けっして繋げ方に迷ってたとかじゃないんです・・・・・多分。
「・・・・で、なんで隣にいるんですかね」
僕は隣で歩く人に話しかける。
「それは勿論、あなたに同行するからよ?」
僕の隣には、ついさっき送り出してくれた・・・・はずの
「大体あなた、持ち物なんて
「・・・・なんで知ってるの?」
僕は思わず、足を止めた。
脱出の際は何度も周囲を警戒したから、バレてはいないはずなのに。
「そこは、ほら。これでも姉ですから」
自慢気に言いつつも、顔はこっちを向いていない。
つまりは、見ていたのだろう。
どんなタイミングから解らないが、多分そんな気がする。
「お義母さん、少しいいですか!?」
それは私・・・・ロッサが
「なんじゃ、ラナ。珍しく騒々しいではないか」
勢いよく開かれた扉の方を見れば、
普段の彼女からは想像できない程に、慌てているように見える。
“普段の”とはいえ、家族になったのはつい最近の事だから、あまり確実とは言えない。
それでも私が知ってる限り、彼女は大人しい印象だ。
だから、そんな彼女が慌てているという事は、余程の事なのだろう。
「ハミアくんが・・・・・・ハミア、くんが‼」
彼女の表情は、今にも泣きそうになっている。
「・・・・まずは落ち着け。話はそれから聞く」
マギアルカも、事態のの深刻さに気付いたのだろう。
その顔からは緊張が感じられる。
「・・・・・ハミアくんが、どこにもいません。それと、
その言葉を聞くや否や、マギアルカは何も言わずに部屋を出ていった。
「・・・・」
やっと追い付いた時には、義母は立ち尽くしていた。
「お義母・・・・さん」
ラナはゆっくりとマギアルカに歩み寄った。
「わしが・・・・探し出す」
その一言は、誰に言ったのだろうか。
自分に言い聞かせるためか、それとも今『ここ』にいない“ハミア” に対してなのか。
詳しい事は聞かなかった。
ただ、その代わりに、
「・・・・私が、行ってくるわ」
自分でも予想していなかった言葉が、口から出た。
「・・・・ロッサ」
「多分、ハミアは
「じゃから、わしが行くと・・・・」
「駄目に決まってるじゃない‼」
自分でも驚くほど、大きな声だった。
「それは、駄目。『臨時』とはいえ、義母さんはこの学園の教官よ。それに義母さんまで行ったら、ラナは一体誰を頼ればいいのよ?」
「・・・・」
「あと、折角だから私はこれを期に、《ラミア》を使いこなせるようになってくる。勿論、姉として家族として連れ戻す事を第一に約束するわ。当然帰るのは、
「・・・・頼むぞ、ロッサ」
「お願いします・・・義姉さん」
「ええ、任されたわ‼」
「・・・・で、その後はあなたも知っての通り。町の外に出たんじゃないかと思って、探しに出たタイミングで声をかけたって訳」
「・・・・・」
あまりのことに言葉が出なかった。
いやもうホントに、なんて反応したらいいのか解んない。
「因みに、世間ではそれは『過保護』と言われてるわ」
自分で認めてる分だけ質が悪いと思うが、この場には僕と
「まぁ、そんな事は取り敢えず放置して。目的地とか決めてあるの?」
“取り敢えず”で放置していい規模じゃない気がするんだけど。
「・・・・決まってない」
「やりたい事とかは?」
「・・・・全然」
「なら、どうしたいの?」
「・・・・・」
この反応に、彼女は黙ってしまった。
当然だ。
何をやるかも決まっていない相手に構っていられる程優しい人なんて、そう滅多にいるはずもない。
「なら最後の質問よ・・・・“今のあなた”はどうしたいの?」
「ここから・・・・離れたい。離れて、自分の事について考えたい」
自分の中で決まっている、唯一の目標。
理由がはっきりとしている訳でもないのに
「いいわ、ついてきなさい」
「・・・・え?」
その言葉に驚いて、思わず聞き返してしまった。
「だから、ついてきなさいって言ったの」
「いや、でも」
「・・・・何よ」
「行く宛とかないのに」
「だからついてきなさいって言ってるの。自分から進んで行きたいところがないなら、取り敢えず
「・・・・」
「今はただ、『自分で決めた』って事を誇りなさいな」
言葉が出なかった。
あまりに自分勝手な意見で。
あまりに相手思いの言葉で。
あまりに不器用な気持ちで。
「・・・・はた迷惑過ぎでしょ」
その言葉に、彼女は溜息をついてこう言った。
「言ったでしょ、『過保護』だって」
「あの、なんで今なんですか?」
遂に我慢できなくなって、聞くことにした。
「何が?」
「えっと・・・・・だってほら、結構な期間が空いた訳じゃないですか」
「あぁ、その事ね」
彼女は遠い目をしながらも答えてくれるようだ。
「単純な話よ。自ら微妙なところで切っといてその実、続きの書き出し方がわかんないからって放置してたらしいわよ。どうしようもない程にアレよね、ストックだってないっていうのに。その代償に半年以上過ぎてるのに慌てて書き出したものだから、ただでさえダメなのに、余計に色んな所がごちゃごちゃしてるんですって」
しかし、気づいた。
「・・・・・・何を言ってるんですか、
彼女は一体何を愚痴っているのだろうか。
質問の内容と彼女の返答が微妙にズレているのである。
「えっ、この“話“の投稿期間について、じゃないの?」
「違いますって!?あと“この話”で言うような内容じゃないですよね、ソレ!?」
「・・・・・なら、何が聞きたいのよ?」
「なんで、このタイミングで
「何よ、違ったのね残念。まだ全然愚痴り足りないのに。仕方ないわね、また今度にするわね」
「今度ってなんですか!?もうダメです!」
「なら、私・・・・さ、育った環境が劣悪でね。自分で逃げ出しそうとも思わなかったの。『ただこのまま、何に対しても抵抗しないで生きていくんだ』って諦めてたのよ」
「えっ、この会話の流れで話すには重くない?」
「でも、そんな時にあの人が、ネレク様が私を助け出してくれたの」
ホントに続けてる。
もうこのままの流れで受け入れるしかないのか。
「その瞬間から、私はネレク様の為に生きると決めたわ。何を命じられても、ネレク様の助けになるならそれで構わないって」
「・・・・・・」
「でも、この前言われたの『
「・・・・そんな」
そんな事が。
この人は、せっかく見つけた自分だけの光を失ったというのか。
「でも、ね。そんな私は、今度は
「・・・・」
そんな扱いを受けたのに、この人はどうして。
そんな僕の気持ちを察したのか、
「あなた、優しいのね。相手を思いやるその心は、以前のあなたと変わってないわ」
僕の頭に、そっと手が置かれる。
「僕、は・・・・」
「さぁ、今日はここで野宿しましょ。もう暗くなってきたわ」
気付けば太陽が沈みかけていた。
「準備するから、手伝って?」
半年もお待たせしておいて文字数が少なくて、すいません。
このパターンなら次回の投稿は早いでしょう・・・・多分。
それではまた次回。