結構シリアス調です。外白咲の生徒達と……ある少女の決意……
「マジですげぇんだその両津さんが」
英治は昨日の熱烈な出来事を興奮気味に語った。
まだあの痛快で斬新な気持ちが心から離れない。
その回りに二人の同級生が集まる。
「へぇ、とんでもねぇお巡りがこの町に来たもんだな」
同級生の一人の日比野彰は好きな漫画に熱中している時のような様子で英治の話を聞いていた。
「しかも越地がやられるとはなざまあねぇぜ」
安永隆は心の底からその言葉を吐き出した。
依然彼はふとしたことで越地一真と喧嘩になり結局勝敗は着かずに騒動を聞いて来た警察官達に止められたのだ。
それが自分達の同級生を襲って警察官にボコられたらしい。
「まだあるが後で話すよ。そろそろ始まるしな」
「だな」
「楽しみにしてんぜ」
キーンコーン……
外白咲の朝のホームルームを告げるチャイムがなり始めた。
「何だぁ?久美子と純子は二人仲良く遅刻か?」
クラスのリーダー的存在の相原徹が机の上で足を交差させながら言った。
「うゆ……でも今朝いつもなら8時位にルビィの家の前に久美子ちゃんも純子ちゃんも来るはずなのに来なかったんだよね……二人に何かあったのかなぁ……」
純子や久美子と一緒に登校する程仲の良い黒澤ルビィは泣きそうな顔になる。
「はっ!……まさか純子と久美子は、魔界へのゲートを躙順したことにより悪魔に連れ去られ「断じて絶対にあり得ないとだけ言っておこう」
「何よ、和人!最後まで言わせなさいよ!」
善子の台詞をクラス一の秀才中尾和人が遮った。
不安に陥るルビィを……
「心配ないずら」
と、一人の生徒が励ました。
「二人は大丈夫だよ。純子ちゃんはおしとやかで優しいし久美子ちゃんも気が強いけど優しいところがあるから大丈夫ずら!」
国木田花丸だ。
ポン!とルビィの背中を叩いた。
呼応するかの如く。
バタァン!
「はぁ~間に合った~……」
「ギリギリセーフ……」
クラスの戸が思いっ切り開き二人が入って来た。
クラスからは
遅かったな心配したぜと言う声ややっとお出ましかと言う声が飛びかった。
「久美子ちゃぁぁぁん!純子ちゃぁぁぁん!」
二人の無事な姿が見れルビィは思わず二人に抱き着く。
「ちょ、ルビィ……どうしたの?」
「ルビィちゃん今日は迎えに行けなくてごめんね……理由は後で話すからちょっと席に着かせてね」
「うん……二人共生きてて良かった」
大袈裟だと二人は口を揃えた。
…………
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
白咲警察署から逃げ出した、否、両津勘吉と言う警官から逃げ出した少女、藤沢彩菜は町の公園のベンチに座り息を整えながらじっくりと考えていた。
あの両津と言う警察官は何者なのだろう……何故私が虐められていると分かったのだろう……
時計を見ると登校時間はとうに過ぎており、今更学校に行こう等と言う気力はとっくになくなっていた……それよりもあの両津勘吉と言う警察官が気になる。
「……家族はおろか他人にすら見せた事無いのに」
少し袖を捲ればそれは暴虐非道を尽くされた痣や火傷の痕等が無数に現れる……最初はもっと軽かった……だがいじめはどんどんと大きくエスカレートになっていき彼女は純血すら奪われた。
それでも親等に言わなかったのは心配を掛けたく無いためだ。
頭だって良い方では無いし何よりあと一年足らずで卒業出来る……それが彼女を襲う理不尽な暴力から我慢する唯一の糧となっていた。
……だが今日彼女は1つの疑問を持った。
朝彼女が待っていた信号の場だ。
起きた出来事は信号を待っていたら突風で向い側の老婆がお金を落としてしまいその音を嗅ぎ付けた両津に吹き飛ばされ真横に吹き飛ぶと言うもの……。
そして両津は車にぶつかったがかすり傷1つ負わず沢田の運転する車の前方がグシャグシャになるものだった。
そう、『両津が彩菜にぶつかり彩菜は真横に吹き飛んだ』のだ。
じゃあその前に彩菜を押したのは……?
彼女が前のめりなるほど勢い良く押され両津に吹き飛ばされなければ危うく彩菜が引かれるように仕向けた犯人は……?
あの場にいた同じ中学の制服を着た者の正体は……?
「はぁ」
絶望も希望も感じぬ無感覚な……だが裏に猛烈な憎悪を孕んでいるような溜息を吐いた。
前々から考えていた事だがこの日彼女は改めて強く決心した。
クラス全員に地獄を見せると……
そろそろ彩菜の復讐劇が始まります。
こち亀メンバーの出方は如何に(笑)