?『何故ですか!何故ワタクシを連れて行ってくれないのですか!』
男『すまんな楓、今回は仕事の関係でどうしてもお母さんと2人で行かなければならないんだ』
女『ごめんなさいね楓ちゃん、すぐ帰ってくるからね』
男『そろそろ時間だ、ヴィンセント』
ヴィンセント『はい』
男『留守の間は娘のことを頼む…それと、戻って来たらあの店はお前が仕切れ』
ヴィンセント『承知致しました。このヴィンセント、誠心誠意尽力させていただきます』
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リポーター『見えますでしょうか!!今、○○往きの便が滑走路に胴体着陸しました!!摩擦面が燃えています!!』
ヴィンセント『…ッ!!!』
楓『ヴィンセント…これってお父様とお母様が乗ってる飛行機じゃ…』
ヴィンセント『親父さん…叔母さん…無事でいてくれ!!!!』
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喪服の女性1『飛行機の爆発で搭乗者は全員…』ヒソヒソ
喪服の女性2『えぇ、中には遺体すら残ってない方も…』ヒソヒソ
喪服の男性1『気の毒にな…しかし千導院夫妻は不幸中の…』ヒソヒソ
喪服の男性2『不謹慎だぞ、それ以上はやめとけ…』ヒソヒソ
ヴィンセント『…………………』
楓『う、うぅ…お父様……お母様…………!』グスン
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楓『…………………』
ヴィンセント『親父さんが生前に書いていた遺書を見つけた、それによると全財産は 千導院楓 が満20歳になった時に相続される』
楓『…………………』
ヴィンセント『それまでは ヴィンセント・サヴィーノ が管理し、千導院楓の後見人として勤めを果たすこと…以上だ』
楓『…………………』
ヴィンセント『お前のことは責任持って育てる。そして、親父さんの店もな』
楓『…………………』
ヴィンセント『ふぅ…それじゃあ、俺は行ってくるぞ。』
楓『…………………』タタッ
ギュッ
ヴィンセント『ん?』
楓『ひとりに…ひとりにしないで……うぅ…』
ヴィンセント『ちっ、悪かったよ。ほら、一緒に行くぞ』
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~ペットショップ ジョカ~
ヴィンセント『可愛いだろ?この前入荷したハムスターだ』
ハムスター『モグモグモグモグモグ』
楓『……………………』
ヴィンセント『さわっても大丈夫だぞ』
楓『え、えぇ…』ソッ
ハムスター『モグモグモグモグモグ』
ヴィンセント『はは、食べるのに夢中みたいだな!どうだ?』
楓『あたたかいですわ…』
ヴィンセント『命の温もりだ、俺たちペットショップはそれを預かる。そして、人に受け渡すんだ』
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ブラッド『ハッピバースデイトゥーユー♪ハッピバースデイトゥーユー♪ハッピバースデイディア楓~♪ハッピバースデイトゥーユー♪』
楓『フゥ〜!』
ブラッド『おめでとー♪』パチパチパチパチ
楓『ありがとうございますわ♪』
ヴィンセント『この前までハムスターみたいに小さかったのになぁ。もう15歳か』グビグビ
ブラッド『あ、兄さんそれ酒』
ヴィンセント『めでたい席だからな…営業時間終わってるし、バチは当たりゃしないだろ』
ブラッド『…それもそーだな!楓ほら、お前の好きなケーキあるぞ、ケーキ!』
楓『モグモグモグモグモグ!!!』
ブラッド『あ、もう食ってんのね(凄い勢いだな)』
楓『ゴックン!ぷはぁ~♡』キラキラ
ヴィンセント『…………………ふっ(いい笑顔見せるようになったな)』
楓『ところで、ヴィンセント』
ヴィンセント『あ?なんだ?』
楓『ここではアルバイトは雇ってませんの?』
ヴィンセント『なんだ、ここで働きたいのか?』
楓『えぇ!それとワタクシ決めましたの』
ヴィンセント『?』
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楓『ふっふっふっ…ここが今日からワタクシの家ですわっ!』ドンッ!
ヴィンセント『ったく…家賃安いとこ探すの大変だったんだぞ?困ったらすぐ連絡しろよ、辛くなってもだぞ?』
楓『心得ておりますわ!』
ヴィンセント『ふっ…そうかい。それともう一つ』
楓『なんですの?』
ヴィンセント『店では店長って呼べ、それがルールだ』
楓『わかりましたわ店長!』ビシッ
ヴィンセント『オフの時はいつも通りでいいぞ…』
楓『///』
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楓『お父様…!お母様…!ワタクシ頑張ります!頑張って…頑張って…いつか、お二人をアッと言わせるぐらいに!!!』
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楓『今年でワタクシも20歳…お父様の遺産を相続できる年齢になりますわ』
ヴィンセント『あぁ…長かった子守も、もうおしまいだな』
楓『…………………………』
ヴィンセント『…………………………』
楓『本当は…この姿を……お父様と…お母様に……う、うぅ………』ポロポロ
ヴィンセント『見てるさ、お前のことをずっと…』
楓『う、ぐすっ…申し訳ありません……涙が…止まらなくて……』
ヴィンセント『泣きたい時は泣いとけ、泣きたくても泣けない時だってあるんだから…』
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『お父様……お母様………会いたいです……………今、この瞬間だけでも良いのです……………千導院楓は……今日この日まで頑張ってきました……………』
「それがあなたの叶えたい願いなの?」
『そうです…これがワタクシの願い……届かぬ祈りなのですわ!!!』
「わかった。その願い叶えてあげるね!」
『えっ?』
~続く~