どうやらオレは巻き込まれ体質らしい 作:どらい
「はあ~。怖い夢を見てしまった」≪ゲシゲシ≫
あれから時間が経過し、今は夜。オレは自分の部屋で今日のお茶会のことを考えていた。なのはとフェイトのDOKIDOKI(命の危機的な意味で)大決戦を見たと思い、今のってCGか何かか?と考えていたところ、気が付いたら月村家のベッドで寝かされていた。うん、ごめん。自分でも何言ってるかわからない。木の幹に顔面をぶつけた状態で、すずかたちに発見されたらしい。そこでオレはあれが夢だったということに気が付いたのだった。
「ていうか、夢でなのはたちが戦っているものを見るなんてオレやばい奴じゃないか!?」≪ガシガシ≫
オレ氏、ただの変態疑惑浮上。
・・・・・うわああああああああ!!何つー夢を見てしまったんだ!!恥ずかしいよ。
「はあ・・・というかいい加減にオレの髪をむしるのをやめてもらっていい!?将来禿げたらどうしてくれんの!?」≪ガリガリ≫
オレはさっきから頭部を襲撃していた生物を両手で抱えて床に下ろす。何か頭から生暖かいものが流れてるような気がするけど、無視だ無視。
「にゃー」
「いいか、タマ(仮称)。ご主人様の髪の毛は有限なんだ。気を付けてくれ」≪ダラダラ≫
「にゃんにゃ」
オレがそう言うと、タマ(仮称)は首を縦に振った。この子やっぱりオレの言うこと理解してないか?夢の中で巨大化してたし、もしかしたらハイスペックなのかもしれない。ごめん、やっぱ無視できないわ。視界が真っ赤になってきた。包帯はどこだァ!?
何故オレがタマ(仮称)と一緒にいるのか説明するには、それはオレが月村家で目が覚めた時に遡らなければならない。
「う・・・・ん」
謎の重みで目が覚めた。気のせいか呼吸も苦しい。目を開けるとそこには一面真っ白な世界が・・・って
「お~い、何で猫がオレの顔に乗ってるんですかね?」
「あ、起きた!」
オレが起きたことに気が付いたすずかが猫をオレの顔から引きはがし・・・痛い痛い!!爪立てんなあ!!すずか以外の人たちも集まってきた。
「何でオレ寝てんの?」
「いや、知らないわよ。アンタとなのはがいないことに気が付いて庭まで探しにいったら、アンタ顔を木に擦り付けた状態で気絶してるんだもの」
「は?」
「いや、驚いたのは・・・ププッ・・・こっちよ。な、何で・・・木にキスしてたのよ・・・プッ!!あははは!!もう駄目!!あの格好で気絶してるの思い出しちゃった」
目が覚めたらアリサに笑われてる件について。いや、顔面を木に打ち付けたのなんて全く記憶にないんだけど。なのはが真面目な顔して話しかけてきて・・・そこからタマ(仮称)の背中で大決戦に巻き込まれて・・・いや、これは夢か?マジでわからん。
「おいやめろ。笑うんじゃあない!!オレのメンタルがゴリゴリ削られてくから!!」
「あれは滑稽だったぞカイ。ナイスジョーク」
「ぐはあああ」
恭也さんにとどめを刺された!!なんでこの人こんなに良い笑顔でサムズアップしてんの!?オレをいじめるときだけ笑顔輝いてるんですけど。
「カイ君、本当に大丈夫?」
「大丈夫だけど、何があったか記憶にない」
「覚えてないの!?」
「ごめん、真面目に覚えてない」
「そっか・・・」
「しかし、なのはも庭で倒れてたし何があったのかしらね。なのはは転んで頭を打ったって言ってたし」
「ユーノ君探してたら、転んじゃったの。ごめんなさい」
「なのはちゃんもカイ君も、気を付けてね」
「ありがとう、すずか」
「じゃあ、カイ君も目を覚ましたことだし今日はお開きにしましょうか」
忍さんのその一言でお茶会は終了したのだが・・・
「離せーー!!!!」
「にゃーー!!!!」
「こ、こら!!カイ君も困ってるでしょ!!離しなさい!!」
タマ(仮称)(夢に出てきた猫と同じだからこう呼んでる)がオレの服にへばりついて離れてくれない。こいつ、爪も立てておる!!
「あらあら、カイ君のことが気に入ったのね」
「オレのことが好きなら爪を立てるなー!!」
「にゃにゃにゃー!!」
結局数十分の死闘の末、オレが根負けしタマ(仮称)はしばらくオレが預かることになった。こいつマジで家までオレの服にへばりついてたんですよ。おかげで道行く人からほほえましいものを見るような目で見られたよ。なのはも苦笑いしてたし。・・・恭也さん?もちろん爆笑してたよ。
ということでタマ(仮称)は今オレの部屋にいるのだ。ちなみに両親には普通に気に入られていた。
「オレはそろそろ寝るから、お前はそこの即席ベッドで寝るんだぞ」
「にゃ」
「・・・・・」
この子今拒否したよね?本当にオレの言葉が理解できてるのか?ちょっと試してみよう。
「なあ、タマ(仮称)?お前はこの家が好きか?」
「にゃ~」
「・・・・・」
いや、今のは普通に反応しただけか?わからん。
「タマ(仮称)、オレって格好良いよな?」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・フッ」
「!!お前、今鼻で笑ったろ!!許さん!!」
オレとタマ(仮称)の戦いは母さんがオレの部屋に来て怒るまで続いた。なお、みだれひっかき(顔面)でオレが敗北した模様。タマェ・・・。
「ユーノ君、今日何があったかわかる?」
「う、うん。一応知ってるけど・・・」
「私があの子に負けて気を失ってから教えてほしいの」
「なのはがあの子に負けて気を失った後にね、カイはどうにかして僕となのはと猫を運ぼうとしてたんだ」
「よくわからないけど、なのはたちを早くすずかの家の中に運ばないと・・・」
「キュー」
(カイは魔法を知ってしまった。どうしよう、僕のせいでこの星の住民たちに被害が出てしまっている)
「まず、タマ(仮称)を肩に乗せて・・・」
「ふに゛ゃー!!」
「あ、ごめん!!尻尾ふんじゃ・・・ふげっ!!!!」
(え゛っ!?何だあの奇麗な蹴りは!!あの猫の蹴りがカイの後頭部に直撃して・・・)
「ふごっ!!」≪ゴン≫
(うわっ・・・痛そう。顔から木にぶつかって・・・って気絶してる!?)
「にゃ」
(何かどや顔してるし・・・あの猫何者なんだ!?)
「ってことがあって・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・教えてくれてありがとうなの。今日はもう寝ようか」
「・・・うん」
自分たちの知っている猫の定義がぶち壊され、よくわからなくなったので、なのはたちは考えるのをやめた。
「カイ、起きなさーい」
翌朝。カーテンの隙間から日が差し、カイの顔を照らしていた。遠くからカイの母親の声が聞こえているが、カイは気持ちよさそうに眠っていた。その声を聴いたタマ(仮称)は耳をピクリと動かし欠伸をした・・・カイのお腹の上で。ぱっちりと目を開けたタマ(仮称)は、小さく伸びをし・・・・・カイの顔の上に移動して・・・・・寝た。
もちろん、そんな状況でカイが眠れるはずもなく
「・・・!!・・・・!?・・・ハアッ!!ハアッ!!」
強制的に起こされた。
「殺す気か!!」
顔からどかしたタマ(仮称)に対し、ツッコミをいれるカイ。彼らのこのような朝は、すずかがタマ(仮称)を引き取りに来るまで続いていたのだった。
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