どうやらオレは巻き込まれ体質らしい   作:どらい

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家族は仲良くね

玉座の間一面に閃光が発生する。フェイトにジュエルシードを譲ってくれたという現地の住民を探すように指示した後、アリシアの生体ポットを見ていたプレシアは思わず目をつむる。その際に病気の影響で重かった自身の体が軽くなる違和感を感じつつも目を開く。

 

「・・・!?」

 

生体ポットの中にいるアリシアの目が開き始め、プレシアと目が合う。

 

「ア・・・アリ・・・シア?」

 

プレシアは驚愕する。今までどんな手を使っても目を覚まさなかったアリシアが目を覚ましたからだ。アリシアの体に異常がないか確認し終わった後、アリシアをポットから出す。

 

「げほっげほっ・・・」

 

「え?アリシア・・・なの?」

 

「・・・そうだよ、ママ」

 

力が入らなくなりプレシアは床に座るような状態になった。混乱しつつもプレシアが問えば、アリシアから答えが返ってくる。

 

「ママ」

 

「え・・・?」

 

「なんでフェイトにあんな酷いことしてるの!?」

 

「な・・・」

 

震えながらも立ち上がったアリシアがプレシアを糾弾する。プレシアはアリシアに攻め立てられることと、何故フェイトのことを知っているのかということで言葉が出なくなる。アリシアは本気で怒ってるらしく、プレシアはますます混乱する。

 

「私、ちゃんと知ってるんだから!」

 

「で、でもアリシア・・・」

 

「でもじゃないの!!私を思ってくれたママの気持ちは嬉しいけど、なんでフェイトを蔑ろにするの?」

 

「だってあの子はアリシアじゃ・・・」

 

「私じゃないのなんて当たり前だよ!私はママがフェイトと一緒に過ごしてくれると思ってたんだよ?」

 

「・・・・・」

 

アリシアの迫力にプレシアは押される。アリシアが怒っている、その事実にプレシアは何も言えなくなる。

 

「生まれ方は違うけどフェイトは私の”妹”なんだよ!?」

 

「・・・!?」

 

”妹”という言葉にプレシアは頭をガツンと叩かれるような衝撃を受けた。

 

「あ・・・わ、私は・・・」

 

プレシアはフェイトのことをアリシアの模造品としか見ていなかった。プレシアは、アリシアを失ったあの日から、アリシアを必ず取り戻すという妄執に取りつかれてしまっていたのだ。

 

「私・・・は・・・」

 

プレシアの頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。事故の責任を全て押し付けられた上にアリシアを失って絶望したあの日。プロジェクトFで生み出したフェイトがアリシアと異なるとわかって、フェイトを家族として見なくなったあの日。

 

「あ・・・」

 

『私ね、妹が欲しい。妹がいれば、お留守番してても寂しくないでしょ?』

 

ふとアリシアに欲しい誕生日プレゼントを聞いた時を思い出した。妹・・・それはアリシアが求めていたものではなかったか。妹がいれば寂しくないとアリシアが笑いながら言っていたのではなかったか。

どうして私は・・・。

 

「あ・・・あ・・・」

 

「ママ。私ね、”家族”として過ごしたいんだ。”妹”のフェイトも一緒に」

 

「あ、ああ・・・あああああ」

 

アリシアの言葉を聞いた時、プレシアは涙を止めることができなかった。今までのことを悔いるようにプレシアは泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい・・・アリシア・・・。私が間違っていたわ」

 

「謝るのは私じゃないよ、ママ。でも私を思い続けてくれたこと、嬉しかったよ。ありがとう」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

目の前で金髪少女に謝っている紫色の髪の女性。うん、シュールだ。とりあえず横で固まっているフェイトに尋ねることにする。

 

「フェイト・・・あの紫色の髪の人がフェイトの母さんなのか?」

 

「う、うん。そうなんだけど・・・なんか若返っているっていうか。あの女の子も知らないし」

 

どうやらフェイトも困惑しているようだ。若返っているってどういうこっちゃ。

・・・ここで諸君らに言っておかなければならないことがある。フェイトの母さんと一緒にいるあの金髪少女・・・真っ裸なのだ。・・・マッパである。・・・アイエエエ!ナンデェ!?なんでこうなったの!?もしかしてそういう趣味!?

もうこっちは必死に目がいかないように下向いてるんだが。頬が赤くなっているまである。

・・・おい、オレの眼球。なんで上に行こうとしてんだよ。お前の行動のせいで目が引きつってるじゃないか。オレはちゃんと下向こうと思ってます!無罪ですよ無罪!

 

「あ・・・」

 

「・・・フェイト」

 

金髪少女とフェイトの母さんがこっちに気が付いたようだ。とりあえず君は早く服着て服!

こともあろうか金髪少女は、満面の笑みでこちらに走ってきた。ちょっと、本当にそういう趣味!?オレは後ろを向くことにした。

 

「貴女がフェイトだね!私はアリシア!貴女のお姉ちゃんだよ!!」

 

「・・・お姉ちゃん?」

 

なんとこの金髪少女――アリシアというらしい――はフェイトの姉さんらしい。だからそっくりなのか。

 

「そこの子には悪いけど、少し話したいことがあるんだ。こっちに来て、フェイト」

 

「え、ええ!?」

 

未だに混乱しているらしいフェイトの手を取って、フェイトの母さんのもとへと向かっていくアリシア。・・・良かったフェイトがパーカーを貸したようだ。

何やらフェイトとフェイトの母さんが真剣に話し合っているようである。

・・・なんでオレ来たんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フェイト・・・」

 

「母さん・・・これは?」

 

まだ状況がよくわからないままアリシアに連れてこられた私。アリシアは私の貸したパーカーを着て私たちを眺めている。

 

「フェイト・・・ごめんなさい」

 

「・・・え?」

 

母さんがいきなり泣き始めた。母さんの泣き顔を始めて見た私はますます混乱してしまう。

 

「実はね・・・」

 

開いた母さんの口から私が知らなかったことが聞かされる。アリシアは事故で亡くなった母さんの娘であり、私はそのアリシアのクローンだということ。娘と思えずにひどい扱いをしてしまったこと。アリシアを蘇生させるためにジュエルシードを必要としていたこと。色々な話を聞いた。私の頭の中は真っ白になって何も考えられなくなってしまう。

 

「そ・・・そんな・・・」

 

「ごめんなさい、ごめんなさい」

 

「・・・・・」

 

母さんは泣きながら何回も謝っている。それを見て私も自分自身のことを考える。今まで過ごしてきた日々を。カイやアルフと笑ったあの瞬間を。そして私の母さんに対する思いを。

確かに私の生まれは普通じゃなかったのかもしれない。でも、それでも・・・!!

 

「母さん」

 

「・・・ッ」

 

私の声を聞いて母さんの肩が跳ねる。これだけは・・・私の思いだけは伝えなきゃ。

 

「私はアリシアのクローンとして生まれたかもしれない。でもフェイトという母さんが付けてくれた名前がある。フェイトとして過ごした記憶がある。フェイトとしての感情がある。私は母さんのことを許したいと思ってる。

私は・・・フェイト・テスタロッサは、プレシア・テスタロッサを・・・私の愛する母さんだと思っています」

 

「私を許してくれるというの・・・?こんな最低な私を・・・」

 

「はい」

 

「ああ・・・フェイト・・・ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

私の思いを伝えた後、母さんは強く抱きしめてくれた。フェイトとして初めて感じた母さんのぬくもりに私の心が温かくなっていく。私の眦から涙があふれだす。

 

「母さん!・・・母さん!」

 

「フェイト・・・」

 

この日初めて(フェイト)は泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良かったね、フェイト、ママ」

 

私たちが泣き止んで落ち着いたとき、ずっと私たちを見守ってくれていたアリシアが声をかけてきた。

 

「アリシア・・・」

 

「違うよ、フェイト!私のことはお姉ちゃんって呼んで!」

 

アリシアに呼び方をお願いされ、頬が赤くなるのを感じつつアリシアのことを呼ぶ。

 

「ね、姉さん・・・」

 

「ぐはあっ!!」

 

「ど、どうしたの姉さん!?」

 

いきなり悶絶し始めた姉さんのことが心配になって声をかける。母さんもオロオロしてるようだ。

 

「私の妹が可愛すぎて辛い。私の妹はどこにもやらん!」

 

「・・・?」

 

とりあえず元気みたい。

私はふと姉さんのことが気になり母さんに聞いてみた。

 

「母さん」

 

「どうしたの?」

 

「姉さんはどうして・・・」

 

それは何故姉さんはここにいるのかということだ。母さんの話によれば、姉さんは亡くなってしまったはず。それに母さんが若返っているような気もする。

 

「私にもわからないの・・・」

 

「え!?」

 

母さんから返ってきたのは「わからない」という返事だった。母さんでもわからないってどういうこと?

 

「私がアリシアの体が入っていた生体ポットを見ていたら、玉座の間一面に閃光が発生したの。眩しさに目をつむって、開いたらアリシアがポットの中で目を覚ましていて・・・。私の体も治ったようだし・・・むしろ若返っているような」

 

「閃光・・・?あっ!!」

 

母さんから詳しい状況を聞いて思い出す。さっき私がカイにジュエルシードを貰った瞬間のことを。

 

「ジュエルシード!!」

 

「それは・・・!?」

 

スカートのポケットに入っていたジュエルシードを取り出す。そのジュエルシードは色が微妙にくすんでいた。このジュエルシードが願いを叶えてくれたんだ!さっき起こったことを母さんとアリシアに話す。

 

「そんなことが・・・」

 

「凄いよ!」

 

私の話を聞いた母さんは、納得してくれたようで立ち上がってカイのもとへ向かっていく。私とアリシアも母さんの後についていく。

 

「貴方がカイ君ね」

 

「は、はい」

 

ぽつんと佇んでいたカイは、母さんに声をかけられ緊張しているようだった。いきなり知らないところに連れてこられたら緊張するよね。

 

「貴方のおかげで私は大切なことに気が付けた。家族というものについて考えることができたの。本当にありがとう」

 

「「ありがとう」」

 

「へ?」

 

母さんの後に続いて私と姉さんもお礼を言う。カイはよくわかっていないようだったけど、私たちは気持ちを込めてお礼を言った。カイのおかげで私の願いが叶う一歩を踏み出せたんだ。

 

「貴方にはとても感謝しているの・・・でもね」

 

「・・・?」

 

なんか母さんの雰囲気が変わったような気がする。ちょっと怖いような・・・。

 

「アリシアの裸を見たことは有罪よ」

 

「えっ!?」

 

今まで考えてなかったのか、母さんの言葉を聞いて姉さんは顔をリンゴのように真っ赤にしている。姉さんの裸を見られたってことは、私の裸も見られたってことに・・・?

私も姉さんと同じくらい顔が赤くなってしまっているだろう。は、恥ずかしい・・・。

 

「み、見る気は無かったんです!オレもできるなら見たくなかったんです!」

 

「それはアリシアに魅力がないってことかしら?」

 

「なんで!?」

 

母さんの迫力が凄い。母さん、帯電してない!?バチバチ言ってるよ!?

 

「ギルティ」

 

「なんでだあああああ!!!!!」

 

母さんはデバイスを振り上げ魔法を発動させる。何故かカイは買い物袋から飛び出ていたネギを掴んで逃げて行った。買い物袋置いて行っちゃった。

いきなり始まった母さんとカイの追いかけっこに私と姉さんはついていけずにポカンとしている。

 

「「くすっ」」

 

カイと母さんが玉座の間から出ていった数秒後、再起動した私と姉さんは顔を見合わせてクスリと笑うのだった。




シリアス展開頑張ったんですが、締まらなかったです。プレシアの親ばか発動ッ!!

カイはむっつりではない()。
アニメを見るたびに、フェイトはいい子過ぎると思うんだ。アリシアとカイは気が合いそうな感じがしまする。
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