青年の異世界道中~Re:ゼロから始める異世界生活~ 作:カイト
「たまげた本当にワシの店が元通りじゃ!」
カイトを除く面々はその光景を呆気に取られていた。
「ざっとこんなものか?一応アフターサービスで強度の方も上げておいたから多少の戦闘では倒壊しないと思うぞ。」
「サラッとすげー事してるんですけどこの人」
「僕も長く精霊やってるけどこんな現象初めてみたね」
あんぐりと阿呆の様に呆けて呟くスバルと呆れた表情で戒翔を見る猫の様な精霊パックはそう呟いた。
「先の念話?といい君は一体何者なのかな?」
そう言ってラインハルトは戒翔を少し警戒し身構えながら質問する。
「しがない魔法使いさ。あとは趣味で色々な所を旅してるくらいかな。今晩の宿をどうするかなんだよなぁ。この国には来たばかりで貴金属はあるけどこの国の通貨はないから実質無一文だから換金できる場所か商業ギルドがわかれば良いんだが…そう言うところは信用が無いと入館もできないし売買も足元を見られそうだからな」
「それなら助けてくれたお礼も兼ねて私の住んでるお屋敷に来ない?」
「リア?」
「ね、パック良いでしょ?」
「しょうがないなぁ」
不審げに見るパックに対して小首を傾げながら見つめるエミリアに対してパックは諦めたようにため息を吐くと
「こっちの2人はボク達の方で預かるよ。君はそっちの女の子を見てれば大丈夫だよ。」
「…わかりました。大精霊さまの言うとおりこちらも外せない用事が出来てしまったので正直に言うと助かります。」
「じゃぁ、さっさとその用事とやらを済ましてアタシを解放して欲しいもんだね」
そう言ってラインハルトはブツクサ文句を言うフェルトを伴ってこの盗掘村から離れていく。
「さ、私たちも行きましょう。」
「この近くに住まいがあるのか?」
「違うわよ。私達はロズワールのお屋敷にお世話になってるの。今日はこっちに用事があったから来てただけなのよ。」
「なるほど、そこへ我々を招待してもらえると?」
「えぇ、今回の件についてのお礼もしなくちゃいけないからその為にお屋敷に着いてきて貰うわ。」
「エミリアたんのお家にご招待…うッ!?」
「スバル!?」
「あぁ、すまん。喧しくなりそうだから気絶させた。」
エミリアの言葉に反応して興奮しだすスバルをカイトは当身をして担ぎ上げる。
「そ、そうなの?結構過激なのね。」
「このバカが話し出すとややこしくなりそうだし、それにもう夜だからな。近くの宿に泊まるか他の移動手段があるのか?」
「う〜ん、無いことは無いんだけどもう遅いし宿も難しいから野宿になるも?」
「年頃の娘が野宿とか襲ってくれと言ってる様なものだろうが。…エミリア、そのロズワールという者の屋敷の場所は覚えているか?」
「え?えぇ。そりゃ、住んでるのだからわかるわよ。」
「ならそのまま思い浮かべておいてくれ。」
「?思い浮かべておけばいいの?」
「そうだ。そのまま目を閉じて屋敷の場所を正確にイメージしてくれ」
カイトの言葉にエミリアは屋敷の事をイメージするためにそっと目を閉じる。
「そんじゃ、ミッド式で転送陣展開。場所はロズワール邸」
告げるカイトの足元に仄暗い円形の魔法陣が現れる。そして
「次に目を開けたら家だからな」
そう言ってカイトとエミリア、そしてそのカイトに担ぎ上げられたスバルはその場から掻き消える。