IS〈インフィニット・ストラトス〉宿命を変える奇跡の双騎士   作:《陽炎》

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最初は一季VSセシリア、この戦いの結末は……


第22話 黒と蒼 復讐者は雫を落とす

「……………」

 

直に始まる奴とオルコットの対戦、俺にとっては有り難い対戦カードだ。対戦する2名の情報を手にする事が出来るのだからな、奴相手に負けたくないのは当然だがオルコット相手に負けるのも癪だ。初日から罵詈雑言の数々を浴びせられた事を俺は忘れてはいない、未だ根に持っているのは女々しいのではという自覚はある。しかし自分が勝ったら俺を奴隷にする等という俺にとって許し難い言葉を吐かれたのも紛れもない事実。そんな相手に俺は負けなくはない。例え専用機持ちの代表候補生が相手だとしても、僅かな勝機を手繰り寄せて掴み取り勝利の2文字を我が物にする。その為に実戦を積み重ね、新たな切り札を手に入れ、《灰色の鱗殻》と合わせ『2つの奥の手』もある。試合が終わるまで俺は油断も奢りもしない、全身全霊を持って全力を相手にぶつけて戦うだけだ。

 

「い、一季君!一季君!」

 

ピットで自分の出番を待ち、混雑している心境を整えている最中、それをガラガラと打ち崩すような慌てふためく声を上げながら山田先生が走ってこのピットにやって来た。

 

「……山田先生、落ち着いてください。貴方教師でしょう」

 

本当にこの人は俺達生徒を指導する教師なのだろうか?初対面の時から未だに信じがたい。本当は教師ではなく教師になろうと背伸びしている生徒なのでは、と勘ぐってしまう、下手をすれば俺より年下と言っても通用してしまうのではないか。隣で落ち着いている姉さんが堂々としているだけに余計そう思わせる。

 

「……ところで、何か用ですか?」

 

「あぁ。すまんが一季、お前が先にオルコットと戦ってくれ」

 

姉さんから伝えられた要件、それは俺がオルコットと戦えという物。どういう事だ、事前に聞いた対戦カードは、まず最初に奴がオルコットと戦い、次に俺がオルコットと戦った後に、最後に俺が奴と戦う手筈の筈だが。

 

「……最初にオルコットと戦うのは奴の筈では」

 

「それが……織斑君の専用機がまだ到着していなくて。アリーナの使用時間も限られていますから予定を変更して先に一季君がオルコットさんの対戦を先に行おうと……」

 

「……そんな理由で俺が先に戦えと?専用機が来ないのならば量産機で戦えばいいだけの話でしょう」

 

ふざけている、何故そんな理由で俺が奴の専用機が到着するまでの時間を埋めなければならないんだ。都合上対戦カードを変更するのは別に構わないが、そんな奴の為でしかならない理由で変更されるのは納得はいかない。

「文句を言うな、どの道戦うのは確定している事だ。男ならばこの程度の変更潔く受け入れろ」

 

「……わかりましたよ。俺が奴の代わりをすればいいんでしょう」

 

不機嫌になりつつも、逆らいはせずにひねくれた承諾をする。山田先生相手ならば逆らってでも反論しているかもしれないが、この人相手では逆らっても無駄だ。

 

『何故こうも、俺は奴のせいで迷惑を被らなければならない……!』

 

了承こそしたが納得等しておらず、俺の心にはただイラつく感情が蠢いている。奴の為でしかならない理由のしわ寄せが俺へと寄せられる、不愉快でしかない。

 

ゴツンッ!

 

そんな思考に脳が支配されていると、頭に軽い一撃が入って来た。痛みこそしないが妙に脳に響いてくるこの一撃を繰り出して来たのは他の誰でもない、姉さんだと理解するのにさほど時間は要さなかった。しかし姉さん、出席簿は人を叩く物ではないぞ。

 

「そう腐るな、別にお前を蔑ろにしている訳ではない。ただ、此方にも色々と事情があるからな……だから今回は許せ」

 

そう姉は俺に語りかけながら諭そうとしてくる。何時もの厳しい雰囲気の中に何処か優しさを醸し出していた。拗ねている俺を説得している姉さん……端から見ればまるで駄々を捏ねる子供を宥める姉と弟ではないか、事実そうなのだが。この光景を山田先生とブライトが微笑ましく見ているのに気付いた俺は「もういいですよ、わかりましたから」と照れくさくなりつつ素直に受け入れる。そうすると、我が担任と副担任2人はこの場を去っていった。

 

「……何を笑っている」

 

この場に残っているブライトには未だ表情に笑みを浮かべながら此方を見ていた。くっ、見られなく物を見られた気分になり気恥ずかしい。

 

「いやぁ、なんだかアンタと織斑先生が姉弟みたいでさ」

 

『……………実際に姉弟なんだがな……』

 

事実を知らないブライトに対してそんな台詞を吐く訳にもいかないので心の中に留めておく。そういえば、DNAの鑑定結果は何時明らかになるのだろうか?

 

「……では、そろそろ行くか」

 

そんなやり取りが終わった後にピット・ゲートで待機する事にする。試合を行うならば、早くして貰いたい。いくらオルコット相手でも待たせるのは失礼だろうし、それ以前に待たせよう物ならば上から目線で文句を連射される予感しかしない。

 

「イツキっ」

 

「……どうした?」

 

「頑張れよ、アンタの全力を出してきなっ!」

 

移動しようとした瞬間にブライトに声を掛けられる、それは俺への激励のメッセージだった。昨日まで自分の時間を使ってまで俺の特訓に付き合ってくれたのだ、情けない試合など出来る訳がない。例え結果がどんな物だとしても全力を出しつくす、最も敗北よりも当然勝利の2文字をもぎ取るつもりだがな。

 

「……あぁ。行ってくる!」

 

そう力強く返答をしてピット・ゲートへと移動し首からぶら下がっている待機形態の悲劇の復讐者を展開・装着していく。一瞬にして装甲を纏い終えると、予めアンロック・ユニット《悪魔の尾》を右手に取ってガンランスにしておく。そして開放されたゲートから浮遊し、アリーナへと飛び立ちオルコットが待つ空中へと向かう。ハイパーセンサーから俺の脳へ次々と相手の情報が伝達されていく。

 

戦闘待機状態のISを1機感知。搭乗者、イギリス代表候補生セシリア・オルコット。ISネーム『ブルー・ティアーズ』。戦闘タイプは中距離射撃型、特集装備あり。

 

『さぁ、行くぞ。悲劇の復讐者!』

 

ドイツでの一件及び模擬戦を経験はしているが、公式戦においてはこれが俺達の初陣となる。対戦相手は代表候補生、相手にとって不足はない。

 

「あら、逃げずに来ましたのね。ウォーミングアップする時間くらい差し上げますわよ?」

 

アリーナ空中に浮遊すると、30メートル程先に浮遊しているオルコットが余裕しゃくしゃくとした笑みを浮かべながら腰に手を当てポーズを取っている。ウォーミングアップなどする必要はない。この戦いに備えて来たのだから、準備は万全だ。それにしても……随分と生徒が詰め寄っているな。ブライトと模擬戦を行っていた時にも数人は観覧していたが、今回の人数は今までの人数とは文字通り桁が違うな。

 

「……結構だ。既に準備は出来ている」

 

「それは結構。それにしても貴方の専用機、随分と趣味の悪い外観ですわね。わたくしのブルー・ティアーズとは大違いですわ」

 

相変わらず高圧的な台詞を吐く奴だ、大体何処が趣味が悪い外観なんだ。そう余裕綽々としているオルコットが自慢気に纏う機体『ブルー・ティアーズ』、日本語に訳せば蒼き雫となるその機体の外観は、正に鮮やかな青い色をしており、特徴的なフィン・アーマーを4枚背に従えたその出で立ちは大英帝国とも言われるイギリスの王家に使える王国騎士の様な気高き印象を与える。確かに自慢気に誇れる外観だが、戦いは外観で決まる物ではい。そしてブルー・ティアーズを纏いしオルコットの手には中距離射撃型を表す2メートルは軽く超えている長き銃器、レーザーライフル《スターライトmkⅢ》が握られている。既に試合開始を告げる鐘の音は鳴っているこの状況、向こうが何時打って来ても可笑しくない。

 

「最後にチャンスを差し上げますわ」

 

「……チャンス?」

 

腰に当てていた右手を俺へと突き出し、人差し指で俺を指すポーズを取る。左手に握られている銃器は余裕からか砲口が下げられたままだ下げられたまま、随分と舐められた物だ。その余裕が命取りになるぞ。

 

「わたくしが貴方をボロボロにして一方的な勝利を得るのは目に見えています。惨めな姿を晒したくなければ今此処で謝りさえすれば、許してあげない事もなくっ……」

 

ズドドドドドドドドドドド!

 

「なっ!?」

 

「……随分と余裕だな。既に試合は始まっているぞ」

 

べらべらと喋っているオルコット目掛けて、ガンランス形態の《悪魔の尾》から実弾が火を噴く如く放たれて直撃してシールドエネルギーを減らす。チャンスならばとっくに頂いている、試合が始まっている現状で頼みもしていない一方的な会話をしている奴を攻撃しないとでも思ったか?此方からすればそんな相手はまたとない絶好の的だ。お陰様で奇襲攻撃に成功したがな。

 

「くっ、やってくれましたわね!」

 

「……何か問題でもあるのか?既に試合は始まっているぞ」

 

試合が行われているのだ、攻撃して何が悪い?貴様と違ってあんなチャンスを逃している余裕は生憎と俺にはないからな。突ける油断や隙は容赦なく突かせて貰う。

 

「……そうですか、どうやらお別れのようですわね!」

 

悲劇の復讐者が警告音を俺へと告げる。それは本格的にこの戦いが始まったと告げる鐘となっていた。独特の耳へと響き、閃光が同時に誕生したその瞬間、俺を射抜こうとせんレーザーが砲口より打ち出される。狙いは正確で1秒の半分にも満たない速度で襲い掛かってくるが、直線的なそれは避けようと思えば避けれない事はない。スラスターを噴かせ上空へと飛翔し、間一髪の所で避けたつもりだったが、僅か左足にかすった。それに応じた微量のシールドエネルギーが減少する。

 

「さぁ、踊りなさい!このセシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)で!」

 

最後の方は何を言っているのかはわからんが、悪いが俺は踊りなどという芸は出来ん。悲劇の復讐者はどちらかと言えば戦闘タイプは近距離・中距離型。対するブルー・ティアーズは中距離型のIS。そのブルー・ティアーズの4枚のフィン・アーマーには、フィン状のパーツに銃口が備え付けられ開いている。それはオルコットの周囲から飛び立ち4つの自立起動兵器、レーザービットとなる。この兵器の名は……

 

「教えてあげましょう。これこそがブルー・ティアーズに搭載されている第3世代型兵器『ブルー・ティアーズ』ですわ!」

 

『……言われなくても知っている』

 

模擬戦の合間にブライトからその第3世代型兵器の説明は聞いた。大体俺はそんな説明求めていないだろう、そういう説明は尋ねられたら話してくれ。既にその自立稼働兵器を知っているとは言う気にもならず、無言を貫いた。知っているなどと口走れば、また噛みつかれるだろうからな。

 

「このブルー・ティアーズは、『ブルー・ティアーズ』を実践投入した第1号機。ですからこの機体の名前も同じくブルー・ティアーズなのですわ」

 

「……そんな事、誰も聞いてはいない」

 

尋ねてもいない説明を喋っている事に、つい声に出して指摘してしまうが、そんな事は置いておこう。向こうはレーザーライフル一丁と別々に動く4機のビット、計5つの砲口が何時でもそこから打ち出されるレーザーで俺を狙撃出来るのだ。そして4機のビットによる狙撃が次々と俺を襲う。何とか避けようと試みるが、いくら直線的なレーザーとは言えど、初見でその正確な狙撃を完全にかわすのは不可能であり直撃とは行かずとも幾度も喰らいじわりじわりとエネルギーを削られていく。

 

「ぐっ……」

 

IS独特の飛行移動による回避に次ぐ回避、しかしビットのレーザーを躱す事に集中していればライフルからレーザーが俺を襲う。オルコットは狙撃かわそうとして生じる隙を見逃さずに続け様にビットに狙撃を行う。その俺の狙撃は反応が遅れる角度と箇所から放たれ、機動性が高い悲劇の復讐者でも避けるのには困難である。

 

「隙ありですわ!」

 

片方に気を取られていると、もう片方からのレーザーが襲い掛かってくる。非常に厄介な攻撃だ。ビットを避けてもライフルが控え、逆もまた然り……

 

『……待てよ。そういえば、オルコットはライフルとビットで同時に狙撃を行っていない。一体何故だ?』

 

ふと、先程からのオルコットの攻撃手段に心に違和感が沸いてくる。今気付いたが、オルコットは『何故かレーザーライフルと同時にビットで狙撃しない』のだ。そして今のように俺がライフルの狙撃を避けると、それにより出来た隙を突いて俺の反応が一番遅れる死角からビットによるレーザー攻撃を行ってくるが、ビットだけで狙撃を行っていた時よりタイミングが微妙に遅れて比較的回避しやすかった。

 

『一見すれば何も可笑しくはない戦術だが……取り敢えず、少し様子を見るか』

 

この疑問から1つの仮説を上げると、距離を置いて相手の出方を伺う事にする。それを実行に移して、オルコットから距離を取るように飛行していく。感じ取った違和感の正体と勝機を掴み取る為に。

 

 

 

 

 

「意外と粘りますわね。誉めて差し上げますわ」

 

「それはどうも……」

 

皮肉めいた褒め言葉に此方も皮肉を含む返しをする。試合開始の鐘が鳴ってから凡そ15分程経過しただろうか、現状は此方が劣勢。シールドエネルギーの残量はブルー・ティアーズが殆ど減っておらず約510、対して悲劇の復讐者は162と倍以上の差だ。隙を見つけては攻撃を仕掛けてはいるが、最初の奇襲以外でダメージを与えられてはいない。やはりガンランスだけではエネルギーを削るのは難易度が高く、削ったその何倍も此方のエネルギーが削られている。オルコットの実力に関して言えば流石は代表候補生と言った所だ、その狙撃は正確であり一度も完全には避ける事が出来ていない。クリーンヒットこそなくても、放たれたレーザーは僅かながらもかすり此方のエネルギーをじわじわと減らしてくる。狙撃の腕に関しては向こうが明らかに上だ、100人中100人が同じ意見を述べるだろう。

 

『だが、それで100%勝てる訳ではない』

 

狙撃の腕が確かだからと言ってもそれがオルコットがこの戦いで確実に勝利を得る理由にはならない、俺が奴に勝つ可能性が僅かにでも存在している限りそれは永遠にない。向こうは武装の殆どを露わにしたが、まだ披露していない武装を隠し持っているだろう、それも大方の検討はついている。だが、様子見に費やしガンランスでしか攻撃していない此方はまだ《悪態の尾》の鞭形態と『2つの奥の手』を残している。俺は疑問を抱いてから様子を見てきたこれまでの時間でオルコットの攻撃時に感じた違和感が確信へと変化した。それはこの戦いに勝利しうる可能性を掴んだのと同じ。何故なら此方の『2つの奥の手』に加えてブルー・ティアーズ、そしてセシリア・オルコットの『弱点』を見つけているのだから。

 

『さて、そろそろ攻めに転じさせて貰うぞ!』

 

現在距離間は150メートル。様子見に費やしていた先程までは直径200メートルのこのアリーナの空間の端にまで寄って距離を保っていたが、それも此処までだ。たった今から様子見から攻撃への作成変更を実行に移す。まず最初に中距離射撃型のオルコットにスラスターを噴かせて接近し距離を詰めていく。奴の間合いに入る為に

 

「やけになって中距離射撃のこのわたくしに接近戦を挑む気ですか?笑止ですわっ!」

 

100メートルを切った距離まで詰めると《スターライトmkⅢ》から放たれるレーザーが俺を襲う。かすりながらもそれの直撃は避ける。するとオルコットは俺が避けるのを把握しているかの如し動きで空いている左腕を横にかざす、そうすると2機のビットが直線的な移動をして俺を狙おうと接近する。そう、『隙が生じて俺の反応が一番遅れるであろう角度』から俺を打ち抜く為に。

 

『そうはいくか!』

 

ブォン!

 

ガンランス形態の《悪魔の尾》を左方向に向けオルコット目掛けて振り払う。誰も今の今までガンランスだった武器が鞭へと変化などしていると思わないだろう、相手を薙払おうとせんと伸びた鞭はオルコットに襲い掛かっていく。

 

「なっ!?可笑しな武器を……」

 

この一振りに驚いたオルコットは文句を言いつつも上へ飛ぶ事で鞭の一撃をかわす。別にこの鞭の攻撃でエネルギーを削るのが目的ではない、本当の目的は『お前の意識をビットから逸らす事』なのだから。

 

ドスッ!

 

「まずは1機……」

 

動きがほんの僅かながら停止していた2機の内の1つのビットを、ガンランスへと戻した《悪態の尾》で一突、貫かれたブルー・ティアーズはその名前の通り蒼き雫の如く地上へと落ちていく。取り敢えずは1機は撃墜した。

 

「なっ!?ブルー・ティアーズを……ま、まぐれに決まってますわ!」

 

俺にブルー・ティアーズを1機でも撃墜された事に驚愕、憤り、焦り、数多の困惑を含むオルコットのその表情がハイパーセンサーによって、より一層はっきり確認出来る。そして今度は右腕を振り上げると、周囲に待機させていた1機を加え再び2機のビットを、最も俺の反応が遅れる箇所へと配置し打ち抜こうとするそして俺も再び《悪態の尾》を鞭にして今度は上からオルコット目掛け剣を一振りする要領で振り下ろした。

 

「くっ……!」

 

先程の意識を遠ざける為の粗い一振りとは違う、今度はダメージを与える事を目的とした先程より狙いを正確にした一振りだ。横へと飛行しかろうじて直撃こそ避けたオルコットだが、右腕に攻撃を食らった事により、当然シールドエネルギーも減る。今ので500を割っただろう。しかしこれも本当の狙いはビットから意識を遠ざける事だ、予測通り俺の反応が一番送れる箇所に標的のビットは居た。そしてオルコットの意識が攻撃を避ける事に逸れた事によって一瞬だが動きが止まる、それを見逃さずスラスターを噴かせ詰め寄ってガンランスによってビットの後部スラスターを貫き通し大地に落とす。これで2機撃墜、残りは2機。

 

『い、一度ならず二度までもブルー・ティアーズを……ありえません、まぐれに決まっていますわ!』

 

「念の為に言っておくが、俺が貴様のビットを撃墜したのは決してまくれ等ではない」

 

その表情にビットが撃墜されたこの現実をまぐれだと決め付けていそうな表情をしているオルコットにそう言葉を吐く。そうするとオルコットは図星を突かれたと言わんばかりの驚きを顔に出していた。そう言葉を出しながらも距離を50メートル程に詰めると残りの2機のビットを操り俺を射抜こうとする。

 

「オルコット、お前の狙撃は確かに正確だ。だが、それも完璧ではない!それが俺がブルー・ティアーズの撃墜に成功した理由だ」

 

そう宣告しつつ三度鞭を振るう今度は右斜め前上に振り上げて。この一振りで《スターライトmkⅢ》を持つ右腕に当たり、その衝撃よる流れで左腕を振り上げてオルコットはビットによる狙撃で俺を射抜こうとする。それを見て鞭をガンランスへと変えしているビット目掛け突進する勢いで接近する。場所ならばわかる、ビットが浮遊しているのは俺の反応が一番遅れる場所に居ると把握しているのだから。案の定予測通りの場所に浮遊していた残りのビットをランスで一突し貫ていく。これにより、残っていたビット2機が煙を出しながら落ちていった。

 

「わ、わたくしのブルー・ティアーズが……4機も落とされ……!」

自分の専用機且つ母国の最新兵器を4機撃墜された現実に直面したオルコットは有り得ない、信じられないと言わんばかりの困惑と驚愕を露わにしていた。

 

「確かにレーザーライフルと4機のビット兵器、計5つのレーザーが同時に襲い掛かってくれば避けるのは困難だ。だが、お前はビット4機で同時狙撃を行っても、ライフルとビットによる同時狙撃を行わなかった。否、正確には『行えなかった』と言った方が正しいだろうな」

 

違和感を覚えて様子を見ていた間、やはりオルコットはタイミングを遅らせてビットやレーザーライフルからレーザーを打ち出す事もはあっても同時のタイミングで俺を打ち抜こうとせずにいた。単体のレーザーの威力であればライフルの方があるにも関わらずだ。

 

「最初は意図的にタイミングをずらしてレーザーを放っているのかと思っていたが、実際はビットに意識を集中させているから同時に狙撃を行えないんだろう?」

 

そう、オルコットは同時にライフルとビットで狙撃しなかったのは同時には行えないからだ。自立稼働兵器ブルー・ティアーズ、自動と聞けばプログラムにより行動しているのかと思い込むが実際は違う。ブルー・ティアーズはオルコットが命令を送り制御に意識を集中させる事で初めて意味をなす兵器なのだ。元々宇宙での利用を前提に作られたIS、ハイパーセンサー及び全方位視覚接続の機能でこのアリーナ程度のスペースならば、細部まではっきりと補正されて見る事が出来るのだ。これによりオルコットは俺が隙を見せたりすれば反応が一番遅れる死角へとビットを飛行させ狙撃を行えた。

 

「しかしいくら細部まで見る事が可能だとしてもそれを見るのは人間だ、頭の中でそれらの情報を整理し把握しようとすると、ISに補正されたとしてもコンマ数秒のタイムラグが生じる」

 

例えあらゆる広範囲の映像を確認出来たとしても、直接目に映る視覚情報の方を人は優先してしまう、それは俺も例外ではない。オルコットはその点を利用して俺の死角から狙撃を行っていたが、皮肉にもその手段がブルー・ティアーズの弱点をオレに把握させる切欠となったのだから。

 

「ライフルによる狙撃により出来た俺を死角からビットで狙撃可能な隙が出来たにも関わらず、狙撃タイミングが一拍子遅れたり、ビットからライフルによる狙撃へ切り替えた時も同じくレーザーが放たれるのが一拍子遅れて比較的避け易かった攻撃が数回あった。どちらか片方の狙撃に専念していた時には発生していなかったタイムロス。『お前が俺の反応が一番遅れる死角から正確な狙撃をしていた』からこそ確信を得た。ビットの操作に意識を集中させなければならない故、ブルー・ティアーズを制御しようとすればライフルによる狙撃は行えず、ライフルによる狙撃を行えばブルー・ティアーズを操作する事が出来ないとな」

 

ビットに意識が集中している故に狙撃手段を切り替えようと思考が実行に移さんと肉体に命令を出しても、どうしても体の反応は遅れその分のタイムラグが生じてしまう。故に片方による狙撃しか行えず、攻撃を喰らったり避けようとすれば其方に意識がそれビットの操作が停止する。これがブルー・ティアーズの弱点、ビット兵器と他の武装を併用出来ないという弱点だ。

 

「……随分と聞かれてもいない事をべらべらと喋っていたが、どうやらその反応を見る限り図星のようだな」

 

今まで散々聞かれてもいない話をされてきたお返しと言わんばかりに長々と演説をしてしまった。オルコットの目尻や口元、その表情全てが引きつっている、最早完全に試合開始時の余裕が表情から消えていた。己の機体の弱点を看破された事で余裕が一気に潮が引くように消えているのがわかる、敢えてレーザーの直撃を喰らってまで隙を作り弱点を見つけ出した甲斐があった。

 

「ビット兵器を失って残る攻撃手段はそのレーザーライフルによる狙撃のみ」

 

中距離射撃型のブルー・ティアーズの最大の武器である4機のビットを失い、残るはライフルと恐らく隠しているであろう武装。だが、近距離での接近戦で此方の間合いに入ればそのライフルでは最早対処しようもい。

 

「ぶ、ブルー・ティアーズを落とした事は誉めて差し上げましょう……ですが、わたくしの優勢には変わりありません!」

 

そう叫ぶように声を出しながらライフルからレーザーを次々と放つ。余裕を失い冷静さを欠いてはいるようだが狙撃に関していえば実力は確か、正確なのは変わらない。しかしながら一筋の光線だけならば避けるのは先程までの何倍も楽だ。そして何よりも、ブルー・ティアーズ以外に、オルコットにも『致命的な弱点』が存在している。最もブルー・ティアーズとは違い本人は気付いていないだろうがな。余裕をなくしている今が絶好の攻め時。

 

「そろそろ決めさせて貰うぞ!」

 

ビットで狙撃を行えない鬱憤をライフルで晴らさんと次々に繰り出される狙撃を避けつつも不規則だが確実にオルコットとの距離を縮める動きで間合いを詰める。40、30、20、5メートル……この距離まで近付けば此方の間合い。鞭の対処法を見た限り恐らくオルコットは接近戦は不得意、ならばと『奥の手』を使い一気に間合いを詰め一気に攻め込まんとしたその時、オルコットの口元がニヤリと笑うのが見えた。

 

「お生憎様、ブルー・ティアーズは6機あってよ!」

 

ジャコンッ!

 

ブルー・ティアーズの腰部から広がっている、まるで女子が着る洋服であるスカート状なアーマー、それが可変し此方を向き装填される音が聞こえ砲身と砲口が露わになる。そこから発射されるのはビットはビットでもレーザービットではなく、俺を追尾する弾道型のミサイルビット。成る程、 これが隠していた武装という訳か。例え接近戦を挑まれてもこのミサイルビットで返り討ちも可能という訳か。

 

ドカァァァン!

 

「これでフィナーレですわ!」

 

5メートルという近距離でミサイルを避けるのは難しい、しかしこれは想定内。オルコットはビット4機が落とされた時、全てではなく4機と落とされた数を口にした。その台詞を聞いて予備のビットがあるのではと思ったが予想通りだ。伊達にこの3日間、火器で攻め込んでくるブライト相手に戦ってはいない。距離が少し離れるが上空へ飛び、迫り来る2機のミサイルビットを誘導しガンランスで一機刺貫き爆破、もう1機こそ直撃しシールドエネルギーは残り89と二桁になるが爆発によって誕生した煙が俺を包み込む。そしてオルコットはこの様子を見るなりライフルで止めを刺そうと狙撃の構えを取り引き金を引く。しかし、残念ながら少しばかり遅かったな。

 

ズドンッ!

 

「がはっ!?」

 

一瞬という時間、その刹那の間に俺の左拳がオルコットの腹部に直撃した。その衝撃を喰らいオルコットは苦しそうな息を吐く、一瞬にして5メートル以上あった間合いを、レーザーを一発喰らうのを気にも止めず、急激な加速により瞬時に詰めた。これこそが奥の手の1つ『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』。原理は後部スラスター翼からエネルギーを放出し、それを一度内部に取り込み圧縮して放出する。その際に生じる慣性エネルギーを利用して爆発的な加速を可能にする。原理は把握してはいたので、ブライト相手模擬戦を行って実戦を何度も積む事で昨日ギリギリ習得出来た奥の手だ。この程度の距離ならば文字通りその加速で瞬時に無くす事が出来る。その『瞬時加速』より生まれた勢いのまま、アリーナ地上へと突っ込んでいく。

 

ズドォォォン!

 

「がっ……!」

 

勢いよくオルコットが背中から地面に叩きつけられる、ISにより急激なG等からは守られてはいるとはいえ、流石に10メートル以上も上空から叩きつけられてはその衝撃に呻かずにはいられないだろう。しかし追い討ちを掛けるようで悪いが、まだ呻いて貰う事になるぞ。既に左腕の盾は弾け飛び、もう1つの奥の手《灰色の鱗殻》を露わにしているのだからな。

 

ズガンッ!

 

「がはっ!」

 

パイルバンカーから杭が勢いよく打ち出されオルコットの腹部を射抜く。この一撃でシールドエネルギーはごっそり削られる、『絶対防御』が発動したからだ。ISはバリアよって操縦者を守っておりそれを貫く攻撃を喰らえばシールドエネルギーは削られ、装甲は破損される。中でも『絶対防御』は操縦者を死から守る為に発動し攻撃から守るが変わりにシールドエネルギーが大幅に減少する。単純な攻撃力なら第2世代最強と称される威力を持つ《灰色の鱗殻》がこの至近距離で装甲のない腹部に直撃すれば、ISが操縦者を守ろうと『絶対防御』を発動させ、その結果機体のシールドエネルギーが大幅に削られる。

 

ズガンッ!

 

そしてリボルバー機構の《灰色の鱗殻》は連射が可能、すぐさま高速で装填された2発目の杭を打ち出す。オルコットは1発目と同じように『絶対防御』で相殺出来なかった衝撃によって苦悶の表情を浮かべる。

 

ズガンッ!

 

ズガンッ!

 

計4発ものパイルバンカーの一撃を喰らい、その度に『絶対防御』を発動した事でブルー・ティアーズのシールドエネルギーの残量は0となる。

 

『試合終了。勝者、一季』

 

それは即ち俺の勝利が確定した事であり、同時にその事実を告げるブザーがアリーナに鳴り響いた。

 

「わたくしが……負けた?このわたくしが、男相手に……」

 

オルコットは自分が俺に敗北した現実を受け入れられないのか、そんな台詞を呟いている。そう呟く表情は非常に沈んでいた。男相手に負けるとなど微塵も考えもしなかったからこそ増すショック。そんな傲慢こそが今回のお前の敗因だ、最もオルコット自身が気付いているかは怪しいが。

 

『一季君、お疲れ様でした。ビットに戻って次の試合に備えてください』

 

山田先生からプライベート・チャンネルで知らせが入る。わかりましたと返しピットに戻る事にする。オルコットにも同じ言伝がされているから直に戻るだろう。敗北に落ち込むオルコットを尻目に飛行しピットに戻る。

 

「やったな!イツキ!」

 

ピット・ゲートに到着し、悲劇の復讐者を解除してピット内へ戻るとブライトが非常に高いテンションでとても嬉しそうに出迎えてくる。

 

「……あぁ。ギリギリだったがな」

 

試合終了時のエネルギー残量は僅か48、後一撃でもまともに喰らっていれば此方が負けていただろう。流石は代表候補生だ、今回俺が勝つ事が出来たのはオルコットの弱点があったからこそだろう。あいつは男である俺になど負ける事はないと傲慢を抱いていた、しかしその傲慢はビットを次々と落とされていった事によりボロボロと崩れ、その事実から余裕を失い自分のペースさえも狂い出した結果、立て直す前に俺に攻め込まれ、最終的にこの勝負に敗れたのだから。中距離射撃型に故に接近戦への対処が疎かだった事もあるが、その油断こそがオルコット最大の弱点だ。

 

『対戦相手である俺を……否、男を見くびっていた事傲慢が隙を生み出し、それが今回の結果へと繋がった』

 

他のIS操縦者相手ならばまだしも、オルコットは男を良く思っていない。自分が見下している存在に自国の最新兵器にペースまでも壊されればそんな傲慢も余裕は尚更崩れて消えていく。もしオルコットがそんな傲慢も油断抱かずに戦っていれば俺は負けていても可笑しくはない、残りのエネルギー残量が証明している。戦闘スタイルこそ異なるが同じ代表候補生のブライト相手に3割の確率でしか勝利出来ずにいたのだ、今回は勝てても次の戦いがどんな結果に転ぶかは俺にも否、誰にもわからないだろう。人は予想こそ出来ても予知までは出来ない、だからこそ予想外という言葉が有る。

 

「だけどイツキが勝ったのは事実なんだからさ。だからもっと喜びなって」

 

「……そうだな」

 

分かり難いかもしれないが一応こんな素っ気なく感じる態度でも試合に勝てた事は喜んでいる。最もブライトは俺が喜んでいるのには気付いているのだろう、要するにもっと表面に表せと言っているのだ。

 

「という訳だ、ハイタッチでもしますかっ!」

 

「……どういう訳だ?と言うよりハイタッチ?」

いきなりブライトが左手を上にかざすが、その動作もハイタッチがどういう意味なのかも俺にはわからない。

 

「……なんだその、ハイタッチとは」

 

「なにって、掌同士でタッチする事だけど」

 

成る程、要するにあれか。掌同士でタッチすると……おい待て!それはつまり掌が触れるという事ではないか!無理だ、不意の接触で異性に触れるだけでも動揺するんだぞ!自らの意志で異性に触れるなど問題外にも程があるわ!

 

「ほら、早くしなよ。折角イツキの初勝利なんだからさ、こうでもして喜びを露わにしないとねぇ」

 

「……い、いや。しかしだな……!」

 

「これくらいでオロオロしてたらこの先此処でやっていけないぞ、異性が苦手なアンタでも掌なら頑張ればなんとかなるって」

 

どうやら異性が苦手な俺に少しでも克服して欲しいという気持ちもあるようだが……どうすればいい?やらねばならないのか、避けては通れぬ道だと言うのか?

 

「……わかった。やろう」

 

「よし!そうこなくっちゃな。ホラ」

 

「……では、やるぞ」

 

上がっているブライトの左掌に対して俺は右掌をかざし、その掌目掛けて腕を動かした。

 

パシ。

 

掌同士が触れるその瞬間、悲劇の復讐者を右腕部分のみ展開し装甲越しで掌同士を触れさせる。その為肌同士が接触する音ではなく、人が金属に軽く触れるような音が発生した。

 

「って、うぉい!イツキ、そんなハイタッチがあるかぁ!」

 

「……これでも努力した方だ!」

 

当然の如くブライトから文句が飛び出したが……やはり無理だ!異性に自分の意志で触れるなど到底無理だ、こうして装甲越しでギリギリ行うのが今の関の山だ。

 

『しかし、間接越しでもこの左手では出来ない』

 

間接的ならば包帯で覆われている左手でも同じ理屈だが、それでも無理だろう。そもそもこの左腕は、この包帯の下は……

 

『この包帯の下は……『俺の体』ではないからな』

 

 

 

 

 

「一季の奴、スゲェな。セシリアに勝っちまった」

 

「確かにそうだな。接戦とは言えど、代表候補生のオルコット相手に勝利するとはな」

 

「こりゃあ俺も負けてられないな」

 

「うむ、その意気だ。あいつに出来てお前に出来ない事はない」

 

Aピットのモニターで一季とセシリアの試合を観覧していた一夏と箒はその戦いを見終えると、この目で見て思った試合の感想を口にしていた。接戦とは言っても代表候補生相手に勝利をもぎ取ったのはまぎれもない事実、同じ男のIS操縦者の一季が勝利したのだ、一夏の心に自分も負けてはいられないという気持ちに火が付いた。

 

「それにしても、まだ来ないのか俺の専用機は……!」

 

現在はセシリアのブルー・ティアーズのメンテナンス中だが、もうじきそれも終わり自分の試合が始まる。それなのに未だにの専用機が来ない現実に一夏は辟易している。時間的にそろそろ到着してもいい頃合いだというのにまだ来ない。

 

「織斑君!織斑君!織斑君!」

 

『『デジャヴ?』』

 

数十分前にも聞いた真耶の慌てる声を聞いて必然とその言葉が脳裏に浮かんだ。それは置いておくとして、何時の間にかピットから姿を消して真耶が急いだ様子で再びピットにやって来た。

 

「き、来ました!織斑君の専用機が!」

 

その言葉を聞いて専用機が来た喜びよりも、漸くか、遅い!の気持ちが強く出てくる一夏。そんな一夏の気持ちを専用機が来た事を喜べよという言わんばかりの勢いで、ゴンッ!と鈍い音が発されながらピット搬入口が開いていく。防壁扉が重厚感を体現する騒音じみた音をピットに響かせながらゆっくりと開いたそこには真っ白な機体があった。

 

「白い……IS?」

 

一夏の瞳に入ってくる己の専用機となる機体、それは見間違いようがない『白』のISが自身の初陣を待ちわびているかの如く佇んでいた。

 

「これが、織斑君の専用IS『白式』です!」

 

「白、式……」

 

真耶が発したその機体の名前を間違えない様にする為か、ゆっくりと丁寧に口にする一夏。一夏と白式、後に白き騎士と唄われる存在の邂逅となったという事実を今はまだ誰も知る由はない。




一季VSセシリアの結末は、接戦の末一季が勝利しました。セシリアの敗因は男である一季に負けるなどという慢心や油断を抱いていた事ですね、一季が弱点を見抜いて隙を作るまで灰色の鱗殻と瞬時加速を出さずに余裕をなくしペースが乱れた所を攻め込んでなんとか勝ちを手にしました。セシリアがそんな考えをせずに戦っていれば結果はどうなっていたのかわからなかったでしょう。

そして気付いたら文字数最多を更新。本当なら今までに2回最多文字数を越していましたがその話は2話に分けていました。しかし今回の話を2話に分けるのは流石にないと判断してこのまま投稿しました。

次回は一夏とセシリアの戦い。未だこの作品ではまともに戦闘シーンを書いて貰っていない一夏、漸く戦闘シーンが描かれそうです。では、また次回お会いしましょう。
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