妄想が暴走し爆発した短編集   作:鈴北岳

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カッとなってやってしまった。
後悔はしていないが、公開はしようと思う。


予告短編:外道に憑依転生@HSDD

 

 

 

 ――いったい何処で道を間違えてしまったのだろうか。

 

 

 

「悪魔って、信じるか?」

 

 

「止めてくださいっ!」

 

 

「喧嘩両成敗、と」

 

 

 

 

 ――気が付けば赤ん坊となっていた。

   付けられた名前は言峰綺礼。

 

 ならば偽峰とでもなるのか、俺は。

 

 

 

 

(ダァ)れよ侵略者共が。不能のくせして威張り散らしてんじゃねェよ」

 

 

「大丈夫です、私が助けます。――助けて(救って)みせます」

 

 

「命に貴賎は無い――というのは嘘だろうな。ここに、生きる価値の無い生物(イキモノ)がいるのだから」

 

 

 

 

 あの日々はどんなものだったか。記憶はある。記録もある。

 思い出すことはとても簡単で、だからこそか、忌まわしく感ぜられるのは。

 

 

 

 

「はいはーい! 私だよ私ー! 覚えてるよね、前に会ったのそんな昔じゃないし」

 

 

「訊くぞ、主の慈悲は必要か? 過去を振り返って考えてみるんだな」

 

 

「こっちへ来るな! このリア充風情が――!!」

 

 

 

 

 俺はあの言峰綺礼ではない。

 ただの同姓同名の、どこかでキャラを間違ってしまった、一人の俺である。

 

 威厳のある神父を目指そうとして、軽薄な男子高校生に目指し損ねた。

 

 そしてなぜだか屈強になっていて寡黙になっていて、あまつさえ中途半端な減らず口を叩く、武闘派元エクソシスト兼神父見習いになっていた。

 

 カオス乙。

 

 

 

 

「ああ、貴方はいつも素晴らしい。会う度に会う度に尊敬してしまう」

 

 

「よくもそこまで練り上げたものだ。しかし、惜しむらくはその脆弱さか」

 

 

「愉快だよ! 賛辞を送ろう、断言してやる! 貴様はヒトを辞めるべきだとな――!」

 

 

 

 

 毎度毎度どうして俺はここにいるのだろうと思ってしまう。

 気がつけば「お前も当然行くよな?」的な雰囲気で断りづらい。

 

 まあ、なんだかんだで嫌ではないから良いか。内心では辟易しつつも、実は楽しんでいるのだろうか? ・・・うん、きっと、そうなのだろう。

 どうしても避けられない危機に瀕しても、前世の時みたいに惨めにうずくまったりしないのだから。

 それどころか、立ち向かうくらいだし。成長したなぁ・・・、俺。つくづく痛感。

 

 それに、そうであってほしいと思うのだ。

 なぜならこの時を、いつまでもいつまでも過ごすことができるのだろうから。

 

 

 

 

「あぁ、テメェはいつもいつもそうだよな。平気な振りをしてんじゃねえ、()()()()()()なんだ」

 

 

「くだらんな。それで? 今の秩序を壊したとしてはたしてどうなる? 更なる災禍を生むだけだろう」

 

 

「憎いんだよ! この今が!! この秩序が!!! ――だけどな、やっぱ一番テメエが憎い」

 

 

「ああ、そうか、そうか。これが、こんなもので――ようやく、私は」

 

 

 

 

 ――――――壊れていく。

       壊してしまいたい。

 

 

 蛇が脱皮をするように、それまでの自分がどんなものであったかを、それをまざまざと壊れる瞬間の鏡で見せられた。

 

 なんて悪趣味。

 

 いっそ、壊れてしまった鏡で見せてくれれば良かったのに。

 

 

 

 

「――死が生に勝るなどまやかしだ」

 

 

「――その程度などで俺が負けるか」

 

 

「――友人になるためにここに来た」

 

 

 

 

 そうすれば、鏡の中を見ずに済んだ。

 済んで、きっと、何事も無かったのだ。

 

 

 だけど、あの言葉を聞くことも無かっただろう。

 

 だから、だろうか。

 

 

 

 

 無事と有事、心の天秤にかけてみようとは思えなかった。

 

 

 

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