私は天使なんかじゃない   作:月詠ウサギ

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父を探して私は旅をする〜ジェネラルの脅威〜

 

 

  強力な磁石のようにいずれは惹かれ合う。

  その出会いは必然だった。

  その出会いは……。

 

 

 

 

 

  『スーパーミュータント・ジェネラル』。

 

  深紅の皮膚を持つ特殊なタイプのスーパーミュータント。

  卓越した頭脳を誇る巨人の軍勢の司令官。

  ワシントンDCにいるスーパーミュータントを組織化している存在であるとBOSは見ている。

 

  よく使う武器はソードオフ・ショットガン。

  二挺拳銃の様に扱う。

 

 

 

  『スーパーミュータント・ベヒモス』。

 

  従来のスーパーミュータントの数倍の大きさを誇る巨漢を誇る。

  何故か背中には買い物カゴを背負い、手には消火栓を持って大暴れするスーパーミュータント軍の重戦車的な存在。

  極度に厚い筋肉の為に銃弾は通用しない。

 

 

 

 

 

  「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオっ!」

 

  「つっ!」

  盛大な音量で咆哮を上げるスーパーミュータント・ベヒモス。

  その声は瓦礫の山をも振るわせるのではないかと思えるほどの大きさだった。

  それが。

  それが戦闘開始の合図だった。

  『攻撃開始っ!』

  サラ・リオンズ。

  スーパーミュータント・ジェネラル。

  2人の指揮官は同時に指示、激しい銃撃戦が開始された。

  戦況は五分かな。

  ジェネラル率いる軍勢とベヒモスに挟撃されている私達だけど、身を伏せる場所は私達の方が多い。ジェネラル指揮下の巨人どもには遮蔽物は何も

  ない。ただの的だ。しかし数は向こうが圧倒的に多い。

  そして私達の左翼側に展開しているのはベヒモスだけなんだけど……こいつが一番厄介だろう。

  銃弾が効きそうもないほどでかい。

  当たっても豆鉄砲程度だろう。

  兵力の数はBOSはサラの率いる救援部隊、GNR駐屯部隊、私達を合わせても45名。

  スーパーミュータントは100はいるだろう。軽くね。

  少なくとも3倍の戦力差は見積もっておいた方がいい。

  この戦闘、どう転ぶ?

  それは……。

  「こんのぉーっ!」

  戦闘の結末は全て私達次第っ!

  バリバリバリ。

  アサルトライフルをベヒモスに乱射。

  右翼側に展開している敵軍はサラ達に任せよう。もちろん『じゃあベヒモスはそっちで片付けてくれや☆』的な丸投げではなくBOSの隊員も銃撃しているも

  ののまるで効いた様にも見えない。愚鈍なのか無痛なのか。

  まあ、多分両方だろう。

  レーザー系の武器の直撃を受けても軽い火傷程度の痛みでしかないらしい。

  「こんのぉーっ!」

  弾装交換。

  それからトリガーを引く。

  バリバリバリ。

  「ちっ」

  駄目だ。

  奴の体の表面は銃痕が残るけど中には届いていない。

  筋肉が厚過ぎる。

  アサルトライフルの精度は完璧。その状態もね。その点はモイラとルーシーに感謝。

  ……。

  ……うーん。だけどどうする?

  これは武器が悪いんじゃない。敵が強過ぎる。

  ああ。訂正。でか過ぎる。

  こりゃロケランいるわ。

  「さてさて。どうすっかな」

  サラ率いるBOSとジェネラル率いるSMは激突している。今のところBOSが有利に戦闘を進めている。突破されない限りは、劣勢にならない限りは私に

  は到達しない。サラ達が私とジェネラルの間に陣取ってるからね。とりあえず私はベヒモスに専念出来る。

  ベヒモス討伐陣営の面々は13名。

  私、グリン・フィス、BOSのメンバー11名。クリスはサラと共闘している。

  誰が言うでもなく自分からそうした。

  それでいいと思う。

  クリスの狙撃能力はとても高い。この大魔神と戦うよりもスーパーミュータントの群れを撃破するのに向いている。

  さて。

 

  「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオっ!」

 

  しばらく銃弾を浴びつつ周囲をキョロキョロしていたベヒモスは再び咆哮。

  戦闘モードに移行したようだ。

  その時……。

  「お先に失礼します、主」

  「グリン・フィスっ!」

  タッ。

  地を蹴ってグリン・フィスが走る。

  その脚力、俊敏。

  走る。

  走る。

  走る。

  一気にベヒモスとの間合いを詰める。ピカっとセラミック刀が光る。そしてそのままベヒモスの股の間を通り抜けた。

  通り抜けた瞬間、セラミック刀は血に濡れていた。

  そうか。

  ベヒモスは圧倒的なでかさであり、それに比例して攻撃力も高い。だがその反面、小回りが利かない。

  グリン・フィスの持ち味は俊敏さ。

  ああやって接近戦を挑み、離れ、挑み、離れ、それを繰り返す事でベヒモスを撹乱する気だろう。足元でチョコマカ動く人間を叩き殺しもしくは踏み潰

  すべくベヒモスは躍起になっている。グリン・フィスはベヒモスの足元だから、ベヒモスの上半身を狙えば弾は当たらない。

  BOSの1人が叫ぶ。

  「撃てっ!」

  次の瞬間、無数の火線が迸る。そして銃火器の連射。

  私もアサルトライフルを撃つ。

  ……。

  ……しかし効率悪いのに気付いた。

  弾装2つ換えた時点でね。

  この程度の武器では駄目だ。アサルトライフルはあんな化け物向きではない。

  「皆、援護してっ!」

  BOSの返事を聞かずに私は走る。グリン・フィス流で行こう。

  バリバリバリ。

  もちろん牽制の為に……牽制になってるかは分からんけど、ベヒモスにアサルトライフルを乱射しながら走る。ベヒモスは小うるさそうにグリン・フィスと

  じゃれあっている。要は銃弾なんかこの恐竜並のでかさと神経の化け物には通じていないのだ。

  まあいいさ。

  今、敵は私に背を向けている。

  「グリン・フィスっ! 相手の足の腱を斬ってっ!」

  「御意」

  バッ。

  再び足と足の間を通り抜けてグリン・フィスはセラミック刀を一閃。

  ギィィィィィィィィンっ!

  ……はっ?

  ……弾かれた?

  「主、こいつは異常に硬い。斬れません」

  「そのようね」

  ベヒモスの攻撃を回避しながら私は言い返す。

  攻撃力は高いが、攻撃は緩慢だ。読み易い。それに足元の攻撃はずさん。避け易い。

  「主」

  「何?」

  「主から貰った風変わりな丸い石、この金具を抜けば数秒で爆発するのですよね?」

  「丸い……うげっ!」

  ベヒモスの足元にはピンの抜けたグレネード。

  メガトンを旅立つ際にグリン・フィスに一つ渡したんだけど……それが今、ベヒモスの足元にある。爆発少し前の状態でね。

  そして……。

 

  「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオっ!」

  

  爆音と同時にベヒモスの絶叫。

  ガクっ!

  地響きを立ててベヒモスは膝をついた。

  チャンスっ!

  私は奴の背後に回りこんで背によじ登る。奴の買い物カゴに私は入る。ミスティちゃん、お買い上げ☆

  ぐらり。

  「おっとっと」

  ベヒモス、爆発から立ち直る。さほど効いていない模様。

  どんだけ頑丈なんだ、こいつ。

  私が取り付いているのでBOSの面々は射撃をやめた。一応は私を誤射しないように気遣ってくれているらしい。紳士な面々ですねー。

  その時、ベヒモスは立ち上がった。

  キョロキョロと周囲を見ている。さっきの女はどこ行った、的な感じだろうか?

  まあいいさ。

  食らえっ!

  「こんのぉーっ!」

  バリバリバリ。

  至近距離からのアサルトライフルの掃射。

  狙うのは背中ではなく後頭部。

  さすがに。

  さすがに頭はどんなだけ脳筋だろうが当たれば痛いだろう。

  ……。

  ……あは。

  当たれば痛いだろう、か。

  普通は死ぬよなぁ。

  それでも死なないベヒモスはどんだけ神経が恐竜なんだ。ていうか頭撃たれても動き回るなんてもはや非常識。

  「ちっ」

  弾装が空になる。

  これじゃあ埒が明かない。

  ベヒモスは背中のカゴにあの女がいると理解したようだけどご心配なく。こいつ体に柔軟性がないらしく背中に手が届かない。それにしてもアサルト

  ライフルじゃあ駄目だ。私はアサルトライフルを背負うと両腰の銃を引き抜く。

  二挺の強力な拳銃を。

  44マグナム。

  食らえっ!

  「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

  ドン。ドン。ドン。ドン。ドン。ドン。ドン。ドン。ドン。ドン。ドン。ドンっ!

  全ての弾丸を一気に放出する。

  ベヒモスの後頭部に。

  この距離。

  この威力。

  「アタマイタイーっ!」

  「嘘っ!」

  両手で頭を押さえて悶える。

  それだけ?

  それだけだっ!

  さすがに後頭部は激しく出血しているけどまだ動き回っている。地団太踏みながら回転を始める。

  「うわっ」

  足場が不安定。

  というか……おえー……酔う。

  私はそれでも空の薬莢をぶちまけてマグナムの銃弾を装填する。

  この強力な拳銃の唯一の弱点は弾の交換に時間が掛かる事。しかも今は回転が加わっている。余計に時間が掛かる。

  ……。

  ……よしっ!

  交換完了。

  頭に再び照準を合わせて……。

  「きゃっ!」

  ブン。

  回転に負けて私はカゴから投げ出された。

  ドサ。

  地面に叩きつけられる。

  BOSの隊員の1人が叫んだ。

  「攻撃再開っ! 君、退避したまえっ!」

  「はっ?」

  退避……おおいっ!

  BOSの隊員3人はロケットランチャーを持ち出していた。照準をベヒモスに合わせる。私は走って下がる、グリン・フィスも安全な位置まで退避。その時、

  ベヒモスは消火栓を捨てて一台の放棄されていた車を両手で拾い上げ、そのままBOSに向って投げた。

  BOSはランチャーの引き金を引く。

  馬鹿っ!

  それじゃあ相打ちだっ!

 

  ドアアアアアアアアアアアアアアンっ!

 

  大爆発した。

  火薬の爆発だけじゃない。

  それ以上に車の爆発が凄まじかった。旧文明の車は全て核エンジン搭載。それが爆発したのだ。

  私は壁に叩きつけられていた。

  「つぅ」

  「……ご無事でしたか、主」

  私は五体満足だけどグリン・フィスは苦痛に顔を歪めていた。

  おそらく骨が何本か衝撃で折れたのだろう。

  BOSの隊員も何名も倒れている。

  私と共闘した連中はほぼ全滅だ。生きているか死んでいるかは別にしても、戦闘不能なのは確かだ。

  ベヒモスは……。

  「イタイ」

  「呆れたタフさね」

  その場に大の字になって引っくり返っている。それでも生きている。

  全身がズタズタではあるけどベヒモスはまだ息をしている。

  私は立ち上がると奴に近付く。

  「バイ」

  眉間に44マグナムを撃ち込む。

  ようやく。

  ようやくベヒモスは行動を停止した。

  その生命を終えた。

  核にも耐える肉体。どんだけ頑丈なんだこいつは。だけど倒した。ある意味でスーパーミュータントの戦力は半減した。

  次はジェネラル……。

  バァン。

  「あ、あれ……」

  腹部を何かが貫通した。

  私は自分のお腹を見る。血塗れだった。

  ガク。

  その場に膝をつく。

  自分を撃った相手を見る。ソードオフ・ショットガンを構えた深紅のスーパーミュータント。私を撃ったのはジェネラルだ。

  力が抜けていく。

  トドメの一撃を放とうとするジェネラルよりも早く44マグナムを撃った。

  その弾丸は狙い通り奴のショットガンの銃身に当たる。

  銃が暴発。

  さらに続け様に三発撃つ。

  ジェネラルにその弾丸は飛んでいくけど……私は、その結末を見る事は出来ないようだ……。

  「……寒い……」

 

  寒い。

  寒い。

  寒い。

  ……とても寒い……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  赤毛の少女は静かに倒れた。

  ショットガンの銃撃をまともに腹部に受けた為に急速に生命は体から抜けつつあるのが遠目でも分かった。

  「全員各個に銃撃っ!」

  私は、部下からセンチネル・リオンズと呼ばれる私サラ・リオンズは部下達に命令。

  銃撃戦は激化していく。

  私達BOSの方がスーパーミュータントの軍勢の武装よりも格が上ではあるものの、銃火器の数……つまりは人数の面では劣っている。圧倒的な火力も

  人海戦術で応戦してくる巨人達には通用しない。

  それに……。

 

  「お前達、散開しろっ! 散開して波状攻撃を仕掛けるのだっ! 人間どもを皆殺しにしろ」

 

  深紅のスーパーミュータント・ジェネラル。

  ベヒモスが倒れたとはいえ頭の良い(少なくとも有能な士官並みの頭はある)あいつがいる以上、この展開を覆すのは容易ではない。

  迂闊。

  迂闊だった。

  ジェネラルもベヒモスも議事堂付近でタロン社と大規模な戦闘をしていたので来ないと思っていた。

  それが甘かった。

  ……。

  ……偉大な英雄であるエルダー・リオンズに、父の期待に応えるのは難しい。

  今回だって赤毛の少女がいなければ私達は全滅していた可能性もある。

  一介の少女に救われる。

  私はこの程度の女か。

  まったく。

  赤毛の少女はこんなにも頑張ったというのに。

  「くそっ!」

  レーザーライフルの銃口をスーパーミュータント・マスターに合わせる。

  カチ。

  引き金を引くと赤い火線が伸びる。

  ボンっ!

  頭部が吹き飛んだ。

  一匹撃破っ!

  このまま出番のないまま終わるのは私の主義じゃあないっ!

  やってやるっ!

  「ミライノタメニっ!」

  「ちっ」

  アサルトライフルを持った数匹がこちらに向かって連射する。私は物陰に飛び込み難を逃れるものの、1人の隊員は弾けるようにして倒れた。

  隊員はそのまま動かない。

  パワーアーマーは防弾機能があるけど銃弾の連射に耐えるほどの装甲の厚さはない。

  ベヒモスに攻撃力を使いすぎた。

  私達の攻撃力は確実に低下している。

  ランチャーのミサイルは既にない。

  火力が足りない。

  火力が。

 

  「主。すぐに、お救いを……」

  「……」

 

  口調からして従者なのだろうか?

  おそらくは骨折しているであろう黒衣の男は赤毛の少女を護るように物影に。

  それでいい。

  少なくとも流れ弾で死ぬ危機はなくなった。

  だけど。

  だけどこのままでは……。

  バッ。

  「リオンズブライドを率いる私を舐めるなっ!」

  物陰から飛び出しレーザーライフルを乱射。

  的確に敵の頭を吹き飛ばす。

  連中の頭を潰すっ!

  そうすれば敵は成す術もなく瓦解するだろう。それに今後の展開にも影響する。スーパーミュータント・ジェネラルさえ潰せればっ!

  赤毛の少女の銃撃でジェネラルは手が使えない。

  間合いさえ詰めれば勝ちだ。

  そこまで到達できる?

  ……。

  ……ふん。もしもそう聞かれたのであればこう答える。愚問だな、と。

  私はサラ・リオンズ。

  BOSの実戦部隊の司令官だっ!

  「ウテっ!」

  「ナンダアイツハっ!」

  「バケモノダっ!」

  銃撃の嵐を回避しつつ、レーザーライフルを発射し、敵を薙ぎ倒しながら赤い将軍に迫る。

  バタバタと倒れる敵の軍勢。

  所詮スーパーミュータントの軍勢の中で頭が良いのはジェネラルだけだ。混戦にも対応できるほど敵の質は高くない。

  「ヒトリスゴイノガイルゾっ!」

  「アイツヲウテっ!」

  「コロセっ!」

  口々に騒ぐ雑魚どもを蹴散らす。

  赤い将軍は悠然と腕組みしていた。私の後に続く者は誰もいない。銃撃に釘付けにされて動けないのだ。

  その時、スーパーミュータントの頭が五つ吹っ飛んだ。

  ふと振り返る。

  援護したのはスナイパーライフルを持った赤毛少女の仲間の女だ。多分ロシア系。

  彼女は立ったまま何か呟いているようだ。

  もちろん聞こえない。

  口元が動いている。よく見ると無線で何かを話しているようだ。

  無線?

  まあ、いい。

  私はレーザーライフルを構えつつ走る。

  そして……。

 

  ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!

 

  スーパーミュータント達が爆発と同時に吹っ飛んだ。

  「何なのっ!」

  「隊長あれをっ!」

  背後から部下が叫ぶ。その意味が分かった。

  少し離れたビルの屋上付近から煙を立てて何かが飛んでくる。それが何なのか察しが付いた。ミサイルだ。白煙とともにこちらに向かってくる。

  正確にはスーパーミュータントの軍勢に。

  1つ?

  いいえ。

  全部で8発のミサイルが飛んでくる。

  私は叫んだ。

  そして敵である深紅の将軍も叫ぶ。それはほぼ同時だった。

 

  『後退っ!』

 

  ドカアアアアアアアアアアアアアンっ!

 

  爆炎が瓦礫の山を舐める。

  無数のスーパーミュータントの残骸が私達の上に降り注ぐ。

  何者?

  誰が一体攻撃してきた?

  確かに。

  確かに救われた。

  そして『謎の連中』も私達を救う気でいたのは確かだろう。少なくとも私達は標的には入っていなかった。

  ……。

  ……クリスとかいう女を見る。

  あいつが無線で仲間に指示した?

  もちろん赤毛少女絡みの仲間の可能性もある。思えば私は彼女らをよく知らない。他に仲間がいてもおかしくはない。

  だがそれを聞いている場合ではないだろう。

  クリスは赤毛の少女に駆け寄り何か騒いでいる。意味は分かる。早く治療しないと危ない。私は部下達にテキパキと指示した。

  「誰か軍医を呼んでっ! スティムパックもあるだけ用意っ! 骨折している黒装束の彼にも治療っ! 早くっ!」

  『了解しましたっ!』

  助かるだろうか?

  こんな場所だから医療には限度がある。ただ幸いな事に医療品はあるし軍医の腕も良い。

  あとは彼女の生命力次第だろう。

  それにしても……。

  「逃げた?」

  スーパーミュータント達がいた場所を見る。

  大きなクレーターとなっている。

  スーパーミュータント・ジェネラルが逃げたのであればこの戦いは無駄……いや、その考えはやめよう。

  戦闘に勝てた。

  だからこそメンバーの命は助かった。

  それにしても……。

  「何者かしら」

  クリス。

  そしてミサイルランチャーを使用した者達。

 

  ……何者……?

 

 

 

 

 

 

 

 

  その頃。

  廃墟のビルの中にいるタロン社。

 

  「さっきの爆音は何だ、カール中尉?」

  「地区指令。ミサイルランチャーが打ち込まれた模様です。スーパーミュータント達は撤退していきます」

  「打ち込まれた? 誰に?」

  「多分BOSの別働部隊でしょう。あそこのビルの屋上から打ち込まれました」

  「それよりもカール中尉、ミスティを始末する良い機会だと思わんかね?」

  「乱戦でしたからあの女がどこにいるかどうなったかは分かりませんが……BOSの底力は侮れません。次の機会を待ちましょう」

  「君が言うならそうするとしよう。君には期待しているよ」

  「ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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