青年の異世界道中~Re:ゼロから始める異世界生活~ 作:カイト
別にエタッた訳じゃなく、他の小説も構想を練ってはいるのですがリアルで忙しい為ですのでコレからも更新は頑張って行いますので宜しくお願いします(´・ω・)
「さて、この辺りで降りるか」
《人もいないからって油断しないでよ?》
「そこらの盗賊に俺が後れを取るとでも?」
《そうじゃないけど、あの子がその拍子で殺されたりしたらまた振出だよ?》
「分かっているさナハト。 だからこうやって少年の近くまで来ているのだから」
建物の影に隠れる様にして降り立った戒翔は首元に下げているペンダント・・・ナハトにそう答えながら辺りを見回し
「・・・あの少年より先に来てしまったようだな」
《みたいだね・・・周囲の索敵が出来るって考えればよかったんじゃないかな?》
「かもな・・・エリアサーチイケるな?」
《OK、いつでもいけるよ》
そして戒翔の足下に黒色の魔方陣が展開するとそれはそのまま地面に浸透するようにして消える。
《・・・不可視状態で拡大中・・・辺りの生体反応を表示するの?》
「・・・いや、魔力反応で表示してくれ。 勿論だがC以下のものは除外それ以上の者だけを表示してくれ」
《了解・・・探索完了。 マップに表示するよ》
ナハトの声と共に戒翔の目の前にホロウィンドウが展開されこの貧民街周辺の見取り図のような物が展開されるとそれにはいくつもの光点が点在している。
「この光点の数・・・少ないのか多いのか判断が微妙に困る数だな」
《貧民街がこの程度とは思えないから他の所にもそれ用の区画があると思うけど今はそれじゃないでしょ?》
「そうだな・・・あの少年は昴と言ったか? あの子をトリガーとして巻き戻しが起きていると仮定するのなら・・・色々危ない事になるな」
《魂の複製もしくは魂を伴った平行世界への移動》
「どちらにしても普通の人間の魂がそう何度も時間回帰の様な事をすれば遠くない内にその魂が穢れ狂人となるか廃人になりかねないからな・・・なるべくフォローしつつ元の世界へと帰すのが当然なんだろうが」
《僕達は彼の世界線を知らないからどうしようもないね。》
「そう言う事だ。 いくら超越者・・・時の神としての権能を持っていようとも知識に無い物は無理だな。 星の抑止力の能力を持っていれば良いがアレは世界と契約する様な物だからな・・・俺の様な他世界を渡る者には無理な物というものだ。 仮に俺の能力で造ったとしても劣化品も良い所だ」
そう言って戒翔は近くの人気の無い路地裏の様な所に降りて不可視状態を解除して表の道に出る。
「さて、先ずはあの小僧の所に行くか。」
《この道を真っ直ぐ行った所の小屋の中だね。》
「そうだ、念の為にあの男…確かアインハルトだったか。そいつに念の為の念話を頼む。いきなりで混乱するだろうが一方的に告げておけば仮にも王国騎士…不審がって来るだろう。」
《了解》
「さて、小僧の気配は小屋の中か」
そう言って戒翔は貧民街の奥にある一軒の小屋に向かう。
《戒翔、取り敢えず一方的にだけど状況を教えておいたよ》
「よし、なら後は小僧がどういう状況になっても大丈夫ということだな。」
そう言った所で小屋の中で大きな物音が聞こえる。
「チッ、もう事は起きているってか」
「あら、新しいお客さんかしら?」
「あ、アンタは!?」
小屋の中に飛び込んだ先にいたのは小柄の少女と巨漢の男が倒れておりその先には件の少年と妖艶な美女がいたが、女性の手には不釣り合いな程に大振りな一本のククリナイフが存在していた。
「…ふむ、重傷者二名に軽傷者一名と。」
「あら、無視はひどいんじゃ無いかしらぁ?」
そう言って女性は少年から戒翔に照準を変えて一息でその空いた距離を詰める。
「貴方の腸はどんな色なのかしら!」
「それなりの速さだけどそれだけだな。」
戒翔はいつ手に持ったのか相手に分からせないようにして逆手にした聖剣でククリナイフを受ける。
「あら、お兄さんって結構やるのね」
「これでもそれなりの場数は踏んでいるのでね!」
そう告げて鍔迫り合いの状態から人外の膂力を持って女性を吹き飛ばす戒翔
「小僧、その少女を連れてその男の近くで待っておれ!」
「お、おう!」
「あら、逃したりしないのね?」
「お前みたいな奴は逃げようとする奴から先にやらんだろうが、重傷者がいるからな目の前にいてくれた方がこっちとしてはやりやすいんでな。」
「なっ、なんだこれ!?」
そう言って戒翔は少年が少女を抱えて巨漢の男の所に行くのを確認すると片手だけ少年達の方に向けると少年達を囲む様にして半球の結界を作り出す。
「それは防御壁であり負傷者を癒す結界だ。生半可な攻撃じゃまず壊れないから安心しろ」
「という事は貴方を殺せば解除できると言うわけね」
「殺せれば…な」
「いうじゃ無い…なら本気を出してあげるわ!」
そういうと女性は腰の後ろに隠していたもう一本のククリナイフをてにして戒翔に襲い掛かる。
「確かに驚異的な身体能力ではあるがそれは常人に対してだ。同じ土俵の人間からしてみればその程度見切れもするし捌きもできる。」
襲撃者から繰り出される無数の斬撃は戒翔の持つ聖剣一本で捌き、時折こちらからも攻める様に剣とhs違い拳や脚で相手の虚を突くような攻撃をする。
「色男さん、あなた結構やるわね。」
「はッ、半端な
得物を弾く勢いで一度距離を取る二人だが、女の言葉に戒翔が答えるのと同時に女の雰囲気がガラリと変わる。
「貴方、何者?」
「貴様こそ何者だ?ただの快楽殺人者では無い様だが?」
「それは教えられないわね。雇い主に怒られちゃうもの」
「そうか。なら倒して聞くまでだ!」
そうして両者が再び矛を交えようとした時
「え、なにこれ?」
店の出入り口にはあの銀髪の少女が立っていた。
「あは♪」
「チィッ!」
途端に両者は弾かれる様に動く襲撃者は少女を狙う様に戒翔はその少女を守る様に
「え!?」
「あら、邪魔しないでほしいわね」
「やらせるわけにはいかんな。」
「その通りです。」
三人の他に第三者の声が聞こえるのと同時に店の屋根の一部が壊され、一人の男が舞い降りる。
「あら、剣聖様が来るなんて予想外だわ」
「おい、ガキンチョ。お前はアッチの三人の所に行け。その位は出来るな?」
「私はガキンチョなんかじゃありません!」
「はッ、なら指示通りに向こうに行ってろ。精霊がいるのなら向こうの重傷者達の応急手当位は出来るだろう?」
女と剣聖と呼ばれた男が睨み合う中で戒翔は背中に庇った少女を見やって告げると心外とばかりに少女は怒る。
「流石に多勢に無勢…そろそろお暇させて貰うわ。」
「そう簡単に逃すと思いますか?」
女は周囲を見渡しながらそう呟くが、男が腰に差してある西洋剣を抜き放つ。
「難しいでしょうが、コレならどう?」
そう言って女は何かを地面に叩きつけると煙幕が発生する。
「目眩し!?」
「サヨナラ、剣聖様に色男さん。次は確実に貴方達の腸を見せて頂戴ね!」
そう告げて女は男が開けた天井の穴から軽やかに飛び移るとそのまま姿を晦ます
「…追撃しようにもコッチは怪我人がいるからそうも行かんか。」
「はぁー、取り敢えずの危機は去ったって事だよな。」
「そういう事だね。それで、僕は君に呼ばれた様な気がしたんだけど何かの魔術かな?」
結界を解除した戒翔が告げる言葉にスバルが答え、もう一人の男は一定の距離を取りながら戒翔に問い掛ける。
「そういう事だ。そこの小僧の探し物を手伝う際に何か面倒事が起きている事は感じていたから能力的に強そうなお前に魔術で呼び掛けたわけだ。」
戒翔の言葉に赤毛の男が姿勢を正して銀髪の少女の方へと向く。
「ご無事で何よりです。」
「私のことはどうでもいいでしょ!」
剣聖と呼ばれた男に対して怒鳴りながら銀髪の少女は戒翔の下に怒った表情で近づき
「誰がガキンチョよ!私はれっきとした成人した女性です!」
そう少女は戒翔に告げる。
「ん、そうなのか?……悪かったな、緊急時で言葉が荒くなった様だしな。」
先の言葉に思うところがあったのか戒翔は少女の言葉に素直に謝罪し、その姿に少女は呆気に取られるも慌ててそっぽを向く
「わ、分かればいいのよ。それより貴方、何者?その体の内に秘めた魔力は普通じゃ無いわ。」
「ほぅ、流石は精霊術師といったところか。その疑問は君の契約精霊も警戒していると見ていいのだろうか?」
少女の言葉に戒翔は感心し、少女の傍に感じる気配に気付いてそう告げる。
「僕の気配に気付いていたんだ。まぁ、僕と同じ様な精霊の気配を感じるし意外でもないかな?」
少女の傍に現れた猫の様な精霊が現れて軽い警戒をしながら戒翔を観察しながらそう告げる。
「まぁ、詳しい事は言えんが君達に敵対する様な者じゃ無い事だけは信用してほしいがな。」
「まぁ、実際にリアを助けてくれた訳だしそこは信用させてもらおうかな。ただし、この子に何かしようというのなら」
「まずその心配は皆無と言っていいだろう。そもそもの話でこの子に危害を加えて俺に何の得がある?」
猫の精霊の言葉に被せるように戒翔は呆れた表情でそう告げる。
「そう言えばまだ自己紹介をしていなかったな。俺は御坂戒翔…この国での言い方からすればカイト・ミサカと言った所だな。」
「僕はパック。キュートでプリチーな精霊さ。よろしくするのはコレからの君次第と言った所だね。」
「もう、パックってば。えっと、私はエミリア。ただのエミリアよ。さっきは助けてくれてありがとう。」
「僕の名前はラインハルト・ヴァン・アストレアだ。」
「で、そこで呆けてる阿呆がスバル。一応だが、知り合い程度にはなるのか?」
「いやいや、そこで疑問形になられてもコッチが困るんだけどよ!」
「とは言うが近くでばったり会ったばかりなのだから仕方ないだろう?」
戒翔の言葉にスバルが素早くツッコミを入れるが至極まともな言葉が返ってくる
「とはいえ、俺もスバルも特に宿を取っている訳もないし、そもそもこのバカは金も持ってなさそうだしかくいう俺もこの国の通貨を持たないからね。どこかしらの領主に雇われるか冒険者をしないと生活がままならんしな」
戒翔は肩をすくませてそう言った。
「あ、あの!それなら私の所に来ませんか?」
「お嬢ちゃん…いや、エミリアちゃんの申し出は有難いけど、される理由が」
「助けてくれたお礼ってのもあるけど、ほっとけないからだよ!」
「…エミリアちゃんは騙されたりとかって無い?」
「その辺は僕が見張っているからダイジョーブ!」
エミリアの言葉に呆れた戒翔の言葉に傍に浮いているパックが小さい体をめいいっぱい大きく反らしながら自慢げに告げる。
「そりゃ怖い。大精霊にかかれば並大抵の人間はひとたまりもないだろうけど」
「その並大抵の中には君は絶対入らないと思うけどね」
そう戒翔が嘯くが、パックはそう断言する
「まぁ、ここであーだこーだと言っても仕方ないし、さっさとなんだったか…例の徽章を返還してもらって終わりだな」
戒翔がそう言って金髪の小柄な少女は手に持っていったブローチの様なもの…あれが目的の物かと戒翔が見ていると
「ちょいと待てやラインハルト、年端も行かない少女に対して行う事じゃないぞ」
「悪いが、そうも言ってられない状況なんだ。」
少女の腕を掴もうとしたラインハルトの腕を戒翔が掴み止め、押し問答になる
「…嬢ちゃん、お前さんの名前は?」
「…フェルト」
「よし、フェルトの嬢ちゃん。このイケメン君が話があるみたいだから少し付き合っちゃくんねえか?」
「なんでアタシが」
「まぁ、話し合いに応じないと話の流れであの徽章が大変貴重な物と分かったし、その盗難の罪で死罪にでもなるかも知れんがなくなるかもしれんしな」
「っち、分かったよ」
「って訳だ。後はお前さんの説明次第だ」
フェルトと名乗った少女は戒翔にそのまま徽章を手渡してその場から少し離れてラインハルトと話をする。
「ほれ、今度は盗まれないように気をつけな」
「あ、ありがと」
フェルトから渡された徽章をエミリアに手渡した戒翔は辺りを見回し
「にしてもこの店の惨状は何とかしないとだな…爺さんは直す宛てはあるんか?」
「爺さんと呼ぶな!儂は客やフェルトからロム爺と呼ばれとるわ!…それとこんなボロ屋を直すモノ好きがいるか。儂が自分で建てて修繕もしとるわ。が、いかんせんここまで派手にやられちゃ当分は店じまいだろうが」
「なら、迷惑ついでに俺が直したるわ」
「お主がか?そんなヒョロヒョロで木材でも運べるのか?」
「なに、この場の時間を巻き戻せば問題ない」
「「はい?」」
「「え?」」
「やっぱりチートだ」
戒翔の言葉に疑問を持ったエミリアとロム爺に離れて話をしていたフェルトとラインハルトが呆気に取られ、スバルがどこか哀愁を漂わせてそう呟くのであった。