Devil of a child   作:神崎 真由

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第二話 震度4

 

私は神宮寺 真夜。

 

数日前からSPRでアルバイトをしてる。

 

「おはようございます」

 

「おはよー」

 

先に来ていた麻衣さんが返してくれる。

 

「ふと思ったんだけど、真夜はどうしていつもスーツなの?すごく似合ってるからいいんだけど、私服の方が楽じゃない?」

 

「所長命令です」

 

「えぇ!?ナルの?」

 

「大人っぽく見える方がいいとかなんとか言ってましたよ」

 

「むむむ~!ナルの好みか!?」

 

いや、そういうのでは無いだろうと思った。

 

「学生に見えないので、相手に舐められないとか、そういう理由だと思いますよ」

 

自分で言ってて悲しくなってくる。

 

私はまだ15歳なのに何度20代(それも後半)にみられたことか……。

 

「ナルが実は、スーツ萌えとかだったら面白いけどねー」

 

麻衣さんがニヤニヤして言う。

 

ナル程萌えと言う言葉が似合わない人はいない……いやリンさんといい勝負か。

 

想像したら笑えた。

 

私が笑ったら麻衣さんも笑ってた。

 

「真夜、お茶」

 

所長室からだった。

 

実際、お茶を入れたのは麻衣さんだった。

 

習慣だと思う。

 

ナルはなんて言うだろうか。

 

嫌な予感はしたが、何も言えなかった。

 

 

すぐに麻衣さんは戻ってきた。

 

「真夜、ナルが呼んでる」

 

泣きそうな顔をしていた。

 

お盆の上のティーカップがなくなっているのが唯一の救いか。

 

「了解です」

 

所長室に入った。

 

「僕は『真夜、お茶』と言ったはずだが」

 

地を這うような声でナルに言われる。

 

「はい、そのように聞こえました」

 

ああ、怖い。表情は変わらないが、纏う空気が剣呑だ。

 

「では、なぜお茶をいれた麻衣に何も言わなかった」

 

麻衣さんはナルのことが……。

 

私はその上後輩だし。

 

「申し訳ございません」

 

頭を下げた。

 

「僕は理由を聞いている」

 

「麻衣さんの方が紅茶をいれるのが上手だから、です」

 

そう言うしかなかった。

 

「真夜がいれるお茶は僕の兄がいれる味と同じなんだ」

 

それは知ってる。

 

実はナルは本当は何者なのかも。

 

双子のお兄さんが亡くなっていることも。

 

私が、まだここの人達に伝えていない能力で知ったものだ。

 

紅茶のいれ方だって、能力を使って知った。

 

「だから、真夜が入れるお茶が飲みたくなる時もある」

 

「分かりました、次からは」

 

気をつけますと言おうとした時、軽く揺れた。

 

地震??

危ない、と誰かが叫んだ気がした。

 

次の瞬間、ナルの腕の中だった。

 

私の背後の本棚から本が落ちたようだ。

 

所長室の本棚の本はどれも相当分厚く、頭に当たれば下手しなくても死にそうなものばかりだ。

 

ナルは動かない。

 

「ナル、大丈夫!?なんか凄い音したけど……って、あ、ぇ」

 

麻衣さんが激しく扉を開け激しく閉めた。

 

これじゃあ、麻衣さんにとんでもない勘違いをされてそうだ。

 

「大丈夫か」

 

ナルは腕を解く。

 

「ええ、ナルこそ本、当たりませんでしたか」

 

「いや、当たってない」

 

床を見ると全て、私達二人を避けるように落ちていた。

 

「真夜、PK使ったのか」

 

ナルが本を拾いながら言う。

 

きっと本が熱をもっていたのだろう。

 

「反射的に使ってしまったようですね」

 

本を拾い終えた。

 

「真夜、お茶」

 

「はい」

 

 

 

ティーカップを持って所長室を出たが、麻衣さんがいない。

 

「リンさん、麻衣さん知りませんか?」

 

資料室に顔を出し聞く。

 

「さっき、胸が痛いとか言って帰りました」

 

精神的なものだから心配いらないとか言ってましたと補足が入る。

 

「そうですか」

 

心の中で溜息をついて、扉を閉めた。

 

 

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