楓「むみ入荷しました。」   作:イオリ・マエステラ

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第4話

?『何故ですか!何故ワタクシを連れて行ってくれないのですか!』

 

 

男『すまんな楓、今回は仕事の関係でどうしてもお母さんと2人で行かなければならないんだ』

 

 

女『ごめんなさいね楓ちゃん、すぐ帰ってくるからね』

 

 

男『そろそろ時間だ、ヴィンセント』

 

 

ヴィンセント『はい』

 

 

男『留守の間は娘のことを頼む…それと、戻って来たらあの店はお前が仕切れ』

 

 

ヴィンセント『承知致しました。このヴィンセント、誠心誠意尽力させていただきます』

 

 

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リポーター『見えますでしょうか!!今、○○往きの便が滑走路に胴体着陸しました!!摩擦面が燃えています!!』

 

 

ヴィンセント『…ッ!!!』

 

 

楓『ヴィンセント…これってお父様とお母様が乗ってる飛行機じゃ…』

 

 

ヴィンセント『親父さん…叔母さん…無事でいてくれ!!!!』

 

 

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喪服の女性1『飛行機の爆発で搭乗者は全員…』ヒソヒソ

 

 

喪服の女性2『えぇ、中には遺体すら残ってない方も…』ヒソヒソ

 

 

喪服の男性1『気の毒にな…しかし千導院夫妻は不幸中の…』ヒソヒソ

 

 

喪服の男性2『不謹慎だぞ、それ以上はやめとけ…』ヒソヒソ

 

 

ヴィンセント『…………………』

 

 

楓『う、うぅ…お父様……お母様…………!』グスン

 

 

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楓『…………………』

 

 

ヴィンセント『親父さんが生前に書いていた遺書を見つけた、それによると全財産は 千導院楓 が満20歳になった時に相続される』

 

 

楓『…………………』

 

 

ヴィンセント『それまでは ヴィンセント・サヴィーノ が管理し、千導院楓の後見人として勤めを果たすこと…以上だ』

 

 

楓『…………………』

 

 

ヴィンセント『お前のことは責任持って育てる。そして、親父さんの店もな』

 

 

楓『…………………』

 

 

ヴィンセント『ふぅ…それじゃあ、俺は行ってくるぞ。』

 

 

楓『…………………』タタッ

 

 

ギュッ

 

 

ヴィンセント『ん?』

 

 

楓『ひとりに…ひとりにしないで……うぅ…』

 

 

ヴィンセント『ちっ、悪かったよ。ほら、一緒に行くぞ』

 

 

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~ペットショップ ジョカ~

 

 

ヴィンセント『可愛いだろ?この前入荷したハムスターだ』

 

 

ハムスター『モグモグモグモグモグ』

 

 

楓『……………………』

 

 

ヴィンセント『さわっても大丈夫だぞ』

 

 

楓『え、えぇ…』ソッ

 

 

ハムスター『モグモグモグモグモグ』

 

 

ヴィンセント『はは、食べるのに夢中みたいだな!どうだ?』

 

 

楓『あたたかいですわ…』

 

 

ヴィンセント『命の温もりだ、俺たちペットショップはそれを預かる。そして、人に受け渡すんだ』

 

 

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ブラッド『ハッピバースデイトゥーユー♪ハッピバースデイトゥーユー♪ハッピバースデイディア楓~♪ハッピバースデイトゥーユー♪』

 

 

楓『フゥ〜!』

 

 

ブラッド『おめでとー♪』パチパチパチパチ

 

 

楓『ありがとうございますわ♪』

 

 

ヴィンセント『この前までハムスターみたいに小さかったのになぁ。もう15歳か』グビグビ

 

 

ブラッド『あ、兄さんそれ酒』

 

 

ヴィンセント『めでたい席だからな…営業時間終わってるし、バチは当たりゃしないだろ』

 

 

ブラッド『…それもそーだな!楓ほら、お前の好きなケーキあるぞ、ケーキ!』

 

 

楓『モグモグモグモグモグ!!!』

 

 

ブラッド『あ、もう食ってんのね(凄い勢いだな)』

 

 

楓『ゴックン!ぷはぁ~♡』キラキラ

 

 

ヴィンセント『…………………ふっ(いい笑顔見せるようになったな)』

 

 

楓『ところで、ヴィンセント』

 

 

ヴィンセント『あ?なんだ?』

 

 

楓『ここではアルバイトは雇ってませんの?』

 

 

ヴィンセント『なんだ、ここで働きたいのか?』

 

 

楓『えぇ!それとワタクシ決めましたの』

 

 

ヴィンセント『?』

 

 

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楓『ふっふっふっ…ここが今日からワタクシの家ですわっ!』ドンッ!

 

 

ヴィンセント『ったく…家賃安いとこ探すの大変だったんだぞ?困ったらすぐ連絡しろよ、辛くなってもだぞ?』

 

 

楓『心得ておりますわ!』

 

 

ヴィンセント『ふっ…そうかい。それともう一つ』

 

 

楓『なんですの?』

 

 

ヴィンセント『店では店長って呼べ、それがルールだ』

 

 

楓『わかりましたわ店長!』ビシッ

 

 

ヴィンセント『オフの時はいつも通りでいいぞ…』

 

 

楓『///』

 

 

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楓『お父様…!お母様…!ワタクシ頑張ります!頑張って…頑張って…いつか、お二人をアッと言わせるぐらいに!!!』

 

 

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楓『今年でワタクシも20歳…お父様の遺産を相続できる年齢になりますわ』

 

 

ヴィンセント『あぁ…長かった子守も、もうおしまいだな』

 

 

楓『…………………………』

 

 

ヴィンセント『…………………………』

 

 

楓『本当は…この姿を……お父様と…お母様に……う、うぅ………』ポロポロ

 

 

ヴィンセント『見てるさ、お前のことをずっと…』

 

 

楓『う、ぐすっ…申し訳ありません……涙が…止まらなくて……』

 

 

ヴィンセント『泣きたい時は泣いとけ、泣きたくても泣けない時だってあるんだから…』

 

 

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『お父様……お母様………会いたいです……………今、この瞬間だけでも良いのです……………千導院楓は……今日この日まで頑張ってきました……………』

 

 

「それがあなたの叶えたい願いなの?」

 

 

『そうです…これがワタクシの願い……届かぬ祈りなのですわ!!!』

 

 

「わかった。その願い叶えてあげるね!」

 

 

『えっ?』

 

 

~続く~

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