピーハロウィーン♪』
すると次の瞬間、あらかじめ仕込んで用意してあったらしい紙吹雪が会場内で大いに舞い上がると会場の盛り上がりも最高潮に達し、完全にμ'sはA-RISEに全部インパクトを持ってかれるのであった。
「お、おお、おおおお! な、なんということでしょう!! さっすがA-RISE!! 素晴らしいインパクトォ~!! このハロウィーンイベント!! 目が離せないぞぉ~!!」
そして最後に、レポーターのその言葉によって今回の宣伝タイムは終了し、穂乃果、にこ、凛の3人は何も言葉が出ず、紅葉は「考えが甘かった」と又もや頭を抱えるのだった。
*
「もーう!! A-RISEに完全に持ってかれたじゃない!!」
その後、A-RISEに色々と全部持ってかれはしたもののライブの告知が一応終わった紅葉達は高坂家の穂乃果の部屋に訪れており、反省会を開いていた。
「にこちゃんが『にこにー』やろうとするから!!」
文句を垂れるにこに対し、あれはにこが「にこにー」をやろうとするから強制的に打ち切られてしまったのだと穂乃果は反論するがそれに対しにこは「やれてないし!!」とさらに反論。
「でもにこの扱いはアレで良いとは思うけどな・・・・・・」
「そうだにゃー」
紅葉は苦笑しながらにこの扱いだけならばあんな感じで別に良いのではなかろうかと呟き、それに同意するように頷く凛。
ただその瞬間紅葉はにこに睨まれてしまい、彼は自分の口を押さえて黙り込んだ。
「兎に角、これは問題よ! このハロウィーンイベントを物にしないと最終予選を勝ち抜くのは難しくなるわ!! あのお客さんの盛り上がり見たでしょ!?」
「確かに」
「今回は完全に俺達の敗北だったもんなぁ」
「その通りにゃ。 分かるにゃー」
にこの言葉に穂乃果や紅葉は頷き、凛も同意するような言葉を言うのだが・・・・・・。
「あれだけの実績を残しながら現状に満足せず努力している!」
「そうにゃそうにゃ!」
「やっぱり、優勝するだけあるよね!」
「その通りにゃ!」
「でも感心してたらそこで終わりよ!」
「ちょっと待って、凛ちゃんさっきからなんか返事適当じゃね?」
にこ、穂乃果、紅葉が真面目な話をしているというにも関わらず、ちゃんと話を聞いているのかとやたらさっきから適当な返事ばかりをする凛。
そのことに気になった紅葉、穂乃果、にこが凛の方へと顔を向けるとそこには穂乃果の部屋の棚に仕舞ってあった漫画を読みふけている凛の姿があり、よほど泣ける内容なのか、彼女は涙を浮かべながら「分かるにゃぁー!!」と最終的に感極まって叫んでいたのだった。
「って何読んでるのよ!?」
*
それからまたまた翌日。
学校の昼休みの中庭にある木の下のベンチにて。
紅葉、穂乃果、海未、ことりの4人は昼食を取りながら自分達の「インパクト」について考え込み、。
「うーん、インパクト・・・・・・インパクト・・・・・・」
「いきなり路線変更を考えるのは無理がある気が・・・・・・」
だが、幾ら考えても中々良い案が浮かぶことはなく、むしろ下手に路線変更するのは困難を極めることなのではないかと海未は意見を出すのだが・・・・・・。
「でも、今の私達にはインパクトがないッ!! お兄ちゃぁ~ん! なんか良い案ないのぉ~!? こういう時はお兄ちゃんの出番でしょ!?」
しかし、だからと言って今の状態の自分達では何かしらのインパクトが無いというのが穂乃果の考えであり、彼女はこういう時頼りになりそうな紅葉に何か良い案は無いかと尋ねるのだが、紅葉はカレーパンを口に咥えながら両手を広げ、首を横に振るのだった。
「すまん、俺も今のところは何も・・・・・・。 みんな個性はあるし、キャラは立ってると思うんだけど・・・・・・キャラ立ってるのとインパクトは別、な気もするしなぁ・・・・・・」
紅葉自身も、今回ばかりはそう簡単に良い案も出てこないようでお手上げ状態であり、彼は申し訳無さそうな表情を浮かべるのであった。
「でも、インパクトって今までにないものというか、新しさってことだよね?」
「新しさかぁ・・・・・・」
そこでことりがみんなが語るインパクトについて自分が思ったことを口にすると、それをヒントにしたのか紅葉は何か閃いたかのような表情を浮かべた後、手をポンッと叩く。
「核で蒸発しない為に自分自身が核になる修行とか?」
「それどこの陰の実力者? 普通にやだよ! ってか出来たとしてもアレはインパクトありすぎ・・・・・・。 お兄ちゃん、ふざけたこと言ってないで真面目に考えて」
「・・・・・・ごめんなさい」
珍しく穂乃果に怒られた紅葉はシュンッと落ち込んだ様子で謝ると、そこで海未が「ならばこういうのはどうだろうか」と意見を述べて来たのだ。
「それなら、先ずこの空気を変えるところから始めるべきかもしれません」
「空気?」
「最近思っていたのですが、結成して時間が経ったことで安心感が芽生え、少しダラけた空気が生じている気がするのです」
ベンチから立ち上がりながら、今の自分達の現状について考えの考えを海未は紅葉達へと述べ、そしてそんなダラけたような空気を変えることが何かしらのインパクトに繋がるのではないかと語る海未。
「そうかなぁ?」
「最終予選も近いし、みんなピリッとしてると思うんだけど・・・・・・」
そのような海未の言葉に対し、ことりは最終予選も近いのにそんなに言うほどみんなダラけた空気になっているのだろうかと首を傾げ、疑問に思うのだが・・・・・・。
「そこの誰かさん達は生徒会の仕事もせずにどこにいましたっけ?」
そんなことりの疑問に、海未はつい先日、生徒会の仕事をほっぽりだしてフードコートに行っていた穂乃果と紅葉の視線を向けると、痛いところを突かれた紅葉と穂乃果の2人は何も言い返せず「うぅ」と声を小さく漏らしながら肩を縮こませるのだった。
「つまりはそういうことです!! やるからには思い切って変える必要があります!!」
「でも、具体的には?」
「・・・・・・そう、例えば・・・・・・」
*
そんな訳で、放課後のグランドにて。
そこでは海未の語る「空気」を変える為、新たな衣装を着込んだμ'sの9人が集結し、衣装を身に纏った彼女達はそれぞれ名乗りをあげていく。
「あなたの想いをリターンエース! 高坂 穂乃果です!!」
「えっ? 何? 想いをリターンエースってことは誰かに告白されて相手玉砕したってこと? ってかテニスウェアの穂乃果可愛いな」
先ず、テニスウェアを着て、ラケットを振りながら名乗りをあげる穂乃果。
「誘惑リボンで狂わせるわ!! 西木野 真姫!!」
「誘惑リボンってなに?」
次に、新体操で使うような衣装を着込み、リボンをくるくると回す真姫。
「剥かないでー! 私はまだまだ青い果実! 小泉 花陽です!」
「その衣装どっから持って来たんだよ!? ってか青い果実ってネクサスさんかな・・・・・・?」
そこから今度は巨大なミカンの着ぐるみを着た花陽。
「スピリチュアル東洋の魔女! 東條 希!」
「あれ? 今のところ意外にも1番ツッコミところ少ない・・・・・・?」
さらに続いて今度はバレーボールのユニフォームを着ながらバレーボールを構える希。
「恋愛未満の化学式、園田 海です!!」
「・・・・・・はっ? いやごめんちょっと意味分かんなかった。 なんなの、恋愛未満の化学式って・・・・・・」
次はメガネをかけて白衣を纏った海未。
「私のシュートでハートのマーク付けちゃうぞ♡ 南 ことり!!」
「ことりの脳トロボイスで脳がトロけそう・・・・・・」
今度はラグロスの衣装姿のことり。
「キュートスプラーッシュ!! 星空 凛!!」
「うん、まぁ、凛ちゃんも比較的まだまともな方、か・・・・・・?」
さらにさらに続いて今度は競泳水着を着用した凛。
「必殺のピンクポンポン!! 絢瀬 絵里よ!!」
「必殺のピンクポンポンってなんだよ!? また絵里のポンコツっぷりが浮き彫りに・・・・・・」
そこからまた続いて両手にポンポンを装備したチアダンス姿の絵里。
「そして私! 不動のセンター、矢澤にこニコ!!」
「誰!!? ってあぁ、にこか・・・・・・。 顔隠してるから分かんなかった。 安定のオチ要因、お疲れさんです・・・・・・」
そして最後に剣道部の衣装を着たにこ。
『私たち!! 部活系アイドル!! μ'sです!!』
「って私顔見えないじゃない!!」
「今気付いたのか? ってかツッコミ所多すぎて俺1人じゃ処理追いつかねーよ!! ちょっと誰かビュティさん呼んできて!!」
1人でμ'sの名乗り時に全員分ツッコミを入れていたからか、紅葉は「ぜえぜえ」と息を切らしており、そんな紅葉に穂乃果は「まぁまぁ」と言いながら彼の背中を摩ってあげるのだった。
「でも何時もと違って新鮮やと思わへん紅葉くん?」
「うんうん!! 希ちゃんの言う通りだとお兄ちゃんも思わない?」
「『スクール』アイドルってことを考えると、色んな部活の服を着るというコンセプトは悪くないわね?」
希や穂乃果、絵里の言いたいことは分かるし、絵里の言う言葉も紅葉は一理あるとは思うのだが・・・・・・。
「でも、これだとなんか・・・・・・」
「ふざけてるみたいじゃない!!」
しかし、数名明らかにふざけているようにしか見えない格好の者もおり、特に最もふざけた格好をしていることもあってか、にこと花陽も流石にこれはどうなのだろうかと意を唱えたのだ。
「そんなことないよ! ほらもう1度みんなで!!」
それに対して穂乃果はふざけてなんかいないと否定し、もう1度みんなでやってみようと言うのだが、そこで「・・・・・・1つ良いですか?」と何か気になった様子の海未が穂乃果に問いかけると、彼女は自分のこの格好は一体なんの部活の格好なのだろうかと尋ねる。
「私のこの格好は一体、なんの部活なのでしょうか?」
「科学部だよ!!」
「・・・・・・では花陽のこれは?」
次に海未が花陽の方に視線を向けながら花陽のこのミカンの格好はなんの部活なんだろうかと穂乃果に尋ねると、穂乃果自身もなんの部活の格好なのかよく分かっていないのか、「多分演劇部?」と疑問系で応えるのだった。
「っていうか、そもそもこれでステージに上がるなんて、有り得ないでしょ!」
「・・・・・・確かに」
「えっ、絵里も今気付いたの?」
真姫のそんな指摘に、絵里は確かにと頷き、今更このことに気付く絵里に紅葉はμ's加入前の彼女に少しだけ戻ってきて欲しいと思わずにはいられなかったのだった。
*
「一体これのどこが新しさに繋がるのよ!!」
「すみません、提案した私が愚かでした・・・・・・」
机をバンッと叩きながら、怒鳴るような声をあげるにこに自分の考えは失敗であったことを謝る海未。
「でも、ちょっと楽しかったね!」
ただ希としては割と面白かったようで満足げな様子だったが、問題はまだ何も解決していない為、にこは「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!!」と他に何か良い案はないのかと頭を悩ませる。
「A-RISEはこうしている間にも日々進化を遂げているのよ!!」
「そうだよねぇ・・・・・・。 うーん、新しさ、新しさ・・・・・・!」
両腕を組みながら、確かににこの言う通りだと思い、自分達の目新しさについて必死に考え込む穂乃果。
「やっぱり、見た目じゃないかな? 1番分かりやすいのは!!」
そこでことりが誰もが一目見て何か印象に残りやすい格好などをしてみるのはどうだろうかと提案し、それを聞いた絵里は衣装を奇抜なものに変えてみるということだろうかと考えるのだが・・・・・・。
「確かに、それが1番手っ取り早いとは思いますが・・・・・・それは既に先ほど・・・・・・」
しかし、ことりの案は既に先ほどやった「様々な部活の格好をする」というものと被り気味であった為、海未としてはあまり良い案のようにも思えず、一同が頭を悩ます中・・・・・・不意に希がタロットカードを取り出してきたのだ。
「ほな、ウチがカードの知らせを伝えるしかないようやな」
そう言いながら希は穂乃果達が見守る中、タロットカードの1番上のカードを引き、それをみんなに見せると、そのカードには「CHANGE」と書かれた文字が刻まれており・・・・・・。
*
その後、学校の屋上にて。
「おっはよーございまーす!! あ、いや。 ごきげんよう」
扉を開けながら何時もの如く元気よく学校の屋上へとやってきたなぜか海未の練習着を着た穂乃果だったが、すぐに彼女はハッとなると穂乃果は丁寧な言葉遣いへと口調を切り替える。
どうやら穂乃果は海未の真似をしているらしい。
「海未! ハラショー!」
「絵里! 早いですね」
「「そして凛も!!」」
すると今度は絵里の練習着を着て髪型も絵里と同じポニーテールにしたことりが穂乃果と互いに挨拶を交わすと、2人は揃って凛の練習着を着用して髪を右に小さく纏めた海未の方へと顔を向ける。
「っ! うっ、うぅ・・・・・・!!」
しかし、今、海未が着ている練習着は前回のライブを切っ掛けに、トラウマを払拭した凛がこれまで練習着はズボンだったものからスカートにシフトチェンジしたものに変わっている為、ミニスカ染みていることもあってか海未は必死にスカートを両手で抑えおり、彼女は顔を恥ずかしそうに赤らめていたのだった。
「うっ、うぅ・・・・・・無理です!!」
「ダメですよ、凛!! ちゃんと凛に成りきってください!! あなたが言い出したのでしょう? 空気を変えてみた方が良いと!!」
穂乃果に言い出しっぺがやらないでどうすると注意され、反論の余地も無かった海未は少しばかり悩んだものの、ようやく意を決したようで遂に観念した彼女は両腕を大きく広げながら、ヤケクソ気味に「にゃー!!」と叫びだしたのだ。
「ううう・・・・・・!! にゃあああ!!! さあ、今日も練習、いっくにゃー!!!!」
「もう海未は本当にヤケクソだな。 可愛らしくはあると思うが。 あと、ことりはちょっと違和感あるけど、穂乃果は流石幼馴染みだけあって、海未の真似結構似てるよなぁ。 こっちは逆に違和感がねえ」
そんな穂乃果達の様子を苦笑しつつ見守りながら、穂乃果、ことり、海未の3人の物真似の感想をそれぞれ言っていく紅葉。
「何それ、意味分かんない!」
すると今度は髪をクルクルと弄りながら真姫の練習着を着て彼女の物真似をする凛が姿を現わす。
「真姫! そんな話し方はいけません!!」
「面倒な人」
口調の注意を穂乃果から受ける凛であったが、凛は変わらずツンッとした態度を取り続け、するとそこへそんな凛の自分の物真似に不満があったのか、屋上の扉の内側に待機していた希の練習着を着た真姫が文句を言いたそうにしながら扉を開け、屋上の外へとやってきたのだ。
「ちょっと凛!! それ私の真似でしょ!? やめて!!」
「お断りします!!」
「うぇ!?」
自分の物真似に不満のあった真姫は凛にやめるように言うものの、凛はそれをあっさりと一蹴してしまい、それに思わず怯んでしまう真姫。
「うっ、くふふ・・・・・・凛ちゃんは真姫ちゃんの物真似上手すぎだろ・・・・・・! ブフォ!!」
穂乃果と違い、凛は真姫とは幼馴染みではないにも関わらずやたら完成度の高い真姫の物真似をする上にあっさりと真姫の物真似で真姫を返り討ちにしたこともあってか、その一部始終を見ていた紅葉は笑いを堪えることが出来ず思わず吹き出してしまい、余程ツボったのか膝をついてお腹を抱えながら床を手でバンバン叩いていた。
「いや笑いすぎでしょ!? こんなんでウケないでよ!! ってなんか前にもあったわねこんなこと!?」
「それよりも! おはようございます、希?」
そこで穂乃果が真姫に話を振ると、希の役割を与えられた真姫は顔を引き攣らせて黙り込んでしまった。
しかし、自分だけ逃げるのは許さないとばかりに海未がすすすっと真姫に近寄ると、彼女を逃がさないように海未は両肩を掴んで離さないようにする。
「あー! 喋らないのはズルいにゃー!」
「そうよ? みんなで決めたでしょ?」
「べ、別にそんなこと・・・・・・!! 言った、覚え・・・・・・ないやん?」
ことりにも言われ、観念した真姫は気恥ずかしそうにしつつも希の口調で喋ると穂乃果と紅葉から「おぉー!!」と感心の声があがり、ちゃんと希の真似が出来たことを2人は称えるのだった。
「希! 凄いです!!」
「海未に続いてよく頑張った!」
そんな時、屋上の扉が開くと真姫に続いて入って来たのはにこの練習着を着て髪もツインテールにした花陽。
「にっこにっこにー!! あなたのハートににこにこにー!! 笑顔届ける矢澤にこにこー!! 青空も~、にこ!!」
流石にこを慕っているだけあって花陽のにこの物真似は中々の完成度を誇っており、ことりはそんな花陽に「ハラショー!」と言いながらサムズアップを見せる。
「にこは思ったよりもにこっぽいわね!」
「にこ!!」
そのようにこの決めポーズを決める花陽であったが、いつの間にか花陽の背後に立っていたことりの練習着を着て髪型も彼女と同じにしたにこ本人は納得していないのか、花陽の左肩を強めに掴むと彼女はなるべくことりっぽい口調を意地したまま自分が抱いた不満を口にする。
「にこちゃ~ん? にこはそんなんじゃないよぉ~?」
「いや、誰がどう見ても言い逃れできないレベルでそっくりだろ。 っていうか・・・・・・」
そこで何か疑問に感じることがあったのか、紅葉は花陽とにこの2人に交互に視線を向けると、「ふむ」と小さく呟いた後、顎に手を乗せて少しばかり考え込む様子を見せる。
(にこの練習着、よく花陽ちゃん着れたよな・・・・・・)
紅葉がなんでそんなことを思ったのかは、敢えて言わずにおこう。
「紅葉くんは私と花陽ちゃんを見比べて何考えてたのかなぁ~?」
最も、にこには半ば考えていることがバレていたようで、彼女は紅葉に対してアイアンクローを繰り出していた。
「痛い痛い痛い! ことりはそんなことしないぞ!!」
ちなみに、ことりはというと自分の真似をするにこを見て顔を引き攣らせていた。
「いやぁ! 今日もパンが美味い!!」
そこに今度現れたのは穂乃果の練習着を着た希であり、ご丁寧にランチパックを持参しながらそれを食べながら現れたのだ。
「穂乃果! また遅刻よ?」
「ごめぇ~ん」
ことりに注意され、呑気な声で謝罪をする希。
一方で自分の真似をする希を見て穂乃果は「自分はあんな感じなのか?」と先ほどのことりと同じように彼女は顔を引き攣らせるのだった。
「私って、こんな・・・・・・?」
「えぇ!」
「大体あんなんだな。 それと、穂乃果の練習着もよく・・・・・・いや、何も言うまい」
花陽の時と同様、希と穂乃果を交互に見て何かを思い、何かを言いかけた紅葉であったが、これは言わないでおこうと黙ることにするのであった。
「私の練習着が何なのお兄ちゃん!? 少なくとも私はにこちゃんよりあるからね!? 私多分平均くらいはあるからね!?」
「アンタ喧嘩売ってる?」
「おいやめ、腕を揺らすな!? 分かったって分かったから! あと、海未の真似忘れてるぞ!」
自分の腕をグイグイ揺らす穂乃果を宥めつつ、「分かった分かった」と彼女の頭を撫でて何時もの通りそれで落ち着かせる紅葉。
そしてそこへ、最後に花陽の練習着を着た絵里が慌てた様子で屋上へとやってきたのだ。
「大変です!!」
「どうしたのです?」
そんな慌てた様子の絵里に、穂乃果が再び海未モードに切り替えながらどうかしたのかと尋ねると、絵里は「すぅーはぁー」と深呼吸し、息を整える。
「み、みんなが・・・・・・!!」
『・・・・・・んっ?』
「みんながぁ・・・・・・!!!! 変よ」
そして、花陽っぽい口調から急に素に戻った絵里が、そのことを指摘すると、ことりは苦笑しながら「そうね」と同意し、他のメンバーも「確かに」と納得するのだった。
*
それから一同が部室へと戻ると、再びインパクトについて話し合いが設けられることになったのだが・・・・・・結局あれから良い案もでず、穂乃果は両腕を組みながら「うーんうーん」と唸っていた。
「このままじゃどんどん時間が無くなっちゃう!」
「結局、何も変えられないままですね」
一同は再び思い悩んでいると、不意に絵里が「ねえ?」と口を開き、何か思いついたことがあるのか、今度は彼女があることを提案したのだ。
「ちょっと思ったんだけど、いっそのこと、一度『アイドルらしい』ってイメージから離れてみるのはどうかしら?」
「アイドルらしくなくって・・・・・・こと?」
「例えばカッコイイ感じとか・・・・・・」
しかし、一口に「カッコイイ感じ」と言っても具体的にどういったものが良いのか分からず、ことりがどんな感じなのだろうかと疑問を抱いていると、彼女の隣に座る真姫は「例えばロックとか?」と咄嗟に思いついたことを口にする。
「あぁ、ちょっと前に流行ってたもんな。 肝心な時にしか役に立たないとかよく言われてるどこぞの橘さんみたいなギタリストの女の子が主人公の漫画」
そのように、「流行に乗っかるのも一興かもな」と呟きながらロック路線になることについては特に文句などもなく、良いのではないかと好意的に受け入れる紅葉。
「でもロックにするんやったら、もっと荒々しい感じとかにした方がええんちゃう?」
だがそれだけではまだ何か足りないのではないかと思った希はどうせロック路線になるならもっと刺激的にした方が良いのではないかと意見を述べ、それににこも同意するように静かに頷く。
「新しいというのは、そういう根本的なイメージを変えること! だとすると・・・・・・」
そして、今までに出された意見を纏めた結果、穂乃果達が出した答えは・・・・・・。
*
「いや、確かにロック路線は良いかもしれないとは俺は言ったよ? 言ったけどさぁ・・・・・・。 なんか俺が思ってたのと全然違う!!」
学校の校門付近の茂みの中にて・・・・・・。
今、紅葉の目の前には白と黒のメイクで顔を塗りたくったデスメタル風の格好となったμ'sの9人が立っており、紅葉としてはもっとこう・・・・・・パンクロックとでも言えば良いのだろうか?
ああいった感じのものを予想していた為、見事に予想斜め上を行ったμ'sに対し、紅葉は呆れたように溜め息を吐く。
「そうよ、本当にやるの?」
「ここまで来て何怖じ気づいてんのよ、アンタ等!」
「兎に角一度、反応を見てみないと・・・・・・!」
真姫も紅葉同様、不安が残るのか、どこかノリ気ではない様子を見せるのだが、物は試しだとして取りあえず1回下校中の生徒の前に現れてみんなの反応を見てみようと絵里は言い、それに穂乃果もコクリと頷く。
「よし、行こう!!」
「あっ! ちょっ、絶対辞めた方が・・・・・・!」
しかし、紅葉の制止も聞かず、穂乃果達は丁度下校途中だったヒデコ、フミコ、ミカのヒフミトリオ3人の元へと向かい、彼女等の目の前へと現れる。
「ヒャア!! 皆さん!! お久しぶり!! 我々はスクールアイドルμ'sである!! 今日はイメージを覆すアナーキーでパンクな・・・・・・」
『新たなμ'sを見ていくが良い!!』
「「「・・・・・・きゃああああああ!!!!?」」」
そんな光景を、茂みの方から様子を伺っていた紅葉は「こっわ・・・・・・」と今のμ'sの姿にドン引きし、ヒフミトリオもデスメタ風μ'sに対して恐怖心を覚えたのか、彼女等は阿鼻叫喚の叫び声をあげながらその場を逃げるように走り去って行くのだった。
「おぉ! これはインパクト大みたいだね!!」
「いけそうな気がするにゃー!!」
「いける訳ねえだろ!!」
だが、ヒフミトリオの叫びを黄色い歓声とでも勘違いしたのか、穂乃果と凛はこれならばインパクトもあると自信満々に言うのだが、即座に紅葉からそんな訳がないと当然ながら言われてしまう。
『アイドル研究部、μ'sの皆さん。 今すぐ理事長室に来てください。 繰り返します』
さらに次の瞬間、校内放送で人様を怖がらせた報いとでも言うように、穂乃果達は理事長室への呼び出しを喰らってしまうのであった。
「ほら言わんこっちゃない。 だから俺は辞めようって言ったのに・・・・・・」
紅葉は学校の方を指差しながら、穂乃果達に呆れた視線を向けるのだが、彼女等は気まずいそうな表情を浮かべながら全員紅葉から顔を逸らすのだった。
「あっ、おいコラ! お前等俺から目逸らすな!!」
*
という訳で、理事長室へと呼び出された穂乃果達。
無論、理事長は現状の穂乃果達の格好を見てなんとも言えぬ表情を浮かべており、一体どういうことなのだと理事長は穂乃果達に今は説明を求めているところだった。
「・・・・・・説明して貰えるかしら?」
「えーっと、なんでだっけ?」
「覚えてないんですか!?」
尋ねられて穂乃果がその質問に対して応えようとしたのだが、すっかり目的を忘れてしまい、そんな穂乃果に忘れてどうするんだと思わず苦言を零す海未。
「まぁ、話が進むごとになんかカオスになっていったからな。 忘れるのも無理はない気もするが」
とは言え、紅葉の言うようにだんだん場が混沌としていったのも事実なので、そんな状況が続けば当初の目的を忘れてしまうのも無理がないような気がしないでもない。
最も、目的を完全に忘れていたのは穂乃果のみではあったが。
「っ、理事長!! 違うんです!! ふざけてた訳ではないんです!!」
「そうなの! ラブライブに出る為にはどうしたら良いかってことをみんなと話し合って・・・・・・!」
「今までの枠に囚われていては新しい何かは生み出せないと思ったのです!!」
そこで絵里とことりが理事長に事情を説明し、海未も2人に続くようにまた新しい道を切り開く為に、試行錯誤の上にやったことだと弁明する。
「そうなんです!! 私達、本気だったんです! 怒られるなんて心外です!」
「そうですそうです!!」
「と、兎に角! 怒られるなんて納得できません!!」
さらにそこで穂乃果と凛が自分達は本気で今までの自分達を変えようと努力した結果なのに、それで怒られるなんて納得できないとまさかの逆ギレ展開を披露し、それには流石の紅葉も「はいっ!?」と思わず驚きの声をあげてしまった。
「いやもう、それ逆ギレってやつじゃ・・・・・・。 つうか、その格好で誰が何言ってもなんの説得力もねえぞ・・・・・・」
「・・・・・・ハァ。 分かったわ。 それじゃ最終予選はそれで出るってことね?」
そしてそんな逆ギレしてくる穂乃果達に対し、理事長は笑顔を見せながら、ならばその格好でラブライブに出るということかと穂乃果達に問いかけると、穂乃果は「え゛ッ!?」と間の抜けた声を出してしまう。
「それならば、今後その格好で活動することを許可するわ?」
「えーっと・・・・・・」
理事長は相も変わらず笑顔であるが、何分圧が強く・・・・・・思わずたじろく穂乃果達。
『すいませんでしたあああああ!!!!』
結局、非は穂乃果達に全面的にある、ということで紅葉含めて彼女達は理事長に頭を下げて謝罪し、深く反省する羽目になったのだった。
*
「どうしてこうなるの!?」
その後、とあるフードコートへとやってきた穂乃果達一同。
ここまで色々と自分達の「インパクト」について考えてやってきてみたが、全く上手く行かないどころか最終的には理事長に怒られる始末。
そのことについて、にこはなんでこんなことになってしまったのだと半ば悲痛な声で叫ぶのだった。
「そうです! もっと真面目にインパクトを与える為にはどうしたら良いか話していた筈です!!」
「最初は海未ちゃんだよ!? 色んな部活の格好をしてみようって・・・・・・」
「それは・・・・・・ですがその後は穂乃果達でしょう!?」
そのように、今度は海未と穂乃果が口論になりかけるのだが、そんな2人に「まぁまぁ」と2人の間に割って入って宥めようとする紅葉。
「2人とも落ち着けよ。 ここで責任の擦り付けあいしてる場合じゃないだろ?」
「そうよ、それより今は衣装をどうするか考えた方が良いんじゃ無い?」
さらに紅葉に同意するように真姫は頷きつつ、もう時間も無いのだから兎に角先ずは衣装の制作を急いだ方が良いのではないかと述べ、それには穂乃果も「そうだね・・・・・・」と呟く。
「・・・・・・」
「んっ? ことりちゃん?」
そんな時、穂乃果はことりの様子が何かおかしいことに気づき、どうしたのだろうかと彼女の名を呼ぶと、ことりは顔をあげ、自分の考えをみんなに向けて発したのだ。
「一応、考えてみたんだけど・・・・・・やっぱり、みんなが着て似合う衣装にしたいなって思うんだ。 だから、あまりインパクトは・・・・・・」
ここまで色々と試行錯誤してみたが、どうやらことりとしては衣装を奇抜なものにしたりするのではなく、今までのようにみんなに似合うであろう衣装を作りたいそうで、その為彼女はインパクトに拘った衣装を作ったりするのはどうにも気分が乗ることができないと意見したのだ。
「でも、それじゃA-RISEには・・・・・・!!」
しかし、日々進化しているA-RISEに対抗するにはこちらも何か強く印象に残る物が欲しいと思わずにはいられないにこ。
そのため、にこはここで妥協することに納得いかず、まだ何かあるのではないかと模索しようとするのだが・・・・・・その後、誰からも良い意見は出ることはなく、本日はお開きにしようということになってしまったのだった。
「・・・・・・なんかさ」
ただ、最後の最後に、ふっと紅葉が口を開くと今日のことを振り返ってインパクトを残す為に良い案が浮かんだという訳ではないが、1つだけ気付いたことがあると言い出したのだ。
「1つ思ったんだが・・・・・・、お前等。 A-RISEに勝つことに拘りすぎてるんじゃないか?」
「それは・・・・・・! そりゃ、ラブライブに優勝するためには・・・・・・」
「『アイドルっていうのは笑顔を見せる仕事じゃない、笑顔にさせるのが仕事』だって、昔そう言ったのはアンタだろ? にこ?」
紅葉の指摘に対し、ラブライブに優勝するならばA-RISEに勝つことは絶対条件も同然だとにこは反論したのだが・・・・・・それに紅葉はかつてにこが言っていた言葉を彼女自身に投げかけ、そのことに言い淀むにこ。
「勝つことも確かに大切だとは思う。 だけど、勝つことに拘って、インパクトを追求した結果のライブをしたとして、それで穂乃果達は心から納得できるライブができるのか?」
紅葉としては、今日ここまでインパクトについて考えて見たが、結局良い案も出なかったことからもしかしたらμ'sは自分達らしいライブをするのが1番なのではないかと彼は思い始めていた。
ラブライブ優勝を目指すなら、勝つことも大切なのも分かっている。
しかし、あまりにも勝つことに拘りすぎた結果、最終的にμ'sは自分達らしいライブをすることが出来なくなってしまうのではないだろうかという不安を紅葉は抱かずにはいられなかったのだ。
「見てくれる人達も、ライブをする自分達も、全力で楽しんでこそスクールアイドルじゃないのかと、俺は思うんだが・・・・・・」
『・・・・・・』
そんな紅葉の言葉に、穂乃果達は黙り込んでしまうのだった。
*
それから、穂乃果達は支払いを済ませた後、フードコートを出ることに。
「・・・・・・どうしたら良いんだろう」
紅葉の言っていたことも理解できるし、一理あるとは思うが・・・・・・。
しかし、だからと言って何時通りの自分達らしいライブをしたとしてA-RISEを超えることなんて出来るのだろうかと不安を口にする花陽。
「それはまた明日考えましょ? 兎に角、衣装作りだけでも始めて行かなくちゃね」
そんな花陽に、絵里は今日はそのことについて考えても仕方がないだろうということで、この話題は明日に持ち越すことにして時間もないので衣装作りを優先しようと花陽に声をかけ、その言葉に花陽も賛同するように小さく首を縦に振る。
「あれ? 穂乃果ちゃんは?」
そこで凛が先ほどから穂乃果の姿が見えなくなっていることに気付き、彼女の姿を探して辺りを見回してみると少し、絵里達から離れた場所でハロウィンの飾り付けがされた木々を見つめる穂乃果の姿があった。
「穂乃果? 置いて行きますよ?」
「ハロウィン飾り付けをジッと見つめて、どうかしたのか?」
そんな穂乃果に声をかけながら歩み寄る海未と紅葉。
2人に声をかけられたことで、穂乃果はハッとした表情を浮かべ、苦笑しつつ2人に「あっ、ごめぇ~ん」と謝罪。
「・・・・・・ねえ、ハロウィンって、昼と夜とじゃ印象が全然違うんだねぇ!」
「日が暮れると、飾り付けられたカボチャや星が光るように出来てるみたいだからな」
「綺麗だなぁ~」
ハロウィンの飾り付けを眺めながら、見惚れるような表情でそれが綺麗だと述べる穂乃果。
「さあ、行くわよ? 遅くなるわ」
だが、既に日も暮れて暗くなり始めていることからもう少しハロウィンの飾り付けを見ていたい気分ではあったものの、これ以上はライブの準備もあるのに遅くなってしまうと穂乃果に声をかける絵里。
それに穂乃果は頷き、一同は残された時間で今日は進められるところまでライブに向けての準備をすることになるのだった。
*
その後、衣装係であることりと比較的手先の器用な花陽やにこ、紅葉は衣装作りの方に回され、ことりの家の彼女の部屋で製作することに。
正直、紅葉としては女性の服を作るということは穂乃果達のスリーサイズなんかも把握しないといけなくなるので、男性の自分が作るのを手伝っても良いものなのだろうかと若干の抵抗はあったものの、ことりが言うには基本的にはミシンなどで糸を縫ったりするだけであまりスリーサイズなどは関係ない部分を担当して貰うのだとか。
何よりも、ことりとしては今は猫の手も借りたい時なのでどちらにせよ手先が器用な人が1人でもいてくれると助かるのだという。
という訳で、ことり、にこ、花陽、紅葉の4人は衣装作りに専念することとなり、他のメンバーはそれ以外の準備をすることに。
しかし、比較的に手先が器用ばメンバーと言ってもミスしてしまうのは誰にもあることで・・・・・・。
「あっ! うぅ、ごめんなさい・・・・・・間違えちゃった・・・・・・」
ミシンを使っていた花陽は少しばかり衣装の縫う場所をミスしてしまい、彼女は慌ててことり達に謝り、自分のせいでまた準備が遅れてしまうと花陽は落ち込んでしまう。
「慌てなくて良いからな、花陽ちゃん? 急ぐ気持ちも分かるが、急ぎすぎて肩に力入れすぎると余計にミスしちまうぞ?」
「う、うん、ありがとう、紅葉くん・・・・・・」
そんな落ち込んだ様子を見せる花陽に、すかさずフォローを入れる紅葉。
「・・・・・・おかしいと思うんだけど?」
その時、どこか不満げな表情で唐突ににこが口を開くと、ことりはそれに「んっ?」と首を傾げる。
「なんで私達が衣装作りやってんの!!?」
「みんなは、ライブの他の準備があるから・・・・・・」
「ここにいる奴等は全員手先が器用な方だからな。 衣装作りの方に回されるのも当然だろう」
一応、自分達が衣装係に回された理由を花陽や紅葉がにこへ説明するのだが、どうやらにことしては衣装作りに自分が回されたことに何か不満があるのか、にこは不機嫌そうな態度を見せ、花陽や紅葉に対して「よく言うわ」とどことなく当たりの強い口調で呟く。
「下らないことで、時間使っちゃっただけじゃない!!」
さらに言えば、にこが不機嫌な理由は衣装係に回されただけではなく、今日一日インパクトを求めた結果、結局何も良い打開策が浮かばず、時間を無駄にしてしまったからか、その為に彼女は先ほどからイラついているのだろう。
「私は、無駄じゃなかったんじゃないかな?」
しかし、ことりは今日過ごした時間は決して無駄なんかではなかったのではないかとにことは真逆の言葉を述べ、にこは「どこが?」とそんなことりの言葉に疑問を浮かばずにはいられなかった。
「私は、楽しかったよ? おかげで衣装のデザインのヒントも貰えた」
そんなことりの言葉に、紅葉も気持ちは彼女と同じなのかコクリと頷く。
「衣装係って言われて、損な役回りに慣れちゃってるんじゃない?」
だが、それでも納得できないのか、ことりの言葉に対し、少々嫌味な言い方をしてしまうにこ。
「おい、ちょっと今の言い方はどうかと思うぞ、流石に。 あと、衣装係って結構重要な役回りだと思うんだが俺は・・・・・・」
そんなにこの棘のある口調に、彼女の今日一日時間を無駄にしてしまったという気持ち自体は分かるものの流石にことりに当たり散らすような言い方はどうなのだろうかと苦言を零す紅葉。
しかし、ことりはにこの言い方に対して特に気にした様子は見せず、彼女は紅葉に「大丈夫だよ?」と声をかけると彼はことりの表情を見てここは彼女とにこの2人だけで話し合わせるべきかと判断し、紅葉は口を閉ざすことに。
「私は私の役目がある。 今までだってそうだよ? 私はみんなが決めたこと、やりたいことにずっとついて行きたい。 道に迷いそうになることもあるけれど、それが無駄になるとは私は思わない」
先ほどのにこの言葉に応えるように、ことりはそうにこに言葉を返すと、にこは何か思うところがあるようで反論するようなことはせず、ことりはそっと自分が今取り掛かっている衣装をにこに見せる。
「この衣装はにこちゃんのだよ?」
「っ・・・・・・」
「みんなが集まって、それぞれの役割を精一杯やり切れば、素敵な未来が待ってるんじゃないかな?」
最後に、ことりがにこにそう言い放つと、彼女は再び衣装製作に取り掛かり始めるのだった。
*
それから、数日が経過し、ライブ当日の2日前にて。
今日一通りのライブの練習を終え、帰宅することになった穂乃果達だったのだが、突然紅葉の「折角イベントやってるんだから俺達もハロウィンで仮装しようぜ!!」という一言により、今も開催されているアキバハロウィーンフェスタに紅葉の言われるがままなぜか仮装して突然参加することになったμ's一同。
無論、ライブ本番の日が迫ってるにも関わらず、そんなことをしている暇があるのかと思われるかもしれない。
実際、μ'sメンバーも穂乃果や希、凛などは比較的に紅葉の提案にノリ気ではあったのだが、海未や絵里に真姫、にこからは「そんなことしてる暇あるのか?」と当然ながら否定的な意見も出てきた。
しかし、何も紅葉としても単に遊び呆ける為だけに仮装して参加する訳ではなく、ちゃんと紅葉なりに、μ'sの活動にもプラスになるようにと考えてのことだった。
というのも、やはりというべきか、インパクト云々の話があれから進展することもなく、時間がなかったこともあって結局何も良い案が浮かばなかった為、その代替案として紅葉はμ'sもライブのみならず仮装してイベントに参加することで他に参加している人々などに身近な存在として感じて貰おうと考え、仮装してのイベント参加を提案したのだ。
それに、既に今日のライブの練習は終了しているし、衣装も完成自体はしている。
なので今ならば多少の余裕もあるということで紅葉の提案を聞いた海未達も若干の戸惑いはあるものの承諾し、今日は紅葉とμ's全員が仮装してイベントに参加することになったのだ。
「まぁ、俺自身仮装して楽しんでみたかったというのもあるにはあるんだけどな」
「お兄ちゃんよく似合ってるね!! カッコいいよ!!」
尚、スクールアイドルがライブまでやること自体は知らなかったが、元よりこのイベントが開催されることを知っていた紅葉は前々から自分で用意していた穂乃果と一緒に観ていた海外ドラマ、ARROWファイナル・シーズンバージョンのグリーンアローの衣装を着ており、彼の隣に立つ穂乃果は同作のドラマで主人公の妹が扮する女性ヒーロー、「スピーディ」のコスチュームを身に纏っていた。
「穂乃果もスピーディ似合ってるな」
「うんうん!! 私は2人の衣装の元になった作品は知らないけど、紅葉くんのはカッコイイと思うし、穂乃果ちゃんかっこ可愛い~!」
そこへ赤いマフラーを身につけ、赤いメガネをかけた忍者風のコスチュームに身を包んだことりがうっとりとした表情でスマホを構えながらパシャパシャと穂乃果を撮影しまくり、写真を撮られる穂乃果は少しばかり照れくさそうにしつつもポーズをビシッと決めたりなどして見せるのだった。
「あっ、紅葉くんスマホの画面に入っちゃうからもうちょっと穂乃果ちゃんから離れて」
「いや、穂乃果撮るなら俺も撮れよ! 一応穂乃果と併せてやってんだからな!?」
ちなみに、紅葉や穂乃果の着ている衣装は紅葉自身が用意したものであるが、今ことりが着ている衣装や他のμ'sメンバーが着ている衣装は全てイベントで貸し出しが許可されている衣装だったりする。
「それよりも、ことりちゃんの着ている衣装は・・・・・・くノ一?」
穂乃果が首を傾げながらことりの着ている衣装について問いかけると、ことりは「えへへ」とはにかむように笑いながらターンを決めてみせる。
「うん! 何かのアニメの衣装みたいんだけど、なんかこの衣装見た瞬間ビビッと来て・・・・・・」
すると、そんな時、穂乃果とことり、紅葉の3人はは木の木陰で身を隠し、モジモジソワソワとした様子で顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている海未の姿を発見すると穂乃果とことりの2人は彼女の傍へと歩み寄り、物陰から出るように促す。
「ほらほら! 海未ちゃんもそんなところに隠れてないでみんなのところに出て行こうよ!!」
「うっ、うぅ・・・・・・で、ですが! 2人が選んだこの衣装、なんだか少し恥ずかしくて・・・・・・」
どうやら、穂乃果と海未の会話の内容から察するに木陰に隠れてよく見えないが、今海未が着込んでいる衣装は穂乃果とことりが選んだものらしいのだが、それが少々恥ずかしいとのことで彼女は中々そこから動こうとしてくれなかったのだ。
海未が恥ずかしがる衣装、ということはもしや露出度が少々高めのちょっと際どい感じの衣装なのだろうかと疑問に思い、そのことについて紅葉がことりに尋ねると彼女が言うには「別にそこまで露出度の高い衣装じゃないよ?」とのこと。
それから、その場に留まり続けようと必死に抵抗しようとした海未ではあったが、結局は穂乃果とことりの2人に手を引かれる形で強引に人前に連れ出されてしまい、ようやく今の海未の姿の全貌を目撃した穂乃果とことりは2人揃って「おぉ~!」と歓喜の声をあげたのだ。
「うっ、うぅ、恥ずかしいですぅ・・・・・・」
「海未ちゃん、セクシー!!」
「大人って感じがするねぇ~!」
そして、海未が着ている衣装というのが金色のラインが走った漆黒のコスチュームであり、さらには耳にはエルフを思わせる長い耳の飾りが装着されており、ことりが言っていたようにそこまで露出度の高い衣装ではなかった。
(確かに露出度はそこまで高くないが・・・・・・)
とは言っても、割と身体のラインなどが結構ハッキリと出そうな感じの衣装な上、胸元がちょっと空いててしかもタイツ越しというどことなくアダルティな雰囲気の衣装であり、恐らく海未が恥ずかしがっているのはそういった部分だったのだろうなと紅葉は一人納得するのであった。
「わあ! 凛ちゃん、その衣装とっても似合ってて可愛いよ!!」
「中々似合ってるんじゃない? 凛?」
「えへへ、ありがとう、かよちん! 真姫ちゃん!」
一方、先に仮装用の衣装に着替え終え、凛の着替えを終わるのを待っていた花陽と真姫はパーカーを被り、トリケラトプスを思わせる仮装をした凛を見て、特に花陽は目をキラキラさせながら真姫と共に彼女に駆け寄っていた。
「っていうか、それってトリケラトプス?」
「多分、そうだと思うんだけど・・・・・・ただことりちゃんと同じように、なんかね、凛もこの衣装見た瞬間運命的なものを感じて・・・・・・。 あとなぜか『ソウルライド!』って叫びたくなって・・・・・・ってそれよりも! かよちんや真姫ちゃんの衣装だって可愛いにゃ~!」
(・・・・・・なんか、凛ちゃんのあの格好どっかで見たことあるんだよなぁ・・・・・・)
また、花陽と凛、真姫は互いに自分達が着た衣装を楽しげにワイワイと話している3人の姿を遠目に見ながら、紅葉は凛の格好がどこかで見たことがあるような気がしてならず、両腕を組みながら「うーん?」と首を傾げるのだった。
「それで、えりちの衣装は・・・・・・どこかの部隊の隊員服?」
他のメンバーと同様に、ハロウィンの仮装として青い制服を身に包み、青いネクタイをつけた格好で黒髪ツインテールのウィッグを被った絵里に視線を向けながら、希は彼女にそれはなんの衣装なのかと尋ねるのだが、絵里はイベントスタッフに何かお勧めの衣装があるかと聞いて、スタッフが選んでくれた衣装を着ただけなので特になんの衣装なのかというのは絵里にも分からなかった。
「ただ1つ言えるとすれば、なんだかよく分からないけどこの衣装凄くしっくり来るのよね」
「確かに似合ってはおるな。 なんか今にもツインテールから鋸発射しそうな雰囲気あるわ。 そして、最後はにこっちやけど・・・・・・」
そう言いながら希がキョロキョロと辺りを見回しながらにこの姿を探すと、セーラー服のような衣装を着て、黄色いシュシュでツインテールにしているウィッグを被ったにこの姿を発見した。
(いや、例のク〇アニメやん)
「なんか私だけ微妙に納得できない!」
一応、絵里同様にスタッフにお勧めされたことや他に自分の身体に合うサイズの衣装で特に良いのが見当たらなかった為、にこはこの衣装を着た訳なのだが・・・・・・妙に自分だけなんだかネタ的な感じがして仕方がなかった。
「あとついでに妙に身体に馴染んだ感じがするのがちょっと腹立つわね!」
そこまで言うならば着なければ良かったのでは・・・・・・と思うかもしれないが、それだと他のみんなが仮装してる中自分だけ浮いてしまっている感じがして嫌だった為、にこは渋々ながらも着ることを選んだのである。
ただ、そんな時のことだった。
「すいませーん、一緒に写真撮っても良いですかね?」
そこへにこの元へ、グレーのスーツを着込んだヤクザ風味のいかにも厳つい格好をした妙に渋い声で世間一般的にあまりよろしくないゲーム主人公みたいな見た目の男性が現れると、にこは急に話しかけられたこともあり、思わず「ひゃい!?」と返事をしてしまい、声をかけてきた男性の方へと振り返る。
「あの、μ'sの矢澤 にこさんですよね? 僕、大ファンでして・・・・・・! 写真良いですかね!?」
「えっ、あっ、勿論大歓迎にこ♡」
写真を求められたことに僅かながら動揺したにこであったが、そこは流石彼女がアイドルとしての意識が高いこともあってすぐさま臨機応変に対応し、男性の頼みを快く引き受け、一緒にツーショット写真を撮るファンサービス精神を見せるのだった。
「ライブも友人とか連れてきて是非とみ見に来てくださいねー!!」
写真を撮り終えたにこはしっかりとライブの宣伝もしつつ手を振りながら男性と別れ、一部始終を見ていた絵里は「流石にこね」と感心するのだった。
「紅葉くんの提案、見事に功を成したってところやね」
さらに、他のμ'sメンバーの様子を見れば全員それなりに注目されており、一緒に写真を撮ったり握手を求められたりと、先ほど希が言ったようにこの結果を見ると紅葉がインパクト云々の代替案として考案したこの作戦は見事に成功したと言っても過言ではないだろう。
「思ったよりも注目されてて良かったね、お兄ちゃん!」
「そうだな。 それに割と楽しいし」
想像よりも自分達が注目されたことに穂乃果はどことなく満足げに笑い、紅葉も彼女に同意するように頷くと・・・・・・。
その時、2人の前をロリポップを持った子供達が横切るのが見え、紅葉は「美味そうなロリポップだな」と思いながら周りをよく見てみると、この近くで出店している屋台か何かの店で売ってあるのか、ロリポップを持って美味しそうに食べている子供達の姿が見え、それを見て自分もロリポップが欲しくなった紅葉は近くにいた少年少女達にどこで売ってあるのかを尋ねた。
「ねえ、それ美味しそうだね。 良かったら売ってる場所を俺にも教えてくれないかな?」
紅葉にロリポップの売ってある場所を尋ねると、子供達はある一定の方向を指差して「魔女の仮装をしたお婆さん」がやっているお店だと教えて貰い、場所を教えられた紅葉は「ありがとう!」と子供達にお礼を述べた後、穂乃果を連れて子供達に教えられた場所まで歩き出すのだった。
「お兄ちゃんは本当に食い意地張ってるね・・・・・・。 私でもそこまでいっぱい食べないよ?」
「何言ってる! ハロウィンと言えばお菓子! こういうイベントに参加してるからには売ってあるお菓子は買わなきゃ損だろ!」
紅葉の大食感ぷりには穂乃果ですら呆れてしまうが、彼はイベントに参加している以上、そこで売られている食べ物を買うのが礼儀であると主張し、その意見は確かに一理あるかもしれないがとは思うもののなんか紅葉が言うと微妙に納得できないと考える穂乃果であった。
「夢をいっぱい持つ子は集まっておいでぇ~! 夢をいっぱい持っている子達には褒美にただで美味しいキャンディをあげよう~」
そうこうしている間に魔女の老婆の仮装をした人物が出店している店に辿り着くと、店には既に多くの子供達が集まっており、老婆はそんな子供達に気前よく「ただ」でロリポップを配っているところだった。
「ただとはなんて気前が良い」
「ただだからって全部頂戴って言わないでよお兄ちゃん?」
「流石にそこまで大人げない真似しねーよ!!」
それになにより、見たところロリポップが無料なのは老婆の台詞から察するに恐らく子供のみ。
高校生の自分達も未成年とはいえ対象に含まれるのかは微妙なところではあるが、有料なら有料で買うつもりなので紅葉は老婆に穂乃果の分も合せて「キャンディおーくれ!」と注文するのだが・・・・・・。
「悪いねぇ、お兄さん、お姉さん。 お2人さんは高校生ぐらいだろ? このキャンディは幼稚園児とか、小学生や中学生ぐらいの子供だけを対象に配ってるんだよ。 数にも限りがあるし、子供達を優先させてあげたいのさ」
「あっ、そうなんですか・・・・・・」
老婆は紅葉や穂乃果に対して申し訳無さそうにしつつ、2人にロリポップを配ることはできないと謝罪すると、そういう理由があるのならば仕方無いとキャンディを貰えなかったことを少しばかり残念そうにしつつ、紅葉はロリポップの入手を諦めるのであった。
「にゃー。 凛もキャンディ欲しかったにゃー」
「うおっ!? 凛ちゃんもいたのか」
いつの間にかすぐ傍まで来ていた凛に思わず驚きの声をあげつつ、彼女もまたロリポップを求めてここにやってきたのかと紅葉が尋ねると、凛は「そうなんだよぉー」と首を縦に振り、彼女もまた紅葉同様にロリポップを貰えなかったことを残念そうにしていた。
「まぁ、駄菓子屋とかに行けば売ってあるし、そこまで残念がることないと思うよ凛ちゃん?」
そんな残念がる凛に対し、彼女と一緒に行動していた花陽が励ましの言葉を送るのだが、凛も紅葉も確かに花陽の言う通りだとは思うのだが、この辺りには駄菓子屋はないし、子供達があんな風に食べている姿を見ると今すぐ無性に自分も食べたくなってしまうのはどうしようもないことだった。
とは言え、老婆から貰えないなら帰り際にでも駄菓子屋に寄り道して買って帰るしかないかと紅葉も凛も考え、今は我慢しようと決めるのであった。
「まぁ、俺達は貰えなかったが、どちらにしても中々に気前の良い婆さんだったな」
「子供好きなのかな?」
結局、紅葉達はキャンディを貰い損ねはしたものの、それでも無料でキャンディを配る老婆には感心したような声をあげ、キャンディ配りを頑張るよう心の中で応援しつつ、紅葉、穂乃果、凛、花陽の4人がその場から離れようと歩み出そうとした瞬間、ふっと紅葉は老婆の背後にあった建物の窓ガラスを見て、その窓ガラスに何か違和感のようなものを感じ取り、思わず足を止めてしまった。
(あれ? なんか、あの婆さんの後ろにある窓ガラス、違和感が・・・・・・)
なぜ、その窓ガラスに違和感を感じるのか、気になった紅葉は目を懲らし、ジッと老婆の後ろの窓ガラスを見つめると・・・・・・そこで紅葉は窓ガラスには子供達などは姿が映っているにも関わらず、あのキャンディを配っている老婆の姿だけが窓ガラスに映っていないことに気付いたのだ。
(あの婆さん、窓ガラスに姿が映っていない!? どういうことだ・・・・・・!?)
すると、そんな紅葉の自分を怪しむ視線に気付いたのか、老婆はキャンディは未だに幾つも残っているにも関わらず、早々に「店閉まい」だと言ってキャンディの置いてある台車を押し、その場から逃げるように去ってしまうのだった。
「おい、アンタちょっと待て!」
「えっ、ちょっ、お兄ちゃん!?」
紅葉はそのように走り去っていく老婆を急いで追いかけ、穂乃果達も彼の突然の行動に困惑するが、すぐに紅葉の姿も老婆の姿も遠く見えないところに行ってしまい、あっという間に2人の姿が見えなくなってしまったのだ。
「紅葉くん、そんなにあのロリポップ食べたかったのかにゃー?」
「いや、流石に私のお兄ちゃんでもそこまで卑しん坊じゃ・・・・・・」
無い、とは言い切れない部分もあるが、紅葉のあの様子からして何かただ事ではないのかもしれないと考え、取りあえず、穂乃果は自分は少しこの辺りをウロウロして紅葉を探してみると凛と花陽に伝えると、彼女は1人でこの場を離れていくのだった。
「あっ、うん、気をつけてね穂乃果ちゃん!」
「急にどうしたんだろうね、紅葉くん?」
紅葉を探しに自分達から離れていった穂乃果の背中を花陽と共に見送りつつ、ロリポップがどうしても欲しかったのではなかったのなら紅葉が急に老婆を追いかけていったのはなんでだろうと疑問に思い、首を傾げる凛。
そんな時、「凛ちゃん」と小さく自分を呼ぶ幼い少女の声が聞こえ、声のした方へと凛が振り返ると、そこには恐らく、あの老婆から貰ったであろうロリポップ2つを両手に持った少女がいたのである。
「おねえちゃん、μ'sの星空 凛ちゃんでしょ!?」
「そ、そうだけど・・・・・・」
「やっぱり! 私、ずっと前から凛ちゃんのファンだったの!!」
「ふぇっ? ファ、ファン!?」
いきなり目の前に現れた小さな女の子に凛は戸惑いながら、その子は一体自分に何の用なのかと不思議そうに尋ねると、その少女は興奮気味に自分がアイドルのμ'sの大ファンであることを凛に伝えてきたのだ。
「このまえのね、ファッションショーのライブも凛ちゃん凄く可愛かった! 私、ますます凛ちゃんのこと好きになっちゃった!」
「え、えへへ、そう言ってくれると嬉しいにゃー。 いつも応援ありがとう、これからも、応援よろしくね!」
その女の子に対し、照れくさそうにしつつも凛は何時も応援してくれる少女にお礼を述べ、少女の方も嬉しそうに「うん!」と頷くと、少女は右手に持っていたロリポップを「凛ちゃんにあげる!」と言いながら差し出したのだ。
「えっ、良いの?」
「うん! あのキャンディ配ってたお婆さんに弟が夢をいっぱい持ってるんだって話したら、もう1個くれたんだ!!」「そうなの? でも、それ弟に怒られないかにゃ?」
「大丈夫だよ! だって弟も凛ちゃんのファンだもん!」
少女はそう言いながら凛にロリポップを渡すと、そのまま笑顔を浮かべたまま「バイバーイ!」と手を振りながら立ち去っていき、ちょっとだけあの少女の弟さんに申し訳無いなと思うものの、既にあの少女の姿はもう見えないところにまで行ってしまっている為、返すこともできず、取りあえず、このままずっと手に持つのもアレなので有り難くあの少女のご厚意に甘えて頂戴することにするのだった。
「良かったね、凛ちゃん!」
「うん、ちょっと申し訳無い気もするけど、ファンだって言ってくれたのも含めて、なんだか嬉しいにゃー」
*
一方その頃・・・・・・。
あの老婆を追いかけていた紅葉はというと・・・・・・。
「あの婆さん、どこに行きやがった?」
何もない野原の広がる場所へとやってきた紅葉であったが、ずっとしっかりと老婆の後ろを追いかけていた筈なのに、老婆はいつの間にか紅葉の目の前から消え去っており、辺りをキョロキョロと見回していると不意に、紅葉の背後に先ほどまで無かった筈の不気味な雰囲気を醸し出す古びた屋敷のようなものが現れたのだ。
「っ、こいつは・・・・・・」
そんな怪しげで不気味な雰囲気を醸し出す屋敷の存在に気付いた紅葉は、突然現れたこの屋敷があの老婆とも何か関係があるのではないかと思い、警戒をしつつも屋敷の中に入ってみることに。
尚、屋敷に鍵はかかっておらず、紅葉はすんなりと屋敷に侵入すると、屋敷の中はとても薄暗く、まさに外見通りの雰囲気を漂わせていた。
「・・・・・・」
そこから紅葉は警戒を怠らず、仮装用に用意していた弓と矢を構えながら、屋敷の中を進んでいき、あの老婆がいないかと建物の中を捜索していく。
尚、この紅葉が仮装用に用意した弓矢だが、プラスチック製なので殺傷能力はないが、人に当たればそこそこ痛いのである程度の武器としては一応使えなくもなかったりする。
勿論、本来は人に向けて撃ったりしてはいけないので注意が必要だが。
そして、ある程度進んでいくと紅葉はある1つの扉を発見。
『フヒヒヒヒ・・・・・・! アハハハハ!』
すると、その時紅葉の見つけたその扉が独りでに開くと扉の中は光が放たれていてよく見えなかったが、そこからあの老婆の笑い声が聞こえ、彼は弓矢を構えたまま、その扉の中へと入っていく。
「公園・・・・・・?」
その扉の先を抜けると、そこにはどこか不思議な雰囲気のある公園があり、その際紅葉が入ってきた扉は消滅。
「っ、閉じ込められちまったか」
どうにかここから抜け出さなければと考えつつ、どこかに出口に繋がる場所はないかと辺りを見回してみると、そこで紅葉は公園の中央に蹲る3人の少年達を発見した。
「なんでこんな不気味なところに子供が・・・・・・。 おい! 君ら、大丈夫か?」
こんな場所に子供達がいることを不思議に思いながらも、紅葉が心配して少年達に声をかけると少年達は紅葉の声に反応して顔を振り向かせる。
しかし、その子供達は驚くほどに肌が白く染まっており、どこか魂が抜けたような虚ろな表情をしていたのだった。
「これは・・・・・・!」
そのことに、紅葉は驚きの表情を浮かべていると、彼は背後に殺気を感じ取り、振り返るとそこには左手が鋭利な剣の形状をしている巨大な人型の怪物、「異次元人 ギランボ」が立っており、ギランボは不気味な笑い声をあげながら顔の中央に存在するクリスタルのような部分から紫色の光を紅葉へと放って来たのだ。
『フヒヒヒヒ!!』
「っ!!」
後ろに子供達がいる為に、ギランボの放つ光を躱せなかった紅葉は咄嗟に腰につけていたカードホルダーからウルトラマンのカードを取り出し、それから発生させるバリアでどうにかギランボの光を防ぐ。
「おい!! 早く逃げろ!!」
紅葉は後ろにいる子供達にすぐにここから離れるように言うと、子供達は言われた通りに一目散にその場から逃げ出していき、紅葉はオーブリングを取り出し、オーブへと変身しようとするのだが・・・・・・。
そうはさせまいとギランボは左手の剣を紅葉へと振りかざし、直撃こそなんとか避けたものの、剣が地面に突き刺さった時の衝撃による風圧で紅葉は吹き飛ばされてしまい、その際に彼は木に身体をぶつけ、後頭部を強く打ってしまったが為にその場に倒れ混んでしまい、気を失ってしまうのだった。
「があ!?」
『ヒハハハハ!!』
*
その頃、紅葉を探していた穂乃果はというと・・・・・・。
「お兄ちゃん、本当にどこに行っちゃったんだろう?」
未だに彼女はあの魔女を追いかけて行った紅葉を探していたのだが、一向に彼の姿を穂乃果は見つけることができずにいた。
一応、穂乃果は紅葉のスマホにも連絡を入れたのだが彼からの返事もなく、もうすぐ日も暮れてしまうのでそろそろ帰らなければならないといけないので困り果てているとぬっと自分の背後に人の気配を感じ、振り返るとそこには仮装した姿の紅葉が立っていたのだった。
「わあ!!? もう、ビックリしたぁ~。 驚かさないでよ、お兄ちゃん! どこ行ってたの!?」
そんな風に、突然現れた紅葉に対してぷくぅっと頬を膨らませながら、勝手にいなくなったことに文句を言う穂乃果。
「あぁ、悪かったな」
そのように怒る穂乃果に、紅葉は「すまん」と頭を下げながら軽く謝罪すると、穂乃果はそろそろ帰らないといけないので着替える為の更衣室の前まで一緒に行こうと言って彼の手を握るのだが・・・・・・その瞬間、紅葉の手を握った瞬間、穂乃果は何かの違和感を感じ、彼女はジッと紅葉の顔を見つめる。
「っ、アレ? なんか・・・・・・何時もと・・・・・・」
「・・・・・・どうした? 穂乃果?」
そんな穂乃果に、紅葉は不思議そうに首を傾げ、どうかしたのだろうかと問いかけると、穂乃果はスンスンと紅葉の傍に寄って鼻を動かし、穂乃果は紅葉のことを怪訝そうな表情を浮かべながら見つめ、警戒心を露わにしつつ、紅葉からゆっくりと離れていく。
「お兄ちゃんの香りがしない。 手を握った時の感覚が何時もと違う・・・・・・! あなた、誰・・・・・・?」
「なに・・・・・・?」
以前、ノワール星人ガイドスと呼ばれる宇宙人が紅葉に化けたことがあったからか、あの時とは違い夢の中ではなく現実世界だったこともあり、穂乃果は即座に今目の前にいる人物が紅葉ではなく、全くの別人であることを見破ると、偽者の紅葉は歯がゆい表情をしながら舌打ちし、偽紅葉はバッと右手を穂乃果にかざすとそこから紫色の煙のようなものを放ち、それを受けてしまった穂乃果は強烈な眠気に襲われてしまい、彼女はその場に倒れそうになってしまう。
「おっと」
そんな倒れそうになった穂乃果を受け止めると、偽紅葉はニヤリとした笑みを浮かべるのだった。
「あれ? 穂乃果!?」
「穂乃果ちゃん、どうかしたの!?」
すると、そこへ偽紅葉達の様子に気付いたことりと海未が心配げに2人の元へと駆け寄ってくるのだが、偽紅葉は「心配ないよ」と声をかけながら、穂乃果はただ疲れて眠ってしまっただけだと説明し、海未とことりが穂乃果の表情を確認すると確かにスヤスヤと寝息を立てて眠っているだけのようだった。
「ちょっとはしゃぎすぎたんだろうなぁ」
「あははは。 まぁ、穂乃果ちゃんらしいと言えばらしいかな?」
「確かにらしいと言えばらしいですが、全く! だとしてもこんなところで寝てしまうなんてどれだけだらしないんですか!!」
偽紅葉の胸にもたれるように眠っている穂乃果に対し、苦笑することりとだらしないとぷりぷり怒る海未。
「取りあえず、悪いがこいつの制服とか更衣室まで取って来て貰えるか? 俺はこのままこいつを家に運んでいくよ」
「ハァ、分かりました。 行きましょう、ことり」
「うん」
偽紅葉は海未とことりに穂乃果の着替えの制服を更衣室まで取って来て貰うように頼むと、海未とことりは偽紅葉の頼みを頷いて快く引き受け、2人で女性用の更衣室まで穂乃果の着替えを取りに向かうのだった。
*
そして・・・・・・。
その日の夜、ギランボに気絶させられた本物の紅葉はというと・・・・・・。
「んあっ・・・・・・、っつぅ」
強く打ち付けた後頭部を抑えながら、目を覚ますと紅葉は魔女の住み処となっている屋敷の中のとある部屋に設置されていたカプセルのようなものに閉じ込められており、彼は脱出しようと内側からカプセルを強く殴りつけるもののカプセルはビクともせず、紅葉は完全に閉じ込められていたのだった。
「クソ、俺としたことが、とんだヘマしちまったな。 ってか俺の着ていたグリーンアローの衣装どこいった?」
どうやら、あの偽紅葉が着ていた衣装は本物の紅葉から奪ったものだったらしく、彼は今下着姿でカプセルに閉じ込められている状態であり、オーブリングとフュージョンカードの入ったカードホルダーもあの魔女によって取り上げられてしまったようで、目の前にある棚の上にそれらは置かれていた。
そのことからこれではオーブに変身して脱出することもできず、紅葉はどうここから出るべきかと悩んでいると・・・・・・。
「ら~ら~ららら~、ら~らら~」
不意に、背後から子供が歌う声が聞こえ、紅葉が声のした方へと顔を向けるとそこには公園の遊具などで見掛けるような馬の乗り物に乗って遊ぶ幼い少年の姿があり、紅葉は少年に向かって必死に呼びかける。
「おい君! 俺をここから出してくれないか!? なあオイ!!」
しかし、幾ら呼びかけても少年からの返事は無く、それどころかこちらを見ようともせず、さらによく見ればその少年はどこか虚ろな表情を浮かべており、その姿はまるで浮遊病患者のようだった。
そのことから、紅葉はこの少年もあの魔女に何かされて正気ではなくなっていることに気づき、カプセルのガラスを叩きながら「ダメか・・・・・・」と呟き、思わず溜め息を吐いてしまう。
そんな時、紅葉のいる部屋の扉が開くとそこからあの老婆が現れ、紅葉はカプセルのガラスを叩きながら老婆に自分をここから出せ、せめて子供達を解放しろと必死に叫んだ。
しかし、老婆は紅葉の言葉の一切を無視し、馬の乗り物に乗る少年の元へと歩み寄る。
「おい婆さん!! 聞いてんのか! 俺をここから出せ!! いや、あの公園にいた子供達含めて、せめて子供達だけでも解放しろ!! オイ、聞いてんのか! そこの子供に近づくな!! 無視すんなっての!!」
しかし、やはりと言うべきか紅葉が幾ら老婆に呼びかけても、老婆からの返事はなく、老婆は少年の傍で口を大きく開けると子供の耳から虹色の粒子のようなものが溢れ出し、老婆はそれを口の中へと吸い込んで食べてしまったのだ。
すると、その少年の肌の色が白く染まり、あの公園にいた少年達のように肌が白く染まり、少年はぐったりとその場に倒れこんでしい、その光景を見た紅葉は目を見開き、老婆を睨み付ける。
「お前・・・・・・!! その子に何をしやがった!?」
「夢を全部吸い取ってあげただけさ。 どうせ、大人になるまでに人形や玩具のように捨ててしまうんだからねぇ。 いらないなら、私がそれを貰っても構わないだろう? 何か問題でもあるのかい?」
紅葉の問いかけに対し、特に悪びれる様子もなく、老婆はそう応えると紅葉は老婆を睨み付けながら「ふざけんな!!」と怒鳴りあげ、怒りを露わにする。
「確かに、お前の言うように大人になるまでに夢を捨てちまう子供は多いとは俺も思う。 だがな、それを誰かが奪う権利なんて誰にもねえ!! だからさっさとその子を夢をその子に返せ!!」
「あーあーあー、全くうるさいねぇ」
紅葉は老婆に子供から奪った夢を返すようにと要求するものの、当然ながら老婆は素直にそれに従う筈もなく、先ほど夢を奪った少年に手をかざすと、少年は最初からそこにいなかったかのように消し去ってしまったのだ。
「お前!! 今度はあの子に何をした!? どこへやったんだ!!?」
「夢の墓場に捨てただけさ」
「夢の、墓場だと? さっきの公園か!」
「フヒヒヒ! その通り! さて、それじゃ、お前もそろそろ始末しようかね。 お前ぐらいの歳の人間の夢を食べても、腹を壊しちまうだけだからねぇ。 アーハッハッハッハ!!」
そう言いながら、老婆が不気味に笑いながら部屋から去ろうとすると同時に紅葉の入れられていたカプセルの中が白い煙が吹き出し、カプセルの中が煙で満たされていくと、紅葉は徐々に息をすることが徐々に困難になっていってしまうのだった。
「ゲホッ!! おい!! 待てコラ!! ゲホゲホ!! チクショウ・・・・・・!!」
*
そして、その日の深夜・・・・・・。
あの老婆は屋敷の外に出ると、老婆は懐から小さな1つのオルゴールを取り出し、それを鳴らし始めるとオルゴールからは不気味な音楽が流れ出し、それによってか、夜の遅い時間に眠っていた多くの子供達は突然を目を覚まし、その子供達の全員が生気のない表情で親達に気付かれないように外出すると子供達はみんな揃いも揃って老婆のいる屋敷を目指して歩き出したのだ。
尚、なぜ子供達がこのような行動を取っているのかというと・・・・・・実はこの子供達にはある1つの共通点があり、この不可解な行動を取っている子供達はみんなあの老婆が配っていた「ロリポップキャンディを口にした」という共通点があったのだ。
あれを口にした者は子供ならば強力な催眠効果を発揮するものとなっており、その為に多くの子供達は老婆の意のままに操られる状態になってしまっていたのだ。
それからやがて、子供達が老婆のいる屋敷の傍にまでやってくると老婆は右手を自分の立つ屋敷に向かってかざすと、屋敷は巨大なジャック・オ・ランタンの顔を模したカボチャへと姿が変化。
そのカボチャの上に老婆が立つと、老婆は子供達に「おいでおいで」と手招きし、子供達はカボチャの中へと吸い込まれるように入って行ってしまう。
「さあみんな!! パンプキンに乗って、夢の国へ行こうじゃないかぁ~! きっと楽しめると思うよぉ~? アーッハッハッハ!! アハハハハ!!!」
甘い言葉を子供達に投げかけることで、子供達にかかっていた催眠効果はさらに強まり、子供達の足はさらに止まらなくなってしまう。
紅葉は囚われの身となり、自力で抜け出しでもしない限りウルトラマンになって子供達を救い出すこともできない状態で、この異常事態に気づいている人物は紅葉以外には誰もいなかった。
他者が見れば、このままでは最悪の状況に陥ってしまうと誰もが思う状況だった。
だが、そんな時のことだ。
「ぶへっ」
あのキャンディを口にしていたのは幼稚園児~中学生ほどの子供達のみ、しかしただ1人だけ高校生でキャンディを他の子供達と同じように口にしていた人物がいたのだ。
「あ、あれ? ここどこにゃ!? なんで凛こんなところに!?」
それは今日のハロウィーンイベントに参加した際、自分のファンを名乗っていた女の子からキャンディを貰い、有り難くそれを貰って他の子供達同様にキャンディを口にしていた凛のことであり、彼女は他の子供達と同じように老婆の催眠によってこの場に訪れていたのだが・・・・・・。
どうやら凛ぐらいの年齢の人物に対しては催眠効果は比較的に薄いらしく、彼女は先ほど躓いて転んでしまった時の衝撃によって催眠が解けたらしい。
「アハハハハ!! おいでよ、おいで~♪」
その時、凛はあの老婆の存在に気付き、彼女は老婆の姿を見た瞬間、本能的に「ヤバイ」と感じ取ったことで危険を察知し、凛は自分の存在が老婆に気付かれる前に慌てて近くにあった大くそびえ立つ木の後ろの方へと身を隠したのだ。
「何が、起こって・・・・・・」
物陰へと隠れた凛はそこからひょっこりと老婆にバレないようにしつつ顔を出して様子を伺うと、すぐさま凛は子供達の虚ろな表情や老婆から漂う不気味な雰囲気を感じ取り、この状況の異常性にすぐに気付くことができた。
「ど、どうしよう! 警察とか呼んだ方が・・・・・・。 ああでもスマホなんて今持ってないにゃー!! この辺に公衆電話・・・・・・って財布も持ってないにゃー!」
この怪しさ満点の状況、どう見ても子供を攫おうとしている不審者にしか見えない老婆を取りあえずは警察などに対処して貰うしかないかと考えた凛であったが、そもそも老婆の催眠によって眠っている時に寝間着姿のまま外に連れ出されたので当然ながらスマホや財布なども持っている訳もなかった。
さらに問題なのか、ここがどこなのか、野原っぽい場所なこと自体は分かるのだが辺りが暗いこともあり、凛にとってはそれもよく分からなかったのだ。
そのことから、間に合うかどうかは分からないが近くの家に電話を貸して貰う手もほぼ封じられたも同然であり、凛にとってこれはほぼ八方塞がりとも言える状況で、ほぼ打つ手なしと言っても過言ではない状態だった。
「こんな時に海未ちゃんや真姫ちゃんや絵里ちゃんみたいな頭の良い娘がいていてくれたらなぁ・・・・・・!」
両手で頭を抱えながら、「うーんうーん」と唸りながら必死でこの状況をどうすれば良いのかを考える凛。
自分だけこの場から逃げることもできるが、しかし、だからと言って目の前の子供達を放っておく訳にはいかない。
だが、凛は幾ら考えてもこの状況を仰せるほどの打開案は浮かばずじまいであった。
そんな風に、凛が頭を悩ましていた時のことだ。
「よぉ、お久しぶり。 またお会いしましたねぇ? お嬢さん」
「んにゃああ!!?」
「ふごっ!?」
不意に、唐突に、凛の肩に顎を乗せてくる新たな不審者が現れると、凛はすぐさま振り返りざまに新しい方の不審者に顔面パンチを喰らわせるのだった。
「ってえな! クソまたこのパターンかよ! つうかおいコラ静かにしろ! あのババアに気付かれんだろうが!」
「むぐっ」
その不審者・・・・・・今までずっと姿を眩ませていた男性、「ラグナ」は凛の口を手で掴んで塞ぐと凛と共に身を隠し、物陰からこっそりと老婆がこちらに気付いていないかを伺う。
幸い、老婆は子供達を誘導するのに集中していて先ほどの凛の悲鳴には気付いていないらしく、ラグナは安堵の溜め息を吐くと彼は凛から手を離し、彼女の隣にドカッと座り込む。
「別に俺は怪しいもんじゃねえよ? 俺は紅葉の知り合いだ」
「紅葉くんの?」
「あぁ。 お前等よりも、紅葉のあの妹ちゃんよりもずーっと昔からアイツのことを誰よりも知ってる古い仲さ。 それに、お前とも以前一度会ったことがあるんだが・・・・・・覚えてねえか?」
正直、「怪しい者じゃない」と言われてもにわかに信じられない凛であったが、ラグナの顔を目を懲らしてジッと見てみると確かにどこかで見たような気はするのだが、どこで会ったのかを彼女は思い出すことができなかった。
「まぁ、今はそんなことはどうでも良い。 丁度良い、折角だからちょっと手伝え」
「ふえ? 手伝えって・・・・・・」
「どうやら、紅葉のアホンダラ、あのババアを追いかけて行った時にまんまと奴に捕まっちまったみてえでな。 あのデカカボチャの中に囚われてるっぽいんだよ。 だからお前、一緒にあのバカ探すの手伝え」
小指で耳をほじりながら、紅葉が囚われているという情報を掴んでいたラグナは人手を得る為に凛に彼を見つける為の手助けをするようにと頼むことに。
しかし、人にとても物を頼む態度ではないことも相まって凛としてはラグナに対しての不信感が拭えず、さらに言えば、彼は先ほど「老婆を追いかけて行って紅葉は捕まった」と言っていたが、凛は老婆を追いかけて行った紅葉がその後しばらくして帰ってきたのを目撃している。
だから凛は、ちゃんと帰ってきた紅葉があの老婆に掴まっているというのはどういうことなのかとラグナに尋ねると、彼はその問いかけに対して、ほくそ笑みながら応えた。
「それはあの魔女のババアが用意した偽者、傀儡ってやつだよ」
「偽者・・・・・・」
言われて見れば、確かにあの時帰ってきた紅葉にはどこか違和感のようなものを凛も感じていた。
紅葉にしては穂乃果の扱いが何時もと比べて雑っぽかったような気がした。
何時もだったら、眠っている穂乃果をお姫様抱っこで運びそうなのに今回はイベントの帰りに最終的にみんなで「流石にその運び方はダメだろ!」と注意こそされ、辞めたものの最初は穂乃果の首根っこ掴んで地面を引きずらせながら帰ろうとしていたし(当然ながら気絶中とは言え首が絞まってるので穂乃果は苦しそうな顔をしていた)、穂乃果のことを基本的に「そいつ、こいつ」呼ばわりしていた。
紅葉が彼女のことをそんな風に呼ぶことなんて殆ど無いので、恐らく感じていた違和感はそれが理由だったのだろうと彼女は納得し、ラグナの言っていたことに多少の信憑性が増したのだ。
「正直、まだあなたのことちょっと怪しい人に思えるけど、子供達を助けるなら、紅葉くんを助ける為なら手伝うよ凛!」
「よーしよし、それじゃ先ずはこっそりとあのカボチャの中に入ろうか。 先ずは紅葉を救い出せば後はどうとでもなる筈だ。 勿論、ババアに気付かれないようにな? 抜き足、差し足、忍び足ってね♪」
ラグナの言葉に、凛がコクリと頷くと、2人は老婆に見つからないように物陰に隠れながらこっそりと移動を開始し、あのカボチャの中へと侵入するのだった。
*
それから無事、どうにかあの老婆に気付かれることもなく、こっそりとカボチャの中へと侵入することに成功した凛とラグナ。
「取りあえず、ここは二手に別れて紅葉の野郎を探した方が効率的か。 幸い、あのババアは子供達を誘拐するのに夢中で警備とかが手薄になってるっぽいしな」
見た感じ、このカボチャの建物の中は人の気配も殆ど感じないことから警備などが薄いと判断したラグナは時間削減の為にもここは凛と手分けして紅葉を探そうということになり、それに凛もラグナの言うようにそれが効率的だと判断した為に彼の提案に頷き、2人は先ずは手分けして屋敷内を散策し、紅葉を探すことに。
「紅葉く~ん、どこにゃー?」
なるべくあまり大きな声を出さず、紅葉のいそうな場所を探す凛。
だが、当然ながら紅葉からの返事が返ってくる訳もなく、取りあえず凛は自分の感に頼り、近くにあった扉をなんとなく開けて見るのだが、そこは埃だらけのただの物置のような場所であり、扉を開けた直後に埃が舞い、凛は思わず咳き込んでしまう。
「ケホケホッ! あのお婆さんちゃんと自分の家の掃除くらいしろにゃー!」
扉を閉め、凛は再び建物内を探し始めるのだが、中々紅葉の姿は見つからない。
「うーん、カレーパンとかあったら紅葉くん誘き出せそうな気がするけどなー」
魚じゃないんだから・・・・・・と言いたいところだが、割と紅葉なら魚みたいに飛びつきそうな気がするのは恐らく気のせいではないだろう。
その後も、凛は手当たり次第に色んな扉を開けていくのだが、開けた直後にその場所が崖になって危うく落ちそうになったり、洪水が押し寄せて来たり、サイクロプスみたいな怪物がいて自分に襲いかかろうとしてきたりと碌な部屋がなく、幸い、基本的にすぐに扉を閉めたことで怪我もなく命に別状はなかったのだが、凛としては精神がゴリゴリ削られていき、このままでは紅葉を見つけ出す前に自分が死んでしまうと彼女は頭を抱えるのだった。
「うぅ~、でも、紅葉くんも子供達も助けないと。 あの変な人もまだ見つけられてないみたいだし・・・・・・よぉーし、今度こそ!!」
それでも、凛は諦めずに新たな部屋の扉に手をかけ扉を開くとそこにはカプセルに閉じ込められ、今にも窒息しそうな状況に陥っている紅葉の姿があり、凛は「ビンゴ!!」と歓喜の声をあげながら急いでカプセルの元へと駆け寄り、カプセルを開けて中から紅葉を見事に救い出したのだ。
「ゲホゲホッ!! ハァ、ハァ・・・・・・!!」
「紅葉くん!? 大丈夫にゃ!?」
咳き込みながら倒れそうになる紅葉を抱き留めながら、ゆっくりと紅葉を床に座らせる凛。
「はぁ、はぁ、凛・・・・・・ちゃん? なんでここに?」
「まぁ、色々ありまして・・・・・・。 それよりも! 紅葉くん! 子供達が危ないの! 紅葉くんなら子供達助けられるかもって黒いスーツの変な人が言ってたんだけど大丈夫かにゃ!?」
「はぁ、はぁ、黒いスーツの・・・・・・? いや、今はそんなことどうでもいいか。 はぁ、はぁ、あぁ。 分かった、状況は大体飲み込めてるし、俺に任せろ」
息を整え、凛の肩に手を置きながら「それと、助けてくれてありがとう」と助けられたことにお礼を述べつつ、よろっとしつつも立ち上がる紅葉。
「・・・・・・ところで、俺の着替え持って無い? あの婆さんに服盗まれたんだが」
「・・・・・・っ」
現状、今の紅葉は下着姿であるため、そのことに凛は顔をほんのり赤くしながらそっぽを向くのだが・・・・・・。
その直後のことである。
「それならここにあるよ」
「っ、しまっ、凛ちゃん!!」
そんな言葉と共に、凛に目がけて誰かが刀らしきもの振り下ろし、そのことに気付いた紅葉は慌てて彼女を守るように咄嗟に覆い被さるように庇おうとする。
だが、何時まで経っても紅葉は背中を斬られたような感触も、衝撃もなく、彼は後ろを振り返るとそこには凛に刀を振るってきた拠点に戻ってきたらしい自分と瓜二つの姿をした偽の紅葉と、そんな偽紅葉の振るった刀をまるで自分達を守るかのように蛇心剣で受け止めたラグナの姿があったのだ。
「貴様ぁ・・・・・・!!」
「オラァ!!」
「ぐあっ!?」
ラグナは偽紅葉を蹴り飛ばすと続けざまに闇のエネルギーを三日月形の刃として発射する「蛇心剣・新月斬波」を偽紅葉に向かって放ち、切り裂かれた偽紅葉は泡となって衣服だけを残して消滅するのだった。
「新月斬波!!」
「がはあああ!!!?」
偽紅葉を消滅させると、ラグナはニタついた笑みを浮かべながら紅葉の方へと振り返り、「よぉ?」と気さくな雰囲気で挨拶する。
「ラグナ・・・・・・! お前、なんで・・・・・・! どういうつもりだ!? 今度は何を企んでる!?」
紅葉はそんなラグナを睨み付けながら、なぜ自分を助けたのか、また何か企んでいるのかと問いかけると、ラグナは呆れたような表情を浮かべた後、「はあああぁぁぁぁ・・・・・・!」とあまりにも大きすぎる溜め息を吐き出した。
「決まってんだろうがブァーカ!! お前を倒すのは俺だ! お前は俺のもんだ! 誰にも邪魔させねえ。 あんなババアにこんな風に終わらされてたまるかってんだよ!! ただ、それだけのこと。 俺とお前の仲だろう? それぐらい分・か・れ・よ!」
「まぁ、言いたいことは分かったが・・・・・・、言い回しが妙にキモいからやめてくれるか? っておい凛ちゃん! 何その視線!? 俺はそっちの趣味はないからな!?」
ラグナの妙に気持ちの悪い言い回しのせいで、紅葉に対してあらぬ誤解が生まれそうになったが、すぐさま凛はこんなことしている場合ではないということに気づき、彼女は急いで子供達を助けないといけないことを伝えると紅葉は「分かった!」と頷き、偽紅葉が自分から奪った服をすぐさま着込み、オーブリングとフュージョンカードの入ったカードホルダーを回収。
「このお嬢ちゃんのことは任せな」
「・・・・・・凛ちゃんに妙なことしたら今度はお前を潰すからな」
凛のことは任せろと言うラグナに対し、紅葉は数秒間悩んだものの、子供達を助ける為に時間が差し迫っていることもあり、ラグナに釘を刺しつつ、ラグナは凛を連れて建物の外へと脱出。
「紅葉く~ん!! 子供達のことお願いにゃ~!!」
「あぁ、任せろ、凛ちゃん。 俺はこの建物の中にいる子供達を助けるから、凛ちゃん達は外にいる子供達を頼む」
そのように、紅葉と凛の2人が言葉を交わした後、その部屋に1人残された紅葉はオーブリングを構え、カードホルダーから1枚のウルトラフュージョンカード、青い巨人、「ウルトラマンコスモス ルナモード」のカードを取り出すと、それをオーブリングにリードさせる。
「コスモスさん!!」
『ウルトラマンコスモス!』
さらに、紅葉はカードホルダーから新たなカードを取り出し、メカニカルな外見をした巨人、「ウルトラマンエックス」のカードをオーブリングにリード。
「エックスさん!!」
『ウルトラマンエックス!』
そして最後にオーブリングを掲げ、叫ぶ。
「救う為の力、お借りします!」
『フュージョンアップ!』
すると、コスモスとエックスの2人のウルトラマンの幻影が紅葉と重なり合い、紅葉はこの2人のウルトラマンの力を融合させた姿、「ウルトラマンオーブ フルムーンザナディウム」へと変身したのだ。
『ウルトラマンオーブ! フルムーンザナディウム!!』
『繋がる力は、心の光!』
「なにぃ!?」
「ウルトラマンオーブ!!」
オーブの登場に対し、驚愕の声をあげる老婆と、それとは正反対にラグナと共に建物から脱出に成功した歓喜の声をあげる凛。
「オーブ!! 子供達をお願い! 助けてほしいにゃー!!」
凛のそんな呼びかけに対し、コクリと頷いたオーブは右手を前に突き出し、相手の心を鎮静化させたり、邪気を鎮めるために右手から発射する浄化光線「ピュリファイレクト」を子供達に向けて放つ。
『ハアアア、ピュリファイレクト!』
光の粒子のようなものが子供達の頭上から雨のように降り注ぎ、その光線の浄化効果により、光を浴びた子供達はギランボの催眠効果を無効化することに成功。
「なんだと!?」
それにより、虚ろだった子供達の目に生気が戻り、子供達はそれぞれ「あれ?」と首を傾げ、なぜ自分達がこのような場所にいるのかが分からず、困惑しているようだった。
「みんな!! 兎に角早く逃げるにゃー!!」
だが、今は何よりもここから少しでも離れて逃げるの最優先である為、兎に角子供達を逃がす為に避難誘導をする凛。
『次はそのカボチャの中に囚われた子供達だ! 子供達をさっさと返し貰おうか?』
老婆を指差しながら、オーブは子供達を返すように老婆に要求するが、老婆はワナワナと拳を握りしめながら、オーブを見上げながら忌々しげに睨みつける。
「お黙り! やはり大人は敵だ! 大人はいつでも子供の邪魔をする! 夢も希望も全部、大人は子供から奪っていく!!」
『お前に全部返って来てんだよ、その台詞!!』
「黙れ!! もう許さないよ、光の巨人・・・・・・!!」
もはや逆ギレにも等しい怒鳴り声をあげながら、老婆はみるみると異形の姿へと変貌し、皮の厚い植物を思わせるゴツゴツした体表や頭部左右にある輪のような角、水色に明滅する顔、剣のような左手、腰部に生えた尻尾を持つ巨大な怪物、老婆は「異次元人 ギランボ」へと姿を変えたのだ。
そして、巨大な不気味に光る満月をバックに、対峙するオーブとギランボ。
先に攻撃を仕掛けたのはギランボであり、左手の剣を突き出すようにしてオーブに攻撃を繰り出してきたが、攻撃を受け流し、捌くとするのが得意の形態であるフルムーンザナディウムとなったオーブには軽く受け流されてしまい、逆に腹部にカウンターの蹴りを叩き込まれ、後退るギランボ。
『ジュア!!』
怯んだところを逃さず、すかさずオーブの拳による「突き」がギランボの顔面に叩きこまれるとさらにオーブはギランボに反撃の隙を与えまいと攻撃を仕掛けるが、ギランボは瞬間移動によってその場から唐突に姿を消し、オーブの攻撃は空振りに終わってしまう。
『なに!?』
そのことに驚きながらも、警戒を怠らず、周囲を見回しながらギランボの姿を探すオーブ。
次の瞬間、今まで姿を消していたギランボはオーブの背後から出現し、左手の剣を振りかざしてオーブの背中を斬りつける。
『ウグアア!!?』
『ヒハハハハ!!』
振り返りざまに右腕を振るうオーブであったが、ギランボは再び姿を消してしまい、オーブの攻撃はまた躱されてしまった。
『ッ・・・・・・!』
周囲を見回し、ギランボの奇襲攻撃を警戒するオーブ。
『フヒヒヒヒ・・・・・・!』
その時、背後からギランボの不気味な笑い声が聞こえると、オーブは声のした方へと蹴りを放つのだが、ギランボはすぐに姿を消してしまい、ギランボはオーブを翻弄する。
『アハハハハ!!』
『ウオッ!?』
さらに、ギランボは今度は背後ではなく、オーブの目の前に出現したことでオーブを驚かせ、その僅かに怯んだ隙を狙ってギランボはオーブの両肩を掴みあげて膝蹴りを腹部へと叩き込み、左手の剣で横一閃にオーブを斬りつける。
『グアアッ!?』
『アハハハハ!!』
『ヒハハハハ!!』
『フハハハハ!!』
次に、ギランボは笑い声をあげながらなんと6体に分身しだし、オーブの周囲を囲むと6体のギランボは一斉にオーブへと襲いかかって来たのだ。
『アハハハ!!』
最初に1体目のギランボがオーブの背中を殴りつけるとそれにより片膝を突いたオーブを2体目のギランボが蹴り上げ、3体目がオーブを羽交い締めにすると、身動きの取れなくなったオーブを4体目、5体目、6体目がそれぞれ順番にすれ違いざまにオーブを剣で斬りつけてきたのだ。
『グアアアアアッ!!!?』
「あぁ! オーブが・・・・・・! あんなのチートにゃー!!」
そのようにオーブの苦戦する姿を見て「あんなのズルい!」とギランボに文句を垂れる凛。
「おい!! お前の力はそんなもんじゃねえだろ、ウルトラマンオーブ! もっとしっかりやれボケカスー!!」
同時に、凛とは逆にギランボではなくオーブに対して「ぶーぶー!」と野次を飛ばすラグナ。
そんなラグナに、イラッと来たオーブは後頭部による頭突きによって自身を羽交い締めにしていたギランボを突き放すと、ギランボの左腕を掴みあげて背負い投げを繰り出し投げ飛ばす。
『さっきからうるさいんだよ、ラグナ! 言われなくてもやってやる! 向こうが超能力なら、こっちも超能力だ! ただし、こっちはちょっと荒いがな!』
インナースペース内の紅葉がそう言い放つと、腰に装着されたカードホルダーから新たに1枚のカード、青い姿の「ウルトラマンダイナ ミラクルタイプ」のカードを取り出し、それをオーブリングにリードさせる。
『ダイナさん!!』
『ウルトラマンダイナ! ミラクルタイプ!』
さらに続けて、紅葉は新たに、1枚のカード、「ウルトラマンベリアル」のカードを取り出し、それもオーブリングへとリードさせてカードを読み込ませる。
『ベリアルさん!!』
『ウルトラマンベリアル!』
そして最後に、紅葉はオーブリングを掲げて、叫ぶ。
『奇跡と闇の力、お借りします!!』
『フュージョンアップ!!』
次の瞬間、ダイナ・ミラクルタイプとベリアルの姿が紅葉の前で重なり合うと、オーブの姿は変化し、ベリアルの模様の赤部分を青に変えたような模様となった「ウルトラマンオーブ サンダーミラクル」へと姿を変えたのだ。
『ウルトラマンオーブ! サンダーミラクル!!』
『闇の力を奇跡の光に!!』
それに対し、6体のギランボは「姿を変えたからなんだ」と言わんばかりに一斉にオーブへと飛びかかるのだが、オーブは上空へと飛んでギランボの攻撃を躱すと、右手をかざし、3人に分身する「サンダーミラクルマジック」を発動。
『サンダーミラクルマジック!!』
分身した3人のオーブが地上へと降り立つと、2体の分身がそれぞれ1人2体ずつギランボの頭を掴みあげるとそのままギランボを地面に叩き伏せ、残った1体は瞬間移動能力を発動させて残りの2体のギランボの目の前に現れると両拳でギランボの顔面を殴りつけて吹き飛ばしたのだ。
『ウオラアアア!!!!』
『ギイイイイイ!!?』
殴りつけられ、吹き飛ばされて地面を大きく転がる2体のギランボ。
だが、それでもどうにか立ち上がり、2体のギランボは左手の剣を構えてオーブへと向かって行き、オーブの身体を斬りつけるのだが、サンダーミラクルの防御力はサンダーブレスター並である為、オーブは身体全体を使って真正面から2体のギランボによる剣撃を受け止めてしまったのだ。
さらにそこから、オーブは2体のギランボの剣を素手で掴みあげるとそのまま力尽くでヘシ折ってしまい、片方のギランボの腕を掴むと強烈な頭突きを喰らわせ、そのままもう1体のギランボへと投げ飛ばして激突させ、吹き飛ばす。
『デヤアアアア!!!!』
一方で、オーブの他の分身体Bも何度も連続でラリアットを繰り出して2体のギランボを殴りつけまくり、何度も頭を殴られたことによりギランボは2体とも既にフラフラのグロッキー状態となっており、そんなギランボに対してオーブは容赦なくドロップキックを2体のギランボに炸裂。
さらに、3体目の分身体Cのオーブはギランボを逆さまに持ち上げて何度もパイルドライバーを繰り出して頭を地面に叩きつけ、別の分身体ギランボがオーブの背中を剣で斬りつけるもののまるで効果は無く、やがてパイルドライバーを喰らっていた方のギランボは耐えきれなくなり消滅。
すると、「次はお前だ」と言わんばかりに自身を斬りつけていたギランボの腕を掴んで捕まえると、さらに先ほどと同じようにこのギランボにも容赦なくパイルドライバーを炸裂させたのだ。
「えっ、怖っ・・・・・・。 オーブ、あれまた暴走してないかにゃ?」
その戦いっぷりを見ていた凛は、サンダーブレスターの時と同じようにオーブがまた暴走しているのではないかと心配していたが、これでも紅葉は一応理性は保ててはいるのだ。
ただこの今のオーブの戦い方はサンダーミラクルはサンダーブレスターよりも制御が難しいが故に戦い方に残虐性が出ている為である。
それからやがて、3人のオーブに1箇所に集まるように投げ飛ばされると5体のギランボは互いに激突し合い、1体に戻ると、ギランボはその場へとへたり込んでしまう。
遂には勝ち目がないと判断したのか、ギランボはオーブから逃げ出すように空中へと飛んで逃走を図る。
だが、当然ながらオーブはそれを逃がすまいとテレポートでギランボの目の前に現れ先回りすると、上空に舞い上がってからエネルギーを纏って敵に体当たりする「サンダーミラクルアタック」をギランボへと繰り出したのだ。
『逃がさん!! サンダーミラクルアタック!!』
それによってギランボは身体を貫かれ、身体中から火花を散らしながら空中で爆発四散するのだった。
そして、ギランボが倒されたことによりギランボがこれまで奪ってきた子供達の夢が子供達自身に返還され、カボチャの建物も消滅。
中に囚われていた子供達も無事解放されたのだった。
「あっ、子供達が・・・・・・! 良かったぁ、無事で・・・・・・。 ありがとにゃオーブ~!!」
建物内部に囚われていた子供達も解放されたことで凛は安堵の溜め息を吐き、オーブに手を振りながら感謝を述べ、それに応えるようにオーブも頷くと、オーブはそのまま空中へと飛び去って行くのであった。
*
「ってことがあったのよ」
それから、ギランボの事件が無事解決し、紅葉や凛が学校の放課後、屋上にて穂乃果達に昨夜あった出来事を話すと、それを聞いた穂乃果や海未は紅葉に対しどうしてそんな怪しい奴を1人で追いかけて行ったんだと2人は怒り、事情を説明していた紅葉はその場に正座させられていた。
尚、凛に関してはあれは不可抗力であった為、彼女に対してはお咎め無しである。
「お兄ちゃん何時もそうだよね! 正義感強いのは分かるけどさ! なんでそんな得体の知れないお婆さんたった1人で追いかけて行ったの!? せめて私達に一言言ってよ!!」
「その結果凛に助けられることになってるんですしね? それに、あの時帰ってきた紅葉が偽者だって穂乃果だけは気付いてたみたいじゃないですか? それで穂乃果にもしものことがあったらどうするつもりだったんですか!?」
「はい、仰るとおりです・・・・・・!」
確かに、海未の言うようにあの老婆が用意した自分の偽者が穂乃果に気を失わせることこそしたもののそれ以上の危害を加えなかったのは幸運だったのかもしれない。
あの紅葉の偽者が穂乃果に危害を加えなかったのは、下手に騒ぎを起こせばあの老婆の目的が果たせなくなる可能性があったからだ。
今回、穂乃果は無事であったものの、それは結果論に過ぎない。
そのため、紅葉は危うくまた穂乃果を危険な目に合わせてしまったかもしれないと考え、紅葉は深く、深く、頭を下げて穂乃果や他のみんなに謝罪したのだ。
「本当にすまなかった・・・・・・! 今度同じようなことがあった時ははせめて一声ちゃんとかけてから行動する。 以後、気をつける」
そう深く頭を下げながら穂乃果達に謝罪する紅葉。
それに対し、穂乃果や海未はまだ何か言いたげな様子であったが、そんな2人を希が「まあまあ」と宥めると、もうライブが目の前にまで迫っているのだからといい加減紅葉を許してあげようと彼女は言うのであった。
「紅葉くんも反省してるみたいやし、いい加減許してあげようや、穂乃果ちゃん、海未ちゃん」
「・・・・・・むぅ。 ハア、そうですね。 希の言うとおり、ライブも近いですし、お説教はこれぐらいで終わりましょう」
「・・・・・・そうだね」
希の説得で、海未や穂乃果もそこでようやく紅葉を許し、紅葉も最後に一言「すまなかった」と謝ると正座を辞めて立ち上がり、ライブの練習に一同は打ち込むことにするのだった。
*
そして、遂に訪れたライブイベント当日。
「やっほー!! やっほー! はっちゃけてる!? トリックオアトリート!! 連日凄い盛り上がりを見せるアキバハロウィンフェスタ! みんなも盛り上げに来てくれてるよー!! でもなんと、今日がイベントの最終日!! 残念! でも落ち込まなくってもオッケー! 今日はスクールアイドルのスペシャルライブが見られるよー! お楽しみにぃ~!!」
今日も取材に来ていたらしいアキバレポーターのその言葉を合図に、一週間前に始まったハロウィンイベントの最終日が開催。
穂乃果達もライブの準備の為に既に会場を目指して歩いていたのだが、インパクト云々の案は結局最後まで出なかったからか、今回は何時もと少し違う雰囲気のイベントであることも相まってか穂乃果はどことなく緊張した様子を見せていた。
「うぅ、いよいよだねぇ~。 緊張するね~」
「でも楽しんでいきましょう?」
「絵里の言う通り。 スクールアイドルはライブを楽しむことが1番大事だからな。 結局、目新しい案はでなかったが、何時も通りの自分達らしいライブやれば良いさ」
そんな穂乃果に対し、絵里はそれでも楽しんでライブをしようと説き、そのような絵里の言葉に同意しつつ、自分達らしいライブを何時ものようにやれば良いとアドバイスを送る紅葉。
「それに、みんなもほら? 楽しそうよ?」
チラリと、絵里が後ろを振り返ると、そこには楽しげにはしゃぐ海未達の姿があり、それに紅葉や穂乃果も絵里と同じ方向へと視線を向ける。
「わあ見て~! 大っきいカボチャ~!」
「ホントだ~!」
風船でできたジャック・オ・ランタンの顔を模したカボチャを突きながら、楽しげに談笑する凛達。
「・・・・・・」
その光景を見て、穂乃果は何かに気付いたかのような表情を浮かべ、彼女の隣に立つ紅葉はそんな穂乃果の様子に気付いて「どうかしたのか?」と声をかける。
「あっ、ううん。 ねえ、お兄ちゃん、絵里ちゃん」
「「んっ?」」
「私、このままで良いと思うんだ」
「このままって、μ'sがか?」
穂乃果の「このままで良い」という発言に対し、紅葉は「このまま」と言うのは今のμ'sのことだろうかと問いかけると、彼女はコクリと頷く。
「A-RISEが凄くて、私達もなんとか新しくなろうと頑張ってきたけど、私達は・・・・・・きっと今のままが1番良いんだよ! だって、みんな個性的なんだもん!!」
他のメンバーを見つめながら、新しい自分達になる必要はないと言い放つ穂乃果。
「普通の高校生なら、似た者同士が集まると思うけど、私達は違う! 時間をかけてお互いのことを知って、お互いのことを受け入れあって、ここまで来られた! それが1番、私達の特徴なんじゃないかな! 私はそんなμ'sが好き!!」
笑顔を向けながら、今を感じた素直な気持ちを穂乃果は紅葉や絵里に述べると、2人も笑みを浮かべながら、彼女に同意するように強く頷いたのだ。
「ふふ、えぇ! 私も!」
「俺もだ。 全員、面白い奴等ばっかりだしな! それを変えるなんざ勿体ないことだよな」
「えへへ♪」
*
それから、遂に始まるμ'sのライブ。
穂乃果、絵里、海未の3人は海賊を模した衣装、真姫、にこ、花陽、凛、希、ことりは魔女を意識したと思われる衣装に身を包み、遂にライブがスタート。
このハロウィンイベントで披露する曲は・・・・・・「Dancing stars on me!」
そして、曲が終了し、何事もなくライブが終了すると会場に来ていた人々から大きな歓声があがり、ライブは大成功。
それを受けて、確かな手応えを感じた穂乃果は右拳を空へとかざし、改めて「ラブライブ優勝」を決意し、叫ぶのだった。
「よぉーし!! 絶対にラブライブで優勝するぞぉー!!!!」
*
一方その頃、高坂家の穂乃果の部屋では。
「も~う、巻数バラバラ、続き読みたいのにぃ」
穂乃果から借りていた漫画の続きを借りようと穂乃果の部屋へとやってきていた雪穂であったが、部屋の本棚は漫画が雑に置かれており、巻数もバラバラで目当ての漫画が中々見つからないことをボヤいており、雪穂はよくこんなので生徒会長が務まっているなと呆れていた。
「んっ? あーもう! 信じらんない! こんな書類まで散らかして!!」
さらに、雪穂は床に雑に放り出されていた1枚の何かの書類が入った封筒を発見し、苛立った様子でそれを仕方無く拾いあげると彼女は穂乃果が帰ってきたらお説教してやろうと封筒を机の上に置きながら心に決めるのであった。
「・・・・・・」
しかし、ふっと封筒の中身が気になった雪穂はなんとなしに封筒の中身の書類を見てみると、彼女はその書類に書かれていた内容を見て、驚愕の表情を浮かべるのだった。
「あ、ああ・・・・・・!! あああああ・・・・・・!! やっぱり・・・・・・!!」
*
同じ頃、ギランボの館のあった場所にて・・・・・・。
「ぐっ、うぅ・・・・・・おのれぇ! ウルトラマン、よくも・・・・・・私の邪魔を・・・・・・! この恨みはらさでおくべきか・・・・・・!」
そこにはボロボロの状態でかろうじて生きていたらしい老婆の姿へと戻ったギランボが地べたを這いずり廻るように動いており、ギランボはこのままでは済まさないとオーブに対して強い憎しみを抱き、オーブへと復讐を誓うのだが・・・・・・。
そんな時のことだ。
「人の獲物を横取りしようとしてんじゃねえよ」
「ぬっ!? 貴様は・・・・・・! ぐああああ!!!?」
突如として、ギランボの目の前に現れた人物・・・・・・。
ギランボはその人物、ラグナによって邪心剣でギランボは切り裂かれ、ギランボは悲鳴をあげながら消滅するのだった。
「紅葉・・・・・・。 お前を倒して良いのは、俺だけだ」
そして、蛇心剣を掲げながら、ラグナは紅葉への打倒を誓うのであった。
みんな今回出て来る怪獣がギランボなの知ってたでしょ?
まぁ、紅葉達が仮装(っていうかほぼコスプレでしたが)するのはティガ本編からしてGUTSがしてましたしね。
そういやレナは猫の仮装してたな・・・・・・。
ついでにARROWネタやったのはARROWの二次を何度か書いてみたいなとは思っていたんですが、全くネタが浮かばなかった為です。
あと冒頭の文で読者に「あれ? 別の作品始まった?」と困惑させようかと思いまして・・・・・・。
だから今回、そういうネタを入れたいなと思いまして。
紅葉のイメージCVを日野聡さんにしてたのも連載当初からこのネタがやりたかったから。(ARROWにおけるグリーンアローの吹き替えは日野聡さん。 ついでに紅葉がSO-DO CHRONICLEの仮面ライダーゴーダを持っていたのもゴーダの声を日野さんが担当していた為です。
まぁ、タイタスと声が被る問題が発生してしまいましたが。
そしてグリーンアローの格好のまま紅葉が生身で老婆と戦うシーン入れようと思ったんですが、流れて気にこのままオーブに変身させた方が良いなと思ったのでカットしました。
冒頭のシーンはその名残みたいな?
かよちん、のんたん、真姫ちゃんはなんの仮装させるか思いつかなかった・・・・・・。
そのため彼女等がなんの仮装してるかの描写はカットしています。
尚、他のメンバーは穂乃果ちゃん以外全員中の人ネタです。
ちなみにμ'sメンバーがやった仮装の元ネタは以下の通り。
海未→ガンマ(陰の実力者になりたくて!)
ことり→青葉 初芽(RELEASE THE SPYCE)
凛→擬人化アギラ(怪獣娘)
絵里→S.O.N.G.隊員服の月読調(戦姫絶唱シンフォギアシリーズ)
にこ→ポプ子(ポプテピピック)
またライブ宣伝のシーンにいた仮装している人達やにこにーに話かけたグレーのスーツの人の元ネタは以下の通り。
ピンクのチャージ→後藤ひとり(ぼっち・ざ・ろっく)
ガワコスの人→仮面ライダーパンクジャック・エントリーフォーム(仮面ライダーギーツ)
胸に赤いサングラスかけたロボット→グレンラガン(天元突破グレンラガン)
グレーのスーツの男性→桐生一馬(龍が如くシリーズ)
桐生さんの中の人はポプ子の声もやってたし、龍が如くとコラボしてたからね。