ベースに着いた。
「それは?」
「呪いのお・ふ・だが裏に張り付いた絵」
怪訝な顔をしたナルにぼーさんが絵を裏返して見せる。
リンさんは眉間にしわを寄せて顔を背けた。
そんなにヤバイ物なのかな…………?
ぼーさんがきりっとした真面目な顔になる。
「ナル坊、あの部屋、それだけじゃないかもしれないが、良くないのは確かだ。嶋田さん、ここにいない方がいい」
「そうか……。黒川さんに説明する」
嶋田さんには近くのカプセルホテルに泊まってもらうことになった。
今回は呼んでいなかった綾子さんを急遽呼び付き添ってもらうことに。
黒川さんには家に残ってもらった。
ホテルに着いた頃にはすっかり熱が下がったと、嶋田さんから連絡があった。
家にいるSPRメンバーで各部屋くまなく探した。
寝室には御札に加えて髪の毛の束まであった。
私はリンさんとペアを組んでいた。
「真夜さん」
「はい?」
珍しくリンさんから話しかけてくれた。
「人はどうして、ここまで執着出来るんでしょうか」
「愛と憎しみは似てるから、ですかね」
私も実際のところ分からない。
誰かに恋したことも、愛したこともない。
「この呪いは、対象をいずれ殺してしまう」
リンさんは髪の束を見つめ呟く。
「元は愛だった筈なのに、こんなにこじらせて。こんなことしても、誰も幸せになれないのに」
ベースに戻ると、計 御札20枚 髪一束。
リンさんが燃やし清めた。
「もうそろそろ、6時ですけど夕飯どうします?出前取りましょうか?」
「いえ、お気遣いなく」
黒川さんの提案をナルが断る。
「どっか食べに行かねえ?!」
「うーん、でもお店ある?」
ぼーさんと麻衣さんが話しているのを聞いて黒川さんが「大和」という店を教えてくれた。
「日本食がウリのお店です」
とのことだったので、ナルとリンさんも連れて食べに行くことに。
黒川さんは一旦自宅に戻るとのこと。
大和に着いた。
ナルとリンは精進料理を食べていた。
真夜、麻衣、滝川、安原は寿司セットを頼んでナル達とは少し離れたところで食べていた。
真夜はイカを食べていた。
実は私の大好物はイカだったりする。
まろやかな味とコリコリ感が好きなのだ。
「あ~~!イカがっ!!」
声を上げたのは麻衣さんだった。
ラスト2を私が、ラスト1をぼーさんがとったところだった。
「ふっふっふっ!」
ぼーさんは麻衣さんの前でイカをパクリっ。
「ああああ!」
「麻衣さん、どうぞ。私、けっこうイカ食べたんで」
取ったけどまだ食べていなかったので麻衣さんにと思った。
「い、いらないもんっ」
「え?どうして?」
少し傷つくよ、それは。
「こーはいのは、センパイとして貰えない」
ぼーさんに見せつけるようにドヤ顔の麻衣さん。
「こ、後輩!?」
次に声を上げたのは安原さんだ。
「はい。今、15歳なんでSPRメンバー最年少です」
安原さんが目をぱちくりさせて固まっている。
「じゃあ、お言葉に甘えて。ありがとうございます、麻衣先輩」
イカのおすしを、パクリっ!美味しい!!
「安原さん、いらないならマグロ貰っちゃうよ」
と麻衣さん。
「俺も」
とぼーさん。
「私も♪」
悪ノリして私も。
「あああああマグロォォォォォ!!」
壊れた安原さんを笑う他三人。
しかし、安原さんは立ち直るのも早かった。
「マグロの恨み、近いうちに必ず」
ビシッと私を指さして、芝居がかった声で言う安原さん。
「あはははっ!」
思わず笑ってしまう。
麻衣さんには女声じゃんと言って笑われる始末。
「そろそろナル達が食べ終わってるんじゃ……」
三人に声をかける。
私達はナルとリンさんを見た。
こちらからは背中しか見えない。
二人並んで座った彼らは…………。
「親子、みたいじゃね」
ぼーさんがしみじみとしている。
「あんな偉そうな子供嫌だっ」
麻衣さんの発言に四人で笑う。
確かに、私が親ならああいうタイプは遠慮したい。
ナルがこちらを見た。
不機嫌オーラ出てます、所長。
「そろそろ怒られるから行こう」
不機嫌を察知したらしい麻衣さんは駆けていった。
私達もそれに続く。
大和を出たところで黒川さんと合流した。
イカのおすし
防犯標語かwと我ながらツッコミ。
狙ったわけじゃないんだけど、寿司→イカって何故か浮かんでしまった。