私は天使なんかじゃない   作:月詠ウサギ

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闇を這う獣

 

  それぞれの領域がある。

  人には人の。

  獣には獣の。

  そして闇の中から忍び寄る者達にはそれに相応しい領域がある。

  闇こそが彼らの領域。

 

 

 

 

 

  「ん?」

  屋敷の廊下を歩く私。

  色々と内偵した結果『アッシャーは子煩悩なパパ☆』という結論に達した。

  奴隷を酷使したり色々としているのは確かなので100パーセントは絶賛はしませんけどね。それでも覇王として能力は認めてる。

  もちろんそれだけでは判断出来ない。

  どちらに付くか。

  アッシャーorワーナー、どちらにするかはまだ決めていない。

  明日はダウンタウンのミディアの元に行くとしよう。

  そうしよう。

  だから今夜は寝よう、そう思い宛がわれた客室に向っている最中に突然照明が落ちた。

  停電?

  「まあ、古そうな建物だしね」

  配線がショートしたのかも。

  まあいい。

  PIPBOY3000にはライト機能もある。

  足元を照らす程度だけでこれで充分だ。私は廊下を歩いて客室に向かう。

  その時、けたたましい銃声音が響いた。

  外からだ。

  悲鳴も聞こえる。

  銃声は単発ではない。断続的に、連続して撃ち続けられているようだ。

  何?

  私は手近な窓に駆け寄り、外を見る。

  「見えない」

  駄目だ。

  屋敷の外も闇に包まれている。

  どうやら街も完全に闇に包まれているようだ。

  ……。

  ……いや。

  アップタウンに隣接するダウンタウンは光を発している。どうやらアップタウンだけ送電が停止されているらしい。

  技術的なミス?

  そうかもしれない。

  それならそれでいい。だけど闇の中で誰が誰と戦ってるんだ?

  片方はレイダーだろう。アッシャーの兵士。

  じゃあもう片方は?

  「まさか蜂起したんじゃないでしょうね」

  誰が?

  奴隷達がだ。

  アッシャーに近付いて治療法を奪え、ワーナーとミディアはそう言った。しかし治療法もしくは治療薬が『どんなものか』まではあの2人は言わ

  なかった。なのに私をアップタウンに送り込んだ。そして照明をダウンさせている。何かの騒動を始めている。

  何考えてんだ、あいつら。

  秘密主義過ぎて意味不明だ。

  「おいっ!」

  「ん?」

  暗い廊下の向うから誰かが声をかけてくる。

  男の声だ。

  聞き覚えがあるけどアッシャーではない。

  誰だ?

  「そこにいるのは誰?」

  「クレンショーだ」

  「ああ」

  奴隷王アッシャーの腹心だ。

  口調からして友好ムードではないのは確かだ。

  「何か用?」

  「部屋の外を出歩いて何をしていた?」

  「探検」

  「街の電力をダウンさせたのではないだろうな?」

  「私が? 何のメリットあるわけ?」

  怪しまれてる。

  怪しまれてるけど、アッシャーの個人情報をゲットした云々ではない。そういう意味合いではまるで別件だ。そして別件には関ってない。

  胸を張ってそうではないと言い切る。

  クレンショーは黙った。

  何なの?

  電力ダウンすると何が起きるわけ?

  屋敷の外では戦ってるけど何と戦ってるのだろう?

  「クレンショー」

  「何だ?」

  「私はアッシャーに研究室意外は好きに見て回っていいというお墨付きを貰ってる。屋敷の護衛の面々もそれを了承してる。部屋の外にいる

  からって非難される覚えはまったくないわ。何? 何なの? 何があったわけ?」

  「電力が停止した」

  「ええ。見れば分かる。それが何?」

  「トロッグが街に侵入した」

  「トロッグ?」

  「下水道にいた連中だ。今までは照明で連中が外に出るのを封じていた。おそらく天罰の際に地下に逃げ込んだトロッグだろう」

  「数は?」

  「推定300だ」

  「はっ?」

  「推定300」

 

 

 

  今夜は徹夜らしい。

  私は一旦客室に戻って完全武装をする。

  44マグナム二丁、インフェルトレイター、ライリーレンジャーのコンバットアーマーを着込む。完全装備だ。

  「やれやれ」

  徹夜か。

  お肌に悪いなぁ。夜更かしはお肌の大敵だ。天敵っ!

  コツ。コツ。コツ。

  廊下を歩いて見回り。

  外に出る必要はないらしい。外は外のレイダー達に任せるらしい。押し付けるとも言う。クレンショーはとりあえず屋敷の防衛を前提とするらしい。

  そりゃそうか。

  研究室もあるし奴隷王の夫人であるサンドラもいる。

  まあ、最善かな、それが。

  ……。

  ……屋敷の防衛オンリーなら私も楽だしさ。

  それに照明さえ回復すれば街に這い出してきているトロッグの群れは全滅する。

  何故?

  だってトロッグは光に弱いもん。

  いや、光に弱いというよりも光が命取りだ。アップタウンの街に光が満ちればトロッグが300だろうが400だろうが関係ない。瞬時に全滅するからだ。

  それにしても策略か、これは?

  「ワーナーめぇっ!」

  どう考えても奴の謀略だろ、これは。

  電力が停止する、トロッグの大軍が襲来する、これがコラボで起きるなんて理論的にありえない。偶然にしては出来過ぎてる。

  確実に計画的だ。

  手を下したのはミディアなのかもしれないけど作戦を立てたのはワーナーなのは確かだろう。

  私がいるのにこんな作戦立てるかーっ!

  この隙に治療法奪えってか?

  だったらせめて治療法もしくは治療薬が何かを教えて置いてください。

  何かズサンなんだよなぁ、あの2人。

  やれやれだぜー。

  「ふぅ」

  指定された場所に待機。

  2階の廊下にある窓の1つだ。正面の扉は他の護衛の面々が守備している。トロッグの侵入口になるであろう場所を守備せよとクレンショーに命じ

  られた。作戦指揮を出しているのは腹心のクレンショー。サンドラは研究室にいる。当然その扉の前には護衛が数名。

  奴隷王アッシャーはまだ戻ってきていない。

  ダウンタウンで足止めされてるのかな。

  それはそれでありえる。

  まあいいさ。

  屋敷は堅そうだからトロッグの数が多かろうと屋敷は落とされないだろう。……多分。

  早く電力が回復しないかなぁ。

  カタ。

  「……?」

  物音がした。

  この窓を防衛しているのは私だけ。周囲には誰もいない。

  そもそもこの屋敷にいる護衛のレイダーは30名。

  精鋭ではあるものの数としては少ない。

  戦力の分散は限られている。

  基本的に一階にある出入り口の扉にほぼ全ての戦力、次にサンドラの研究室に数名、あとはそれぞれの窓等の侵入口になりそうな場所に1人ずつ。

  それが戦力配置だ。

  「誰?」

  私は静かに言葉を紡ぐ。

  怯えなどない。

  あるのは瞬時に敵意ある者を瞬殺するという行動力だけだ。

  そして……。

 

  「タイムよ、タイムっ!」

 

  蒼い髪の女の子が出てくる。

  トレジャーハンターのシーリーンだ。変なところに出てくるわね。

  「何してんの、ここで?」

  「トレジャーハント」

  「……泥棒って言いなさい、泥棒って」

  「いいじゃん。トレジャーハントの方が格好良いわけだからさ。墓荒らしも火事場泥棒も区分的にはトレジャーハントなのだよ。これ、あたしの持論」

  「同業者に怒られるわよ。まったく」

  シー1人だ。

  スマイリーはいないのかな?

  「単独行動してるわけ?」

  「当然。コンビ組んで行動してたら分け前減るじゃん。それにスマイリーはトレジャーハンターじゃないしね。彼はスチールヤードにいるわ」

  「ふぅん」

  それにしてもここにお宝探しに来たシー。

  まさかこいつがこの状況を作り出したんじゃないだろうな?

  聞いてみるとしよう。

  「シー、何した?」

  「やだなぁ。人を犯罪者みたいに。あたしは、ロマンを追い求めてここにトレジャーハントしに来ただけであってこそ泥じゃないっすよ」

  「同じよ」

  「ちぇっ。夢がない奴」

  「それで? 照明落としたのはあんたなわけ?」

  「実は困ってんのよ」

  「困る?」

  「ブレーカー落としたのはあたしなんだけど……屋敷だけ落ちるもんだと思ってたのよ。そしたら街中暗闇になるじゃん。難儀してるのよ。トロッグ出てくるし」

  「やっぱお前かーっ!」

  グググググググっ。

  首を絞める。

  私が徹夜しないといけないのはこいつの所為かーっ!

  死ねーっ!

  「タイム、タイムってばーっ!」

  「辞世の句でも言いたいの?」

  首から手を離す。

  咳き込みながらシーは自分の喉を摩った。

  「冷静になってってば。ブレーカー落としただけで街中が闇に落ちるわけないじゃん。屋敷と街中のブレーカーが連動してるわけないじゃん」

  「……」

  「でしょ?」

  「確かに」

  徹夜の原因だと思ったので逆上したけど……確かにそうだ。シーの行動で街が闇に落ちるわけがない。

  ブレーカー落としたら屋敷が闇になるだけだ。

  なのに街も暗闇になる。それは理論的にありえない。

  だとするとシーがブレーカー落とした時にアップタウンの送電がストップしたのはあくまで偶然か。誰かが故意に送電をストップしたのだ。たまたま

  シーの行動と何者かの行動が被っただけ。それは偶然の範疇だ。すると何者かの思惑で闇になったわけだ。

  それは誰?

  ……。

  ……考えるまでもない。

  ワーナーだ。

  やっぱりこの状況を作り出しているのはワーナーというわけか。トロッグの群れをこの街に解き放ちやがった。

  私もいるのにね。

  だからあいつとは相容れないのだ、私は。

  奴のやり方は正直気に食わない。

  「おそらくこれはワーナーの仕業ね。そう思わない、シー?」

  「思わん」

  「はっ?」

  「横暴な奴でペテン師だとは思うけど、ここまで強硬派ではないと思うよ、あたしは。……まあ、あたしもあいつ嫌いだから手駒やめたんだけどさ」

  「……」

  うーん。

  何か微妙に私とシーのワーナーの人物像が異なってる気がする。

  もちろんそれぞれの価値観が入り混じってるからまったく同じにはなるはずがないんだけど少し変な感じ。

  まあ、今はそれはいい。

  置いとこう。

  「シー、ブレーカーは?」

  「戻してみた。でも復旧しない。これって元から遮断されてるって事だよね?」

  「そうなるわね」

  やっぱりシーの行動で街が闇になったのではなく、あくまで偶然。シーが屋敷のブレーカーを落とした時に誰かが別の場所で電力をストップしたのだ。

  凄い偶然よね。うん。

  「とりあえずクレンショーにこれを報告しないと」

  アッシャーの腹心に対しての敬意も忠誠もないけど街の状態が通常に復旧しないとトロッグの群れが屋敷に突入してくる可能性がある。

  それは困る。

  無駄な労働はしたくないからだ。

  だから今はクレンショーに協力するとしよう。

  「まさかあたしも行くわけ?」

  「戦力としては必要よ」

  「戦力って……まさかただ働き……」

  「あんたが犯人だって言ってもいいのよ?」

  「うっ」

  「それは嫌でしょ? まっ、黙っててあげるから手を貸して。どう? 取り引きする?」

  「やな女っ!」

  「光栄ね」

  「ふんっ!」

  どの程度の戦力かは分からないけどスチールヤードを自由に出入りしている以上、そこらのレイダーよりは強いだろう。

  あれ?

  今更だけどシーは見慣れない武器を所持していた。

  何だあれ?

  ドラムマガジンの銃火器だけど私は見た事がない。

  「その銃は何?」

  「これ? いいでしょ。前にカリフォルニアにいた時にゲットしたんだ。連射式アサルトショットガンなのだよ。あたしの相棒よ、実に有能なやつ☆」

  「連射式って……」

  ある意味チートだ。

  少なくとも屋内での戦いではバランスブレーカーの極みだろう。

  ショットガンは特性として接近戦、屋内戦で十二分な力を発揮する銃火器だ。

  戦力としては申し分ない。

  「クレンショーに会いに行くわよ、シー」

  「仕方ないなぁ」

 

 

 

  既に屋敷内もまた安全ではなかった。

  どこから侵入したのかは不明ではあるけど……まさか私が持ち場を放棄した場所から?

  まあ、それは分からないけどトロッグどもは屋敷に入り込んでいた。

  それも大量に。

  「邪魔っ!」

  インフィルトレイターが静かな振動音を立てながら大量の弾丸を吐き出すと独特の寒気のする四足の歩き方で迫るトロッグどもを圧倒、殲滅する。

  武器さえあれば大した敵ではない。

  問題はその数。

  そして闇の中でも制限を受けないその性質だろう。

  とりあえず迫ってきた連中は倒した。

  屋敷のいたるところで銃声がする。当然ながら屋敷の外でも戦闘は続いている。奴隷王アッシャーはダウンタウンに出掛けたまま戻ってきていないし

  完全に指揮系統は分断されている。兵士達はそれぞれ個々の意思で戦っているに過ぎない。

  集団での指揮系統はない。

  つまり。

  つまりアップタウンのレイダー、いや兵士達はただの烏合の衆でしかないってわけだ。

  自分の身を護るのが精一杯。

  「シー、彼は無事?」

  「駄目だね」

  あの後、私達はアッシャーの腹心であるクレンショーを探した。アッシャーがいない以上彼が最高責任者であり陣頭指揮をしてる人物だ。

  だけど彼と彼の部下はトロッグに蹴散らされていた。

  私達が遅れればクレンショーも既に死んでいる部下達と同じ運命だっただろう。

  もっとも既に血塗れ。

  そういう意味では私達の到着は遅かったという事になる。

  スティムパックは投与した。

  それでももう助からないだろう。血を流し過ぎたのだ。

  彼は虚ろな目で口を開く。

  「サ、サンドラ様を助けに行ってくれ。マリー様を、マリー様を……」

  「分かったわ」

 

 

 

  屋敷に侵入したトロッグどもを駆逐しつつ私はクレンショー最後の言葉に従って研究室に向かう。

  サンドラがそこにいるらしい。

  研究室の扉は装甲扉、閉じている限りは問題ないらしいし護衛の兵士が扉の前にいるらしいけど万が一という事もある。この状況、何が

  起きてもおかしくはない。だからこそ私達に向かうように彼は叫んだのだ。

  屋敷内は完全に秩序を失っていた。

  いたるところで兵士とトロッグが戦い合っている。少なくともサンドラ救出の余力はないだろう。

  だけど。

  だけど私達には余力がある。余裕もね。

  廊下を走る。

  「そこっ!」

  44マグナムを二丁連射。

  数匹で群がって殺した兵士の肢体を食べていたトロッグどもが弾け飛ぶ。

  どんだけ入って来たんだっ!

  「ミスティ、休憩しようぜ」

  「そんな暇はないでしょうよ」

  「だけど戦い尽くめじゃん」

  「そりゃそうだけど」

  はあはあ。

  確かに息は上がってる。シーの言い分ももっともか。立ち止まって息を整える。

  その時、闇の中を這い寄る獣が迫ってきた。

  ……。

  ……しつこい。

  四足で間近まで迫ってくるトロッグの顔を私は思いっきり蹴り上げた。

  「ギャヒーっ!」

  「煩わしい」

  銃弾を叩き込む。

  こりゃ完全に屋敷に入り込んでるわね、それも大量に。

  この屋敷の護衛の兵士の数はそう多くはない。おそらくほとんど殺されてしまっただろう。銃火器さえあればトロッグなんてそう大した敵

  ではないけど、数が多い&闇の中を縦横無尽に動くというのがトロッグの強みだ。この状況下では兵士では勝てまい。

  純粋な能力ではケンタウロスにも劣るんだけどね、トロッグ。

  あれ?

  その理屈で行けば……この街のレイダーってそれ以下?

  ピットってレベル低いんだなぁ。

  ワーナーがウェイストランドから人材を送り込んだ理由が何となく分かった気がする。というかジェリコで充分じゃん。私巻き込みやがって。

  疲れるなぁ

  「ミスティ」

  「……」

  「ミスティ」

  「何?」

  「あいつらもアッシャーの手下?」

  「あいつら?」

  指差された方向を見る。

  そこには十数名の連中だった。少なくともレイダーではなさそうだ。月明かりしか差し込まない屋敷内を歩いているその連中は黒衣を纏い、顔には

  妙な器具を装着している。暗視ゴーグルだ。奴隷王アッシャーの部下ではないだろう。

  少なくともあんなのがいるとはクレンショー言わなかった。

  連中、私達に気付いた様子はない。

  向かう先は研究室みたい。

  ふぅん。

  あの連中も研究室に用があるのか。つまり研究室にあるであろう治療法もしくは治療薬が目的なのかな。

  だとするとワーナーの手下か?

  ……。

  ……どうするかなぁ。

  今のところアッシャーの側でもないしワーナーの側でもない。つまりワーナーの邪魔をする理由は特にない。まあ、ワーナーは好きではないけど。

  あの連中を始末する?

  だけどそれは乱暴だよなぁ。

 

  「あの2人を消せっ!」

  『おうっ!』

 

  向こうも私達に気付いた。そして連中の思考は私以上に乱暴だったらしい。私達に向けて発砲してくる。

  プシュっと音が無数にした。

  サイレンサー仕様の10mmピストルだ。

  「伏せてっ!」

  「ちょっ!」

  私はシーに抱き付く形でその場に倒れ込む。

  弾丸は空しく私達の上を通り過ぎた。倒れつつ私は右手にある44マグナムを連射。私の狙いは甘い。あくまで牽制程度だ。

  それでも悲鳴が1つ上がった。

  当たったらしい。

  その時、シーも立ち直る。連発式アサルトショットガンを連打しながら相手を圧倒する。まともにその一撃を受けた面々は血と肉と化す。凄い威力だ。

  人数では負けても攻撃力としてはこちらが遥かに高い。

  まあ、その反面、向うは闇夜でも目が見えている。暗視ゴーグルを装着しているからだ。

  双方銃撃をしつつ後退。

  「シー、あれ持ってる?」

  「何を?」

  「閃光弾」

  「あるけど……」

  「使って」

  「ああ、そうか。了解っ!」

  シーはスチールヤードでトロッグの大軍を殲滅した閃光弾を黒衣の面々に向って投げた。

  殺傷能力はない。

  光るだけ。

  強烈な閃光で一時的に戦闘不能にするだけ。

  だけど今はそうではない。

 

  カッ。

 

  光が満ちる。

  瞬間、悲鳴が響いた。

  暗視ゴーグルはわずかな光を増幅し、それを電気信号に変えて映像化している。その特性上、強烈過ぎる光は装着者の眼を潰す。行動不能の面々。

  私達は一斉に弾丸を連打。

  バタバタと黒衣の面々は倒れる。その内の1人は暗視ゴーグルを捨てた。咄嗟に目を瞑ったらしく視界は遮られていないようだ。

  その人物は舌打ち。

  「ちっ!」

  これ以上の戦闘が無意味と悟ったのか、黒衣の1人が壁に向って携帯していたアサルトライフルを構えた。

  あっ!

  あれは私のだ。

 

  ドカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンっ!

 

  アサルトライフルに装着されたグレネードランチャーが火を吹き壁を吹き飛ばす。

  壁の穴から夜風が吹き荒ぶ。

  「あばよっ!」

  「その声は……ジェリコっ!」

  バッ。

  穴から外に脱出するジェリコ。ここは二階だけど、それでもお構いなしにジェリコは飛び降りた。

  あの男が指揮を執っている。

  つまり、これはやっぱりワーナーの差し金かっ!

  あんの野郎ーっ!

  「ミスティ、あれ知り合い?」

  「ええ。殺し合わないと終わらない関係になりそう」

  「それ険悪ってやつ?」

  「そう」

  「不毛だねぇ」

 

 

 

  この後、照明は回復。

  アップタウンの街に光が戻り我が物顔で街を徘徊し、殺戮と食欲の衝動を満たしていたトロッグの群れは光の前に果てた。

  トロッグは全滅。

  私達の機転と奮闘のお陰で治療法も死守出来たらしい。ただ、暗視ゴーグルの面々はレイダーでもなければ奴隷でもないという結論が出た。

  ジェリコが率いていたのは何者だ?

  ワーナーの思惑は?

  それともこれはワーナーは関係ないのだろうか。ジェリコは別の思惑で動いている?

  うーん。

  今度ワーナー側の顔となってるミディアに探りを入れるとしよう。

 

 

  奴隷王アッシャーの軍の被害は甚大だった。

  治療法は死守出来たものの腹心のクレンショーは戦死、多数の兵士達も戦死した。そして何よりダウンタウン側にアップタウンの防衛網が意外

  に脆弱だと知らしめる結末で終わった。このままこれで終わりとなるわけがない。

  何かが起こるはず。

  何かが……。

 

 

  そしてそれは次の混乱の始まりなのだと私は心のどこかで確信していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




考えてみたらアッシャー側しかやったことないな。ジェリコもカルマの絡みで仲間にしたことないな。

というかゲームクリアしたことないや(=゚ω゚)ノ
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