幽紀を助けに施設へ潜入した荒士。そこで出会ったのは幽紀のライバルである天崎涼子の妹、天崎奈々だった。
荒士は奈々がなぜここにいるの伺うと、姉の捜索だと言う。
目的の一致から共に行動することになった。
しかし奈々からはあまり口を開いてくれない。
そんな関係でうまくやりとり出来るのだろうか?
二人で行動することに決めた荒士と奈々。次の施設へ移動するためには地下を通らなければならないことを知った。
「なるほど、地下から行ってそこから上に上がるって感じか。」
「はい、それ以外道はないみたいです…。」
なんだか少し話してくれるようになったな。ジト目なのはやはり変わらないみたいだが、ちょくちょく話しかけていたり、普段のお互いの身内の話をしてるうちに少しは心を開いてくれたかな?
そう思う荒士。すると奈々は気がつくと歩き始めてた。
「待ってよ奈々ちゃん!もしも罠とかあったら」
そう言った途端荒士は何かに気がついた。
「奈々ちゃん危ない!」
そう言い荒士は即座に奈々の手を引いた。
「きゃっ!」
ザッ!
地面から鉄の杭が突如飛び出してきた。うまい感じに隠れていたが地面をよく見るとその場所から少し鉄の尖ったものが飛び出ていたことに気がついたのだ。
「奈々ちゃん怪我はない?」
「は、はい…すみません。早くお姉ちゃんを助けようと思いまして…。」
そう言い奈々に手をかそうとした時、奈々の姿を見て荒士は顔を赤らめた。
先ほどの杭をギリギリで避けることができたが一部服が破け、白い素肌が露わになっていた。特に、腹部のあたりと破けたスカートからみせる白いパンt
「何をジロジロ見てるんですか…?」
「え?あ、あ、ええと…///」
奈々は少し冷たい目で荒士を見てため息をつき
「あ、あまりジロジロ見ないでくださいね…///
異性に肌を見られるのは慣れていないので…。」
「ご、ごめん…。」
やはりきめ細かい白い肌と破れたスカートから見せた白いパンツが脳裏に浮かぶ荒士、まだあのことを気にしており、しばらくは顔を赤くしたままだった。
地下に降りるとあたりは暗く、奥までは見渡せない程だった。荒士はあらかじめ持ってきたライトを左手に持ち、右手に懐に隠していたコルトパイソンを取り出した。
「銃、使うんですね…。」
奈々は意外そうに言う。
「ああ、もともと俺はヒットマンをしてたから武器ならなんでも使えるよ。」
そう言い胸を張って言うがあまりいい反応はしてくれなかった。
少し進んでいると灯の先に巨大な花が咲いていた。
「デカイな、なんだこれは?」
そう思い荒士は近づいて行った。その瞬間
「荒士さん!」
突如その花からツルが伸びてきた。なんとかギリギリで回避したが花から突如牙が生え、噛み付こうとしてきた。
「くっ!」
このままでは避けきれないか⁉︎ならば
バン!
判断する前に銃声が響き渡る。その放たれた銃弾は花の茎の部分を貫き、花は倒れ、その場で枯れた。
銃弾がした方向を向くと、奈々が自分の持っていたハンドガンで花を撃ち抜いたのだった。
「ありがとう奈々ちゃん、助かったよ。」
「いえ、まさかあの花もクリーチャーだったとは…。」
「クリーチャー?」
荒士は聞き慣れない言葉に困惑する。
「はい、ここの研究施設では戦争に使うためのクリーチャーを製造しているという噂が立っています…。そしてその噂は本当だったみたいです…。」
そのことは流石に聞いてなかったので少したまげた。
「はあ、そんな恐ろしいのを作ってたのか…。」
「はい…もし最悪な場合を考えると…….。」
少し奈々は寂しそうな顔をする。内気な彼女だから少しマイナスの方向にも考えてしまうのも無理はないだろう。
「大丈夫だよ、あの二人ならきっと無事だ!だから俺たちも早く迎えに行こう!」
「…はい!」
奈々ちゃんもだいぶ口を聞いてくれるようになってきたな。なんだろう、嬉しいような、少し違うような…
荒士は心の中にその思いをしまいこんで次へと向かう。
「たあっ!」
ズバッ!
スライム状の生物を大剣で切断すると今度は二体に分裂した。
「奈々ちゃん!」
「はい!」
分裂したスライムに鉛弾を撃ち込んだ。するとスライムは連撃に耐えれず破裂し、水のように溶けていった。
「ふぅ、さっきからクリーチャーにしか会ってないな。クラゲだったり、水生植物みたいなのだったり、今度はスライムか…」
「そうですね…。あ、でも今思ったんですけどあのクラゲってメトr」
「奈々ちゃん、やめておこう。」
確かに似たようなものは出てくるが、ここは名前を出してはいけないきがする。
「あっ…(察し)」
奈々もその視線から理解した。
そして次に進んでいくと奥の方に何やら岩のようなものがある。
「行き止まり?」
地下は少し暗いため、よく見えない。
「いえ、そんなはずは。」
しかし、ライトを満遍なく当てるとその正体が何かを理解し、お互い驚愕する。
グルルルル…
「奈々ちゃん…あれ、まさか…。」
「は、はい…そのまさかです…。」
そこにいたのは普通に育ってもまずこんなサイズにはならないだろうというレベルで巨大なワニだった。そしてそのワニは獲物を見つけたらしく、今にも戦闘態勢へと移ろうとしていた。
「やるしかないか!」
「はい!」
荒士はマグナムを握り、奈々は拳銃を構え、二人の銃が火を吹く。しかし、強固な皮膚は二人の銃弾を寄せ付けなかった。
「そんな…⁉︎」
「弾いた⁉︎こっちはマグナムだぞ⁉︎」
マグナム。人間の頭に撃てば簡単に吹き飛び、ワニであろうと脳天を貫けば即死するほどの性能を持つ片手銃。その反面反動が大きく、初心者が片手で撃てば脱臼はするだろう。しかしそんな銃ですらあのワニにダメージを与えることが叶わなかった。
グオオオオオ!
そのまま巨大なワニはこちらへ接近する。
「奈々ちゃん、一旦逃げよう!」
「わかりました…!」
そう言い後方に退がる。しかし、ワニの走る速度は噂どうりかなり早い。
「奈々ちゃん、そのまま逃げて!」
荒士はそう奈々に告げ立ち止まる。
「⁉︎荒士さん…?」
「やつと戦う、こいつなら!」
そう言い真っ正面から立ち向かう。
天井が低いから高くは飛び上がれない。だが、このままこのスピードで大剣を突き刺せばなんとかなる。
そう思い、一気に突撃したが
カーン!
「何ッ⁉︎」
ワニは大剣を口で思いっきり噛み、動きを止めた。
「ちっ!」
ワニの目に蹴りを入れて、怯んだところに大剣を引き抜き。即座に退がる。
「奴に弱点はないのか?」
「わかりません。戦って行くうちに見つけ出すしか方法がありません。」
「なら俺が前に出る、奈々ちゃんは後方で支援をお願い!」
そう言い荒士は再び走り出そうとしたが奈々がその手を掴んだ。
「荒士さん…無理はしないでくださいね…?」
荒士はそっと奈々の手を優しく掴み離す。
「大丈夫だよ、俺を信じてくれる?」
荒士は奈々を見つめる。奈々は少し頬を赤く染めて「はい…」と返事をする。
「よし、じゃあ行ってくる。」
そう言い荒士は今度こそワニに接近する。ワニもそれに気がつき遅いかかる。先行でワニが噛み付こうとする。だが、荒士は後方に回避し目に鉛弾を打ち込む。弱点ではないがここが唯一外側で効く所だ。
まて、外側…?
荒士は1つのことに引っかかる。そして1つの案を思いついた。
「奈々ちゃん!奴が口を開けた時に銃を撃ってくれ!」
「⁉︎」
「こいつが硬いのはきっと外側だけだ!きっと中は柔らかいはず!俺が囮になるから、チャンスを見計らって撃ってくれ!」
「わかりました。」
どうやら口の中に銃弾を打ち込むらしい。
しかし、そんなやりとりのすぐ直後、ワニが再び接近し、突撃する。
「ぐあっ!」
タックルが直撃し、後方へと荒士が飛ばされる。
「ぐぅ…」
起き上がろうとするが大剣がワニの奥の方にあることに気がつく。手放してしまったのだ。目の前にはどんどん距離を詰めるワニ、そして大きく口を開け、捕食を試みようとする。
だが、むしろ好都合だった。今こそワニは逆に無防備だった。
「奈々ちゃん!」
その掛け声の直後、銃声が響き渡り弾丸がワニへと遅いかかる。そのままワニの口へと行き上顎を貫いた。
グオオオオオ!
ワニがあまりの痛さに怯み出す。その好きに前方へとロールし、大剣を取り突撃する。
「はああァァァ!」
そのままワニの首に大剣を振りかざした。ワニの首と体はあっけなく二つに裁断された。
なんとかワニを倒すことに成功した。
「ふう…なんとか隙ができたから倒せたな。ありがとう奈々ちゃん。」
すると奈々はため息を吐き、口を開く。
「もう…こっちは心配しましたからね。あまり無理はしないでください。あれで私が外してたらどうするつもりだったんですか!」
奈々は頬を膨らませて怒る。
(それにしてもだいぶ口を開いてくれるようになったな。本当は奈々ちゃんは人見知りなだけなんじゃ…?)
「聞いてるんですか⁉︎」
「あ、ああ、ご、ごめん。ええと…その…やっぱり男だからこそさ、女の子をちゃんと守らないとなって思って…。」
すると奈々は顔を赤くした。
「そ、そんなふうに言われると…(ボソ」
「何か言った?」
すると奈々はビクッ!と体を震わせる。驚いたのだろう。
「な、なんでもないです!は、はやく行きましょう。」
そう言い奈々と荒士は先へ進むことにした。
ようやくこのフロアの最深部までたどり着く。
「ここはなんだか広いな…。」
「確かにそうですね、まあ、気にせず先に進み…きゃっ!」
そう言いかけたところで荒士は奈々の手を引き後方へと退がった。
じゃぶっとしたに溜まっている水の音が響き渡る。それとともに
ズシーン!なにやら天井から降ってきた。
「な、なんだあれ…?」
奈々はその声に反応して同じ方向を見る。すると、そこには
「ゲコ…ゲコ…」
先ほどのワニよりも比較的に大きなカエルがそこにいた。
「な、なんなんですかあれ⁉︎」
さすがにそのサイズに奈々は驚く。しかしそんなことを聞いてる暇などない。カエルは飛び上がり、荒士達を襲う。
「奈々ちゃん!」
そう言い荒士は奈々を抱きかかえ、飛び上がる。先ほどいた場所にカエルが落ちてきた。
「ありゃやばいな…。奈々ちゃん、大丈夫?」
「は、はい…。」
地面へと着地し、荒士は大剣を、奈々はハンドガンを構える。
「奈々ちゃん、準備はいい?」
そう言い奈々の方を横目で見て、荒士は尋ねる。
「はい!もちろんです!」
そう言い奈々も荒士を横目でみて答える。
そして二人は同時に巨大ガエルめがけて走り出した。
Crackle Cradle 4人目の冒険家を読んでいただきありがとうございます!光陽です!
最近友人から酷いあだ名ばかりつけられます。泣きそうです。
それでも挫けず前を向きます。
書き始めた当初は恋愛要素を入れるか悩んでましたが、結局入れることにしました。
これからの奈々ちゃんの感情が変化していきます。想像するだけでニヤけが止まりません。
では、次回もお楽しみに!