CrackleCradle 4人目の冒険家   作:光陽@海神

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前回のあらすじ
蟹さんを倒した4人は敵が逃げた所に穴が空いていたので、その中に飛び込んだ。するとそこはこの施設から出ることができる脱出口となっていた。
しかし、そこにあったのはボートが一台。更に言えば二人乗り。どうにか4人で抜け出せないかと思った幽紀は残骸から板とロープを見つけた。これを荒士に使うよう言うも荒士は断り、別の場所から脱出を試みることに。
荒士が去った後、奈々達は先に脱出することにしたが目の前には先ほど倒した蟹が再び変化を遂げ、襲いかかった…
その頃荒士は屋上にたどり着き、ヘリコプターを使おうと試みたが、フードの男に破壊されてしまう。その後その男がついに正体を明かした…
なんと彼は過去に死んだはずの兄、東雲竜也だった。



十六話 最終決戦 前編

 沈黙を切り、2人は接近する。

 荒士が大剣を横に振る。しかし、あっさりとかわされてしまう。が、それに動じず大剣を振るう。

「かなり腕を上げたな…」

 そう言い竜也は連撃を全てかわしきり、反撃する。

「っ!」

 速い。荒士はそう感じた。武器的に考えてもこっちの方が不利だろう。竜也は完全にスピードに特化している。それに対してこっちは大剣が重たい分攻撃が回避されやすい。

 竜也は二本の脇差で、素早く攻撃を繰り出す。だが、荒士も負けじと大剣で防ぐ。防御と言う観点なら負けてはいないだろう。

「ちっ…大剣が盾になるか…」

 そう言い竜也は後方に退がる。そして脇差をしまい、構える。

「?」

 荒士は警戒を解かず大剣を盾にマグナムを構える。

「その銃で私を狙う気か?」

 そう言い竜也は懐にしまっていたナイフを取る。

「!」

 荒士はその瞬間を狙い、マグナムを狙い撃つ。がしかし、

 カーン!

 あたりには金属音が響いた。なんとマグナムの弾丸をナイフで防いだのだった。鉛弾は真っ二つに裁断され、その場で落ちた。

 そのまま凄まじい勢いで荒士へ近づく竜也。荒士は引き続き引き金を引いたが、スレスレで回避された。

「な…!」

 そう、間違いなく竜也の身体能力、反射神経は人を超えていた。それは涼子や自分をはるかに凌駕するほど。

 あっという間に間合いを詰められ、ナイフを突きつけられる。

「っ!」

 慌ててその腕を受け止めた。しかしその瞬間に横腹に鈍い痛みが走る。

「がはっ!」

 そのまま横へと飛ばされる。横腹を蹴られたのだった。大剣は突き刺さったままで竜也はこちらへ近づく。

「くっ…」

 荒士はその場で立ち上がる。

「ならば…っ!」

 ドクンドクンドクンドクンドクンドクン…

 全身の鼓動が早くなる。なんども続く激しい戦闘の末、感情に関係なくある程度の量ならアドレナリンをコントロール出来るようになった。

「持ち前の病の特性をここまでコントロールするとは…さすがは私の弟だ…」

「さて始めようか、第二ラウンドを!」

 そう言い荒士は素手で竜也へ向かい走り出した。

 

「はあぁぁぁっ!」

 涼子が接近し、コアを狙う。しかし、その瞬間

 キィィィィン!

 凄まじい音と友に衝撃波があたりに走る。

「きゃあっ!」

 そのまま後方へと吹き飛ばされた。

「いたた…」

 そのまま起き上がろうとするが、ブレインからは触手が伸びて今にも涼子を拘束しようとする。

「っ!」

「お姉ちゃん退がって!」

 奈々がアサルトライフルを構えてコアを狙い撃つ。だが、触手が素早い動きで全ての弾丸を防ぐ。

「そんな…」

「ったく!なんなんだよこの化け物…。あたしも奈々でもどうしようもないじゃん…。」

 そう言いブレインを見上げる。すると、ブレインは再び小規模のブラックホールを生成する。

 涼子と奈々は即座にその場を離れる。吸い込まれそうになるが、それでも必死に堪え、振り切った。

「奈々!涼子!後ろ!」

「「⁉︎」」

 その声と共に振り向くとそこには先ほどまでいたブレインの姿があった。ブレインはその触手をこちらへと伸ばす。

「っ!逃げて奈々!」

 涼子は奈々を突き飛ばし、自ら触手に拘束された。

「お姉ちゃん!」

「っ、なんなのこれ⁉︎」

 涼子は振りほどこうとするがそう簡単にはいかない様子だった。

 すると何やらビリビリと音が聞こえて来た。ブレインが電気をチャージしている。そのまま放電するつもりだ。そうなれば涼子も一緒に電気を浴びることになる。

「っ!」

 涼子は覚悟を決める。だが、そんなことはさせるばすもない。

「涼子!」

 幽紀が上から飛びかかり、コアにめがけてショットガンを突き刺した。そしてそのまま暴発させる。すると声にならない悲鳴をあげ涼子を離す。

 涼子は自ら着地し、上を見上げる。

「あんたに助けてもらうとはね…」

「私もあんたを助けるのはなんだけども、今はそんなことを言ってる場合じゃないわよ。」

 そう言い2人はまた構える。奈々は後方で支援する形で後ろへ退がる。

「まだ行けるわよね?涼子?」

「当たり前じゃん!舐めないでよ!」

 そう言い2人は走り出す。ブレインは再びブラックホールを生成し、2人を吸い込もうとした。

「また?」

 2人はその場で立ち止まり、後方にさがろうとする。すると目の前から突如ブレインの姿が見えた。

「「⁉︎」」

 キィィィィン!

 甲高い音と共に放たれた衝撃波は涼子と幽紀を吹き飛ばす。

「きゃっ!」

「あうっ!」

 そのままブラックホールへ吸い込まれそうになる。

「お姉ちゃん!幽紀さん!」

 しかし涼子は上にあった足場にしがみつき、幽紀は急降下し、床にショットガンの銃剣を突き刺す。そしてブラックホールは自然消滅した。その瞬間、ブレインは涼子を触手で殴った。

「がはっ!」

 そのまま壁に叩きつけられる。

「涼子!」

 続く幽紀も再度の衝撃波で後ろへ飛ばされた。

「うがっ!」

 そのまま2人は力なく倒れる。

「そんな…」

 奈々は絶望していた。この2人ですら敵わない相手を1人で戦えるのだろうかと。

 どうしよう…?

 どうすれば勝てるのだろう…?

 その時だった。どこからともなく声が聞こえた。

(奈々ぁぁぁぁぁぁ!)

「荒士…さん?」

 そして、その声と共にある現象が起こる。

 ドクン…

「あう…」

 ドクンドクン…

「なに…この…かんか…く……。」

 それは荒士とキスしている時と同じ感覚だった。鼓動が早くなり、少し息苦しくなるような感覚。しかしあの時は荒士を救うためだったので耐えることができた。

 ドクンドクンドクン…

「あ…ああ……」

 全身が熱くなる。苦しい。奈々は苦しくて仕方なかった。

 ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…

 それでも奈々は堪える。何故ならこの症状は荒士からのプレゼントだ。

 きっとあの時にこの病に感染した。だからこそこの力を受け入れなければならない。むしろ、この怪物に勝てるのはこの力しかないと奈々は確信した。

「ああああああああああああああああ!」

 そして奈々は力なく、その場で座り込む。

「奈々!」

 その声と共に我へ返る。ブレインがこっちに迫っていた。だが、奈々は不思議とそれを脅威に感じなかった。

(伝わる…荒士さんの鼓動が…。)

 自然と奈々の体は軽い。そして、奈々の全身からはあの時と同じオーラが出ていた。

「やっぱりあの子、感染してるわ…」

「感染?」

「実は…」

 幽紀は荒士の病のことを話した。

「それで奈々がスーパーモードになってるんだ…。なんかすごい!いたた…」

「あんたも怪我してるんだから無理しないの…ほら…立つわよ…」

 そう言い2人は支え合い立ち上がる。

 先を見ると奈々がブレインと1人で対峙していた。

「まだ、これからです!」

 

「ぐあぁっ!」

 荒士はそのまま後ろの壁に叩きつけられ、その場でしゃがみ込んだ。

「この力を使ってもダメなのか…」

「無駄だ、弟であるお前の能力は全て把握している。兄に勝る弟などいない!」

 荒士はそれでも立ち上がろうとするが、力が入らない。

「まだだ…俺は生きるんだ…。力を貸してくれ…」

 そして1人の愛しい人の名を叫ぶ。

「奈々ぁぁぁぁぁぁ!」

 その瞬間だった。

「っ⁉︎」

 荒士の全身にさらなる鼓動が聞こえる。まるでどこかから伝わるかのような感覚が。

「ん?」

 竜也はその手を一旦止める。目の前で何が起こってるのかよくわかっていなかった。

「これは…」

 荒士の鼓動と共にまた違う鼓動がシンクロしていく。その瞬間、あの時と同じオーラが荒士にも出てきた。

「な、なんだそれは…?」

 流石の出来事に竜也も困惑した。

「そうか…そうだよね…」

 その場でしゃがんでいた荒士は再び立ち上がり始める。

「伝わるよ…奈々の鼓動…。感じるよ…奈々の力を….。」

(はい、私も感じます…。)

 すると突然荒士と奈々がテレパシーで会話出来るようになっていた。

「やはりそうなんだね。」

(私たちは)

「一つになっている!(一つになっている!)」

 その声と共に荒士は完全に立ち上がった。

「くだらんことはよせ!お前も私のようにやがては裏切られるか、奴らのように裏切るかだ!人間など所詮そんな生き物だ!

 一番信頼できるのは、自分しかいない!」

「違う!人間は、人間はそんな生き物なんかじゃない!人間は1人じゃ何も出来やしない。でも、繋がるから、みんなで一つなるからこそ、無限可能性を発揮する!」

「ならば、照明してみせろ!その2人の力とやらで、私を超えてみせろ!」

 そう言い竜也はこっちへ向かい走り出す。荒士は落ち着いた様子で構える。

 竜也が拳を荒士に向ける。荒士はそれをかわす、するとまた竜也が即座に足で蹴りを入れようとするが止められる。

「同じ手は無駄だ!」

 荒士はそのまま顔面に拳を当てる。その一撃の速さに竜也は反応出来ずに、後方へと飛ばされた。

「ぐあっ!」

 竜也は即座に体制を立て直す。だがその目の前には荒士の姿があった。

「だあ!」

 荒士が連撃を繰り出すが、攻撃を防がれる。

 竜也が隙を見計らい足払いをする。

「っ!」

 だが、そのまま手を地面に着け、首筋目掛けて蹴りを入れる。竜也はその攻撃も見事に防いだ。荒士はそのままバク転で後ろまで退がる。

「以前よりも更に動けてるだと…?そろそろ体力的にも限界の筈だ…」

 竜也は呼吸を乱しながら言う。だがその反面、荒士の呼吸は正常だった。

「…」

 そのまま歩いて近寄ってきた。

「くっ…来い!お前のその全てを、私が受け止めよう!その力で私の意思を超えてみろ!」

「言われなくてもやってやるさ!」

「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 2人とも同時に走り出した。

 




今回も読んでいただき誠にありがとうございます。光陽です。
いよいよ始まった最終決戦。兄と弟の戦いです。
こういう兄弟対決は大抵兄が闇堕ちをして、それを弟が倒すといった展開が王道ですよね。
だから王道を進みました。まあ、王道モノは嫌いなんですけど…
ゆ、許してください><こんな底辺な作者には誰かを驚かせるようなモノを書くことは出来ないんです!はい!
…開き直ったところでですよね…。なんかすんません…。
それでは次回がいよいよ最終決戦の後半になります。ズバリを言うと最終話です。え?短い?短いぐらいが丁度いいのですよ。
(作者の能力が低いだけです)
それでは気を取り直して、次回もお楽しみに〜!
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