ラブライブ! オーブ‼︎   作:ベンジャー

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セブンのカードは結局最初から所持していることにしました。
レイバトスの話はやらないので……。



第7話 『ゼットンからの挑戦』

「あ、あのぉ~」

 

音ノ木坂の中庭にて……なぜか穂乃果は凛にビデオカメラで撮影されており、状況がイマイチ掴めない穂乃果は困惑した表情を浮かべていた。

 

「はい笑って?」

 

とそこでなぜかマイクを持った希にそう言われ穂乃果は「えぇ!?」と驚くものの彼女はすぐに「えへへ」と可愛らしい笑顔を見せる。

 

「じゃあ決めポーズ!」

 

そこで凛からそう振られて「えぇー!!?」とさっきよりも驚きの声をあげ、彼女は素早く凛に言われた通りに色々なポーズを取る。

 

それから穂乃果は空手の正拳突きに近いポーズを取ってみたり、右腕だけをあげてみたり、両腕を交差してから両腕を広げて次に胸の前で両手の拳を突き合わせるポーズを取ってみたり、明らかにどこかで見たことあるようなポーズを決める。

 

(穂乃果のあのポーズ、なんかどっかで見たことあるんだよなぁ……)

 

尚、紅葉も穂乃果の取っているポーズにどこか見覚えがある様子だった。

 

「これが音ノ木坂学院に誕生したμ'sのリーダー! 高坂穂乃果、その人だ」

「はいオッケー!!」

 

希の解説が終わると凛はビデオカメラを一旦停止させ、それを見ていたことりは「あのぉ~。 これは?」と首を傾げるが凛は即座にビデオカメラを今度は海未に向ける。

 

「それじゃ次は~、海未先輩ね!」

「ふぇ!? な、何なんですか!? ちょっと待ってください!! 失礼ですよいきなり!!」

 

カメラを向けられてビクっとなった海未は少し恥ずかしそうにそう言うのだが……凛は「おっ! その恥じらう姿もいいねぇ~」とノリノリで撮影を続け、カメラを止める気はないようだった。

 

「ごめんごめん、実は生徒会で部活動を紹介するビデオを制作することになって各部に取材をしているところなんよ」

(あぁ、μ'sもちゃんとした部活になったから……。 もしかして学校生徒募集とかも兼ねてるのかなこれ? もしそうならμ'sのことを知って貰うチャンスだな)

 

また希も「最近スクールアイドルは流行ってるし、μ’sとしては悪い話では無いと思うけど?」とのことで紅葉の考えてることは大体合ってるらしい。

 

「わ、私は嫌です!! そんなカメラに写るなんて!!」

「でも少しでもμ’sのことを知って貰う為だし……。 ファイトだ海未!!」

 

紅葉はなんとか海未に取材を受けてもらうように頼むが当然海未は「嫌なものは嫌です!!」と人見知りの彼女は頑なに拒む。

 

そんな時、穂乃果が小さく「取材……」と呟き、紅葉と海未は穂乃果に視線を映す。

 

「なんてアイドルな響き……♪」

 

という風に穂乃果は海未とは正反対にやる気を出しており、海未は慌てて止めようとするが彼女の制止も聞かず「オッケーだよね! 海未ちゃん!」と海未にズイッと迫る。

 

「お兄ちゃんの言う通り、それ見た人がμ’sを覚えてくれるかもしれないし!!」

「そうね、断る理由はないかも♪」

 

紅葉の先ほどの言葉に穂乃果やことりも賛同し、このまま押し切られそうな勢いに海未は困ったような表情を見せる。

 

「取材させてくれたらお礼にカメラ貸してくれるって!」

「そしたら、PVとか撮れるやろ?」

 

希の「PV」という言葉を聞いて穂乃果は「PV?」と首を傾げる。

 

「ほら! μ’sの動画ってまだ3人だった時のやつしか無いでしょ?」

「ファーストライブの時のやつか。 ホントなんで俺あの時動画配信で生放送しなかったんだろうなぁ……」

 

頭を抱えて反省する紅葉に穂乃果は「よしよし」と頭を撫でる。

 

「それでもお兄ちゃんは穂乃果達の為に凄く頑張ってくれたじゃない!!」

 

穂乃果にそう励まされた紅葉は「穂乃果ぁ~」と思わず泣きそうになってしまう。

 

「でもあの動画撮ってくれたの誰か分からないままなんだよね……」

「海未ちゃん、そろそろ新しい曲をやった方が良いって言ってたよね?」

 

するとそこで海未はことりに痛いところを突かれて取材を断るに断れなくなってしまい……海未はとうとう「もう!」と言いつつ観念してしまうのだった。

 

「それじゃ他のみんなにも言ってくるー!!」

 

穂乃果はそう言って今この場にはいない花陽、真姫、にこの元へと向い、そんな彼女の後を紅葉達は追いかけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、放課後にて一同は今日撮った動画を穂乃果、紅葉、海未、ことり、希、凛の6人で部室で確認しており、その動画には穂乃果が先ず最初に映し出されていたのだが……最初こそ真面目に授業を受けていた穂乃果だったが、次第にウトウトし始め、次の瞬間に居眠りをしてしまうなんともだらしない姿が映し出されていたのだった。

 

『スクールアイドルとはいえ、学生である。 プロのように時間外で授業を受けたり早退が許されるようなことはない。 よって……こうなってしまうこともある』

 

次に昼食を取り、又も授業中に居眠りしてしまい……そして教師に見つかって驚いて机ごとヒックリ返って倒れてしまう穂乃果の姿が映り、動画を見ていた穂乃果は眉をひそめていた。

 

「これがスクールアイドルとはいえ、まだ若干16歳! 高坂 穂乃果のありのままの姿である!」

「ありのまますぎるよ!! っていうかいつの間に撮ったの!?」

 

穂乃果は勢いよく立ち上がっていつこんな映像を撮られたのだと勢いよく立ち上がりる。

 

「上手く撮れてたよ~、ことり先輩♪」

 

ここで穂乃果を撮っていた犯人が判明した。

 

「えぇ!? ことりちゃんが!? 酷いよぅ~!」

「普段だらけているから、こうなるんです!!」

 

涙目でそう穂乃果が言うが海未からはバッサリとそう言葉を返されてしまうのだったが……。

 

「流石海未ちゃん! 真面目に弓道の練習してる!」

 

と続いて動画に映し出されたのは海未の姿であり、穂乃果の言う通り真面目に弓道の練習を行っていたのだが……彼女は突然辺りをキョロキョロした後、隣にあった鏡を見ながら「えへ♪」と笑顔の練習を始める。

 

「これは~?」

「可愛く見える笑顔の練習?」

 

それを見た海未は顔を真っ赤にしてすぐさま「プライバシーの侵害です!!」と言ってビデオの電源を切って画面を手で隠す。

 

「よぉーし! こうなったらぁ~、ことりちゃんのプライバシーも……。 んっ? なんだろう、これ?」

 

ことりの鞄を開けた穂乃果は彼女の鞄の中に何かが入っていたらしく、ことりは慌てて鞄を閉じて背中に隠して笑って誤魔化す。

 

「ことりちゃん、どうしたの?」

「何でも無いのよ!」

「えっ、でも……」

「何でも無いのよ何でも!!」

 

凄く早口で言うことりの言葉に穂乃果は疑問に思いつつも特に追求することは無かったのだが……。

 

「まさかヤバいことでもしてるんじゃ……!?」

「それは神に誓っても絶対ないから安心して!」

 

と紅葉に心配されたが即座にことりに否定された。

 

「完成したら各部にチェックしてもらうようにするから、問題あったらその時に……」

 

希がそう穂乃果達に説明するがそれを聞いて穂乃果はその前に生徒会長が見たら……と不安になり、彼女は「困ります。 あなたのせいで音ノ木坂が怠け者の集団に見られてるのよ」なんて言われないか心配で思わず泣き出しそうになってしまう。

 

「あぁー、言いそう言いそう」

「まっ、そこは頑張って貰うとして……」

「えぇー!? 希先輩なんとかしてくれないんですか!?」

 

穂乃果彼女にそう尋ねると希は「そうしたいんやけど、残念ながらウチが出来るのは誰かを支えてあげることだけ」と答え、「支える?」と穂乃果は不思議そうな顔を浮かべる。

 

「まぁ、ウチの話はええやん。 次は……」

 

するとその時、部室の扉が開き、そこへ「ぜぇ、ぜぇ……!」と息を荒げたにこが入って来たのだ。

 

「取材が来るってホント?」

「もう来てますよ、ほら?」

 

ことりがにこにそう言うとにこは息を整えて走ったせいで乱れていた髪を整え、深呼吸をした後……彼女はビデオカメラに視線を向ける。

 

「にっこにっこに~♪ みんなも元気ににこにこに~の、矢澤にこでーす♪ えっ~とぉ~、好きな食べ物はぁ~」

「あっ、にこ先輩そう言うのは良いんで。 部活動の生徒たちの素顔に迫るって感じにしたいんだそうです」

 

紅葉からの説明を受けて少し残念そうにしつつも「あっー、オッケーオッケー! そっちのパターンね? ちょっと待ってね~」と机の下に隠れるにこ。

 

するとにこはツインテールを束ねてる髪のリボンを外して立ち上がると再び彼女はカメラに視線を向ける。

 

「何時も……何時もはこんな感じにしているんです。 アイドルの時のにこはもう1人の私、髪をキュッと留めた時にスイッチが入る感じで……。 あっ、そうです。 普段は自分のことをにこなんて呼ばないんです!」

 

という感じで先ほど紅葉から「生徒達の素顔に迫る」と説明されたにも関わらず思いっきりキャラを作るにこだったのだが……気づけば紅葉以外誰もいなくなっていたのだった。

 

「っていないしー!?」

「アレ!? なんで俺まで置いてけぼり!!? あっ、でもにこ先輩髪下ろすとなんか大人っぽかったです!! 幼児体型なのに!」

「ありがとう! でも最後の一言だけ余計!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「た、助けてぇ~」

 

続いて撮影が行われたのは花陽であり、カメラを向けられた花陽は苦笑しつつ誰かに助けを求める。

 

尚、紅葉はにこを置いてけぼりにして穂乃果達と合流し、今現在は「置いて行くなんて酷い……」と落ち込んでる紅葉を穂乃果が慰めているところだった。

 

「緊張しなくても平気だよー? 聞かれたことに答えてくれれば良いから!」

「編集するからどんなに時間がかかっても大丈夫やし!」

 

凛と希は花陽にそう説明するもののやはり緊張は解けず花陽は「で、でも!」と不安そうな表情を浮かべる。

 

「凛もいるから頑張ろう! 真姫ちゃんもこっち来るにゃ」

 

そう花陽は凛に応援され、凛は真姫の名前を呼んでカメラを彼女の方へと向ける。

 

「私はやらない」

 

しかし真姫は髪をクルクルさせながら興味なさそうな様子を見せ、それを見て凛は「もぉ~」と不満そうな声を漏らす。

 

「ええんよ? どうしても嫌なら無理にインタビューしなくても?」

 

希がそう言いながら視線を凛に向けると凛は首を傾げて希の言うことに疑問を持ちながらも彼女に指示された通りカメラを真姫に向けたままにする。

 

「真姫だけはインタビューに応じてくれなかった。 スクールアイドルから離れれば……ただの多感な15歳、これもまた自然の……」

 

と希が勝手にナレーションを流すスタイルを取り、それに気づいた真姫はムスっと怒った様子で希の元へと駆け寄る。

 

「なに勝手にナレーション被せてるの!!」

 

真姫は怒ってカメラの画面を手で隠し、結局真姫は「勝手にナレーションつけられるくらいなら」ということで花陽、凛と一緒に取材を受けることになったのだった。

 

「流石、希先輩策士だな……。 ツンデレの扱いを心得てる……」

「ツンデレの扱いの心得ってなに……?」

「穂乃果は知らなくて良いんだよ? 兎に角はいカメラ」

 

穂乃果は首を傾げるが紅葉は取りあえず穂乃果にカメラを渡して1年組3人の取材をするように指示し、穂乃果は「了解!」とビシっと敬礼して1年組にカメラを向けて撮影を始める。

 

「先ず、アイドルの魅力について聞いてみたいと思います。 では、花陽さんから」

 

穂乃果はカメラを花陽にアップさせ、花陽はカメラを向けられて「え、えっと、あの! そのぉ~」と言葉を詰まらせるのだがそこで凛がすかさずフォローを入れる。

 

「かよちんは昔からアイドル好きだったんだよね!」

 

そのことを振られた花陽は「はい!!」と元気よく答える。

 

「それでスクールアイドルに?」

 

しかし次に希にそう質問されると「えっとぉ~」とまたもや言葉に詰まってしまうのだが……突然彼女は両手で口元を押さえて笑い出したのだ。

 

「ちょっと止めて!!」

 

そこで何かに気づいた真姫がカメラを止めに入る。

 

「いやぁ~、緊張してるみたいだからほぐそうかなと思って?」

「ことり先輩も……!」

「頑張っているかね?」

 

花陽が笑ったのはカメラを持っている穂乃果が唇を尖らせて変顔をしていたのとことりがひょっとこのお面つけていたせいであり、真姫の後ろで凛と花陽は大笑いしていた。

 

「全くー! これじゃμ'sがドンドン誤解されるわ!!」

「おぉー! 真姫ちゃんがμ'sの心配してくれた!」

 

穂乃果はμ'sのことを心配してくれる真姫に感激したような顔を浮かべるが真姫は顔を真っ赤にして否定しようとする。

 

「べ、別に……私は……!」

 

と見事なツンデレを発揮する真姫。

 

「真姫ちゃんのナイスツンデレ映像を取り逃がすな穂乃果!!」

 

紅葉が穂乃果に耳打ちし、彼女は「OK!!」と真姫にジッと近づいて彼女のツンデレっぷりを撮影するがすぐに真姫はそれに気づく。

 

「あっ、撮らないで!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、今まで撮った動画を確認していたのだが……。

 

「でも、確かにここまで撮った分だとちょっとねー」

 

今見返してみると凛は何か思うところがあるらしく、希から見てもだらけているというか遊んでいるように見えてしまうと言われてしまったのだ。

 

「でもまぁ、スクールアイドルの活動の本番は練習やろ?」

「そうだね! よぉーし!! それじゃみんな、気合い入れて行こう!!」

 

ということで今度は全員屋上に上がってダンスの練習を行うこととなり、ダンスの練習は海未と紅葉が取り仕切って行われ、その練習風景を見ながら希は自分のナレーションをカメラを回しながら被せる。

 

「かれこれ1時間、ぶっ通しでダンスを続けてやっと休憩、全員息があがっているが文句を言う者はいない」

 

そこで真姫が休憩時間中に「どう?」と希に練習の感想を聞きに訪れて来る。

 

「流石に練習だと迫力が違うね! やる事はやってるって感じやね」

 

希にそう感想を述べられ、真姫も「まぁね!」と強く答える。

 

しかし希はそこで1つ疑問に思ったことがあった。

 

それは練習は普通はリーダーが指揮するものなのではないかということであり、疑問に思ったことを彼女は真姫に尋ねると真姫は「それは……」と言いつつ穂乃果達の方を見る。

 

「イメトレ、きちんとやっておいてくださいね?」

 

そこでは海未が丁度みんなに指示しているところであり、そこだけを見ると穂乃果ではなくまるで海未がリーダーのようにも見えていた。

 

それから練習を終え、穂乃果、紅葉は家に帰ることになったのだが……希と凛もμ'sの日常生活なども少し紹介したいということで高坂家にお邪魔することになったのだった。

 

「じゃあ先に妹紹介するね? 雪穂いる~?」

 

穂乃果は雪穂に声をかけて扉を開けるとそこには必死にズボンのベルトをなるべく奥まで締めようとしている雪穂の姿があった。

 

「後もう少し~! こんのぉ~!!」

 

それを見た穂乃果はそっと扉を閉めた。

 

「なんか、デジャヴ……!」

 

それから希は3人から話を聞こうと一同は取りあえずは穂乃果の部屋に集まることに。

 

「ここはみんな集まったりするの?」

「うん、ことり先輩や海未先輩は何時も来てるみたいだよ! おやつも出るし!」

 

最初に希が質問をするとそれに凛が答える。

 

「あはは、和菓子ばっかりだけど」

「宇宙一美味い和菓子な」

「ホントにお兄ちゃんはおまんじゅうとか飽きないよね……」

 

苦笑する穂乃果に対しそう自慢げに言い放つ紅葉、そんな彼に穂乃果は呆れたような視線を向ける。

 

するとそこで希が「歌詞ノート」と書かれたノートを発見し、それを手に取る。

 

「あぁ、成程。 これで歌詞を書いたりするんやね?」

「うん! 海未ちゃんが!」

 

希の疑問に穂乃果がそう答えると彼女は「えっ?」と不思議そうに首を傾げた。

 

「歌詞は大体、海未先輩が考えるんだ~。 そんで紅葉先輩は歌詞のネタとか探してるらしいよ!」

「じゃあ新しいステップ考えたりするのは?」

「それは何時もことりちゃんが! お兄ちゃんもちょっと手伝ってるね! ことりちゃんの衣装作りの手伝いとか!」

 

海未は歌詞、ことりはステップ、紅葉はそんな2人の手伝い。

 

ならば穂乃果を何をしているのかと希が聞くと……穂乃果が言うには何時もご飯食べて、テレビ見て、他のアイドル見て凄いなーって思ったりしていてそれでいて勿論、3人の応援もしているのだと楽しげに話したのだが……。

 

「それだけ?」

「えっ? 応援してくれるだけで十分じゃね?」

「いや、どこがにゃ!?」

 

紅葉の言葉に即座に凛がツッコミを入れる。

 

「ウチ、前から思ってたんやけど……穂乃果ちゃんってどうしてμ'sのリーダーなん?」

「穂乃果はほら、戦隊でいうところのレッドだから……」

「えっ、それ説明になっとる……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日……アイドル研究部の部室にて……。

 

「リーダーには誰が相応しいか、大体私が部長についた時点で一度考え直すべきだったのよ」

「私は、穂乃果ちゃんが良いけど……」

「激しく同意」

 

ことりと紅葉はあくまで穂乃果をリーダーとして押すのだが、にこからは「ダメよ!」と却下されてしまい、今回の取材で穂乃果はまるで向いていないということでにこは新たなリーダーを決めることにし、それには真姫も賛成だった。

 

「そうと決まれば早く決めた方が良いわね? PVだってあるし」

「PV?」

「リーダーが変われば必然的にセンターだって変わるでしょ?」

 

海未の疑問ににこがそう答え、彼女は次のPVは新リーダーがセンターになるべきだと主張してきたのだ。

 

「でも誰が?」

 

花陽が疑問を口にするとにこは椅子から立ち上がって後ろにあったホワイトボードをヒックリ返すとそこにはにこが書いたと思われる3つのことがいつの間にか書かれていた。

 

「先ずリーダーとは誰よりも熱い情熱を持ってみんなを引っ張っていけること!! 次に精神的に支柱になれるだけの懐の大きさを持った人間であること!! そして何よりメンバーから尊敬される存在であること!! この条件を全て備えたメンバーとなると……!!」

「海未先輩かにゃ?」

 

にこの出した条件に当て嵌まるのが海未ではないかと凛が言うとにこは「なんでやねーん!!」とツッコミを入れる。

 

(リーダーになりたいならなりたいって言えば良いのに……)

 

にこの出した条件を聞いて紅葉はにこが明らかにリーダーになりたがってることを見抜くが……口にしたら「べ、別にそういう訳じゃないけど!? でもまぁ、どうしてもって言うならぁ~?」とか言って面倒くさいことになりそうな気がしたので敢えて言葉にはしなかった。

 

「私が!?」

「そうだよ海未ちゃん! 向いてるかもリーダー!」

 

穂乃果からも海未はリーダーに向いてるかもしれないと言われるのだが……海未はリーダーの座を奪われようとしているにも関わらず全く危機感を抱いていない穂乃果にそれで良いのかと問い詰めるのだが……当の穂乃果はキョトンっとした顔を浮かべていた。

 

「ふえ? それが?」

「……何も感じないのですか?」

「だってみんなでμ'sをやっていくのは一緒でしょ?」

 

どうやら穂乃果はリーダーのポジションにはあんまり拘りなどは無いらしい。

 

「でもセンターじゃなくなるかもですよ!?」

 

そこで花陽にそう言われてそれを聞いた穂乃果は「おー! そうか!」と手をポンっと叩いて少しだけ考え込むが……。

 

「まぁ、良いか♪」

 

とあっさりとリーダーの変更を承諾し、それを聞いてみんなは「えぇー!!?」と驚きの声をあげる。

 

「ほら、やっぱりなんか最近の戦隊のレッドみたいなこと言ってるし穂乃果がリーダーってことで……」

「却下」

 

紅葉はやはりリーダーに穂乃果を押すが又もや即座ににこに却下された。

 

「じゃあリーダーは海未ちゃんということにして!」

「ま、待ってください……! 無理です……!」

 

恥ずかしがり屋の海未は顔を赤くして自分にリーダーは無理だと言い、それに真姫は「面倒な人……」と少し呆れるように呟く。

 

「じゃあことり先輩?」

 

海未がダメならことりでどうかと花陽は思ったのだが……凛曰く「どちらかと言うと副リーダーって感じだね」ということでことりもあまりリーダーに向いていなさそうだった。

 

だからと言って1年生がリーダーという訳にも行かず誰がリーダーか悩んでいると……。

 

「仕方ないわねー」

 

そこでにこがやれやれという感じで言うのだが……みんなにこをスルー。

 

「やっぱり、穂乃果ちゃんが良いと思うけど……」

「俺もそう思う」

「仕方ないわねー」

 

紅葉とことりはやはり2人揃って穂乃果を押し、そして又もやみんなにこをスルー。

 

「私は海未先輩を説得した方が良いと思うけど!」

「仕方ないわねー!」

 

しかし真姫は海未がリーダーになるべきだと言い、そしてにこの言葉をまたまたみんなでスルー。

 

「と、投票が良いんじゃないかなー?」

『しーかーたーなーいーわーねー!!!!』

 

花陽は投票制ならどうかと意見を出し、遂にメガホンを取り出して叫ぶにこをまたまたまたみんなでスルー。

 

「にこ先輩、うっさいです」

「えっ? あ、うん……ごめん」

 

ただ1人だけ紅葉が反応してくれたが。

 

そしてそれに思わず謝るにこ。

 

「で、どうするにゃ?」

「どうしよう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後……一同はカラオケへと行くことになり……。

 

「分かったわよ、じゃあ……歌とダンスで決着をつけようじゃない!!」

「決着……?」

「ケッチャコ……」

「オンドゥルやめい」

 

つまり、にこが言うには1番歌とダンスが上手い者がセンターということで決着をつけようということなのだが海未は自信無さそうにしており、真姫も特に歌う気はしないということであまりやる気が無かった。

 

「なら歌わなくて結構、リーダーの権利が消失するだけだから!」

 

するとにこは不意にしゃがみ込んでメモ帳を取り出し、「フッフッフ」と怪しい笑みを浮かべる。

 

「こんなこともあろうかと高得点の出やすい曲のピックアップは既に完了している、これでリーダーの座は確実に……!」

(流石にこ先輩、姑息な手を……)

 

そしてにこはにこは勢いよく立ち上がり、カラオケ開始の宣伝を行う。

 

「さぁ、始めるわ!!」

 

のだが……みんな「なに歌うにゃー?」や「カラオケ久しぶり~!」等と話していて普通に楽しんでいた。

 

「アンタ等緊張感なさ過ぎー!!」

 

それから紅葉込みで全員が歌い終わったのだが……全員90点以上は必ず叩きだしており、紅葉に至ってはなんと100点満点だった。

 

「こいつ等……化け物か……!? てかなんでマネージャーのアンタが最高点出してんのよ!!?」

 

だからと言ってマネージャーがリーダーというのも変なので紅葉がリーダーになるようなことはなく、次はゲームセンターでダンスゲームを行うことになったのだが……。

 

「ことりちゃん、もうちょっと右!! あっ、お兄ちゃんはもうちょっと左だね!!」

 

ことりと紅葉はクレーンゲームで遊んでおり、穂乃果と凛はそんな2人のプレイを応援し、紅葉はゲームで取ったうさぎのぬいぐるみを穂乃果の頭に乗せて遊んだりしていた。

 

「だから緊張感持ってって言ってるでしょー!?」

「凛は運動は得意だけどダンスは苦手だからなぁ~」

「こ、これどうやるんだろう?」

 

凛と花陽はダンスゲームを見てそれの使い方がよく分からず困惑しており、にこは「プレイ経験0の素人が挑んでまともな点数が出るわけないわ! クックッ……」と黒い笑みを浮かべていたが気づいた時にはいつの間にか凛がアッサリとゲームをクリアしている姿があったのだった。

 

「なんか出来ちゃった♪」

「……えっ?」

 

そして全員プレイし終わると又もや紅葉以外の全員90点以上の高得点を叩きだしており、中々決着がつかなかったのだった。

 

ちなみに紅葉は先ほどのカラオケと違い0点であり、それに落ち込んだ紅葉は膝を抱えて落ち込んでいた。

 

穂乃果はそんな紅葉に「お兄ちゃん元気出して!」と励ましつつ彼の頭にうさぎのぬいぐるみを置いて遊んでる。

 

「ぐっ、こうなったら……!」

 

そして次の対決は歌と踊りで決着がつかなかった以上最後はアイドルとして1番必要と言っても過言ではないものとして「オーラで勝負!」ということになり、にこが言うには歌も下手、ダンスもイマイチ、でもなぜか人を惹きつけるアイドルがいる。

 

それは即ち「オーラ」であり、人を惹きつけてやまない何かを持っている人を競おうということでμ'sのチラシ配りを全員で行うことに。

 

「オーラがあれば黙っていても人は寄ってくるもの!! 1時間で1番多くのチラシを配り終えた者が1番オーラがあるってことよ!」

 

それを聞いてことりは流石に「今回はちょっと強引なようなー……?」と思うが穂乃果は「でも面白いからやろうよ!!」とやる気を出す。

 

「今度こそ……! チラシ配りは得意中の得意、このにこスマイルで……!」

(後ろ向いてよく分かんないけどきっと黒い笑み浮かべてるんだろうなー、にこ先輩)

 

それからチラシ配りを今回は紅葉を抜いた9人で行うことになり、にこは「にっこにっこに~! これお願いするニコ~♪」と得意(?)のキャラ作りをしてチラシを通りかかった男性に渡すのだが……。

 

男性は受け取らずスルー……しようとし、男性はにこにガッチリと腕を掴まれ、無理矢理チラシを渡されることに。

 

「ぐぐ……! にこ♡」

(……にこ先輩ェ……)

 

それから紅葉は頑張ってるみんなにジュースでも奢ろうかと思い海未にみんなのジュースを買ってくることだけを伝えてその場から一度離れる。

 

「お願いしまーす!」

「あ、あの……すいません!」

 

チラシを配っていると不意に穂乃果にセーラー服を着た女子高生が彼女へと話しかけ、穂乃果は「はい?」と首を傾げる。

 

「あ、あのμ'sの高坂 穂乃果さんですよね!? わ、私大ファンなんです!! 良ければ握手を……」

「えぇ!? ホントに!!? 勿論お安いご用だよ!! いやぁ、こんなの初めてだけど嬉しいものだねぇ……!」

 

穂乃果は自分の手を拭いて差し出された女子高生の手を握って握手をするのだが……その瞬間、穂乃果は手が「ビリッ」と痺れ、彼女は「痛っ!?」と小さく呟いた後、突然気を失って女子高生の方へと倒れ込んだのだ。

 

「穂乃果さん、大丈夫ですか……?」

 

女子高生は周りのμ'sのみんながチラシ配りに集中しているのを確認した後、女子高生は「ニヤリ」とした笑みを浮かべて一瞬で穂乃果と一緒にその場から姿を消し去るのだった。

 

その後、チラシ配りはことりがアッサリといの1番に全て配り終わっていたのだった。

 

「ことり先輩すごい……! 全部配ったんですか!?」

 

花陽が驚きながら感心し、それに少し戸惑いつつもことりは「う、うん」と頷く。

 

「なんか気づいたら無くなってて……」

「おかしい……!! 時代が変わったの!?」

 

そしてにこはこの結果に涙目になっていた。

 

「ズル賢い手を使った罰です、にこ先輩……クフフ……」

「笑ってんじゃないわよ!!」

「ってみんな? 穂乃果はどうしたんだ?」

 

紅葉にそう言われて一同はそこで穂乃果がいつの間にか消え去っていることに気づき、みんなは辺りを見回すのだが……やはり彼女の姿は確認できなかった。

 

「全く穂乃果はどこほつき歩いてるんだか……」

 

海未が呆れたような顔を浮かべているとその時、紅葉の持っていたスマホに着信が入り、海未達にと断ってからスマホを取り出すと画面には「非通知着信」と書かれていた。

 

それに紅葉は戸惑いつつも電話に出てみる。

 

『ヌフフフ! 貴様、高坂 紅葉だな?  貴様の大切な女……高坂 穂乃果と言ったかな? そいつを預かった。 助けに来たくば俺の言う場所へと来い!!』

「お前……分かった、それでどこに行けば良い?」

 

電話の声を聞き、紅葉は険しい表情を一瞬浮かべるがすぐにそれをやめ、彼は海未達に勘付かれないように口調をなるべく落ち着いたものにして電話先の相手のいる場所を尋ねる。

 

「悪い、なんか穂乃果いつの間にかみんなとはぐれたらしくて……迎えに行ってくる」

 

その後、その人物は電話を切り、紅葉はみんなに穂乃果を迎えに行くことを伝える。

 

「全く穂乃果は……。 私も行きましょうか?」

「いや、俺1人で良い……。 じゃあ行ってくるから!」

 

紅葉は海未達にそれだけを言い残してその場を立ち去り、彼は電話先の相手が指定した場所へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃……今はもう使われていない工場のような建物の地下にて……。

 

そこでは女子高生に化けていた宇宙人……「変身怪人 ゼットン星人マドック」が正体を現して穂乃果を鎖を使って柱に縛り付けて拘束していた。

 

「あ、あなたもしかして宇宙人!? っていうか何するの!? やめて離してよ!!」

 

穂乃果はマドックを見て初めて生で見る宇宙人に驚いたが、それ以上に自分をこんな目に合わせるマドックに怒ってジタバタして暴れる。

 

だが、マドックは「そうだ!! 暴れろ!!」と逆に穂乃果をもっと暴れさせようとし、それに穂乃果は「えっ?」となってしまう。

 

『餌は活きが良いほど食いつきがよくなるからなぁ……。 暴れろ!!』

「餌って……なに?」

『フン、さぁ~? なにかなぁ~? 兎に角、お前は暴れてくれさえすれば良いんだよ!!』

 

マドックはそう言って突然彼女の目の前で着ていたセーラー服を脱ぎ始め、それに穂乃果はギョッとした表情になるがマドックは気にせず足下に置いてあったケースを開いてその中にあった黒い衣服を取り出して素早くそれに着替える。

 

尚、マドックの生着替えを見せつけられた穂乃果の顔は青ざめており……彼女は「トラウマになりそう……」と思ってしまうのだった。

 

『あん? なに見てんだ? お前は暴れてくれれば良いんだよ、助けを求めろ!!』

「こ、こんなところで叫んでも助けなんて来る訳ないじゃん!!」

 

穂乃果はマドックの言葉にそう反論するが……。

 

『普通の人間にはそうかもな』

 

とマドックは小さく呟く。

 

『他の人間に聞こえなくても奴には聞こえるさ』

 

そう答えるマドックの言葉に穂乃果は意味が分からず首を傾げる。

 

「奴って誰……?」

『すぐに分かる。 近くに来れば確実に真っ直ぐここに来る筈だ。 さぁ、泣き叫んで餌を釣れ!!』

 

するとそのマドックの言葉を合図にしたかのように薄暗い部屋の奥から縮小された状態の怪獣……両腕が鎌になっている「宇宙恐竜 ハイパーゼットンデスサイス」が出現し、ハイパーゼットンは左手の鎌を穂乃果の目の前で振り下ろし、地面に突き刺す。

 

「ひぃ……!? い、いや……助けて……助けてお兄ちゃん……!!」

 

その時……。

 

『~♪ ~♪』

「っ、このメロディー……!」

 

ハイパーゼットンの姿を見て穂乃果は恐怖心にかられ、涙を浮かべるが……。

 

その時、穂乃果の耳に聞き覚えのあるメロディーが聞こえ、それに気づいたマドックは慌てて後ろを振り返ると出入り口の方にオーブニカを吹く紅葉の姿があった。

 

「お、お兄ちゃん……!!」

『クフフ……! 餌が食いつきやがった!』

「えっ……?」

 

穂乃果はマドックの今言った「餌」という言葉を聞いて頭に疑問符を浮かべたが……その疑問を遮るようにマドックは笑い声をあげながら光線銃をどこからか取り出す。

 

マドックは光弾を紅葉に向かって何発も発射……しかし紅葉はそれらを全て避けながら一気にマドックに詰め寄り、光線銃を蹴り上げて光線銃を手放し、紅葉から強烈な勢いの拳を連続で叩き込まれて吹き飛ばされてしまう。

 

『ぐあああああ!!!?』

 

その隙に紅葉は穂乃果を拘束している鎖を取り外し、彼女を解放する。

 

「待たせたな、穂乃果……」

 

紅葉は穂乃果に笑みを向けながら彼女の頭を撫で……穂乃果は「グスッ」と目尻に涙を浮かべると……次の瞬間には泣き出してしまい彼女は紅葉へと抱きついたのだ。

 

「うわああああん!! お兄ちゃぁ~ん!! 怖かったよぉ~!!」

「っ!! 危ない!!」

 

その時、ハイパーゼットンが振るってきた鎌を紅葉は穂乃果を抱きかかえてどうにか躱し、彼女を降ろしてそのまま2人で逃げようとするのだが……。

 

その直後にハイパーゼットンの放った火球が2人に襲いかかり、紅葉は穂乃果を突き飛ばして変わりに火球を受け止めたのだ。

 

最も、幸い吹き飛ばされたものの腕が掠った程度で済んだが……。

 

「お兄ちゃん!!?」

「ぐっ……! 大丈夫だ、掠った程度だからな。 それより隠れろ!!」

 

紅葉は穂乃果と一緒に物陰に隠れ、穂乃果は掠った程度とは言え紅葉が腕に怪我をしてしまったことに責任を感じ、彼女は「ごめんなさい……! ごめんなさい……!!」と泣きじゃくってしまう。

 

紅葉は先ほどと同じように彼女の頭を撫でて笑みを見せる。

 

「大丈夫って言っただろ?」

『高坂 紅葉、お前のことは既に全て調査済みだ。 どうしても助けに行きたくなる大事な女がいる……ということもなぁ?』

「まぁ、あながち間違ってないな……。 大事な妹だし、危なっかしいところもあるし、放っておける訳ないな」

「うぅ、なんか恥ずかしいよぅ……」

 

穂乃果はマドックと紅葉の言葉に顔を赤くする。

 

「恥ずかしがってる場合か!」

 

しかしすぐに穂乃果はそう怒られてしまい、腕を引かれて一緒にこの場から出ようとするのだが……。

 

しかし、そこでハイパーゼットンが火球を放ち、2人はどうにか避けたものの地面に直撃した際の爆風で吹き飛ばされ……2人は地面に倒れ込んでしまう。

 

「うあっ……!? 大丈夫か穂乃果!?」

「う、うん……! でも私ももう怒ったよ!! お兄ちゃんのことも傷つけて!!」

「えっ?」

 

すると穂乃果は立ち上がるとなんと彼女はマドックに向かって駈け出して行き、そのことにマドックは驚いて対応しきれず……彼女の勢いよく放たれたドロップキックがマドックの胸部に直撃。

 

マドックは大きく蹴り飛ばされる。

 

『ぐおっ……!!? こいつ! でもなんか今……ピンクのものが見えた気が……』

「ピンク……? ッ!!?」

 

マドックのその言葉に穂乃果は顔を真っ赤にしてスカートを押さえ、それを聞いて紅葉は額に青筋を浮かべる。

 

「あの野郎……! なに穂乃果の下着見てくれてんだ……!! って言いたいところだが今は逃げるのが先決だ!! 穂乃果!!」

「うわわっ!?」

 

紅葉はマガグランドキングの時のように穂乃果をお姫様抱っこして抱きかかえ、素早く出入り口に向かって駈け出しす。

 

マドックはハイパーゼットンに向かって巨大化して紅葉を倒すように指示を出し、ハイパーゼットンは命令通りに巨大化する。

 

『ゼッ……トン!!』

 

ハイパーゼットンは建物の外に逃げ出した紅葉と穂乃果に向かって火球を放ち、直撃こそしなかったもののその爆風によって2人は又もや吹き飛ばされてしまう。

 

その衝撃で穂乃果は地面に倒れ込んだ際に気を失ってしまい、紅葉は慌てて穂乃果の身体を揺さぶる。

 

「おい穂乃果!! 穂乃果!! 気を失ってるだけか……。 待ってろ、すぐにあいつを倒して来るからな」

 

それから紅葉はハイパーゼットンに見つからぬよう穂乃果を抱きかかえて物陰に隠れつつ移動し、安全そうな場所を見つけて彼女をその場に降ろす。

 

そして紅葉はオーブリングを取り出して1枚のカードをカードホルダーから抜き取る。

 

「ウルトラマンさん!!」

『ウルトラマン!』

 

最初に紅葉は「ウルトラマン」のカードをオーブリングにリードさせ、続いて「ウルトラマンティガ」のカードをオーブリングにリードして読み込ませる。

 

「ティガさん!!」

『ウルトラマンティガ!』

 

その後、紅葉はオーブリングを掲げるとオーブリングの左右が展開される。

 

「光の力……お借りします!!」

『フュージョンアップ!』

 

そしてウルトラマンとティガの姿が紅葉の姿と重なり合い、紅葉は「ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオン」へと変身を完了させた。

 

変身完了と同時に光の光輪……「スペリオン光輪」をハイパーゼットンに繰り出すが……ハイパーゼットンはそれを鎌で引っかけて受け止め、それを地面に叩き落とされてしまう。

 

『ッ!』

 

オーブは「スカイタイプ」の力で高速でハイパーゼットンに詰め寄り、そのまま「パワータイプ」の力で拳を振るうのだが……ハイパーゼットンはテレポートで攻撃を回避し、オーブの背後に回り込むと火球をオーブに連射して放つ。

 

『スペリオンシールド!』

 

だがオーブは即座に振り返って両手を広げて円形のバリアである「スペリオンシールド」で攻撃を防ぐのだが……。

 

又もやハイパーゼットンはテレポートで瞬時にオーブの背後に回り込み、火球を連射して発射……今度はバリアも間に合わず、オーブは諸に火球による攻撃を受けてしまう。

 

『グウウ!!?』

 

また戦いの様子を見ていたマドックは攻撃を受けて倒れ込んだオーブを見て勝ち誇ったような笑い声をあげる。

 

『フハハハハ!! お前の力は調査済みだ!! お前にハイパーゼットンデスサイスは倒せない!!』

『成程、確かにそれなら厄介そうだ。 だが……! だったら……まだ使ったことのない力を使うまでだ!!』

 

すると紅葉は新たに1枚のカード……「ウルトラセブン」のカードを取り出し、それをオーブリングにリードさせる。

 

『セブンさん!!』

『ウルトラセブン!』

 

さらに紅葉はそれとは別に「ウルトラマンゼロ」のカードを取り出し、それをオーブリングにリードさせる。

 

『ゼロさん!!』

『ウルトラマンゼロ!』

 

それから紅葉はオーブリングを掲げる。

 

『親子の力……お借りします!!』

『フュージョンアップ!』

 

すると「ウルトラセブン」と「ウルトラマンゼロ」の2人の姿が紅葉と重なり合い、オーブはセブンとゼロの力を融合させた「エメリウムスラッガー」へと姿を変える。

 

『ウルトラマンオーブ! エメリウムスラッガー!』

『智勇双全、光となりて!!』

 

そしてそれを見て驚きの声をあげるマドック。

 

『まだそんな姿を……! 貴様! 一体幾つ色んな姿を持ってるんだ!?』

『えっ? えーっと、スペシウムゼペリオンにスカイダッシュマックス、バーンマイト……ああもう数えきれるか!!』

 

挿入歌「オーブの祈り」

 

それからオーブは頭部の中央にあるブーメラン型の武器「アイスラッガー」とその左右にある「オーブスラッガー」を相手に向かって飛ばして斬りつける「オーブスラッガーショット」をハイパーゼットンへと放つ。

 

だがハイパーゼットンはそれもテレポートで回避し、放ったオーブスラッガーショットは地面の中に潜り込む形で空振りに終わってしまう。

 

そしてハイパーゼットンはオーブのすぐ後ろに現れて両腕の鎌を振り下ろすが……。

 

突如地面から3つのスラッガーが飛び出してハイパーゼットンの身体を斬りつけ、オーブはオーブスラッガーを戻しジャンプしてアイスラッガーを手に取るとそのまますれ違いざまにハイパーゼットンを斬りつける。

 

『ゼットン……!!』

 

ハイパーゼットンは攻撃を受けて大地に降り立ち、膝を突くがどうにか立ち上がり火球をオーブに向かって放つ。

 

オーブも両腕を額に添えてエネルギーを貯めた後、右腕を胸元に当てながら額のクリスタルから放つ緑色の光線「トリプルエメリウム光線」を発射。

 

『トリプルエメリウム光線!!』

 

互いの技がぶつかり合い、中央で激しい爆発が起きる。

 

しかしオーブは爆発の中から飛び出してアイスラッガーをハイパーゼットンに向かって振り下ろし、ハイパーゼットンは両腕の鎌を交差してアイスラッガーを受け止める。

 

そのままどうにか押し返したハイパーゼットンはそれと同時に火球を連射……それを喰らってオーブは大きく吹き飛ばされるがフラフラとしつつもすぐに立ち上がる。

 

それを見てハイパーゼットンは再び火球を連射するのだが……。

 

『ファイトだ!! 俺!!』

 

気合いを入れたオーブはアイスラッガーで火球を切り裂きながらハイパーゼットンに接近。

 

一気に詰め寄るとハイパーゼットンの身体をアイスラッガーで滅多斬りに攻撃し、ハイパーゼットンの身体から火花が散る。

 

『ピポポポ……!?』

『ハアアアア、シュア!!』

 

さらにそのまま拳を何発も叩き込んだ後、ハイパーゼットンに回し蹴りを喰らわせ、もう1度蹴りを繰り出そうとする。

 

しかしハイパーゼットンはテレポートで姿を消し、オーブは辺りを警戒する。

 

すると目の前にハイパーゼットンがオーブに跳び蹴りを放った状態で現れ、オーブはそれを喰らってたじろくが……オーブスラッガーショットと空中に静止させたアイスラッガーを打ち出す「超ウルトラノック戦法」をハイパーゼットンに繰り出す。

 

『超ウルトラノック戦法だ!!』

 

それにハイパーゼットンは「ハイパーゼットンバリヤー」で周囲にバリアを張り巡らせて攻撃を防ぐのだが……オーブは高く跳び上がるとそのままバリアが張られていない頭上にから跳び蹴りをハイパーゼットンに叩き込み、ハイパーゼットンはそれを喰らうとバリアも無くなりフラつきながら後退する。

 

『今だ!! ワイドスラッガーショット!!』

 

ハイパーゼットンがバランスを崩した隙を狙い、オーブは両腕をL字に組んで放つ必殺光線「ワイドスラッガーショット」をハイパーゼットンに向かって発射……。

 

それによる直撃を受けたハイパーゼットンは身体中から火花を散らし……倒れて爆発したのだった。

 

『昔の俺の戦闘データなんざ使ったところで……俺に勝とうなんざ2万年早いぜ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、オーブから人間の姿に戻った紅葉は残ったマドックとも戦闘を繰り広げていた。

 

紅葉はマドックの振るう拳を全て受け流しながらカウンターで的確に拳を叩き込み、マドックは一度距離を取ろうとするのだが……紅葉はそれを許さずマドックの腕を掴んで引き寄せ、膝蹴りを叩きこむ。

 

『ぐおっ……!? おのれぇ……!!』

 

尚もマドックは跳び蹴りを紅葉に繰り出すが紅葉はそれを回避し、回り込んでマドックの背中に蹴りを叩きこむ。

 

するとマドックは振り返りざまに光線銃を取り出して光弾を紅葉に向かって放つのだが……紅葉は「ウルトラマン」のカードを取り出すとカードからバリアが発生し、光弾を跳ね返したのだ。

 

跳ね返された光弾はマドックに直撃し、マドックは吹き飛ばされて地面へと倒れ込む。

 

『ぐああああ!!?』

 

倒れ込んだマドックはそれが致命傷となったのか、起き上がる気配は無く……紅葉はマドックに近寄ると「お前、一体なにが目的だったんだ?」と彼の目的が何だったのかを問いかける。

 

「お前も地球侵略が目的か?」

『フッ、こんな腐りかけの星……侵略する価値なんかない。 ノストラみたいな物好きの気が知れないな……。 ぐっ、ただ……俺、は……。 お前を倒せ、ば……俺の名が、あがったから……な……』

 

つまりはマドックの狙いは地球侵略などではなく、ただ単に「ウルトラマンオーブを倒したかっただけ」という理由だったのだ。

 

それを聞いて紅葉は「俺を倒すためだけにか?」と尋ねるとマドックは「それ以外に理由などない」と答えた。

 

『だから、あの女を……餌に、したんだ……。 ずっと観察していた……。 あの女……一体何が特別、なんだ……?』

「別に、ただ大事な妹ってだけだ」

『確かに、そのようだが……。 お前と、あの女は本ら……い……』

 

そこまで言いかけてマドックは遂に力尽き、マドックの身体は泡となって消え去ったのだった。

 

「腐りかけの星……かっ。 だが、俺は自分の散らかした部屋をしっかりと片付けられる人間が1人でもいる限り……決してこの星は腐ったりなんかしない……。 そう思ってる」

 

それだけを言い残すと紅葉はその場から去って行き、穂乃果の元へと戻ると紅葉は彼女を背中におぶって海未達のところへと戻るのだった。

 

その後はただでさえ穂乃果が勝手にいなくなったことに海未にガミガミ言われそうだからということでマドック達のことは海未達に伏せることになり、新リーダーの話は後日改めることにしてその日は解散することになったのだった。

 

「いやぁ、大変な目に会っちゃったね~、お兄ちゃん……」

「ホントになぁ~」

 

とその後は先ほどまでハイパーゼットンと激戦が繰り広げられていたとは思えないほどグデーっと家の居間でのんびり寝転がってくつろぐ穂乃果と紅葉。

 

そんな2人を見て雪穂は「だらしない……」と呆れた視線を向ける。

 

「んっ? なんだこれ?」

 

するとテーブルの上に何か置いてあることに気づいた紅葉はそれを手に取って興味深そうに見つめる。

 

「あっ、それマトリョーシカってやつだね。 お母さんが物置の整理してたら出てきたんだって」

「マトリョーシカ……ねっ」

 

紅葉は雪穂の話を聞きながらマトリョーシカを開け始める。

 

「なんか、それお兄ちゃんっぽいよね」

「俺に?」

「うん、幾つもの別のお兄ちゃんが、お兄ちゃんの中に隠れてる感じ」

 

穂乃果のその言葉に紅葉は「そんなこと、あるのか?」と疑問に思う。

 

「だって、お兄ちゃんには私の知らないところとか、色々ある気がして……」

「……でも、最後の1つを開けて見れば結局、空っぽだって分かるさ……」

 

少し、どこか悲しげな様子で紅葉は最後のマトリョーシカを開けようとしたのだが……穂乃果はその手を掴んでマトリョーシカを開けようとするのをやめさせる。

 

「ダメだよお兄ちゃん! マトリョーシカの最後って確か開けたらダメなんだよ!」

「……あぁ、そう言えば、そんな話、聞いたことあるな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、部室に集まった一同は早速新リーダーの話になることになり、ことりがみんなの採点結果を報告していた。

 

結果はダンスの点数が悪い花陽は歌の点数がよく、カラオケの点数が悪かったことりはチラシ配りの点数がよく、結局みんなほぼ同点ということになり決着はつかなかったのだ。

 

「結局、みんな同じってことなんだね?」

「にこ先輩も流石です。 みんなより全然練習してないのに同じ点数なんて~」

「あ、当たり前でしょ……」

 

と言葉は強気なのだがそんなにこの顔は引き攣っており、声は震えていた。

 

「でもどうするの? これじゃ決まらないわよ?」

「う、うん、でも……やっぱりリーダーは上級生の方が……」

 

真姫と花陽の言葉を聞いてにこは「仕方ないわねー」と昨日と同じようにやれやれと言った感じで言うのだが……。

 

それを遮るように凛が「凛もそう思うにゃー」と花陽に賛同し、真姫は「そもそも私はやる気ないし」と呟いていた。

 

「アンタ達ブレないわね……」

「じゃあ良いんじゃ無いかな? 無くても……?」

 

すると突然穂乃果がそんなことを言いだし、それを聞いて穂乃果以外のメンバーは「えぇ!?」と驚きの声をあげる。

 

「うん、リーダー無しでも全然平気だと思うよ? みんなそれで練習してきて歌も歌って来たんだし」

「確かに、今まで通りにやれば案外問題は大してないようにも思えるな」

 

穂乃果の意見に紅葉も賛同し、穂乃果は「だよね!」と紅葉が賛同してくれたことに嬉しそうにする。

 

「ってリーダー無しなんてグループ聞いたことないわよ!?」

「大体、センターはどうするの?」

 

そしてそんな真姫の問いかけに穂乃果はそれについて何か考えがあるようだった。

 

「それなんだけど、私……考えたんだ! みんなで歌うって……どうかな?」

 

そんな穂乃果の言葉ににこは「みんな?」と首を傾げる。

 

「家でアイドルとかの動画とか見ながら思ったんだ! なんかね、みんなで順番に歌えたら素敵だな~って! そんな曲、作れないかなって?」

「成程ね、穂乃果らしい提案だな……」

 

そこで花陽が「順番に?」と尋ねると穂乃果は「そうだよ!」と頷きく。

 

「無理かな?」

「まぁ、歌は作れなくはないですけど……」

 

穂乃果は海未に聞いてみると彼女は少し考えた後、作れなくはないと答えたのだ。

 

「そういう曲、無くは無いわね!」

「ダンスは、そういうの無理かな?」

 

穂乃果はことりに尋ねると彼女は首を横に振る。

 

「今の7人なら、出来ると思うけど!」

 

ことりは笑みを浮かべてそう言葉を返し、それを聞いた穂乃果は椅子から勢いよく立ち上がる。

 

「じゃあそれが1番良いよ! みんなが歌って、みんがセンター!」

 

するとその穂乃果の提案にみんなも賛成し、次のPVでのやることが決まり、穂乃果は気合いを入れる。

 

「よーっし、そうと決まれば早速練習しよう!!」

 

その後、みんなで練習するために一同は屋上に移動し……穂乃果はみんなよりも早く階段を駆け上がる。

 

「でも、本当にリーダー無しで良いのかなぁ?」

 

またみんなで階段を上る途中、ことりが不意に疑問に思ったことを口にするのだが……。

 

「いえ、もう決まってますよ?」

「不本意だけど……」

「何にも囚われないで……1番やりたいこと、1番面白そうなものに怯まず真っ直ぐ向かって行く……。 そんな切り拓く力を持った、穂乃果にしかないものかもしれません」

 

そして屋上の扉の前に1番に到着した穂乃果はみんなの方へと振り返る。

 

「じゃあ始めよう!」

 

そうして無事に完成したPVを動画で公開し、そのPVに使われた曲名は……「これからのSomeday」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室、そこでは穂乃果達がネットにあげたPVの動画を絵里が見ており、それを見た彼女は隣に立つ希に視線を映す。

 

「何を言ったの?」

「ウチは思ったことを素直に言っただけや。 誰かさんと違うて」

 

それを聞いて絵里は少し険しい表情を浮かべる。

 

「もう認めるしかないんやない? えりちが力を貸してあげれば、あの娘らはもっと……」

「なら希が力を貸してあげれば……?」

 

すると希は机の上に置いてあったタロットカードの1枚を手に取る。

 

「ウチやない、カードが言ってるの。 あの娘達に必要なのは……えりちや」

「……ダメよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、既にアイドル研究部の部室には穂乃果、紅葉、海未、ことり、凛が来ており、5人はみんなが来るまで楽しくお喋りしていたのだが……その時、突然慌てた様子の花陽が部室に入って来たのだ。

 

「んっ? どうしたの花陽ちゃん?」

「た、た……! 助けて!」

「助けて……?」

「じゃなくて!! 大変! 大変ですぅー!!」




紅葉
「サブタイを探せ! のコーナー!」

穂乃果
「今回のサブタイはぁ~? 海未ちゃんの言ったウルトラマンギンガS第1話『切り拓く力』だよ!」

にこ
「流石にちょっとサブタイを探すのここまで来るとしんどくなって来たわね」

紅葉
「まぁ、自然に台詞に入れるのって思った以上に難しいって作者が言ってたもんな」



ちなみに穂乃果ちゃんが最初の方で取っていたポーズは皆さん何か分かりましたか?

それと、ハイパーゼットンとエメリウムスラッガーの対決はゼロは言わずもがな、間接的とはいえセブン対ゼットンとか面白いかなと思ったからです。

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