「……デッキを、カードを持ってない場合はどうなるの?」
左腕に嵌めた
「カードならこちらが用意しよう」
モヒカンが指を一つ鳴らすと「ぽん」という煙とともにカードパックが山盛りに積まれたテーブルが出現。これでデッキを作れ、……ということらしい。
「ルールに関しては?」
「モヒカン・ランドで行われているスタンダード・ルールがいいだろう。詳しいことはテーブルにあるルール・ブックを読めば分かる」
「そう、ありがとう…」と実に素っ気ない返事をした後、傍らにあった電話帳並にやたらと分厚いルール・ブックとやらに一通り目を通していくパチェ。
「なんか
私たちの中で唯一の経験者と思われるボーボボが敗北した手前、素人どころかこの類いの
「素人がプロに勝てるわけないでしょ? あくまで
──と、あっさり認める。そうこうしているうちに準備が整ったらしく
そんなやり取りをしている私たちをよそにボーボボは何をしているのかというと、アフロから取り出した黒電話でどこかにかけていた。
しかし、いくら待っても発信音しか鳴らさない電話に不信を抱いたのか、一言「おかしい…」と呟くと……
「さっきから 『
「え? 貴方、王様を呼べるの?」
「ああ、だが今はどういうわけか遊戯どころか、ゆっくり妖怪も召喚できない。どうやらこの空間では第三者を呼び寄せることができないようだ」
「~ようだ。って、貴方さっき天の助と首領パッチを召喚したわよね?」
「あいつらはレアリティSSGSSのカードが具現化したものだ。本人たちではない」
「なにその
「ちなみにあいつらのレアリティの価値は最上位だ」
「あいつらが?」
「ライフポイントを支払えば墓地に置かれる代わりに手札に戻すことができるからな、しかも相手のターンでも使用できるぞ」
「……よくわからないけど使い勝手のいいカードだってことはわかったわ」
会話をそこそこに武藤 遊戯を呼び出すのを諦めたのか、ボーボボは黒電話をアフロの中にしまう。
そして、解決の糸口を見つけられないまま、パチェとモヒカンの
モヒカンが自分の命を人質に「 社長の死ぬ死ぬ詐欺 」を敢行。「俺が死ぬと元の世界へ戻れないぞ!」と恐喝。パチェはしぶしぶ
「「 おい! デュエルしろよ! 」」
モヒカンを除いた全員の非難もなんのその、しれっとした顔を見せるだけで全く動じる気配を見せないモヒカン。
「ちょっとォォォ! これってありなの!?」
「嫌なら
口の端を上げて人を小馬鹿にした笑みを浮かべる始末。ジャッジも「無罪」と書かれた紙を掲げるだけで対応する素振りを見せない。
モヒカンの態度にイラっとした私はこの状況を打開すべくをモヒカンに近づいていく。しかし慌てた美鈴が背後から抱きしめるような格好でこちらの動きを抑えてきた。
「お嬢様、落ち着いてください。ここで彼らに危害を加えるようなこと、それに似たような行動を取れば、ボーボボさんの二の舞を演じることになるかもしりません」
言って顔を横に向ける美鈴。そこには地面に力なく横たわっている首領パッチと、血を滴らせる釘バットを片手に彼を見下ろしているボーボボの姿があった。
「 人気投票1位の首領パッチは不幸な事故で亡くなられたので繰り上がりで6位の俺が1位になります 」
「 どう見ても貴方が犯人でしょ!?
しかも何でそれで6位から一気に1位ってどういうこと!? 」
「パチュリーさんとモヒカンが
「やってることが卑怯極まりないんですけど!?」
「以前のクリスティーヌ・薫と同じく攻撃を通さない結界に阻まれ、罰としてあのような 悪夢 を見せられてるのです」
「あれ 悪夢!? 本人の願望にしか見えないんですけど!?」
顔を歪めながら「悪夢」と言う美鈴に、私が否定するのは当然と言えよう。
「この空間でルール違反──モヒカンかジャッジを攻撃すると本人の願望が投影されるみたいね。やたらと煽ってくるのはそのためかしら?」
パチェの言ってることが正しいのか、モヒカンは口をつぐんで押し黙り、鋭い視線をゴーグル越しに彼女に向ける。
「私たちの自身の能力が反映されない、使えない。しかし相手は好き勝手できる非現実の世界。それができるのは…… おそらくここは彼らの夢の中、精神世界、あるいは仮想空間じゃないかしら?」
パチェの憶測が正しく、肯定を示しているのか、モヒカンは口の端を上げて笑った。
( ´・ω・)にゃもし。
◆ほぼ空気のキャラとかいるので、そういったキャラの言動も考えないとダメだね。