ラブライブ! オーブ‼︎   作:ベンジャー

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光怪獣 プリズ魔
登場。


第6話 『光怪獣、襲来』

朝……神田明神にて……。

 

そこではことりが既に来て準備体操を始めていたのだが……その時ことりは背後に誰かの気配を感じ、振り返ってみたのだがそこには誰もおらず、ことりは「んっ~?」と首を傾げつつも準備体操の続きを行う。

 

「ごめんごめん! 待った~?」

「すまん、ちょっと遅れた」

 

するとそこへそう言いながら穂乃果と紅葉がことりの元へと現れる。

 

「ううん、私も今来たところだから!」

 

2人に言葉を返した後、ことりは海未は弓道の朝練があるため今日は来ていないことを伝えられる。

 

「っ!」

 

するとまたことりが誰かの気配を感じ慌てて振り返りるのだが……やはりそこには誰もいない。

 

そんなことりに紅葉と穂乃果は首を傾げる。

 

「どうかした?」

 

穂乃果が尋ねるとことりは穂乃果と紅葉にさっき誰か後ろにいなかったかと尋ねるが2人とも見ていないらしい。

 

「まさか、ストーカーか!?」

「えぇ!?」

 

紅葉の予想に穂乃果が驚きの声をあげる。

 

「俺の大事な友達をストーカーするとは良い度胸してるな!」

「よし、ちょっと私見てくるよ!」

「って穂乃果!? こういうのは男の俺が行くべきだろ!?」

 

しかし穂乃果は紅葉の制止を聞かずササッと隠れながら神社の角に誰かいないか確認しようとこっそり顔を出すのだが……。

 

そこには誰もおらず、穂乃果は「あれぇ?」と首を傾げながらさらに奥を見に行こうとするのだが……その時、誰かに足を掴まれて転びそうになる。

 

だが穂乃果はどうにか反射的に両手で地面を着き身体を支え、なんとか倒れるのを防ぐのだった。

 

「いったぁ~い!」

 

涙目で両手をパタパタする穂乃果。

 

するとその時、誰かが穂乃果に向かって駈け出して行き、穂乃果は思わず目を瞑るのだが何時まで経ってもなんともない。

 

その為彼女はそっと目を開けるとそこには右手でデコピンをしようとする何時ぞやのツインテールにサングラスにマスクのコート姿の不審者少女が立っており、不審者少女は穂乃果にデコピンを喰らわせようとする。

 

だがそこで紅葉が穂乃果をグイっと後ろに下げて不審者少女の右手を掴み、逆に紅葉がデコピンを不審者少女の額に喰らわせた。

 

「にごぉ!? あ、アンタなにすんのよ!?」

「それはこっちの台詞だ! ことりにストーカーするばかりか人の妹にデコピンしようとしやがって!」

「誰がストーカーよ!?」

 

するとそこへことりもやって来たのだが……ことりは不審者少女の姿を見て思わず固まってしまう。

 

「今日はあんた達に言いたいことがあって来ただけよ!「あんた達、とっとと解散しなさい!!」

 

ビシっと穂乃果達に指差し、そう言い放つ不審者少女。

 

しかし返ってきた返答はというと……。

 

「断る!!」

 

という紅葉からの言葉だった。

 

「即答してんじゃないわよ!! 良いから解散しなさい!!」

「絶対ヤダ!! 解散させたかったらカレーパン1年分持ってこい!!」

「誰が持ってくるか!! 兎に角さっさと解散しなさいよ~!!」

 

不審者少女はそれだけを言い残し、不審者少女はそそくさとその場から走り去り、そんな不審者少女を見てことりは「今の、誰?」と首を傾げるのだった。

 

「誰って……多分、黒咲しゅ……」

「もうそのネタ良いよ!」

 

そして穂乃果にそう怒られてちょっとしゅんっと落ち込む紅葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは! メンバーを新たに加えた新生スクールアイドル……μ'sの練習を始めたいと思います!」

「何時まで言ってるんですか? それはもう2週間も前ですよ?」

「だって! 嬉しいんだもん!!」

 

学校の放課後、穂乃果はほぼ毎日練習を始める度にそんなことを言っており、よほどμ'sに新しいメンバーが増えたのがよほど嬉しいらしい。

 

「なので何時も恒例の……1!」

「2!」

「3!」

「4!」

「5!」

「6!」

 

とこのように何時も練習を始める時はそれぞれ自分の番号を言っていくことになっており、穂乃果は「くぅ~!」ととても嬉しそうに歓喜の声をあげる。

 

「6人だよ6人! アイドルグループみたいだよね~! 何時かこの6人が神シックスとか仏シックスとか言われるのかなぁ~?」

 

なんて穂乃果は言うのだが……。

 

「仏だと死んじゃってるみたいだけど……」

 

即座に花陽からそうツッコまれた。

 

「毎日同じことで感動できるなんて羨ましいにゃ~」

 

さらっと穂乃果に毒を吐く凛。

 

「声だけじゃなくて毒舌なのもパーテルそっくりだな」

 

紅葉は小さくそんなことを呟く。

 

「それにそもそもそんなに活動してる訳じゃないんだからそういうオーバーな表現されるかどうかはまだ分からないだろ? まぁ、言われるように頑張れ」

 

そう穂乃果達にエールの言葉を送る紅葉、それに対して穂乃果は元気よく「うん!!」と頷く。

 

「私、賑やかなの大好きでしょ!? それに沢山いれば歌が下手でも目立たないでしょ!? あと、ダンスを失敗しても……!」

 

明らかに自分のミスを「沢山いれば誤魔化せる!」なんて感じのことを穂乃果が言い続けていると当然「穂乃果?」と海未に睨まれる訳で……。

 

「冗談だよ! 冗談!」

「ちゃんとやらないと今朝みたいに言われちゃうよ?」

 

ことりからも注意され、穂乃果は反省する。

 

ちなみに「今朝みたいなこと」と言うのはあの不審者少女に「解散しなさい!」と言われた時のことであり、あんなことを言われない為にも練習はしっかりやろうとことりは穂乃果に伝える。

 

「でも、それだけ有名になったってことだよね!」

 

確かにそこは凛の言う通りだ。

 

ある意味文句を言われるということはそれだけ有名になってきているということも意味している。

 

「それより練習! どんどん時間無くなるわよ?」

 

だが、そこで真姫が何時まで経っても練習が始まらないので早く練習を始めるように注意するのだが……そこで凛が真姫の肩にくっついてくる。

 

「おー! 真姫ちゃんやる気満々!!」

「べ、別に私はただとっととやって帰りたいだけよ!」

「またまた~? お昼休みみたよぉ? 1人でこっそり練習してるの」

 

凛にそう言われて真姫は顔を赤くする。

 

「あ、あれはただこの前やったステップがかっこ悪かったから変えようとしただけよ! あまりにも酷すぎるから!!」

 

必死に誤魔化そうとする真姫だが……。

 

「それ誰考えたか分かって言ってる?」

 

紅葉が真姫に問いかけると彼女は「えっ?」と首を傾げる。

 

「そうですか、あのステップ……私が考えたのですが……」

 

暗い表情で髪を弄りながら海未は真姫に言われたことにショックを受けいじけてしまい、それに真姫は「しまった……」という表情を浮かべる。

 

「気にすることないにゃ! 真姫ちゃんは照れ臭いだけだよね!」

 

凛が一応のフォローを入れながら練習場所の屋上へとみんなで向かうのだが……外を見てみるとかなりの雨が降っており、見ての通りの土砂降り雨でみんな残念そうな顔をする。

 

「梅雨入りしたって言ってたもんね……」

「それにしても降りすぎだよ! 降水確率60%って言ってたのにぃ~!」

「いや、それ普通に降ってもおかしくない数値だぞ……」

 

それに対して穂乃果は昨日も一昨日も60%だったのに降らなかったと言葉を返される。

 

するとその時外の様子を見ていたことりが少し雨が弱くなったかもと言ったのを聞いた穂乃果と凛はパアっと明るい表情を浮かべて勢いよく扉を開けて屋上に出る。

 

「やっぱり確率だよ! 良かったぁ~」

「これくらいなら練習できるよ!!」

 

穂乃果と凛はそんな風に練習する気満々なのだが、海未は下が濡れて滑りやすいし、また何時降り出すか分からないと言うのだが……彼女の言葉も耳に入らず穂乃果と凛は「大丈夫大丈夫! 練習できるよ!!」と屋上を走り回る。

 

「うぅ~! テンション上がるにゃ~!!」

 

そう言い放つと同時に凛はバク転してジャンプして空中を一回転し、着地して身体を今度は横に回転させて「ニャーン!」と決めポーズを取り、紅葉と穂乃果は思わず「パチパチパチ」と拍手するのだが……その直後に止みかけていた雨は再び土砂降りし、穂乃果と凛の2人は完全にずぶ濡れとなってしまう。

 

「私帰る」

 

真姫は呆れ顔で階段を降りていき、花陽も流石に今日は無理だと思ったのか「わ、私も今日は……」ということでことりもまた明日にするべきだと考え、と今日は練習無しとなってしまい、それに穂乃果と凛は「えー!?」と残念そうな声をあげる。

 

「帰っちゃうのぉ!?」

「それじゃ凛達がバカみたいじゃん!!」

「バカなんです」

 

「ムスーッ」とふくれっ面になる凛と穂乃果。

 

「膨れるな膨れるな」

 

紅葉はそんな2人を笑いながらそんな穂乃果と凛にタオルを手渡し、そのまま紅葉は穂乃果の頭をタオルで拭き始める。

 

「ですが、これからずっと雨が続くとなると練習場所をなんとかしないといけませんね」

「体育館も講堂も他の部活が使ってるし、せめてそろそろ部室が欲しいところだな」

 

そして階段から降りてくる彼女達の様子をこっそりを物陰から希が見ており、希は別の方向に視線を映すとそこには以前海未の渡したチラシを受け取らなかったツインテールの少女のにこが不服そうな顔を浮かべながらそこに立っていた。

 

「どうやらあの娘ら、止める気はないようやで? にこっち?」

「……フン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練習が無くなってしまい今日はみんなで「マ〇クに行こう!」ということになったのだが……穂乃果はふて腐れた顔でポテトを食べていた。

 

「穂乃果? ストレスを食欲にぶつけると大変なことになりますよ?」

 

海未に穂乃果は注意されるのが……穂乃果のふて腐れた表情は一向に崩れず……。

 

「練習したくてウズウズしてるなぁ-、穂乃果」

 

紅葉はふて腐れてる穂乃果の頭を撫でると彼女は「ふにゃ……」と少しだけ表情を柔らかくして少し機嫌が直ったのだが……。

 

そこでことりが自分の注文した商品を取りに行っていたことりが戻ってきて彼女から先ほど予報見たら明日も雨だという報告を聞くや否や又も彼女は不機嫌になってしまう。

 

(この際スペリオン光線でも空に向かって撃ち込んで無理矢理晴らさせるか……。 なーんて、幾ら俺でもそこまでしないさ……)

 

そんなことを心で思いながらスマホを弄って今日起こったニュースなどを見ていると「航行中の船舶や灯台が一夜にして消滅!」と書かれた記事があり、紅葉は思わずそれに見入ってしまう。

 

「なんか、どこかで聞いたような事件だな……」

 

紅葉は小さく呟き、自分のポテトに手を伸ばそうとしたのだが……そこには先ほどまであった筈のポテトが箱だけ残してスッカラカンな状態になっており、紅葉は「あり?」と首を傾げて穂乃果に視線を映す。

 

「穂乃果……俺のポテト、こっそり食ったか……?」

「えっ? そんな訳ないじゃん! お兄ちゃんから食べ物横取りするなんて自殺行為だよ!!」

「言っておきますが私でもありませんよ? 自分で食べたのではないのですか?」

 

すると今度は海未の食べていたポテトがいつの間にか無くなっていることに気づき、彼女は2人こそどちらかが自分のポテト食べたのではないかと怒るのだが……。

 

穂乃果は首を横に振って否定し、紅葉も自分が食事のマナーを守らない筈が無いと3人で喧嘩していると真姫がそんなことより練習場所をどうにかするべきだと話題を変え、そのことについて話し合うことに。

 

「そんなことって……俺の、ポテト……」

「あなたまだ4つも頼んでるじゃありませんか」

 

兎に角、話は変わり真姫は練習場所にどこかの教室とか借りられないのとことりに尋ねるのだがことりは「前に先生に頼んだんだけどちゃんとした部活じゃないと許可できない」と言われたため、未だに部室が貰えないでいたのだが……。

 

「そうなんだよねぇー、部員が5人いればちゃんとした部の申請をして部活にできるんだけどぉ……」

 

その穂乃果の言葉を聞いた直後、穂乃果以外の全員がそれぞれ顔を見合わせ、紅葉はそれぞれの人数を数えてみる。

 

「穂乃果、海未、ことり、花陽ちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃん、俺……今、7人いるよな……?」

「あっ! そっか忘れてた!! 部活申請すればいいじゃん!!」

 

と穂乃果が勢いよく立ち上がると隣の席から……。

 

「って忘れてたんかーい!!」

 

とツッコミが飛んで来て紅葉はそれを見て思わず「誰?」と首を傾げる。

 

「それより忘れてたってどういうこと?」

「いやぁメンバー集まったらホッとしちゃって~。 いよっし! 明日早速部活申請しよう! そしたら部室が貰えるよ! あはは、なんだかお腹減って来ちゃった~」

 

穂乃果が再び椅子に座ろうとした直後、隣の席からこっそり紅葉のハンバーガーを盗もうとしている手があり、手に取っているハンバーガーをそっと元の場所に戻すとそのままそそくさと逃げだそうとするのだが……すぐさま紅葉は追いかけてその人物の腕を掴み取る。

 

「お前……!」

 

尚、その人物は見たところ今朝「解散しろ」と言ってきた不審者と同一人物らしく、頭にはピンクのグルグル巻きの帽子のようなものを被っていた。

 

っていうかにこである。

 

(バビ〇ン真拳の使い手かな……? ってそうじゃなくて……!)

「解散しろって言った筈よ!!」

「またアンタか!! 断るとも言った筈だ!! っていうかそんなことはどうでもいい!! 俺のポテト返せ!!」

 

後ろから「どうでもいいのォ!?」という花陽の声が聞こえてきた気がしたが紅葉は気にせず「ポテトを返せ……」とポテトの返却を要求する。

 

しかしにこは「あーん」と口をワザとらしく開き、紅葉はにこの口を鷲掴む。

 

「買って返せ!」

「良い!? アンタ達がやってるのはアイドルへの冒涜! 恥よ!! とっととやめることね!」

 

にこは紅葉の腕を振り払ってビシっと穂乃果達にそう言い放ってから逃げだそうとするのだがすぐに紅葉に首根っこを掴まれ捕えられる。

 

「ちょっ!? 離しなさいよ!?」

「返せ……カエセ……カエ……セ……!」

「ちょっ、なんか怖いんだけど!? まだ4つも残ってんだから1つくらい良いじゃ無いの!?」

 

にこはジタバタ暴れて今度こそどうにか紅葉の手を振り払うと素早くそこから逃げ出して行き、穂乃果が窓の外を見ると既ににこは雨の中を全力疾走していた。

 

「あのピンクのグルグル頭ぁ~!!」

 

紅葉は何がなんでもポテトを返させようとにこを追いかけようとするが海未とことりが「まぁまぁ」と押さえつけ、どうにか落ち着かせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイドル研究部?」

 

翌日、部活申請に生徒会室へとやってきた穂乃果、海未、ことり、紅葉だったが……絵里が言うには既にこの学校には「アイドル研究部」なる部活が存在しているらしく、生徒の数が限られている中でイタズラに部を増やすことはしたくないとのことでアイドル研究部がある以上、穂乃果達の申請を受けるわけにはいかないというのだ。

 

「まぁ、ただ部員は1人やけど」

「えっ? でもこの前は部活には5人以上って……?」

 

希が言うには設立する時は5人必要ではあるのだがその後は何人になっても良い決まりだからとのことでそれを聞いて穂乃果は「そんなぁ~」と残念そうにする。

 

「いや、それ最初に言ってください会長。 これじゃ無駄足じゃないですか……」

「兎に角、これで話は終わり……」

 

と絵里がそこまで言いかけた時である。

 

「になりたくなければアイドル研究部とちゃんと話をつけてくることやな」

 

隣に座っていた希のその言葉に、絵里は「希!」と声をあげる。

 

「2つの部が1つになれば問題はないやろ?」

 

その希の言葉の返しに、絵里は何も言えなくなってしまう。

 

「取りあえず、部室に行ってみれば?」

 

それから1年組と一緒に放課後、希に教えられた部室の場所へと行くことになったのだが……。

 

そこには丁度、昨日にも出会ったあの不審者の格好をしていた少女……にこと部室の前で鉢合わせして一同はかなり驚いた顔をしており、同時ににこも引き攣った顔で驚きの表情を浮かべていた。

 

「ま、まさか3年生だったとは……。 ヤバい、俺昨日先輩にかなり失礼なことを……」

「今はそれじゃないよお兄ちゃん! まさか、あなたが……あなたがアイドル研究部の部長!?」

 

するとにこは穂乃果達を睨み付けて腕をブンブン振り回して素早く部室の扉を開けて中に入り、鍵をかける。

 

「部長さん! 開けてください!!」

 

穂乃果は扉を叩いて必死に頼み込むのだが、扉が開く気配はない。

 

「開かないぃ~!」

「外から行くにゃー!!」

 

すると凛が外からの侵入を試みようとするのだがそれが聞こえたにこは急いで部屋の窓を開けて外に飛び出するのだがすぐに凛に見つかって追いかけて来るので彼女は急いで走って逃げ出すが……すぐに走るのに疲れてしまい、一度は凛に抱きつかれるような形で捕まってしまう。

 

「捕まえたにゃー!」

 

しかしにこは下からすり抜けて再び走って逃げ出す。

 

「フン! 捕まるもんですか!!」

 

しかし、彼女は前を見ていなかった為にそのまま前方不注意で真っ直ぐ勢い余ってアルパカ小屋に突っ込んでしまうのだった。

 

急いで凛はにこを追いかけて来たのだが……一部始終を見ていなかったためににこの姿を見失ってしまい、アルパカ小屋の辺りを見回すが……すぐにアルパカ小屋で倒れているのを凛が発見し、捕まえることに成功するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから……にこは逃げるのを諦め、結局全員を部室に入れることとなってしまい、彼女は鼻に絆創膏をつけて不機嫌そうに椅子に座っていた。

 

一方で部室に入ることができたμ'sのメンバー+紅葉は部室の中にある複数のアイドルグッズを見て「わー」と感心した声を全員あげていた。

 

「凄いな、これ全部アイドルのグッズとかか? A-RISEのポスターとかも貼ってあるし」

 

みんなからジロジロと部室を見られることが嫌なのか不満そうな表情を浮かべる。

 

「勝手に見ないでくれる?」

 

不機嫌そうににこは言うのだが……そこで花陽がある物を見つけ、花陽はそれを手に取るとキラキラとした視線で彼女はそれを見つめる。

 

「こ、これは……! 伝説のアイドル伝説DVD全巻ボックス!! 持ってる人に初めて会いました!!」

 

何時も引っ込み思案な花陽が珍しく興奮した様子でズイズイとにこに近寄るとにこは少し驚いたようだが花陽の「凄いです!!」という言葉にはどこか自信げに「まあね!」と言い放つ。

 

「へー、そんなに凄いんだー」

 

と穂乃果は呟くと……。

 

「知らないんですか!!?」

 

穂乃果の言葉に驚く花陽は今度は彼女にズイっと迫り、部室のパソコンを借りてそのDVDボックスについての説明を彼女は行い始める。

 

「伝説のアイドル伝説とは、各プロダクションや事務所、学校等が限定生産を条件に歩みより、古今東西の素晴らしいと思われるアイドルを集めたDVDボックスで、その稀少性から伝説の伝説の伝説、略して伝伝伝!! と呼ばれるアイドル好きなら誰もが知ってるDVDボックスです!!」

 

少し早口口調で話す花陽に困惑する一同。

 

「は、花陽ちゃんキャラ変わってない?」

 

穂乃果は苦笑しながら花陽のキャラが一変したことに驚く。

 

「好きなことになるとテンション上がる人っているだろ? 多分花陽ちゃんもそれだ」

 

と紅葉は穂乃果に説明する。

 

「通販、ネットに注文が殺到するボックスを2つも持っているなんて……。 尊・敬……!」

 

どこか憧れにも似た視線をにこに送る花陽。

 

「家にもうワンセットあるけどね」

 

そうにこは自慢げに語ると花陽は「ホントですか!?」と興味深そうな様子を見せ、穂乃果はそれならみんなで見ようと提案するのだが……それはにこに却下された。

 

「ダメよ! それは保存用」

 

その言葉にショックを受けたのか花陽がパソコンの置いてある机に突っ伏すと「で……伝伝伝……うぅ」とよっぽど見たかったのは泣いて落ち込んでいた。

 

「か、かよちんが何時になく落ち込んでる!」

 

するとなぜかことりが棚の上に置いてある誰かのサイン色紙らしきものを見つめており、にこが「あぁ、気づいた?」と声をかけるとことりはビクっと肩を震わせ、ことりの様子に紅葉は首を傾げる。

 

(なんか、ことりの奴様子がおかしいような……?)

「秋葉のカリスマメイド、ミナリンスキーさんのサインよ」

 

ことりの様子から海未はそのミナリンスキーというのを知っているのかと問いかけるとことりは慌てて「あっ! い、いや……!」と首を横に振って否定する。

 

ちなみににこが言うには「まっ、ネットで手に入れたものだから本人の姿は見たことないんだけどね」とのことでそれを聞いたことりは胸を撫で下ろしてどこかホッと溜め息を吐くのだった。

 

(ミナリンスキーミナリンスキー……南 ことり……。 いや、流石に無理矢理感ありすぎるし、気のせいか。 メイドで思い出したが……そう言えば、最近あの店行ってないな……。 今度また久しぶりに行ってみるか)

「それで? 何しに来たの?」

 

そこで本題へと戻り、にこに穂乃果はスクールアイドル部とアイドル研究部の統合をお願いしようとしたのだが大体のことはにこ自身も察しており、穂乃果も「それなら話が早い!」と改めて統合をお願いしようとするのだが……。

 

「お断りよ!」

「えっ……」

 

しかし、にこはキッパリと穂乃果達の申し出を断ったのだ。

 

「私達はμ'sとして活動できる場が必要なだけです。 なのでここを廃部にして欲しいというのではなく……」

 

丁寧な口調で説明する海未だがそれでもにこは「お断りって言ってるの!!」と言い放ち、決して彼女達の申し出を受けようとはしなかったのだ。

 

「言ったでしょ!? アンタ達はアイドルを汚しているの!」

「でもずっと練習してきたから歌もダンスも……!!」

「そういうことじゃない……! アンタ達、ちゃんとキャラ作りしてるの?」

 

そんな彼女の問いかけに、一同は「えっ?」と首を傾げた。

 

「えっ? キャラ?」

「そう! お客さんがアイドルに求めるものは楽しい夢のような時間でしょ!? だったらそれに相応しいキャラってものがあるの! 良い? 例えば……」

 

するとにこは一度一同に背中を見せた後、勢いよくみんなに向かって振り返ると……。

 

「にっこにっこにー♪ あなたのハートににこにこに~♪ 笑顔届ける矢澤にこにこ~♪ にこに~って覚えてラブにこ♪」

 

という風に決めポーズのようなポーズを決めて見せるにこの姿を見て一同は思わずしばらくの間沈黙してしまう。

 

「どう?」

 

とそこで先ほどまでの強気な感じの態度に戻るのだが……。

 

「こ、これは……」

「キャラというか……」

「私、無理」

「ちょっと寒くないかにゃー?」

「でもあれやった後に普段の態度に戻るのはギャップがあって良いと思います」

 

穂乃果等はある意味あまりの衝撃的なシーンのせいか何も言えず、上から海未、ことり、真姫、凛、花陽、紅葉がそれぞれの感想を口にしており、花陽に至っては「ふむふむ」と興味深そうにメモ書きをしていた。

 

「そこのアンタ、今寒いって……!」

 

にこは凛をジロリと睨み付け、ビクっと肩を振るわせる凛。

 

「いやでもすっごく可愛かったです!! サイッコーです!!」

 

凛は立ち上がって慌てて言うのだが……今それを言ってもにこの機嫌が直るとはとても考えにくい。

 

「あっ、でもことりも良いかも!」

「そうですね! お客様を楽しませる努力は大事です!」

「素晴らしい! 流石にこ先輩!!」

 

すかさずことりや海未、花陽もフォローを入れるのだがにこはどんどん肩をワナワナと震わせていき、穂乃果は「よーし! そのくらい私だって!!」と気合いを入れて立ち上がるのだが……。

 

「出てって」

「えっ?」

「出てって!! 兎に角話は終わりよ!! 出てって!!」

 

そしてそのままにこは穂乃果達を部室から追い出されてしまうのだった。

 

「あ~! にこせんぱ~い!」

 

するとそこへ……。

 

「やっぱり追い出されみたいやね?」

「希先輩?」

 

と言いながら希が現れ、1年組は用事があるということで今日は帰宅することとなり、それ以外の一同は場所を移して希から昔のにこについてのことを聞くことになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スクールアイドル? にこ先輩が?」

 

なんでもにこは1年生の頃、同じ学年の生徒と一緒ににこはスクールアイドルを結成して活動していたらしい。

 

のだが……今ではもうにこ以外のメンバーが辞めてしまったらしく、希が言うにはにこのアイドルとしての目標が高すぎたせいで他のメンバーはついて行けなくなってしまったのだというのだ。

 

「成程、アイドルへの情熱が熱すぎて……他の人達がついて行けなかった……ということですか?」

「うん、そんなところかなぁ。 それで1人やめて2人やめて……」

 

それを聞いて穂乃果はどこか悲しそうな表情を浮かべる。

 

「だからあなた達が羨ましかったんじゃないかな? 歌にダメ出ししたりダンスにケチつけたりできるってことはそれだけ興味があって見てるってことやろ?」

 

それから希と別れた4人はこれからどうすれば良いか話し合いながら出入り口の校門に傘を差しながら向かっていた。

 

「先輩の理想は高いですから私達のパフォーマンスでは納得してくれそうにありませんし。 説得に耳を貸してくれる感じもないですし」

 

希の話を聞いて海未もどことなく弱気な様子を見せるが……。

 

「そうかなぁ~? にこ先輩はアイドルが好きなんでしょ? それでアイドルに憧れてて……私達にもちょっと興味があるんだよね? それって……ほんのちょっと何かあれば上手く行きそうな気がするんだけど……」

「具体性に乏しいですね……」

 

穂乃果の言葉にそう答える海未。

 

「それはそうだけど……!」

 

穂乃果が海未に言葉を返そうとした時、校門を出たところで彼女達は信号の先にある階段ににこが慌てて隠れている姿を発見、それを見て全員互いの顔を見合わせる。

 

「今の……にこ先輩……だよな? どうする?」

「どうするって……声をかけるとまた逃げちゃいそうだし……」

 

紅葉の疑問にことりがそう答え、そしてそんなにこを見て穂乃果は「うーん」と唸っていると……「あっ!」と彼女は何かを閃いたのか口元に笑みを浮かべる。

 

「んっ? どうかしましたか?」

「これって!! 海未ちゃんと同じじゃない!?」

 

突然の穂乃果の言葉に海未は意味が分からず頭に疑問符を浮かべる。

 

「ほら! 海未ちゃんと出会ったとき!」

「海未と出会った時……あぁ!」

 

その昔、穂乃果、紅葉、ことりとその他の友達達と一緒に鬼ごっこを遊んでいた時のことである。

 

そしてその様子を木の後ろに隠れてこっそりと一緒に遊びたそうにしている海未の姿があり、彼女は昔から恥ずかしがり屋で人見知りだった為、中々「一緒に遊ぼう」と言い出せずにいたのだ。

 

だがそんな風に隠れている海未を穂乃果が見つけ……。

 

「そんなことありましたっけ!?」

「あったあった」

「そうそう! 海未ちゃん凄い恥ずかしがり屋さんだったからぁ~?」

 

ニヤニヤした笑みを見せる紅葉と穂乃果に海未はムスっとなる。

 

「それが今の状況と何か関係あるんですか!?」

 

海未が問いかけると穂乃果は力強く頷き、ことりや紅葉に「ねっ!」と視線を向けると2人は「あぁ! あの時の!」と穂乃果の考えていることを理解した。

 

ただ海未に至っては穂乃果が何を考えているのかが分からないらしく、困惑した表情をしていたが穂乃果とことり、紅葉は互いに笑い合っていた。

 

そんな4人の様子を覗き込み、にこは不機嫌そうな顔を浮かべる。

 

「ふん、なに仲よさそうに話してるのよ」

 

それからにこは1人、不機嫌そうな顔をして帰宅するべく歩くのだが……その時、街に突如として白い煙のようなものが発生……。

 

目の前で起こった突然の出来事ににこは思わず「うぇ!?」と驚きの声をあげてしまう。

 

そして煙が晴れるとその中から結晶のような姿をした怪獣……「光怪獣 プリズ魔」が出現したのだ。

 

「か、怪獣!!?」

 

プリズ魔は不気味な音を出しながら電気のついたビルにオレンジ色の光線を当てるとそのビルが一瞬にして消え去り、さらにプリズ魔は自転車に乗った「ライト」をつけた人々にも同じ光線を当て……一瞬にして人々の乗っていた自転車を消滅させたのだ。

 

「うわあああああ!!!!?」

 

ただし自転車に乗っていた人々は消滅こそしなかったものの光線を浴びた人々は結晶のような姿に変えられてしまい、悶え苦しみ……そんな結晶に変えられてしまった1人がにこの足下に倒れ込み、彼女に助けを求める。

 

「た、だすげでぐでええええ……!」

「ひい!?」

 

だがそんな人々もプリズ魔へと吸収され、プリズ魔はさらに「電気」などがついているビルや兎に角明るいものを次々とその「結晶化光線」を浴びせ、物体や人間は身体を結晶へと変えられて吸収され……その光景を見てにこは恐怖のあまり腰を抜かし、その場に座り込んでしまう。

 

「アレは……そうか、昨日のネットでのニュース……アレはあいつの仕業だったのか!」

 

一方で一度穂乃果達と別れてカレーパンを買って帰宅していた紅葉がプリズ魔が出現した場所の近くを偶然通りかかっており、彼は昨日見たニュースの犯人がプリズ魔であることをすぐに理解したのだ。

 

「だが……あの怪獣は昼間は活動しないはず……。 それになんでいきなりこんな街中に……?」

 

紅葉は少しなぜここにプリズ魔がいきなり現れたのか考え込んでしまったが……すぐにそんなことを今は考えている場合ではないと思い、紅葉は人気のない場所に行ってオーブリングを取り出す。

 

「ウルトラマンさん!!」

『ウルトラマン!』

 

紅葉は「ウルトラマン」のカードを取り出してそれをオーブリングにリードして読み込ませる。

 

「ティガさん!」

『ウルトラマンティガ!』

 

さらに紅葉は続けて「ウルトラマンティガ」のカードをオーブリングにリードして読み込ませた後、オーブリングを掲げる。

 

「光の力……お借りします!」

『フュージョンアップ! ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!』

 

するとティガとウルトラマンの姿が紅葉を中心に重なり合うと紅葉は「ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオン」へと変身を完了させる。

 

またプリズ魔はまたビルに向かって結晶化光線を放とうとするのだが……その方向には腰を抜かし、へたり込んでしまったにこがおり、にこは「ひっ!?」とその表情が恐怖へと染まってしまう。

 

「い、いや……! 私は、まだ……!」

『スペリオンシールド!!』

 

だがプリズ魔の放った結晶化光線を駆けつけたオーブが「スペリオンシールド」というバリアを両手を広げて張り巡らせ、プリズ魔の光線を塞ぎきって見せたのだ。

 

戦闘BGM「スペシウムゼペリオンのテーマ」

 

『俺の名はオーブ! 闇を照らして……悪を討つ!!』

 

オーブはジャンプして跳び蹴りをプリズ魔に喰らわせて相手を後退させた後、さらに殴りかかろうとしてプリズ魔に向かって駈け出すのだが……。

 

プリズ魔は念力光線をオーブに浴びせるとオーブは宙に浮かび、プリズ魔はオーブを力強く地面に叩きつける。

 

『グアッ!?』

 

地面に叩きつけられたオーブだが、すぐさま立ち上がって「スカイタイプ」の力を使って一気に接近し、同時に「パワータイプ」の力を使って拳を何発も叩き込む。

 

しかしプリズ魔はビクともせず逆にオーブの方が手を痛めてしまい、オーブは「グゥ……!」と声をあげて両手をブンブン振る。

 

ならばと思いまたジャンプして今度はパワータイプの力を使って跳び蹴りを喰らわせようとするオーブ。

 

だがプリズ魔は念力でそれを跳ね返し、オーブは地面に叩きのめされてしまう。

 

『シュア!? グッ……!』

 

膝を突きながらもなんとか立ち上がろうとするオーブだったが……。

 

プリズ魔は中央部分を眩く光らせ、それを受けたオーブは苦痛に満ちた声をあげ、さらにプリズ魔は物体を吸収する光線を発射してオーブを吸い寄せ、中央部分で高熱を出してオーブの身体を焼き上げる。

 

『グウウウウウ!!!!?』

 

そこでオーブの中にいる紅葉はオーブリングに新たに「メビウス」と「タロウ」のカードをリードさせ、「バーンマイト」へとフュージョンアップして姿を変える。

 

『ウルトラマンオーブ! バーンマイト!』

『俺を焼く前に……お前を黒焦げにしてやる!! ストビュームゥ……ダイナマイトォ!!』

 

バーンマイトとなったオーブは全身に炎を纏ってプリズ魔に掴みかかり……それと同時にプリズ魔は爆発。

 

爆風によってオーブは吹き飛ばされてしまうが……その光景を見ていたにこは「やった!」とプリズ魔を倒したと確信するが……。

 

煙が晴れるとそこには無傷のプリズ魔がいたのだ。

 

「嘘……!」

 

それを見てにこは唖然とし、それにはオーブすらも驚きの様子を見せていた。

 

そしてプリズ魔は素早くオーブに向かって突進して吹き飛ばし、オーブが倒れ込んだところを狙い、プリズ魔は跳び上がってオーブの真上に何度も踏みつけるようにのし掛かる。

 

その巨体によってオーブは徐々に地面にめり込んでいく。

 

(ぐうう!? どうする!? ジャックさんがやったように俺も奴の体内に入って内側から倒すか!? だが……それでもジャックさんも『ギリギリの戦いだった』という程の相手……! 上手く行くかどうか……!)

 

そこでオーブはまた自分を踏みつけようとプリズ魔が離れた一瞬の隙を狙い、両手を十時に組んで放つ「ストビューム光線」を放つ。

 

『ストビューム光線!!』

 

しかし、プリズ魔は素早く避け、光線がかすった程度しか当たらず……そのまま光線は曇り空に直撃し……それによって空は晴れ、太陽の光が差し込んだのだ。

 

それを受けてか……プリズ魔は突如として大人しくなり、プリズ魔は白い煙に包まれて姿を消すのだった。

 

『ハァ……ハァ……。 そうか、曇っている間は……太陽の光を吸収できないのか……』

 

プリズ魔は光を吸収するため光を求め、光のあるところに出現する怪獣なのだが……昼間は太陽光線で満足しているため、活動は夜間に限定される怪獣の筈なのだ。

 

だが……今はまだ夜ではないにも関わらずプリズ魔は出現した。

 

オーブ……紅葉はその理由としてそれは梅雨となってしばらく雨が続いたせいで太陽光線が吸収できなくなってしまったせいなのではないかと考えたのだ。

 

最も、なぜこんな街中にいきなり現れたのかは謎だが……それはこの辺りは光が多くある場所だからかもしれないと紅葉は予想したのだった。

 

(だが……こんなのは一時凌ぎにしかならない……。 また雨が降り出すのも時間のもん……だ……い……)

 

そのままオーブは倒れ込んでその場に消え去ってしまい……元の姿に戻った紅葉は急いでその場から離れようとするのだが……先ほどプリズ魔に焼かれた腹部に激痛が走り、服を捲るとかなりの火傷を負っていたのだ。

 

(クソッ……いし、きが……)

 

そのまま紅葉は倒れ、気を失ってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ……」

 

紅葉が目を覚まし、起き上がって周りを見るとそこは見慣れない部屋であり、見たところここはマンションの一室らしく、紅葉は起き上がろうとするのだが腹部に痛みが走り、彼は再び布団に寝込んでしまう。

 

紅葉は服を捲ってみるとプリズ魔によって焼かれた腹部は包帯が巻かれており、紅葉は恐らく倒れていた自分を誰かが助けて手当てしてくれたのだろうと考え、もう1度どうにか起きようとするのだが……そこへ誰かが今自分のいる部屋に入って来たのだ。

 

「ちょっと、まだ寝てないとダメよ」

「あっ……にこ先輩?」

 

その人物はにこであり、彼女は紅葉の隣に座ると水の入ったコップを紅葉に渡す。

 

「お水持ってきたわ」

「あ、ありがとうございます」

 

紅葉はお礼を言ってコップ受け取り、水を飲むのだが……。

 

「ウルトラマンオーブ」

「ブフォ!!?」

 

にこの突然の言葉に紅葉は水を吹き出しそうになって咳き込む。

 

「ななななな、なんのことですか!!?」

 

慌てて惚けようとする紅葉が……にこはビシっと紅葉を指差し、「見たのよ」と小さく呟き、それを聞いて紅葉は冷や汗を流す。

 

「ウルトラマンオーブがアンタの姿になるところをバッチリとね。 みんなは救世主とか光の巨人とか言ってるけど……その正体は人間だったのね? そりゃ誰も気づかないわよ……」

「な、何かの見間違いじゃないんですか!?」

「んな訳ないでしょ? まぁ、別に心配しなくても良いわ。 誰かに言うつもりもないし、さっき助けて貰ったし、昨日はアンタのポテト食べちゃったしね」

 

それを聞いて紅葉はホッと一安心。

 

「そうしてくれると助かります」

「そう言えば、あのサイドテールの娘、確かアンタの妹よね?」

 

尋ね、紅葉はそんなにこの質問に首を傾げつつ「はい、そうですが……」と答える。

 

「あの娘や……他の娘達はアンタがオーブだってこと知ってるの?」

「いえ、あいつ等は俺がオーブだってこと知りません」

 

その答えに対しにこは「そう」とだけ返した。

 

「俺からも質問良いですか?」

 

紅葉が尋ねるとにこは「構わないわ」と答え、紅葉は「では」と質問をする。

 

「副会長から、にこ先輩の昔のこと聞きました。 1年の時、スクールアイドルやってたって」

「ハァ……。 希の奴、勝手に何話してんのよ……」

「それで思ったんです。 にこ先輩は……またスクールアイドルやりたいんじゃないかって……。 希先輩も言ってましたが……あいつ等のことをダメ出ししたりするのも、本当は興味があるから。 だから……にこ先輩……」

 

そこまで言いかけたところでにこは怪訝そうな表情を浮かべる。

 

「なに? 私にアンタの妹のところのスクールアイドルに入れなんて言うつもり?」

「さあ、どうでしょう」

 

にこの質問に紅葉は惚けたように答える。

 

「でも、あいつ等なら……先輩の理想にだってきっとついていけます」

 

そんな風に断言するにこに「なんでそんなに言い切れるの?」と尋ねると紅葉は笑みを浮かべて言い放った。

 

「俺の妹を中心に集まった奴等だからですよ。 にこ先輩も、心のどこかで本当はまたスクールアイドル、やってみたいと思ってるんじゃないんですか? 確かに、昔は上手くいかなかったかもしれない……。 でも、もう1度だけやって見ても……俺は良いと思います」

「何よ……そんなの……!」

「偉そうなことを言ったのは謝ります。 でも……過去は変えられないかもしれないけど、未来なら……変えることが出来ると思いますから」

 

どこか暗い表情を顔をしながらそう語る紅葉。

 

「アンタも、昔なにかあったの……?」

 

そんな彼の様子を見てかにこが尋ねると紅葉は「どうですかね」と笑って誤魔化す。

 

その時のことだ、窓の外を見ると白い煙が現れ……その中から再び「光怪獣 プリズ魔」が姿を現したのだ。

 

紅葉は急いで外を見ると空はまた曇っており、プリズ魔を見たにこは青ざめた表情を見せてどこかに行こうとする。

 

「にこ先輩! どこに!?」

「ウチの妹達がお隣さんと一緒に近くの公園で遊んでるのよ!! 早く避難させないと!!」

「分かりました、ここは俺が食い止めます!!」

 

それを聞いてにこはその怪我では無茶だと止めようとするが紅葉はそんな彼女の制止も聞かずオーブリングを取り出し、カードホルダーから「ウルトラマンジャック」のカードを抜き取ってリードさせると……カードからジャックが現れる。

 

「ジャックさん!!」

『ウルトラマンジャック!』

 

さらにカードホルダーから「ウルトラマンゼロ」のカードを取り出してそれをオーブリングにリードさせるとジャックと同じようにカードからゼロが現れる。

 

「ゼロさん!!」

『ウルトラマンゼロ!』

 

そして紅葉はオーブリングを掲げる。

 

「キレの良いやつ、頼みます!!」

『フュージョンアップ!』

 

オーブリングの左右が展開され、紅葉を中心に「ウルトラマンジャック」と「ウルトラマンゼロ」の姿が重なり合い、紅葉はジャックとゼロの姿を合わせたような「ウルトラマンオーブ ハリケーンスラッシュ」へと変身する。

 

『ウルトラマンオーブ! ハリケーンスラッシュ!』

『光を超えて、闇を斬る!!』

 

変身を完了させたオーブはプリズ魔の目の前に現れるとオーブは早速槍型の武器である「オーブスラッガーランス」を取り出してそれを高速回転させ、竜巻を巻き起こしてプリズ魔を吹き飛ばし、にこのマンションから遠ざけることに成功する。

 

『シュア!!』

 

投げ飛ばされたプリズ魔は地面へと倒れ込むが……。

 

すぐさま起き上がり、オーブはジャンプしてオーブスラッガーランスを振るってプリズ魔を斬りつけようとする。

 

だが、やはりオーブスラッガーランスを用いてもプリズ魔には傷1つつけることは出来ず、念力光線によってオーブは吹き飛ばされてしまう。

 

『グアアア!!?』

 

オーブはどうにか地面に着地してオーブスラッガーランスのレバーを1回引いて発動させるオーブスラッガーランスの先端から放つ必殺光線「オーブランサーシュート」をプリズ魔に放つのだが……プリズ魔はそれを念力で光線ねじ曲げてオーブに直撃させ、オーブは大きく吹き飛ばされて地面に倒れ込んでしまう。

 

『ウアアッ!?』

 

なんとか立ち上がってプリズ魔に攻撃を仕掛けようと駆け出すオーブ。

 

しかしプリズ魔はオーブに光線を浴びせて異空間に閉じ込めようとし、それを受けてオーブは苦痛に満ちた声をあげる。

 

『グウ……ウアアア……!!?』

 

また妹達を非難させている途中、にこはオーブが苦戦していることに気がつき、ジッとオーブを見つめる。

 

「負けんじゃないわよ! アンタが言ったんじゃ無い……未来は変えられるって!! だから……今度は負けるな……オーブ!!」

 

にこの声援を受けてかオーブはなんとかプリズ魔の作り出した異空間から抜け出し、プリズ魔は今度は最大の武器である「結晶化光線」を放つ。

 

プリズ魔はオーブを結晶に変えようとするが……オーブはジャンプして光線を躱し、プリズ魔に向かって急降下しながらオーブスラッガーのオーブスラッガーランスのレバーを3回引いて発動させるオーブスラッガーランスの穂先に光の刃を形成し、残像を伴いながら相手を滅多切りにする「トライデントスラッシュ」を炸裂させる。

 

『トライデントスラッシュ!!』

 

しかしプリズ魔は「カンカンカン!」と音を立てるだけで一切ダメージを受けず、プリズ魔はそのまま結晶化光線を放つがオーブはすぐさま離れて回避し、ティガとウルトラマンのカードを使って姿を「スペシウムゼペリオン」へと変える。

 

『ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!』

『こうなったら……最後の手段だ!!』

 

するとオーブはミクロサイズへと姿を変え、飛行してプリズ魔の内部に侵入……。

 

プリズ魔の内部に侵入したオーブはどんどん身体を結晶化されていき、苦しむが……オーブは力を振り絞って右腕、左腕の順番に両腕をL字に広げてエネルギーを貯めた後、十字に組んで放つ必殺光線「スペリオン光線」をそこら中に向けて発射する。

 

『スペリオン光線!!』

 

オーブの光線を受け、プリズ魔は内部を破壊されて火花を散らして木っ端微塵に爆発して吹き飛び……その中からオーブが現れてにこは無事だったオーブを見てホッと胸を撫で下ろすのだった。

 

『ハァ……ハァ……。 これは、確かに……ギリギリだったな……!』

 

そのままオーブは姿を消し、オーブは紅葉の姿へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨の降る翌日、にこは学校の授業が終わり何時も通り部室へと行き……扉を開けるとそこには……。

 

『お疲れ様でーす!』

 

と椅子に座った穂乃果、海未、ことり、紅葉、花陽、凛、真姫の7人がにこを出迎え、それを見てにこは「なっ……!」と唖然となる。

 

「お茶です、部長! それからお兄ちゃん!」

「おう! そんでこれ、ウチの家の名物のほむまんです! 昨日は色々お世話になりましたからどうぞお茶と一緒に!!」

「今年の予算表になります! 部長!!」

 

穂乃果と紅葉の高坂兄妹はにこにほむまんとお茶を差し出し、さらに今度はことりがと予算表の紙を持って来る。

 

「部長~、ここに置いてあったグッズ、邪魔だったんで棚に移動しておきましたー」

「こ、コラ! 勝手に……!」

 

凛の言葉を聞いてにこはと叱ろうとするが……。

 

「さ、参考にちょっと貸して? 部長のオススメの曲」

 

真姫がそう言うと今度は花陽が「な、なら迷わずこれを……」と伝伝伝のDVDボックスを持って来るが……。

 

そんな花陽に当然にこは「あー!! だからそれは!!」と注意しようとしたところで両肩を穂乃果に肩を掴まれる。

 

「ところで次の曲の相談をしたいのですが、部長!」

 

穂乃果の突然の相談に、にこは「はぁ!?」驚きの声をあげる。。

 

「やはり次は、さらにアイドルを意識した方がいいかと思いまして……」

「それと~、振り付けも何か良いのがあったら」

「歌のパート分けもよろしくお願いします!!」

 

海未、ことり、穂乃果がそれぞれにこにそう話しかけ……にこはワナワナと肩を震わせる。

 

「こんなことで押し切れると思ってんの?」

「押し切る?」

 

そんなにこの言葉に穂乃果は首を傾げる。

 

「私はただ、相談しているだけです。 音ノ木坂アイドル研究部所属の、μ’sの7人が歌う次の曲を!」

「7人?」

「一応言っておきますけど、その歌う7人に俺はカウントしてませんからね? にこ先輩?」

 

つまり、穂乃果が言っている「7人」とは穂乃果、海未、ことり、花陽、凛、真姫……そしてにこの7人を指し示しており、にこは1人ずつ真剣な眼差しをした全員の顔を見つめる。

 

「「にこ先輩!」」

「っ……!」

 

紅葉と穂乃果に名前を呼ばれ、彼女は少し考えて込む素振りを見せるが……。

 

「やりたいからやる」

「それがスクールアイドル! ですよねにこ先輩!」

 

そんな紅葉と穂乃果の言葉を受けたにこの返答は……。

 

「……言っておくけど、厳しいわよ?」

 

そのにこの言葉を聞いて紅葉は嬉しそうに笑みを浮かべる。

 

「分かっています! アイドルへの道が厳しいことくらい!!」

 

そう意気込む穂乃果だがにこは「分かってない!!」と穂乃果の言葉を否定する。

 

「アンタは甘々! アンタも、アンタも! アンタ達も!! 良い? アイドルっていうのは笑顔を見せる仕事じゃない、笑顔にさせる仕事なの!! それをよーく自覚しなさい!!」

 

それを聞いて穂乃果達は嬉しそうに笑顔を浮かべ、にこのμ'sへの加入が完全に決定し、一同はアイドル研究部に部員が増えたためにそのための紙を申請。

 

当然、それを見て絵里は快く思わなかったのだが……こうなってはもう仕方がない。

 

「えりち」

 

するとそんな絵里に希が声をかけ、絵里は「なに?」と尋ねると希は窓から空を見上げる。

 

「見てみ? 雨……止んでる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、学校の屋上にて……。

 

「良い? やると決めた以上、ちゃんと魂込めてアイドルになりきって貰うわよ!! 分かった!?」

『はい!!』

 

にこに言われ、返事をする穂乃果達だがにこに「声が小さい!!」と注意され、穂乃果達はさらに大きく返事「はい!!!!」と返事をする。

 

「上手く行って良かったね?」

「うん!」

「でもそんなこと本当にありましたっけ?」

 

ことりが静かに穂乃果にそう言うと彼女は頷くのだが、海未はイマイチ覚えていないのか、それとも恥ずかしいのかイマイチ納得していないような顔を見せる。

 

「あったよ? あの時、穂乃果ちゃんが……」

 

その昔、穂乃果が隠れている海未を見つけて「見ぃ~つけた♪」と声をかけ、昔から人見知りだった海未は涙目になってしまうのだが……。

 

『次、あなた鬼だよ!』

『ふぇ!?』

『一緒に遊ぼう!』

 

と少し強引に海未を仲間に入れて一緒に鬼ごっこをして遊ぶこととなり、そこから今までずっと穂乃果達は海未と付き合ってきたのだ。

 

そして時間は現代へと戻り、穂乃果達はにこの指導の元特訓を受けることになったのだが……。

 

「にっこにっこにー!! はい!」

『にっこにっこにー!!』

 

にこの「にっこにっこにー!」の特訓を全員受けることになっていたのだった。

 

「つり目のアンタ!! 気合入れて!!」

「真姫よ!!」

「全然ダメ!! 後30回!!」

 

にこのその言葉に凛は「えー!?」と声をあげるが逆に穂乃果はよりやる気を出す。

 

「何言ってんの!! まだまだこれからだよ!! にこ先輩!! お願いします!!」

 

その言葉を受け、にこは口元に笑みを浮かべる。

 

「よーし!! 頭から!! いっくよー!!」

 

またにこも気合いを入れて穂乃果達に指導をするにこは……どこは嬉しそうで、楽しそうだった。

 

それからしばらくして休憩に入ると紅葉はにこの元へとやってくる。

 

「どうです? 悪くないでしょ?」

「アンタ……」

「にこ先輩、あいつ等となら……きっと、一緒なら明日を探すことができると俺は思います」

 

そんな紅葉の言葉ににこはクスリと笑みを浮かべる。

 

「明日を探せ……か。 素敵な言葉じゃない」




にこ
「にっこにっこにー!! サブタイを探せ! のコーナーにこ~♪」

穂乃果
「テンション高いねぇ……」

紅葉
「にこ先輩のメイン回でもあったからな」

ラグナ
「クソがァ!! 今回俺の出番がねえぞォ!!?」

紅葉
「アイツは気にしないで続きをお願いします、にこ先輩!」

にこ
「了解よ! 今回のサブタイはウルトラマンオーブ本編でも登場したサブタイでウルトラセブン第23話『明日を探せ!』 今回のラストのにこにーの台詞にあったにこ♡」




今回登場した怪獣がなんでプリズ魔なのか、多分分かる人には分かるかも。

ちなみに自分はあのアニメ見たことありません。
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