ラブライブ! オーブ‼︎   作:ベンジャー

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水ノ魔王獸 マガジャッパ
一角超獣バキシムデストロイヤー
悪質宇宙人 メフィラス星人ノストラ
暗殺宇宙人 ナックル星人ナグス
幻覚宇宙人 メトロン星人タルデ
光波宇宙人 リフレクト星人レクター
水棲怪人テペト星人 テルス
登場。



第3話 『入らずの森の魔王獸』

ある日、絵里は各高生徒会代表による連絡会に特に報告するような重要なことも無かったので今日は1人で来ており、連絡会が終わると彼女は書類を纏めてすぐに帰ろうとしたのだが・・・・・・。

 

その時、UTXの生徒会長が絵里に向かって話しかけてきたのだ。

 

「あら、絢瀬さん。来てくれてよかったわ、今日はお一人?」

「えぇ、今日はウチの方からは報告することがなかったから」

「そう、なら良かった。 実はこの前も音ノ木坂からUTXに生徒の編入手続きがあってね? 1年生ですごく可愛い子よ。 だから、生徒会の方もてっきり絢瀬さん一人になっちゃったんじゃないかって心配しちゃった」

 

どことなく・・・・・・いや、明からに相手を見下したような態度でそう発言するUTXの生徒会長に絵里は思わずイラっとしてしまうが・・・・・・。

 

「そんなことはないわ。 少なくとも生徒会を維持できるくらいは人はいるし、私達はこれからも現役で活動していくつもりだから。 ご心配、ありがとう。 ウチからそっちに移った生徒のことよろしくね?」

 

と絵里はこのように特に感情的になることもなく冷静に返し、相手も絵里が想像していた反応と違ったせいか少しだけ動揺したような様子を見せる。

 

「そう言えば、学園祭の日程はいつにずらす事になったのか決まったの?」

「・・・・・・? 別に学園祭の日程についてそんな話は出てないけど? 学園祭は予定通りに・・・・・・」

 

するとUTXの生徒会長は「えぇ!?」とワザとらしく驚いたような声をあげ、UTXの生徒会長が言うにはそのまま予定通りに進めばUTXの学園祭と日時がそっくり被ってしまうらしく、UTXの生徒会長は新年度初めての連絡会がそのことが分かって絵里はてっきり予定を変更するのだろうと思っていたらしい。

 

「だって同じ日に開催したりしたら私達は良いけど音ノ木の方が集客が・・・・・・」

 

言葉だけなら音ノ木坂のことを心配しているように聞こえるだろうが、UTXの生徒会長の顔はどことなく人をバカにするような笑みを浮かべており、他のUTXの生徒会の生徒2人もクスクスと笑っている。

 

「なにそれ、私達の方がお客さんが集まらなくて困るって・・・・・・そういうこと!? UTXにお客を取られて・・・・・・!!」

「別に、そこまで言ったつもりはないけど、ウチの方は年々来客数が増えてて、もう今年から入場制限の話も出てるくらいなの。 だから、同じ日に同じ地区でやって音ノ木坂がガラガラになったら私達申し訳ないなっておm・・・・・・」

 

すると、その時のことである。

 

「呼ばれて飛び出てジャジャジャーン!!」

 

とか言いながら紅葉が扉を開けていきなり部屋に入ってきたのである。

 

「「「「はっ・・・・・・?」」」」

 

あまりの突然の出来事に、UTXの生徒会の3人と絵里は突然のことについて行けず思わず素っ頓狂な声をあげてしまうが・・・・・・絵里はブンブンっと首を振って「あなた、何しに来たのよ!?」と苛立った様子で紅葉に向かって声をあげ、その様子は旗から見れば紅葉に八つ当たりしてるように見えるが、UTXの生徒会長達にあんな風に煽られた後では仕方が無いのかもしれない。

 

「っていうか呼ばれて飛び出てとか別に呼んでないし!!」

 

いや、そこをツッコムのか、ツッコムポイントがちょっと違くないかとUTXの生徒会長は思ったがそんな彼女等のことなどお構いなしに部屋にズカズカと入ってくる紅葉。

 

「まぁ、それよりもだ。 さっきから部屋の外で黙って聞いてれば、随分とウチの学校のことを散々言ってくれますね」

「あら、別に私達はそんなつもりは・・・・・・」

「無かったとしても、そう聞こえるんですよ俺達には。 生徒会長っていうのは生徒の模範になるような人のことじゃないんですか? そうやってバカにしたように笑うような態度が生徒の模範になるんですかね? ウチの学校は確かにそちらの学校と比べれば大きく劣ってるかもしれません、ですがそれを見下すような態度や発言は生徒会長としてどうなんでしょうか?」

 

紅葉にそう言われてUTXの生徒会長は「別に私達は見下してるつもりはない」と言おうとしたのだが、それを言うよりも先に紅葉が口を開いた。

 

「『見下してるつもりはない』とでも? ですが周りから見れば十中八九そうは見えないと思います。 名門であるUTX学院の生徒会長なのですから、そういった態度や発言は気をつけるべきだと思います」

 

紅葉は取りあえず相手に喋る隙を与えず、「じゃあ帰りましょう絵里先輩!」と彼女の腕を掴むと、絵里は「ちょっと!?」と驚くが紅葉は構わず引っ張ってそそくさと部屋から出て行こうとするのだが・・・・・・一度扉の前で立ち止まってUTXの生徒会長達に振り返ると・・・・・・。

 

「あ、後・・・・・・文化祭ですけどあなた達が思っている以上に人が来るかもしれないですよウチ? なんせウチの学校には切り札がありますから!」

 

紅葉はそれだけ言い残して今度こそ絵里と共に部屋から出て行き、残されたUTXの生徒会長は先ほどまでの態度とは打って変わりイライラした表情を浮かべており・・・・・・「なんなのよアイツは!!」と怒鳴りあげるのだった。

 

 

 

 

 

UTX学院を出てからしばらく紅葉と絵里は2人で同じ道を歩いており、絵里は紅葉のおかげで先ほどまであったイライラは解消してスッキリしたものの正直、彼に助け船を出されたのは絵里にとっては複雑な心境だった。

 

そもそも・・・・・・なぜ生徒会でもない彼があの場所にいたのかと尋ねると絵里にどうしても渡したいものがあったらしく、副会長の希に聞いたらUTXで開かれる連絡会に行ったと言われたため、ワザワザここまでやってきたらしい。

 

「っていうか、あなた一体どうやって入ってきたのよ?」

「受付の人に聞いたらあの部屋の前までワザワザ案内してくれました」

 

それを聞き、なんだかどっと疲れてしまった絵里は「はぁ・・・・・・」と一度溜め息を吐く。

 

「それで私に渡したいものってなに?」

 

少し怪訝そうに絵里が紅葉に尋ねると彼は右手に持っていた袋を絵里に差し出したのだ。

 

「これウチの和菓子の名物のほむまんです! 良かったらこれお礼に! 生徒会の皆さんで是非食べてください!」

 

満面の笑顔で差し出されるその袋を見て絵里は「はい?」と訳が分からず、ついつい彼女は思わずそれを受け取ってしまい、彼女は「お礼? なんのお礼なのよ?」と首を傾げる。

 

「いえ、なんか色々生徒会長には無理言っちゃったみたいですから。 講堂を借りる件とか、生徒会長の反対を押し切って穂乃果達がスクールアイドルやろうとしてることとか、色々迷惑かけてるみたいなんでそのお礼とお詫びです!」

「お礼にお詫びって・・・・・・」

 

別にお礼をされるようなことなんてなにもしていないと思う絵里だったが、折角持って来てくれた上にそんな良い笑顔で渡されたのでは拒否できる訳も無く、絵里は素直にそれを受け取る。

 

「まぁ、一応ありがたく頂いておくけど・・・・・・こんなことしたって私はスクールアイドル活動を認めるつもりはないわよ?」

「構いませんよ、今日はお礼がしたかっただけですから! あと、もし気に入って貰えたなら今度は是非ともお客様としてウチに来てくださいね!」

 

「いや、お店の宣伝しに来たのあなた?」と呆れた視線を紅葉に向ける絵里、とその時・・・・・・。

 

「あれ? えりちに紅葉くんやん?」

 

とある大きな公園の入り口前を通りかかった時、偶然にも帰宅途中の希とバッタリ会い、希は絵里と紅葉を交互に見るとニヤニヤとした笑みを浮かべる。

 

「おんや〜? もしかしてえりちったら後輩とデート中やったん?」

「ちょっと希、変な冗談言うのやめてくれる?」

「もう、ツレへんな〜えりちは」

 

するとその時、紅葉と絵里の前に1つのボールが転がってきた。

 

公園の中を見ると公園の中には複数の少年少女がそこで遊んでおり、その内の1人の少女が「すいませーん! ボール取ってください!」と手をあげながら言ってきてるのが見え、紅葉は笑みを浮かべてボールを拾い上げると少年に向かってボールを投げ返す。

 

少女はボールを受け取ると「ありがとうございます!」と頭をぺこりと下げて友達の元へと戻っていくのだった。

 

「あっ、そう言えばえりちに紅葉くん知っとる? この公園の中にある森の噂」

「噂・・・・・・?」

「うん、なんでも昔から色々と言われてたみたいでな〜。 その森はなんでもさる方の高貴なお墓だって言う言い伝えがあって江戸時代から入らずの森と言われて1度入ると誰も出てこれなくなるんやって。 しかも最近ではこの森の中に入っていくUFOを目撃したなんて話も・・・・・・」

 

紅葉は希のその「入らずの森」の話を興味深そうに聞いていたのだが・・・・・・紅葉がふっと隣に立つ絵里を見ると僅かにだが肩が震えており、少し顔が引き攣っているように見えた。

 

「・・・・・・会長、もしかして・・・・・・」

「えっ? なによ? べ、別に幽霊なんて信じてないわよ私は? ムー大陸はあると信じてるけどね」

「・・・・・・あっ、森の方に足のない女が手招きしてる」

 

紅葉は公園の中にある森の方に指差しながらそう言うと絵里はその辺にあった自販機のジュースが出てくるところに慌てて頭から入ろうとする。

 

「・・・・・・なにしてんのえりち?」

「いや、あの・・・・・・ムー大陸の入り口が・・・・・・」

「会長クールな人だと思ってたけど・・・・・・意外とかわいい一面あるんですね」

 

紅葉にそう言われると絵里は顔を真っ赤にし、怒鳴りあげるように紅葉に反論する。

 

「うるさい!! 幽霊なんて怖くないしそもそも信じてないし!! ムー大陸の入り口あると思ったから自販機に頭突っ込んだけよ!!」

 

とかなり苦しい言い訳をする絵里に紅葉は思わず笑ってしまう。

 

ちなみに希はそんな絵里と紅葉のやり取りを見て必死にお腹を抱えて笑うのを堪えている。

 

「希はなに笑ってるのよ!?」

「い、いやだって・・・・・・ムー大陸の入り口があっても普通頭突っ込まんやろって・・・・・・くふっ・・・・・・!」

「あなたがあんな話するからでしょ!?」

 

紅葉はまさか絵里にこんな一面があると思わず、希のおかげでなんとなく少しだけ絵里と仲良くなれた気がしてどこか嬉しい気持ちになるのだった。

 

だが・・・・・・ただ1つ気になるのは先ほどの希の言っていた話で出てきた「UFOを目撃した」という話・・・・・・幽霊の目撃情報はどうか知らないがもしかしたら宇宙人があの森の中に潜んでいるのかもしれない。

 

念のために調べる必要はあるだろうが・・・・・・先ずはあの森の中に入って直接確かめるよりあの森についての情報から集めるべきだろうと考えた紅葉は希にもう少し詳しい話を彼女から聞くことにしたのだった。

 

ただ絵里はこれ以上聞きたくないようなのでそこで別れて早足に帰って行ったが。

 

 

 

 

 

その頃。

 

とある宇宙船の中にて・・・・・・。

 

そこでは玉座のような椅子に座る「悪質宇宙人メフィラス星人 ノストラ」を始めとした4人の宇宙人・・・・・・「暗殺宇宙人ナックル星人 ナグス」と「幻覚宇宙人メトロン星人 タルデ」「水棲怪人テペト星人 テルス」「光波宇宙人リフレクト星人 レクター」が集まっていた。

 

『では、状況を聞こう』

『はっ、偉大なるドン・ノストラ。 私とレクターで行っていた幻覚タバコ作戦ですが・・・・・・』

『喫煙者の減少により計画は遅々として進まず・・・・・・作戦は中止にせざる終えないかと・・・・・・』

 

それを聞いてノストラは溜め息を吐き、そんなノストラを見ていっそのこと大暴れした方が手っ取り早いのではないかとナグスが提案するが・・・・・・。

 

『だが地球にはウルトラマンオーブがいるぞ? 奴をなんとかしない限りお前さんのお得意の殺戮と破壊はできないのではないか? だからこうして細々とした作戦を・・・・・・』

 

テルスの言葉にナグスは「あぁもううっせえなぁ!! 分かってんだよんなこたぁ!」と怒鳴りあげるが・・・・・・その時、ナグス達は誰かが宇宙船の中に入ってきたのを感じ取り、ナグスは「誰だ!?」と警戒しながらホルスターから光線銃を引き抜いて気配のした方へと素早く構える。

 

そして、ナグスの銃の先にいたのは・・・・・・ラグナだった。

 

ラグナは不気味な笑みを浮かべて「惑星侵略連合」であるノストラたちに挨拶をしようと口を開くのだが・・・・・・。

 

「惑星侵略れんごぶぅ!!?」

 

唇を「ガリィ!」と噛んでしまい、ラグナは涙目になりながら口元を押さえつつも「わ、惑星連合の皆さん、お初にお目にかかります」と挨拶する。

 

『いや、挨拶は良いんだけど大丈夫かお前? 涙目だぞ?』

『よく見るとちょっと口から血出てますね。 『ガリィ!』って言いましたよ』

 

ナグス達の言葉に対し、ラグナは「ご心配なく」とナグスとレクターに言葉を返した後、ノストラが「君の噂は聞いている。 なんの用だ?」と問いかけてくる。

 

「えぇ、何やらオーブのことで思い悩んでいるそうなのでちょっとばかし手助けをと思いましてね。 あなた方に、魔王獣のお力をお貸ししましょう・・・・・・クフフ・・・・・・!」

 

 

 

 

その日の夜、紅葉は夢を見ていた。

 

光輝く巨人と光ノ魔王獣マガゼットンと激闘を繰り広げる夢・・・・・・そして、巨人の放った光線によって周囲が爆発し辺り一帯が焼け野原となった光景・・・・・・。

 

大切なものを守れなかった、それどころか・・・・・・自分がその大切なものを壊してしまったという事実、それに耐えきれず叫ぶ自分の姿・・・・・・。

 

そして・・・・・・。

 

「くぴー・・・・・・」

(・・・・・・なんか目覚めたら天使がいるんだけど)

 

目の前に飛び込んできたやたらと可愛らしい寝顔・・・・・・というか穂乃果の寝顔である。

 

どうやら紅葉はそこで目を覚ましたらしく、目を開けたらなぜか自分の隣で穂乃果が眠っていたのだが・・・・・・まぁ、なんとなく大体予想はできる。

 

恐らくトイレかなにかに行って自分の部屋に戻ろうとしたのだろうが寝ぼけていたせいで間違えて自分の部屋に入ってきてそのまま自分と同じベッドの中に入ってきたのだろう。

 

というか割とこういうことがよくあるし、穂乃果のことだから部屋が間違ってることに気づいたとしてもそこからまた部屋に戻るのが面倒だと思ってそのままベッドの中に潜り込んだのだろうと紅葉は考えたが・・・・・・正直悪い気はしなかった。

 

「ちょいとばかし、悪い夢見てたからな。 お前のおかげで朝からテンション下がるなんてことはなさそうだ」

 

しかし、悪夢を見たのと穂乃果が自分のベッドの中に潜り込んだせいか少しばかり汗をかいてしまい、外を見ればもう朝なので眠気覚ましにシャワーを浴びようとベッドから起き上がり部屋を出ようとするのだがパジャマの袖を穂乃果がグイっと引っ張って引き止められてしまう。

 

「むにゃ・・・・・・お兄ちゃぁ〜ん」

「・・・・・・可愛いから写真撮っとこう。 あとで海未とことりにも送ってやろう」

 

穂乃果の手をそっと離させてパシャリとスマホで穂乃果の寝顔の写真を撮った後、ことりと海未にも写真を送信。

 

しばらくすると2人から「b(グッ」と書かれた文字だけが返信されてきた。

 

それから紅葉は汗を洗い流すために風呂場へと行き、服を脱いでシャワーを浴びようとしたのだが・・・・・・。

 

「ってなんか臭いな。 なんだこの臭い? シャワー壊れちまったのか?」

 

一度シャワーの水を止めて一度風呂場を出て持って来ていた服に着替えるとシャワーが壊れたことを両親に伝えようと居間にいるであろう母と父の元へと向かったのだが・・・・・・。

 

「って臭!? 紅葉アンタどうしたのその臭い!?」

「えっ?」

 

紅葉は自分の身体をクンクンと匂うと確かに少し臭いが・・・・・・。

 

母のようにそこまでオーバーなリアクションをするほどの臭さだろうかと紅葉は疑問に感じたのだが、・・・・・・よくよく考えれば自分にとっては「この程度」の臭いだとしてもこの匂いは普通の人間ならば確かに耐えられる臭さではないことに紅葉はそこで気付いた。

 

「お、お兄ちゃんシャワー浴びに行ったのになんで逆に臭くなってんのさ!?」

「いや、なんかシャワーが壊れたみたいで・・・・・・」

 

両親と一緒に雪穂に近寄って説明しようとする紅葉だったが・・・・・・。

 

「うぷっ! ゲホゲホ! ちょっ、お兄ちゃんごめんあんまり近づかないで!! 幾ら何でも臭すぎる!」

 

雪穂にそう言われた瞬間、紅葉は「ガーン!」と頭に鈍器でもぶつけられたかのようなショックを受け、顔を俯かせて部屋の隅っこに行き膝を抱えてどこぞの鏡の騎士ばりの体育座りをする。

 

「う、うぅ・・・・・・! 雪穂に近づくなって言われた、臭いって言われた・・・・・・ううぅ・・・・・・!」

「ちょっ、泣かないでよお兄ちゃん!? ごめn・・・・・・って臭ッ!?」

 

あまりにもショックを受けすぎてる紅葉の姿を見てすかさず雪穂は謝ろうと思わず紅葉に近づいてしまったため、彼女は思わず鼻を摘まんでまた「臭い」と言ってしまい、それを受けて紅葉はさらに「ずーん」という効果音が聞こえそうなくらい落ち込んでしまう。

 

そんな時、「ふぁ〜」と眠たそうに欠伸をしながら穂乃果が居間へと丁度入ってきて穂乃果の姿を見た紅葉はきっと穂乃果なら雪穂みたいに「臭い」とストレートに言わない筈だ、きっと優しく受け止めてくれる筈だこの傷つけられた心を癒やしてくれる筈だと期待したのだが・・・・・・。

 

「って臭ッ!? なにこの匂い!? 一気に目が覚めたんだけど・・・・・・!?」

 

自分に取って最後の希望とも言える穂乃果にも「臭い」と言われてしまい、ますます紅葉は落ち込んで部屋の隅っこに再び体育座りをしてしまい、それを見た穂乃果は「まさか・・・・・・」と思い家族の面々と視線を合わせると雪穂達は一斉に頷く。

 

「そうだよお姉ちゃん、この匂いは・・・・・・お兄ちゃんからしてるの・・・・・・」

 

鼻を摘まみ涙目になりながら雪穂は穂乃果にそう伝えると穂乃果はあわてふためき始める。

 

「あわわわわ!? 臭いなんて言ってごめんお兄ちゃぁーん!!」

 

慌てて穂乃果は紅葉に駆け寄って謝ろうとしたのだが・・・・・・あまりの悪臭に穂乃果は「臭ッ!?」と思わず鼻を摘まんでしまい・・・・・・。

 

しかもその際に足を滑らせて転んでしまい・・・・・・しかもその先が丁度紅葉の背中に抱きつく形となってしまった為、穂乃果は至近距離で紅葉から放たれる悪臭を結果的に嗅いでしまうこととなり・・・・・・彼女は「気絶」という名の深い眠りに再び入ってしまうのだった。

 

「きゅう〜」

「あああああ!!? お姉ちゃん!!?」

「ほ、穂乃果!!?」

「お、おい穂乃果しっかりしろ!!」

 

紅葉は気を失った穂乃果の身体を揺するが母に「むしろアンタが近くにいると逆効果だから今すぐ離れて!!」と悪気も悪意がないのも分かるが割と心にグサッとくることを言われて紅葉はまたも俯きながらすぐさま穂乃果から離れるのだった。

 

また一部始終を見ていた父はあたふたと慌てており、穂乃果も心配ではあるが心に大きくダメージを受けた紅葉も心配なため、父はどうすれば良いか必死に考えるが・・・・・・母が「穂乃果は私達に任せて紅葉の方に行ってあげて」と言われたため、父は紅葉を励まそうとポンッと彼の肩に手を置くのだった。

 

勿論、鼻を摘まみながらであるが。

 

「逆に辛くなるんだけど・・・・・・その励まし方・・・・・・」

 

紅葉にそう言われてその励ましが全くの逆効果であることに気付くと、父は「ガーン!」とショックを受けてしまうのだった。

 

それからというもの・・・・・・店から1ケース分くらいの消臭スプレーを買ってきてそれらを全てを使い切っても紅葉の身体に染みついた匂いは一向に取れることはなく全く効果がなかった。

 

そこで母が最後の手段として提案したのが・・・・・・。

 

「あの・・・・・・母さん? なにこれ・・・・・・?」

「なにって・・・・・・生姜だけど?」

 

紅葉の身体にはビッシリと生姜がそこら中に貼り付けられており、紅葉はだからなんで生姜なんだと疑問に思ったのだが母曰く「生姜には匂いを消す成分があるからね!」とのことらしいのだが・・・・・・それでもやっぱりまだ匂いが完全に取れることはなかった。

 

(そう言えば他のところも同じような現象が起こってるみたいなんだよな。 しかもこれだけやっても取れない匂い・・・・・・1つ心当たりがあるな。 仕方が無い、雪穂と穂乃果にこれ以上避けられないためにちょっくら行ってくるか!! つーか俺の考えた通りの奴が原因なら絶対この匂いの原因の奴をぶっ飛ばす)

 

 

 

 

 

 

それから数分後・・・・・・。

 

「・・・・・・」

 

絵里は今日は学校の休日で特にやることもなく久しぶりに街に出て最近学校のことやらなんやらで忙しかったため、全てを忘れて買い物でもしようかと思い外に出てきたのだが・・・・・・街の方に向かって歩いていると昨日も訪れた例の公園の前を通りかかり、昨日の希の話をなるべく思い出さないようにしてすぐに公園を通り過ぎようとしたのだが・・・・・・。

 

公園に・・・・・・しかも昨日希が話してた森の前に全身に生姜を身につけた不審者がいることに気がつき、しかもそれが見知った顔だったのだから彼女は思わず足を止めてしまった。

 

「あなた・・・・・・なにしてるの? そんな格好で・・・・・・?」

「おぉ! 生徒会長、どうしたんですか?」

「いや、どうしたって・・・・・・あなたの方がどうしたのよ? 全身生姜だらけなんだけどって臭ッ!?」

 

公園に入って紅葉の元へと駆け寄り話しかける絵里だったが、やはり絵里でも紅葉が発せられる匂いはキツいらしく、思わず鼻を摘まんでしまいそれに紅葉はまたショックを受け、隅っこの方で指でのの字を書き始めてしまう。

 

「どうせ・・・・・・俺なんか、臭いですよ・・・・・・。 かわいい妹達からも『お兄ちゃん臭い!』って言われて・・・・・・。 ここに来る途中に海未とことりにも会ったけどあいつ等にも悪気がないのは分かるけど臭いって言われて・・・・・・う、うぅ・・・・・・ぐすっ」

(意外にもメンタル弱ッ!?)

 

少し癪な気もするが謝ろうとした絵里だったがいきなり紅葉はスクッと唐突に立ち上がると「絶対になんとかしてやるからなぁ!!」と彼は叫びながら例の噂の森の中へと入っていくのだった。

 

「えぇ!? ちょ、ちょっと!?」

 

絵里の制止も聞かず、紅葉はズカズカと森の中へと入っていき・・・・・・それを見た絵里は追いかけるべきか悩んだが・・・・・・。

 

(って別に私がワザワザ彼を追いかけていく必要なんてないじゃな・・・・・・)

 

とそこで絵里は昨日希が言っていた「その森はなんでもさる方の高貴なお墓だって言う言い伝えがあって江戸時代から入らずの森と言われて1度入ると誰も出てこれなくなるんやって」という言葉を思い出し、絵里は「まさか」と思い思わずその森の中へと紅葉を追いかけて足を踏み入れてしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

しかし・・・・・・。

 

絵里は紅葉を追いかけて森に入ったは良いもののあっという間に彼の姿を見失ってしまい、入って数分としない内に彼女は森の中で迷ってしまったのだった。

 

「ここどこよぉ・・・・・・」

 

しかも森の中ということもあって辺りは日が出てるにも関わらずそこそこ暗い。

 

絵里は「しかもここ暗いぃ〜」と少し肩を震わせつつも一旦引き返して誰か大人の人を呼ぶべきだと思い森を出ようと絵里は歩き続けるのだが・・・・・・。

 

「全然森から出れない。 どうなってるのよ一体・・・・・・?」

 

まさかあの「入らずの森の噂は本当だったのか?」なんて思い始める絵里だったが、彼女は首を横にブンブンと振ってそんなことある筈ないと否定し、再び歩み出そうとしたその時のことである。

 

後ろから妙な視線を感じた絵里は冷や汗を流しつつもそっとゆーっくりと後ろを振り返るとそこには白い服を着た女性がジーっとこちらを見ており、彼女は一瞬「ひっ!」と声を漏らしてしまったがすぐに冷静さを取り戻し「幽霊なんている訳ない、あの人に道を尋ねよう」と思って白い服の女性に道を尋ねようとしたのだが・・・・・・。

 

白い服の女性はすぅーっとみるみる内に身体を半透明にさせてその場から完全に文字通り「消え」去ってしまったのだ。

 

「・・・・・・えっ?」

 

目の前で起きた出来事が信じられず唖然とする絵里だが、数秒後には彼女の目尻には涙が浮かび上がり・・・・・・。

 

「ま、まままままままさかまさかまさか!! い、今のっておおおおおおおばおばおば・・・・・・!!」

 

するとその時彼女の後ろの方で「ガサッ」という音が聞こえるや否や絵里はその音に驚いて「ひぃ!?」と小さな悲鳴をあげて飛び上がるとすぐさまその場から逃げ出すように全力疾走。

 

「いいいいいいやああああああ!!!!!? エリチカおうちかえるううううううううう!!!!! ダレカタスケテエエエエ!!!!」

 

 

 

 

 

 

一方その頃・・・・・・。

 

「かよちんどうしたにゃ?」

「なんだろう、今なにか凄く大切なものを奪われた気が・・・・・・」

 

どこかの生徒会長は花陽から大切なものを奪っていきました、それは彼女の台詞です。

 

 

 

 

 

場所を戻し、絵里は「ぜぇ、ぜぇ・・・・・・」と肩で息をしながら木にもたれかかって休憩しており、本当なら休憩などせずに今すぐにでもこの森から出て行きたいのだが先ほどまで何分かずっと全力疾走していたせいで一気に体力を使い果たしてしまい、体力を回復するまで彼女は今はこの場でやむなく休むことにしたのだ。

 

徐々に呼吸も楽になってきた時、絵里はこの辺りになにか帰るためのヒントになるものでもないだろうかと思い辺りを念のため見回してみるのだが・・・・・・周辺には草木があるだけでこれといった目立ったものはなく、後は強いて言えば辺りが「薄暗い」ということだけだろうか。

 

(この程度の暗さなら平気なんだけど・・・・・・もしも夜になったら・・・・・・)

 

ちなみに彼女、暗い場所も大の苦手であり、もしも夜になっても帰れなかったらと思うと怖くてたまらず、せめてこの恐怖心だけでもどうにか和らげる方法はないかと考えていると絵里はパッとなにかを思いつき明るい表情を浮かべる。

 

「そうだわ! こんな時はドラ〇もんの歌でも歌いましょう!」

 

ということで絵里は早速今思いついた方法を実行するべくドラ〇もんの歌を恐怖心を和らげるために歌い始めることに。

 

『オイ、なんかあの女・・・・・・ドラ〇もんの歌を歌い始めたんだが・・・・・・どうすんだこれ? 完全に出て行くタイミング逃しちまったぞ』

 

一方・・・・・・そんな絵里の姿を、木々に隠れながら、黒服スーツを着た部下2人とレクターを引き連れたナグスが若干引き気味で「どうすりゃいいんだこれ?」と彼女の様子を伺っていたのだ。

 

実は絵里のいるこの森は侵略者である自分達の宇宙船を隠すために使っており、この森が「入らずの森」と呼ばれているのも彼等の宇宙船から発せられる特殊フィールドの影響で森から出られなくなり、森の中に侵入した人間は万が一のことを考えて主にナグスが口封じのためにその人間を始末していたからというのが真相。

 

尚、黒服スーツ2人からは「別にタイミングとか気にしないでパッパッとやればいいのでは?」と言われたがナグス曰く「どうせならかっこ良く登場したいだろうが!!」ということでもうしばらく様子を見ることにし、再びナグスはそーっと絵里の方に気づかれないように彼女の様子を見ると・・・・・・。

 

「ふっふっふふふふーん♪ ふっふっふふーん♪」

 

2番の歌詞があんまり思い出せないため、殆ど鼻歌で歌って誤魔化していた。

 

『2番の歌詞うろ覚えじゃねえーか!! 殆ど鼻歌で誤魔化してるじゃねーかぁ!!?』

「えっと・・・・・・えぇっと・・・・・・なんだったかしらこの後・・・・・・?」

『おい、しかも詰まったぞ』

『別にドラ〇もんの歌を歌ってよーが関係無いでしょう? この森に入った人間は生きて帰す訳にはいきません。 さっさとあの地球人を始末しますよ』

 

レクターに言われてナグスも「まぁ、確かにそうだな」と頷き、レクター、ナグス、黒服スーツ2人はそれぞれ別れて四方から絵里に気づかれないように彼女の周りを囲み、レクターのかけ声でナグス達は一斉に絵里の前に姿を現す。

 

『それ突撃イイイイ!!!!』

 

レクターのそのかけ声を合図に一斉にナグス達が絵里の前に姿を現すのだが・・・・・・。

 

「・・・・・・あっ! そうそう2番はそれでしたっけ? 助かりました! この辺出てこなくて困ってたんです・・・・・・」

『・・・・・・えっ?』

『オイイイイ!! なんかただのドラ〇もんの歌の歌詞教えて貰った人みたいになってるじゃねえか!!』

 

というか、絵里はなぜこの状況で全く自分達にビビっていないのだろうかと首を傾げて疑問に思うナグス。

 

見たところ絵里はパニクってるようにも見える、そのせいで今がどんな状況なのかがイマイチ彼女は把握できていないのかもしれない、そう思ったナグスは銃を絵里に突きつけながら気を取り直し・・・・・・。

 

『おい!! お前今がどんな状況が分かってんのか! 俺達宇宙人だぞ!? ちょっとは驚けよ!!』

「えっ? 宇宙人・・・・・・?」

『そう宇宙人! しかも侵略者のバリバリの悪者さ!!』

 

これで少しはビビっただろうと思うナグスだったが、絵里はというと・・・・・・。

 

「なによ宇宙人くらい!! 幽霊よりマシじゃない!!」

 

とか言い出して全く怖がる素振りすら見せず、そんな絵里に対してナグスは「はぁ・・・・・・」と小さく溜め息を吐くと彼女の顔の横をナグスが放った光弾が通過し、その先にあった木に直撃し・・・・・・その木は折れて大きな音を立てて倒れたのだ。

 

「・・・・・・うぇ?」

『これで少しは状況が飲み込めたか? お前は今、命の危機に晒されてんだよ!』

 

ナグスがそこまでやって絵里はようやく冷静になり、今がどんな状況かを辺りを確認して把握すると彼女は冷や汗を流し・・・・・・ナグスが再び絵里に銃口を向け、それに彼女は凍り付き、動けなくなってしまう。

 

「ひっ!?」

『そうだ怯えろ、悲鳴をあげろ!! 人間狩りはやっぱりこうでないとなぁ!!』

『相変わらず悪趣味な人ですね〜』

 

すぐさま絵里はそこから走って逃げだし、そんな絵里をナグスは笑いながらレクター達と一緒に走る絵里を追いかけ、絵里は森から出ようと必死に走り回るが・・・・・・いつの間にかナグス達が前からやってきていた。

 

(さ、先回りされたの!?)

 

ナグスは右手に持つ銃から、レクターは両腕の盾に収納された銃口からそれぞれ光弾を絵里に向かって発射し、絵里は頭を抱え悲鳴をあげながら反対方向へと逃げ出す。

 

『っていうかレクター、人のこと悪趣味とか言ってお前も案外人間狩り楽しんでねえか?』

『バレました? テへ☆』

『キモッ』

 

視点を絵里へと戻し、彼女は全力で森の中を走っている中、その時、絵里がなにかに躓いて転んでしまい、地面に倒れた彼女は服が汚れたこともあって「もう、なに!!?」と怒りながら立ち上がって足下にあったものを見るとそこには・・・・・・古墳らしきものがあったのだ。

 

「なに? これ・・・・・・? なにか書いてある、玉響姫?」

 

絵里が興味深そうにその古墳を見ているとそこへナグス達が現れて彼女はナグス達に囲まれて逃げ場を失ってしまい、ナグスは「鬼ごっこはもうおしまいか?」と少し残念そうな声を出しながら銃を絵里に向けて構える。

 

「はっ・・・・・・!? しまった!?」

『私としてはもう少しハンティングを楽しみたかったのですがね。 所詮はその程度の獲物ですか・・・・・・』

 

レクターはどこか呆れたような残念そうな様子で腕の銃口から光弾を放とうとするのだが・・・・・・。

 

その時。

 

『~♪』

 

あるハーモニカのメロディーがどこからともなく聞こえ始め、ナグスやレクター、黒服スーツ2人はそのメロディーの音色を聴いて突然頭を抱えて苦しみ出す。

 

「高坂くん!!」

『ぐあああ!? なんだこのメロディーは!?』

『頭が、割れるようです・・・・・・!!』

 

そしてオーブニカで音楽を奏でながら木の影から紅葉が現れ、ナグスは「何者だテメェ!!?」と問いかけると紅葉は演奏をやめて、「お前みたいなのに名乗る名前はない!」と言い返す。

 

『っていうか、あなたなんかカッコつけて出てきましたけど・・・・・・生姜まみれって・・・・・・。 というか臭ッ!? こっちまで匂いが漂って来ますよ?』

「うっさいわ!! こうなったのもお前等の仕業だろ!?」

 

レクターの言動にイラッときた紅葉は額に青筋を浮かべながらナグス達に向かって駈け出し、ナグスとレクターはすかさず光弾を紅葉に向かって放つが紅葉はそれらを全て避けてレクターに跳び蹴りを喰らわせた後、すかさずナグスの顔面に回し蹴りを喰らわせる。

 

『ぐあ!? この野郎!!』

 

今度は黒服スーツの2人が紅葉に同時に殴りかかるが紅葉はしゃがみ込んでそれを回避し、黒服スーツの1人の腹部に拳を叩き込み、もう1人の黒服スーツにはラリアットを喰らわせて殴り飛ばす。

 

そこでレクターとナグスは紅葉を挟み撃ちにして光弾を撃ち込もうとするが紅葉はジャンプして躱すことで光弾はナグスとレクターにそれぞれ直撃。

 

『ぐおっ!? テメーしっかり狙え!!』

『あなたこそ!!』

 

紅葉はナグスとレクターが喧嘩をしている間に絵里の腕を掴んで「こっちだ!!」と彼女を引っ張り、戸惑う彼女を余所にそこから逃げだし、それに気づいたナグス達は急いで紅葉達を追いかける。

 

やがて紅葉は絵里を連れて森の中にある湖に出ると紅葉は「しまった・・・・・・」という表情を浮かべ、彼は一度絵里の方へと振り返るのだが・・・・・・絵里は涙目で必死に鼻を摘まんでおり、そんな彼女の姿に紅葉はまた若干凹んでしまう。

 

「助けてくれたことには感謝するけど・・・・・・ごめんなさい、もう少し離れて貰えるかしら?」

「・・・・・・はい・・・・・・」

 

そう言われて紅葉は絵里との間に一定の距離を置くことに。

 

するとその時、大地が揺れ始め・・・・・・湖からタツノオトシゴの様な顔をした怪獣・・・・・・「水ノ魔王獣マガジャッパ」が出現し、それと同時に湖からとてつもない悪臭が放たれ絵里は思わず気絶しそうになるが・・・・・・なんとか堪える。

 

「な、なにこの匂い・・・・・・? まるで洗ってないザリガニの水槽のニオイだわ」

「流石に、本体から直接発せられるだけあって俺でも・・・・・・。 洗ってない雑巾みてえなニオイだな」

 

そしてマガジャッパはというと・・・・・・特になにをする訳でもなく、そのまま湖に浸かってまるで風呂にでも入ってるような様子を見せ、それを見た紅葉はというと・・・・・・。

 

「おい!! ちゃんとかけ湯してから入れ!! マナー違反だぞ!! お前のせいで俺は風呂に入りたくても入れないんだぞ!!」

(えっ!? ツッコムところそこなの!?)

 

そんな紅葉にマガジャッパは「うるせぇ!!」とでも言うよう頭部先端から放たれる黄色い高圧水流による攻撃「マガ水流」を彼に向かって放ち、紅葉は絵里を慌てて押し退かし、自分は足下にマガ臭気が直撃しそれによって大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「ぐああああ!!?」

「高坂くん!!」

 

さらにその時の衝撃でオーブリングも地面に落としてしまい、紅葉はすぐにそのことに気づいてオーブリングを取りに行こうとするが・・・・・・いつの間にか現れたラグナに先にオーブリングを拾われてしまう。

 

「えっ、だ、誰・・・・・・?」

「ラグナァ・・・・・・!!」

「オイオイ、大切なものだろコイツは? しっかり持っとかないとなぁ〜」

 

嫌らしい笑みを浮かべながらオーブリングを見せびらかすようにするラグナ。

 

そんな彼に対して紅葉は「そいつを返せ」と言うがラグナは「自分で取り返してみろよ」と答える。

 

「こいつだけじゃない。 昔のお前自身もだ」

「・・・・・・」

 

紅葉はオーブリングを取り返そうとラグナに向かって駈け出して行き、殴りかかるがラグナはそれを受け流して回し蹴りを紅葉に喰らわせる。

 

「ぐっ・・・・・・!」

「俺は本気のお前と戦りあいたいんだよぉ!! それなりに待ったんだ、ガッカリさせるな紅葉ぃ!!」

 

今度はラグナが紅葉に向かって殴りかかるが紅葉はラグナの拳を受け止めて彼の腹部を蹴りつけ、それによってラグナが怯んだ隙を狙いオーブリングを持つラグナの右手に膝蹴り喰らわせ空中に飛んだオーブリングを掴み取る。

 

「フヒ、フヒヒヒ・・・・・・!! フヒッゲホォッ!!? ゴホゴホッ! はぁ、成程な、ブランクはあったがそこまで錆び付いちゃいないって訳か? っていうかさっきから思ってたけど臭ッ」

「お前まで言うか!? それに元はと言えばお前がどうせ元凶だろうが!!」

 

するとそこに丁度ナグス達が駆けつけ、ナグスは紅葉と絵里を見つけるや否や「見つけたぞ!!」と言いながら銃を絵里に向かって構えるが即座に右手を紅葉に蹴り上げられ、さらに顔面を殴りつけられたことで軽く吹き飛ばされるナグス。

 

『ガア!?』

「会長!! 逃げろ!!」

「で、でもあなたを置いて行くわけにはいかないわ!! 私は生徒会長なのよ!? 同じ学校の生徒を置いて行くなんて・・・・・・!!」

「俺なら大丈夫だ!! 信じろ!!」

 

紅葉は絵里に襲いかかろうとする黒服スーツ2人の攻撃を避けながら腹部に連続で拳を叩き込んだ後、その内の1人の腕を掴んで背負い投げをしてレクターの方へと放り投げ、後ろから羽交い締めしようとしてきたナグスも後ろ回し蹴りで蹴り飛ばす。

 

「会長!! 早く逃げろぉ!!」

「わ、分かったわ。 すぐに助けを呼んでくるから!!」

 

絵里は戸惑いつつもは紅葉に強くそう言われ、彼の言葉を信じてそ再び森の中へと向かって走り出し、ナグスはラグナに「逃がすな!!」と指示を出すとラグナは「了解♪」と敬礼した後、ダークリングと1枚のカードを取り出し、カードをダークリングにリードさせるとそのカードに描かれた「一角超獣 バキシムデストロイヤー」が実体化して出現。

 

「キシャアアアア!!!!」

 

ダークリングから呼び出されたバキシムデストロイヤーは森の中へと消えた絵里を追いかけ始めたのだ。

 

「ひい!? 幽霊に宇宙人に怪獣・・・・・・なんなのよぉ、今日はいったい〜!!」

「怪獣じゃない、超獣だ」

 

絵里の叫びを訂正するラグナだったが、次の瞬間紅葉に投げ飛ばされた黒服スーツの1人がラグナに激突し、ラグナはバランスを崩してマガジャッパが浸かっている湖に落っこちてしまう。

 

「うぐあああ!!?」

 

なんとかすぐに這い上がってきた時ラグナだったが、這い上がって来た時にはそれはもう、マガジャッパが直接臭くしている湖だけあってラグナに染みついたその匂いは紅葉以上の臭さとなっており、若干距離を開けているラグナ達にもその匂いが漂ってきて気を抜いたら失神するレベルとなっていた。

 

「お、俺より酷い匂いしてんぞ。 お前・・・・・・!」

 

紅葉ですら鼻を摘まんでおり、ラグナはなにか悲しくなったが・・・・・・。

 

「マガジャッパ!! お前もあの小娘共を追いかけて踏み潰しちまいなァ!! お前にあの小娘共が守り切れるかな? 正義の味方さん♪ 受けてみろよォ!! 水中からの挑戦をなアァ!!」

 

もはやヤケクソ気味に叫んでいるんじゃ無いだろうかと思う紅葉だったが、今はそんなことはどうでも良いと考え、紅葉はオーブリングを構えて2枚のカードを取り出すとそれらをそれぞれリードさせる。

 

「アグルさん!!」

『ウルトラマンアグル!』

 

1枚のカードをオーブリングにリードするとカードは粒子となって青い海の力を持つウルトラマン、「ウルトラマンアグルV2」が姿を現す。

 

「ヒカリさん!!」

『ウルトラマンヒカリ!』

 

さらにもう1枚カードをリードさせると同じようにカードは粒子となり胸にスターマークと呼ばれるものがある青いウルトラマン、「ウルトラマンヒカリ」が姿を現す。

 

「青く輝く光の力、お借りします!!」

『フュージョンアップ!』

 

そしてオーブリングを高く掲げるとオーブリングの左右が展開され、アグルとヒカリの姿が紅葉を中心に重なり合い紅葉はアグルとヒカリの姿を合わせたような青き形態・・・・・・「ウルトラマンオーブ ナイトリキデイダー」へと変身したのだ。

 

『ウルトラマンオーブ! ナイトリキデイダー!』

 

変身を完了させたオーブは右手からナグス達に向かって光弾「ブレードスラッシュ」を放って吹き飛ばした後、絵里を追いかけるバキシムデストロイヤーとマガジャッパに向かって走り出し、ジャンプしてバキシムとマガジャッパの前に絵里を守るようにして立ちはだかる。

 

そして両腕に装備された武装から光の剣「ナイトアグルブレード」を出現させてバキシムとマガジャッパの身体を斬りつける。

 

『ナイトアグルブレード!!』

「「ギシャアア!!?」」

「あっ、ありがとうオーブ!」

 

オーブは絵里の方へと顔を向けると絵里は自分を助けてくれたオーブに戸惑いながらも助けてくれたことに対してお礼を言い、それにオーブは頷き、ある方向を指差す。

 

「向こうに行けってこと・・・・・・?」

 

絵里の問いかけにオーブは「そうだ」と言うように頷くと、絵里は「オーブって人の言葉が分かるのね・・・・・・」と少し驚いたがそんな場合ではないとすぐに考えを切り替え、オーブが教えてくれた通りの方向へと走っていくのだった。

 

「ギシャアア!!」

 

そこで起き上がったバキシムが頭部のミサイルを3発オーブに向かって発射した後、さらに連続で右腕に装着された主砲から砲弾を何発も発射するが・・・・・・オーブは両腕のナイトアグルブレードでそれらを全て切り裂く。

 

『影を払いし、光の刃!!』

 

そこからオーブは一通りバキシムの攻撃を捌き、剣を仕舞うと右手を前に突き出して手をクイクイとさせて相手を挑発し、それを見たバキシムは雄叫びをあげながらオーブに向かって駈け出しオーブに右腕を振るって殴りかかるがオーブはそれを受け止め、左拳をバキシムの腹部に叩き込む。

 

そこに続けてマガジャッパが突進を繰り出しオーブはそれを両手で受け止めるが・・・・・・マガジャッパは力尽くでオーブを突き飛ばし、オーブは吹き飛ばされてしまうがどうにか地面に着地。

 

しかしマガジャッパの頭部先端から放たれる黄色い高圧水流による攻撃「マガ水流」を受けて再びオーブは吹き飛ばされ地面に激突してしまう。

 

『グアアア!!?』

 

さらにそこへバキシムが倒れ込んだオーブに向かって両手から火炎を放つがオーブは素早く立ち上がってジャンプして回避し、バキシムに向かって跳び蹴りを叩きこむ。

 

「キシャア!!?」

「ギアアアアア!!!!」

 

そこにマガジャッパがオーブの隙を突いて口から放たれる臭気ガスによる攻撃「マガ臭気」を吐きだし、思わず怯んでしまい匂いを振り払おうと手をブンブンと振るオーブ。

 

『うわぁ!? くっせぇ・・・・・・!!』

 

それによりオーブが怯んだところを狙ってマガジャッパはオーブに掴みかかって動きを封じ、マガジャッパがオーブの動きを封じてる隙にバキシムはオーブを攻撃しようとするがオーブは向かって来るバキシムに対して両足を振り上げることでバキシムを蹴りつけることに成功し、その際にどうにかオーブはマガジャッパの腕を掴みあげて背負い投げを繰り出す。

 

『デアアアア!!』

「グルゥ!!?」

 

だが、今度はバキシムが腰部に装着された装備から魚雷のようなものを落として地面の中に沈ませ、魚雷がオーブの足下に来ると爆発しオーブはバランスを崩して膝を突いてしまう。

 

『ウグアアア!!?』

 

それを狙い、マガジャッパはマガ臭気を、バキシムは腕の主砲から砲弾と両手のミサイルを同時に発射してオーブを攻撃し・・・・・・攻撃の際に起きる煙でオーブの姿が見えなくなるまでバキシムとマガジャッパは攻撃を続け・・・・・・「もうこれぐらい攻撃すれば良いだろう」と判断した為か、一度攻撃の手を緩める。

 

そしてマガジャッパとバキシムは煙が晴れるのを待ち、オーブを倒したかどうか確認するのだが・・・・・・そこには攻撃を耐えきったオーブの姿があり、それを見たマガジャッパとバキシムは驚いたような仕草を見せる。

 

攻撃を耐えきったオーブは立ち上がり、両手を頭部の上でXの字に組んでエネルギーを集約してさらに腕を上下に伸ばし敵に向けて放つ光の刃「クラッシャーナイトリキデイター」を放つ。

 

『クラッシャーナイトリキデイダー!!!!』

 

直前にマガジャッパは身体を透明化させてその場を離脱したがバキシムはオーブの放ったクラッシャーナイトリキデイダーを喰らって身体を切り裂かれ、火花を散らして倒れて爆発したのだった。

 

「キジャアアアアア!!!!?」

『マガジャッパはどこに・・・・・・』

 

バキシムを倒し、残るはマガジャッパのみとオーブが辺りを見回していると、突然マガジャッパはオーブの背後から姿を現し、両手の吸盤部分から放つガスで敵を包み込んでそれを再び両手で吸引し、敵の身動きをとれなくする「マガ吸引」でオーブの捕えて動きを封じるとそのままマガジャッパはマガ臭気を吐きだしてオーブを苦しめる。

 

『ぐあああああああ!!!!? や、ヤバい・・・・・・意識・・・・・・が・・・・・・ッ!』

 

オーブを捕まえたままマガ臭気を吐き出し続けるマガジャッパ。

 

やがてオーブも意識が徐々に朦朧としてきて倒れそうになったその瞬間・・・・・・。

 

「コラーーーーーー!!!! この怪獣!! オーブを離しなさーーーーーい!!」

 

そこへ、なぜか戻ってきた絵里がマガジャッパに向かって必死に石を投げつけてる姿がオーブの目に映り、朦朧とする意識の中でオーブは「なんで戻ってきたんだ・・・・・・!!」と驚愕する。

 

「この変顔怪獣!! 早く離しなさいよ!! この変顔怪獣ーーーーーー!!!!」

 

絵里はマガジャッパに悪口を言いながら石を投げ、言葉の意味を理解しているのかマガジャッパは額に青筋を浮かべて「誰が変な顔だこのヤロー!!!!」とでも言うようにオーブを突き飛ばすと絵里に向かってマガ水流を放つ。

 

「きゃあ!?」

『危ない!!』

 

だが・・・・・・その時、絵里の目の前に突然あの時の白い服の女性が現れ青いバリアのようなものを張り巡らせるとマガジャッパのマガ水流を受け止めて攻撃を防いだのだ。

 

「あ、あなたは・・・・・・」

『・・・・・・』

 

そして女性は絵里の方へと少しだけ振り返って彼女の無事を確認すると女性はそのまますぅーっと消え去るのだった。

 

『今のは・・・・・・。 いや、それよりも!!』

 

絵里のおかげで完全に意識を取り戻したオーブは立ち上がってジャンプするとそのままドロップキックをマガジャッパに叩きこんで蹴り飛ばし、オーブは絵里からマガジャッパは引き離させる。

 

『マガジャッパ・・・・・・!! お前は会長を攻撃しようとしたことで完全に俺の怒りを買った!! 俺の怒りの炎を見せてやる!!』

 

そして紅葉はに新たに2枚のカード・・・・・・を取り出し、最初に「ウルトラマンタロウ」のカードをオーブリングにリードさせる。

 

『タロウさん!!』

『ウルトラマンタロウ!』

 

続いて紅葉はもう1枚のカード「ウルトラマンメビウス」のカードをオーブリングにリードさせ・・・・・・。

 

『メビウスさん!』

『ウルトラマンメビウス!』

 

そしてオーブリングを高く掲げる。

 

『熱いやつ、頼みます!!』

『フュージョンアップ!』

 

オーブリングの左右が展開され、カードから現れたタロウとメビウスは紅葉を中心に重なり合い紅葉はタロウとメビウスの姿を合わせたような「ウルトラマンオーブ バーンマイト」へと変身したのだ。

 

『ウルトラマンオーブ! バーンマイト!』

 

バーンマイトへと姿を変えたオーブは空中へとジャンプして空中で何度もひねりや回転を加えてから繰り出すキック「スワローキック」をマガジャッパへと叩き込む。

 

「グルアアア!!!?」

『紅に燃えるぜ!!』

 

戦闘BGM「バーンマイトのテーマ」

 

マガジャッパは口からオーブに向かって「マガ水流」を放つがそれに対してオーブはマガ水流を避けて素早くマガジャッパに接近し、両手に炎を宿した「ストビュームナックル」でマガジャッパの顔面を何度も殴りつける。

 

『お前だけは絶対許さねえぞ!! ウチの学校の生徒会長に攻撃を加えたこと!! お前のせいで海未とことりからも臭いとか言われたこと!! なにより1番許せないのはぁ・・・・・・!! お前のせいで俺の可愛い妹2人に『お兄ちゃん臭い』って言われたことだああああああああ!!!!!!!』

 

オーブは怒りのストビュームナックルによるアッパーカットをマガジャッパの顎に決め込み、マガジャッパは空高く吹き飛んだ後、地面に激突。

 

「グギャアアアアア!!!!?」

 

倒れ込んだマガジャッパはフラフラっとしながらもどうにか立ち上がり、マガ水流をすかさずオーブに向かって放つがオーブはそれを素早く回避してそのままスライディングキックをマガジャッパに決めて倒れ込ませるとオーブはマガジャッパの両足を掴んで力いっぱい持ち上げて投げ飛ばす。

 

『デアアアアア!!!!』

「ガアアア!!?」

 

投げ飛ばされたマガジャッパは地面に強く叩きつけられ、フラつきながらもどうにか立ち上がるが・・・・・・。

 

『これで決める!! ストビューム・・・・・・ダイナマイトォ!!!!』

 

その瞬間を狙い、オーブは全身に炎を纏って相手に体当たりし、抱きついて爆発させる必殺の「ストビュームダイナマイト」をマガジャッパへと繰り出し、それを喰らったマガジャッパはオーブの炎に身体を燃やし尽くされ爆発したのだった。

 

「ギシャアアアアアア!!!!!?」

 

ストビュームダイナマイトによって、オーブはマガジャッパを倒したことを確認するとオーブは空を見上げて空中へと飛び立って去って行くのだった。

 

 

 

 

 

その後、オーブは紅葉の姿に戻りマガジャッパの破片からウルトラマンのカードを回収すると今回出てきたカードは「ウルトラマンジャック」のカードが彼の手に渡ったのだ。

 

「こいつを封印していたのは、ウルトラマンジャックさんでしたか。 お疲れ様です」

 

紅葉はジャックのカードに向かって笑みを浮かべながらそう言うと彼は急いで絵里の元へと向かうことに。。

 

また一方でラグナもダークリングを使い、倒されたマガジャッパのカードを回収していた。

 

「これで魔王獸はあと一体・・・・・・感謝するぜ? 紅葉? 割と今回は半分くらいは本気で」

 

そう言いながらその場を去って行くラグナであったが、途中で何回かマガジャッパの匂いが取れたかどうか腕の臭いをクンクンと嗅ぎながら彼は確認していたりしたのだった。

 

 

 

 

 

 

それから絵里と紅葉は無事に森を抜け出すことができ、絵里は散々な1日だったと思い返し、「はぁ」と大きな溜め息を思わず吐いてしまった。

 

「っていうか会長なんで戻って来たんですか? オーブが『あっちに行けば出られる』みたいな動作してませんでした?」

「い、いやぁ・・・・・・その・・・・・・。 オーブに教えられた通りの道を進んだんだけど・・・・・・結局道にまた迷っちゃって・・・・・・。 その時丁度オーブがピンチそうだったから、助けられた借りもあった訳だし・・・・・・」

 

さらに絵里も今自分達がいる場所がどこか分からず、また迷ってしまいその時オーブもピンチのようだったので思わずあのように彼を助けるようなことをしてしまったらしい。

 

それを聞いて紅葉は「成程ね」と一応は納得。

 

「でもあんまりそんな無茶しないでくださいよ?」

「私だってもう二度とあんなのごめんよ」

「取りあえず今日は疲れたでしょ? もう帰りましょう送ります」

 

と紅葉は絵里に向かって言うのだが彼女は「別に良いわよ、1人で帰れるわ」とだけ返しスタスタと公園から出ようとするのだが・・・・・・途中で彼女がピタっと止まると紅葉に向かって振り返る。

 

「そ、その・・・・・・あなたが私を助けてくれたことは感謝するわ。 ありがとう」

 

どこか照れ臭そうに言う絵里に、紅葉は思わず笑うも「いえ、会長が無事で良かったです」と言葉を返したのだ。

 

「でも、だからってあなた達の活動は認めるつもりはないから。 それだけは覚えておいて」

「はい、分かりました。 でも、諦めません!!」

 

最後に紅葉がそれだけを言うと今度こそ彼女は複雑そうな顔を浮かべつつ公園を出て家に帰るのだった。

 

(・・・・・・あの怪獣が倒されて、臭いも落ちたし。 折角だからあそこ久しぶりにみんなで行るか)

 

 

 

 

 

「お兄ちゃんのあの匂いどうにかなって良かったぁ〜」

「ネットでのニュースでは水が臭くなったのは怪獣の仕業とのことですね」

「それをオーブさんが倒したおかげで水の匂いも元に戻ったんだよね〜」

 

そんな話を銭湯の風呂場で話をするのは紅葉に「久しぶりにみんなで銭湯いかないか?」と誘われ、それに応じた穂乃果と海未とことりであり、彼女達はお湯に浸かりながら談笑していたのだ。

 

そして男湯の方でも紅葉は服を脱いで早速風呂場へと入るのだが・・・・・・そこには壁をよじ登って女湯を覗こうとするラグナの姿があった。

 

「くっ、後もう少し・・・・・・!!」

「フンッ!!」

 

だが、そうはさせまいと紅葉が桶をブーメランのように投げつけて見事ラグナに直撃し、ラグナは壁から叩き落とされた。

 

「こんなところでなにしてんだお前・・・・・・?」

「紅葉・・・・・・こんなとこで会うとは奇遇だな。 なにしてるかって? 愚問だな、銭湯に来てやることって言ったら決まってるだろうが・・・・・・覗きだよ!!」

「銭湯は風呂に浸かりに来る場所だ!! 女湯を覗くための場所じゃねえ!!」

 

そんな彼等2人が口喧嘩をしている時、隣の女湯から穂乃果達の声が聞こえてきた。

 

『うーみちゃん♪ おっぱい大きくなった?』

『なっ! そんなに変化はないですよ!!』

「「・・・・・・」」

 

そんな話し声が聞こえてきたせいか、思わず黙り込む紅葉とラグナ・・・・・・。

 

『穂乃果ちゃんは・・・・・・牛乳大好きだからきっと大きくなってるよね? それ♪』

『うひゃああ!?』

『全くもう、昔からすぐ触ってくるんですから・・・・・・』

『しょうがないよ。 2人のことが、だーいすきだもん♪』

 

隣から聞こえてくる話し声のせいで顔をみるみる赤くする紅葉とラグナ。

 

「ってあれ? 1つ聞き覚えのある声が聞こえてんな。 もしかしてお前の妹も来てるのか?」

「えっ? あぁ、そうだけど・・・・・・」

「よし、覗こう。 他の奴等は知らんが1人は確実に得をするな俺が」

「絶対させてたまるかぁ!!」

 

とここでまた紅葉とラグナによる言い争いが勃発し、風呂に入りながら女湯の方では海未が「隣がうるさいですねぇ・・・・・・」と呟くのだった。




紅葉
「お待ちかねサブタイを探せ! のコーナー!!」

穂乃果
「イェーイ!」

不審者少女
「ねえ、なんであたし未だに出番ないわけ? 名前すら出てないんだけど」

紅葉
「今回は会長のメイン回な上に数合わせのためのエピソードだから全員出すのはちょっと無理があって・・・・・・」

穂乃果
「真姫ちゃんも今回出番ないし」

不審者少女
「あたしよりマシでしょうがそれでも!!」

紅葉
「大丈夫大丈夫、次回はちゃんと出番も名前も出るから」

穂乃果
「それじゃ今回の隠れたサブタイはー?」

紅葉
「ウルトラセブン41話から『水中からの挑戦』だ!」

穂乃果
「ラグナさんがヤケクソ気味に叫んでたシーンで言った台詞だよ! あっ、そうだ!」

紅葉
「んっ? どうした穂乃果?」

穂乃果
「その、ごめんね? お兄ちゃんのこと臭いって言って落ち込ませちゃったこと・・・・・・(手合わせて上目遣い」

紅葉
「可愛いから許す」

穂乃果
「雪穂や海未ちゃん達も後で謝りに来るって!」
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