どうやらオレは巻き込まれ体質らしい 作:どらい
夜、静かな部屋の中で動いている一つの影。
もぞもぞと動き、暗闇の中その怪しい影の目が開かれるッ!!
その怪しい影の正体とは一体・・・!?
「眠れないんだが」
我らが主人公羽島カイであった。
「何で寝れないんだ?今日は昼寝もしてないのに・・・」
暗い部屋の中にいるオレの耳には規則正しい寝息が聞こえてくる。眠れない原因を考えても特に浮かばない。こういう時には・・・
「
目を閉じて猛獣の数でも数え・・・
「ガフッ!?」≪ズムッ≫
「う、う・・・ん」
ようとした時に、鳩尾に誰かの足が入った。というかこの方向に寝てるのアリサじゃん!!この子寝ている時でも悪意に反応すんの!?ある意味凄くね。
「・・・今のでむしろ目がさえてしまった」
アリサの攻撃(クリーンヒット)により目がさえてしまったオレは、することもないので温泉に入ることにした。寝ているアリサたちを起こさないように、着替えやタオルを持ち(親が旅行に行く前に、アリサたちに温泉旅行のことについて聞いていて用意し、アリサに渡していた)部屋を出ていった。
「温泉に入れば眠くなるよね」
オレは今静かな廊下を一人、歩いている。しばらく歩いていると、自動販売機が見えたため、飲み物を購入することにする。
≪いらっしゃいませ!!冷たいお飲み物はいかがですか?≫
「うわっ!?」
飲み物を買おうとした瞬間に、いきなり自動販売機が大音量で話し始めたので驚いてお金を落としてしまった。暗闇で話しかけんな!!
「オレの五百円玉!!」
落としたお金はそのまま自動販売機の下に吸い込まれていった。思わず膝から崩れ落ちる。
「・・・・・」
オレ、最近ついてなくね?何だか悲しくなってきたよ。
≪いらっしゃいませ!!冷たいお飲み物はいかがですか?≫
「買わねーよ!!」
自動販売機に驚かされお金を失うというハプニングがあったものの、男湯と書かれている暖簾の前にたどり着くことができた。オレの五百円は犠牲となったのだ・・・。手を伸ばしても届かないところまで転がっていくとか・・・。
「気を取り直して・・・昼間はよく覚えてないからゆっくり入ろう」
オレは暖簾をくぐり、服を脱いでタオルを持ち、引き戸を開けたのだった。
「ん?」
引き戸を開けた瞬間に視界に入ったのは、金髪の人が湯船に浸かっているところだった。湯煙でよく見えないけど、こんな真夜中に気が合うじゃないか。
「え?」
「はい?」
引き戸の音に反応したのかこちらを向いた金髪の旅館客。オレは見覚えのある顔に一瞬硬直し、タオルを腰に巻いたまま脱衣所へ走っていった。
「オレ女湯入ってたのか!?暖簾を確認しないと!!」
服も着ずに急いで暖簾を確認する。そこにはやはり男湯と書かれた暖簾が。
「・・・・・」
オレは無言のままもう一度引き戸を開ける。そこには、こちらを向いて硬直している金髪の-----フェイトがいた。オレは真顔でこう言うしかなかった。
「フェイトお前・・・男湯で何してんの!?」
「・・・え!?」
ジュエルシードを求めて、またあの白い魔導師と戦った。アルフがあの子の使い魔とけん制し合っていた中、私はあの子に勝利し、ジュエルシードを無事手に入れることができた。あの子のデバイスから受け取ったジュエルシードの色が少し違うことに違和感を覚えつつも、アルフに勧めらるがままこの温泉旅館の温泉に浸かりに来た。アルフが絶賛していただけあってとても気持ちがよく、今までの疲れのせいか湯船に浸かったまま眠ってしまった。
引き戸の開く音で目が覚めて、寝ぼけた状態で引き戸の方に振り返るとそこにはカイが立っていた。カイはひどく驚いた様子でそのまま脱衣所の方に走って行ってしまった。思わず硬直してしまい混乱していると、カイが戻ってきて開口一番こういった。
「フェイトお前・・・男湯で何してんの!?」
「・・・え!?」
眠気が吹っ飛んだ。
「そっか温泉が気持ちよくて寝ちゃったのか」
「う、うん」
どうしようか混乱していると、くしゃみをしてしまいフェイトに湯船に浸かるよう声をかけられた。いくら春だとしても、夜になると普通に寒い。フェイトに勧められるがまま一緒に入ることになった。少しマナーは悪いがお互いにタオルを巻いてるからセーフ!!セーフったらセーフ。
「良かった・・・オレはてっきりフェイトが痴女になったかと・・・」
「違うよ!?」
反応がいちいち面白いな。
「まあそれは置いといて、フェイトもこの旅館に泊まってたんだな」
「置いとかれた・・・。泊ってるんじゃなくて温泉だけ入りに来たの」
「それでこんな遠くまで来たとはやるな」
「ジュエルシードの反応がこの近くにあって・・・」
ジュエルシードって、この前フェイトに渡した石だよな?・・・そう言えばフェイトは天然さんだった。夢を壊さないためにも話を合わせないと。
「そ、そうなんだ。フェイトも大変だね」
「うん・・・最近はジュエルシードを奪い合う魔導師も出てきちゃったし」
敵!?・・・何か物語が壮絶になってきたぞ。
「今日もその子と戦ってきたんだ。カイと同じぐらいの魔力量を持っているんだ」
「・・・なるほど」
オレも魔導師って設定にしたんだった。フェイトの中ではオレの魔力量はどれぐらいになっているのか。出来れば強めに設定しておいてくれると嬉しい。
その後は上手く話を合わせ、フェイトと別れた。温泉効果で血行が良くなったのか知らないけど、部屋に戻るとすぐに寝ることができた。かいみんでした まる
「カイ!起きなさーい!」
「ぐぺっ!?」
心地よい眠りについていたオレを起こしたのは、アリサのダイビングだった。油断していたオレはもろにアリサの攻撃を食らう。めっちゃ痛いんだけど!
「おはよう、カイ!」
「何でお前は人にダイブしといてそんなに朗らかな笑顔を見せることができるんだ」
「だってこんなに気持ちの良い朝よ?しかもアンタの起きた時の声が面白くて・・・ププッ!」
途中で耐えきれなくなったのか噴き出すアリサ。こいつには一度オレとじっくり話し合う必要があるようだな!
「二度とこんな真似ができないように、貴様とオレの上下関係をはっきりさせておこうではないか!!」
「何言ってんのよアンタ。友達なんだから上下関係なんてあるわけないじゃない」
「・・・・・」
え?アリサってこんなにいい子だったっけ?なんか目から汗が・・・。いや、ちょっと待て。
「その友達を起こすためにダイブする奴がどこにいるんですかね」
「だってアンタを揶揄うと面白いもの」
こ・・・こいつ!?
「よろしい、ならば決闘だ」
「いいわよ、じゃあオセロね」
「え?ちょ、ちょっと待ってくださいよ。オレ、オセロ弱いの知ってるでしょ!?」
「男のくせにウジウジ言わないの!そうね、ただやるだけじゃ面白くないから負けた方が1つ勝った方のいうことを言うってのはどうかしら?」
「何でそんなに話が進んでいるんだ。そんなの無しに決まってるだろ!?」
「まさか自信ないのかしら?情けないわね~」
「いいだろう、かかってこい」
「カイ君って相変わらずアリサちゃんに乗せられやすいよね」
「確かに・・・」
いつの間にか起きていたなのはとすずかの2人がそんなことを言っているとは知らずに、アリサとの勝負に臨んだ。ついにこの瞬間オレの実力が発揮されるッ!!
「オレのターン!!黒の石を召喚!盤上の角にセット!!」
「はいはい、そういうのいいから・・・これで私の勝ちね」
「な・・・何で勝てないんだ」
「ただアンタが弱すぎるのよ」
あれから数分後、旅館のフロントからオセロを借りてきた2人早速勝負を始めた。まあ、結果は言うまでもないだろう。カイの惨敗である。カイの実力(笑)が発揮された。
「・・・まあ、これくらいにしておいてやるか」
「何で負けたアンタがそんなに偉そうなのよ」
「カイ君負けちゃったの?」
「うん、そうみたい」
「そこの観戦者2名!!わざわざ口に出して言うんじゃない!!なんか悲しくなってくるだろ!!」
「さて、カイ?負けたから・・・」
「そうだオレ、そろそろ日課のランニング行かなきゃ」
「嘘おっしゃい、アンタ完全なるインドア派じゃない」
「くっ、ばれたか・・・」
「カイ君は嘘が分かりやすいの」
「あはは・・・カイ君らしいね」
アリサの言葉を遮って咄嗟に嘘をついて脱出しようとしたカイであったが、すぐに見破られる。
「よく聞くんだアリサ」
「何よ?」
「人間は生きていく上で他人と関わって生きていく。その中で嘘をつかなければいけない状況だってあるはずなんだ・・・」
「ふ~ん・・・それで?」
「つまりだな・・・嘘が正当化されることが・・・あってほしいな」
「ただのアンタの願望じゃない!?ほらさっさと負けたことを認めなさい」
「・・・それで命令とは一体何でしょうかアリサ様?できれば簡単なものでお願いします」
「そうねえ・・・取りあえず保留ね」
「保留とか・・・なんか一番怖いんだけど」
「お楽しみってやつね・・・まだ時間あるし、4人でお土産屋さんにでも行きましょうか」
「「うん!」」
「良いだろう、了解した(神龍風)」
「早く来なさい!!置いてくわよ」
「ちょ、待てよ!!・・・あ、いや本当に待って!?」
ふざけていたら置いていかれました。君たち足速すぎやしませんかね。
あれからしばらく経って今は男湯。帰る前に、もう一度温泉に入ろうということになったのだ。オレは無事アリサたちから逃げ切ることに成功し、男湯に入っているという訳だ。
ユーノ?あいつは生贄になったんだ。アリサの手に握られながら、こっちに縋るような視線を向けてきたがオレはそれを振り切って走った。すまないユーノ!!オレに力があれば・・・君を助けることが出来たんだ。・・・いや、やっぱり無理じゃね?オレ、アリサたちに勝てるビジョンが浮かばないわ。
「という訳で、カイ剣道を始めてみないか?」
「うむ、きっとカイ君のためにもなるだろう」
「・・・・・え?」
「オレの家の道場で父さんが教えてくれるぞ」
「恭也と美由希にとっても新たなライバルがいれば、モチベーション増加になると思うんだ」
「・・・・・」
いや、どういう訳だ?回想にふけっていたらいつの間にか剣道を進められていたでござる。士郎さんと恭也さんの期待するような視線が眩しい。だけど、剣道を始めたらゲームの時間が少なくなるし、暇な時間はごろごろしていたい。2人には悪いけど、断らせてもらおう。
「お2人には申し訳ないんですけど・・・」
「あ!安心してくれ!カイのご両親には承諾を貰っているぞ」
「・・・剣道やってみたいと思ってたんですよね!!(血涙)」
「そうかそうか!これからよろしくな」
「また後で連絡するよ」
すでに外堀が埋められてたんだが。父さん、母さん・・・息子は人外になる気はありません。人外の彼らの練習をオレが耐えることができるだろうか、いや耐えられない(反語)。
フェイトさんが寝ていた時に男湯と女湯が変更されていた模様。
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