レミリア と ボボボーボ・ボーボボ   作:にゃもし。

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ボーボボ、死す。

 

 

ティアラ婆さんが放った『ワンダフル鼻毛7DAYS』

その供給源となっている首領パッチ。

 

ボーボボは技を止めるべく二振りの剣を手に『首領パッチぶっ殺すゲーム』を行使する。

 

 

「カーッカッカッカッカ!!

 このワシが大人しく通すと思うたかァ!?

 ババア・ボイスはエンジェル・ボイス

 

 

エンジェル・ボイスとは程遠い不快な音波。

音波に触れたボーボボの持つ剣と地面に刺さった剣が激しく振動を引き起こし粉々に砕け散る。

 

 

ババァ・ゾーンは手塚ゾーン!!

 

 

ティアラ婆さんを中心に風の渦が発生。

ボーボボがその中心へと吸い込まれていく。

 

 

ババァ・クローは竜の爪!!

 

 

風の渦に吸い込まれ近づいたボーボボの手をがっしりと掴み、手と手を合わせた力比べへと移る。

 

 

「カ────ッカッカッカッカ!!

 キサマの言う『首領パッチぶっ殺すゲーム』とやらはどうしたんじゃ!?」

 

 

ボーボボの身長は2mを超す。しかしマッスル化したティアラ婆さんはそれすらも上回る。おそらく、力も…

 

徐々に押されて、上体を反らす体勢になりつつあるボーボボ。

対してティアラ婆さんは「カーッカッカッ!」と高笑いを上げている。

 

…だが不利な体勢にも関わらずボーボボは急に不敵な笑みを浮かべ、ティアラ婆さんはその様子に訝しげる。

 

 

「ワナにかかったな悪霊!!」

 

「なんじゃと?」

 

「こいつはオレが食い止める! お前たちは先に行け!!」

 

  

ティアラ婆さんはボーボボの意図を察し、掴んだ手を離そうとするも今度はボーボボが彼女を逃がさまいと逆に掴む。

 

 

「ちぃっ、ならば速攻で倒すのみじゃ!

 ババァ・キッスエンジェル・キッス!!

 

いやぁぁぁ~~~っっっ!!!!

 

 

ティアラ婆さんはタコのように口をすぼめ、ボーボボの顔面へと己の顔を近づけさせていく。

これにはさすがのボーボボでも心底嫌らしく「イヤイヤ!」と首を左右に振って逃れようとする。

 

 

「頼むレミレア、早く首領パッチをぶっ殺してくれぇぇぇ────っっっ!!!!」

 

 

泣き叫ぶボーボボ。言われるがままに駆け出す私と咲夜。後ろからボーボボの悲痛な叫び声が聞こえてくるが立ち止まるわけにはいかない。

 

 

「おっと、オレを忘れてちゃ困るぜ?」

 

 

ゴリラのアレクがモヒカンたちを引き連れて私たちの前に立ち塞がる。

人数の差に優位的なこともあって油断して気がつかったのだろう。

背後から近寄ったゴリラの一人に羽交い締めにされる。

 

 

「ウホっ!?」「ウホウホ」

「ウホ!」「ウホウホ!!」

 

 

何か会話してるんだろうけど、ゴリラ語で何言っているのか分からない…

 

 

「兄者、ガネメを捨てる気か!?」

 

「ガネメはただの言葉に過ぎない…

 我々はガネメに深く関わり過ぎた!」

 

 

アレクを羽交い締めにしたまま跳躍。黄金色の闘気を纏って急上昇。

 

 

「兄者、自爆する気か!?」

 

「愚弟よ、死ぬのが怖いなら戦場に出てくるな」

 

 

天高く昇っていき、ゴリラの一人はアレクとともに視界から消えて、遥か遠くからの爆発音が聞こえた。

 

 

「…ガネメって、なに? 咲夜、知ってる?」

 

「長いこと組織にいましたけど何のことだが…」

 

 

アレクはいなくなったが未だにモヒカンたちは残っている。強行突破を試みようと一歩前に進んだとき、残ったゴリラたちがモヒカンたちに向かって手榴弾を投擲──地面に落ちると同時に爆発。衝撃でモヒカンたちが吹き飛び、空白地帯が生まれた。

 

 

「ダメージを与えることはできんが、爆発でモヒカンどもを吹き飛ばすことはできるようだな…

 レミリア嬢、やつらが体勢を整う前に!」

 

 

アサルトライフルを乱射しながらモヒカンたちを近づけさせないゴリラたち。そこに咲夜も加わりゴリラたちに加勢する。

 

彼らが隙を作っているうちに私は右手の掌に紅い光球を生成し、握り潰して紅い槍を作り出す。

穂先を首領パッチに向けて────投げ放つ!!

 

紅い槍は瞬く間にアクリルケースごと中にいる首領パッチを大きく穿ち、上下二つに裂く!!

 

 

「ウホっ!」「ウホほほ~」

 

 

これでこの奇妙な空間から解放されると歓喜の声を上げるゴリラたち。相変わらず何を言っているのか分からないが…

 

そのゴリラたちが何者かに顔面を殴られ地に沈み、咲夜も首筋に手刀を叩き込まれて倒れた。

 

 

「くっくっくっくっく…」

 

 

ゴリラたちを倒したのは巨大な老婆──ティアラ婆さん。

彼女は左手に人間の頭部ほどの大きさの物を鷲掴みにしてこちらに向かって歩いてきた。

 

 

「よく見るがいい。キサマが倒したのは首領パッチじゃない!」

 

 

彼女が指差す先には破壊されてバラバラに砕け散ったアクリルケースのみ。首領パッチの姿はどこにもない。代わりにあったのは…

 

 

「えーっと、羊…? なんで?」

 

 

息も絶え絶えに横向けに寝っ転がったモコモコした一匹の羊。

私の攻撃を受けたのだろう、胸のところからプスプスと煙を上げている。

 

 

「スケープゴートというやつじゃ」

 

「スケープゴートのゴートは山羊なんですけど!?」

 

 

やがて私の視線に気づいたのか、羊が顔をこちらに向けて一言。

 

 

呪ってやる…

 

 

それだけ言うとピクリとも動かなくなる。

 

 

「なんか不吉なこと言われたんですけど!?

 それに何で羊が喋ったのよ!?」

 

「なぜかと聞かれたら、この時空がそれを可能にさせたんじゃろ。それについては詳しい者に尋ねるのが一番じゃ。

 もっとも喋ることができればの話じゃがなァ?」

 

 

──と、手に持っていた人間の頭部ほどの大きさの物体をこちらに投げ……地面に二、三回ほど弾んでようやくそれは止まる。

 

この場にいないボーボボと彼が足止めしていたハズのティアラ婆さんがここにいること、また彼女のセリフから私は最悪の展開を覚悟してそれを確認する。

 

 

「キャベツ…?」

 

 

そこに転がっていたのはキャベツだった。

てっきり人間の頭部だと思ってただけに思考が停止。

 

だがよくよく見てみればそれはただのキャベツではなく細い手足がついていて何よりも見覚えのあるサングラスをかけていた。

 

 

「エンジェル・キッスでエネルギーを吸ったらなぜかこうなったんじゃ」

 

「なんで!?」

 

「ワシが知るわけなかろう」

 

 

ピシャリと言い放つ。

ボーボボがなぜキャベツに変化したのかは不明だが、一つだけわかったことがある。

 

 

「ボーボボ、食らっちゃったんだ。エンジェル・キッス…」

 

 

つまり、ボーボボはティアラ婆さんと…

おぞましい光景が脳内に映し出され思わず身震いする。

 

 

「何はともあれ、残すはキサマ一人じゃ。大人しく裁きを受けるがよい」

 

 

この空間は未だ破られず、味方は一人して立っている者はおらず、逆に敵は一人上空に消えたのみでほぼ健在。私は圧倒的に不利な立場に立たされている。

 

 

「万事休すか…」

 

 

頬に汗を滴らせて見上げる。

ドラムが回転を止めていた咲夜のナイフを弾いて、最初はゆっくり、そこから徐々に加速をつけて回り始める。

 

 

「『正義』は勝つ

 

 

顔をにやけて笑うティアラ婆さん。

周囲にはモヒカンたちが復活して立ち上がり、私との距離を狭まる。

戦うどころか逃げるのも難しいこの状況を時間だけが過ぎていく。だがこの状況下をひっくり返すことができる可能性のある人物を私は一人知っている。私はともかく私を信じてついてきたコイツらだけでも、と考えた矢先──

 

 

「レーヴァテイン…

 

 

黒くぐねぐねしたイビツな槍がどこからともなく飛来。ドラムに突き刺さり、突き刺さった地点を起点に亀裂が走り、砕かれた。

 

 

「なんじゃと!?」

 

 

これに一番驚いたのはティアラ婆さん。彼女が現状を把握するよりも早く、太陽に似たいくつもの火球がモヒカンたちに降り注ぎ吹き飛ばす。

 

 

「魔女か!? 随分と早かったではないか!?」

 

 

忌々しそうに口調を荒げるティアラ婆さんの先には白色のバイクに跨がったパチェと彼女の後ろに抱き着いて乗っているフラン。さらに後ろには十字架に磔にされ、捻れた二又の槍が腹部に刺さった首領パッチ。

 

 

「魔法の指輪『ウィザードリング』

 今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、「絶望」を「希望」に変える…

 

 さあ、ショータイムだ」

 

 

いったいどうやって駆けつけて来たのか、頼もしい親友が妹を引き連れて現れた。

 

カッコつけて言ってるけど、それってウィザードだよね?

 

  




(´・ω・)にゃもし。

ティアラ婆さん編、ちと長いかな?
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