前回に引き続き戦闘シーンありです(少しだけ)
・・・・・・・今回は、キャラ振れしてないといいなぁ
最初はちょっとした違和感だった。ちょっとした悪戯で困った顔が見たい、そう考えての行動だったのに、ハミアの反応が予想していたものと違ったの。驚くわけでもなく、かといって困惑するわけでもない。まるで初めて見た生き物と接したかのような、刺激させないための対応に思えた。それに、唐突な質問をしたタイミングで
1つ目に、最初の斬撃を
2つ目に、いつの間にか背後に隠していた《
そして3つ目、さっきの避け方。私の知ってる
ほんと、いつも驚かされてばかりで困っちゃう。だからこそ逆に驚かせようとしたら、これなんだもの。
普段はなんだかんだ元気づけられている君を驚かそうと思ってたその時、何故か神装を発動させられる気がした。不思議ね、かつてネレク様に尽くすために発動させようとした時はダメだったのに、家族のために行動しようと考えたら出来そうな気がするなんて。
「一体どうしちゃったんですか、らしくないですよ」
「かもしれない。でも変わるって決めたの。普段なら思いつかないような行動でもすれば、何かを得られるかもってそんな気がしたから」
「・・・・・・」
「それに、らしくないのはアナタも一緒じゃない。さっきの操縦、普段なら真逆の行動をしてたでしょうに、やけに攻撃的だと思ったの。だってそうでしょう、いつもなら避けるので精一杯なのに、今回に限ってやたらと次の動作につながる起動をしてた。どうかしら、これでもまだ言い逃れできる?」
「・・・・・・・はしゃぎ過ぎたなぁ。アイツならこんなことにすら気付かないからって油断した」
「あら、認めるの?意外にあっさりしてるのね」
「えぇえぇ、認めますとも。俺はここ数日あなたが共に過ごしてきたハミアじゃない。今までアイツの心の中で、アイツの言動全てを否定してきた、別のハミアだって。さっきのだってそう。アイツが俺に無いものを持っているように、俺だってアイツがどんなに決意したって出来ないことを、当たり前のように出来る。
「なら、益々『らしくない』のね」
「最初は
「わかる、あの子ったら変なときに限って勘がいいのよね」
「でも
「あなたが起きたときから。だっていつもならもっと驚いてたでしょう?でも今日はそれがなかった。だからカマをかけたの」
つまり最初からバレてたってことか。やらかしたなぁ、アイツのこと笑えないじゃねぇかよ。
ったく、この人もこの人で急に鋭くなるな。
「それに、この島に来る前に
アイツ、直接伝えてたのは知ってたけど、寝言で言ってたってのは初耳だぞ。ホントに隠し事が向かないやつだな。さっきまでの自己嫌悪してた時間を返せよ。
「でも確信したのは本当にさっきの操縦よ。本来の成長速度じゃあ説明が出来ないもの・・・・・ねっ!」
「・・・・!」
そう思ってたら
「もう諦めたら?確かに操縦技能はあの子より上だけど」
「アイツは俺たちはどっちも偽物だって考えてましたけど、あなたも同じこと思ってます?」
「ううん、私はそうは思わない。アナタもあの子もどっちも本物だと思ってるわ」
「だって、アナタもあの子もお互い、相手にないものを持っているんでしょう?二人とも持ってないから偽物、じゃないの。お互い自分しか持ってないものがある。それってつまりどっちも本物って言えるんじゃないかしら」
「物は言いようですね」
「でしょう?」
「・・・・後は、後ろから斬りかからなければ完璧なんですけどね」
「あら、じゃあいきなり撃てば良かったかしら」
「俺が言いたいのは・・・・・・・・いや、やっぱりなんでもないです」
ほんの一歩分、右にスライドしてそのまま振り向く。さっきまでいた位置には
《
「突然どうしました?」
「疲れちゃった!」
「・・・・・・・・・は?」
あまりのことに言葉が出なかった。
いや・・・・・えっと、もう終わりですか?なんで急に!?
「神装発動できたの初めてで疲れちゃった。こんなに負担がかかるなんて知らなかったわ。他の人たちもよくあんなに何度も使えるわよね。信じられない」
「・・・・」
「ほら、いつまでそのままでいるつもり?まさか非武装の相手をいたぶろうとか考えてるのかしら?」
「・・・・・・・それは、ないですけど」
「じゃあさっさと武装仕舞ってよ。元々今日はあの山の上にある修道院を漁るつもりだったんだから。向かう前から疲労してちゃ意味ないでしょ!」
「・・・元々アンタが言い出したんだろうが。それに俺は操縦以外は不向きだってのに」
「何か言ったかしら?」
「いえ別に」
やっぱり俺、アイツと同じかもしれない。何故かこの人には逆らえる気がしない。なんていうか、振り回されて疲れたっていうか色々と考えるだけ損してるっていうか、悩めば悩むほど負けてる気分になる。
「じゃあ、準備も出来た事だし行きましょ!」
「・・・・・・・はい」
まさか本当に俺がアイツと入れ替わってる事を確かめるためだけに、機竜を使ったっていうのか。いやまあ、確実な方法ではあるけど態々そんな疲れる事しなくても、他にも方法はあるだろうに。
「最初は港町や村に寄ろうかと思ったんだけど、学園の関係者とはいえ下手に目立ちたくないから辞めておきましょう。さっ、行くわよ」
《ラミア》はすぐに山の方へと向かってしまった。遅れると後で何を言われるかわからない、急いで追わないと。《ビフロスト》を静かに上昇させ見失いつつある機影を追った。
山は、至って普通の山だった。山だけじゃない、
そんなありふれた、しかし自分の目では初めて見る景色を眺めながら飛んでいるとあっという間に修道院へと着いた。
「遅い!」
待っていたのは予想した通りの言葉だった。
「勘弁してくださいよ、まだ慣れてないんですから」
「知らないわよ。私が遅いって言ったら遅いの!ほら、付いてきなさい!」
「・・・・横暴な」
「早く!」
「・・・・・はいはい」
《ビフロスト》を解除して一人で修道院に入ろうとしている
一瞬だけだったが、ちょっと楽しそうに笑ってるように見えたのは、気の所為だよな?
「うわ、今にも崩れそうじゃない。ほらあそこの床だって一部崩落してるし」
「ですね。外から遠目に見た時点である程度の予想はしてましたけど、予想以上ですよ」
入ると、当然だが真っ暗で、明かりも窓から差し込む太陽だけが頼りだった。
でも、長年放置されてきたという外見の割に、中はそれほどではなかった。確かに独特な匂いが付き纏うし、歩くたびに埃が舞い散るけど、それにしては少なく感じた。まるで、誰かが隠れ住んでるけど隠蔽しようとしていたような。
ふと、目の前を歩く
「あれ、震えてますけどどうしました?寒いですか?」
「いぃえ!?そ、そんなことはないけどうん!?」
「そうですか、俺はちょっと暑いかなって・・・・あ」
言い終わる前に、壁に書かれている文字を見つけた。
「な、ななな何よ!?」
「文字ですよ。誰かいたって証明」
「な、何よ文字位で。今は廃墟になってるとはいえ、元は教会なんだから文字があったって不思議じゃないわよ!」
一体どうしたんだろう。さっきまで堂々としていたのにまるで別人のようだ。
「・・・・・ん?」
「こ、今度は何よ!?」
「いや、あそこの曲がり角のところなんてすけど、何か見えませんか?」
「見えない!」
さっきまではあんなに張り切っていたのに、ここに入ってから何かに怯えているかのような反応。
まさか。
「怖いとか」
ビックゥ!?
見逃せないほど体を震わせた後ろ姿が、全てを物語っていた。
「・・・・・・・」
「素直に言ってくれれば俺が前に行ったのに」
プルプルと体を震わせながら振り向いたその顔は今にも泣き出すのではと思える程だった。
「だって、お姉さんしたかったし」
「それはオリジナルにしてくださいよ。俺は偽物なんだから無理することないですよ」
「本物だろうと偽物だろうと、あなたがハミア・ゼン・ヴァンフリークな時点で私の弟なの。だからお姉さんさせて」
「しがみついたまま言われても説得力ないんですけど」
腕をがっしり掴みながら堂々と言い張るその姿が、なんとも言えない気持ちにさせる。
「・・・・・・・ふふっ」
依然として腕にしがみつかれた状態で修道院を進んでいくと、突然笑い声が聞こえた。
「何か言いました?」
「いいえ?どうかしたかしら?」
尋ねるもその反応から、たった今聞こえた笑い声が彼女のものではないと解る。なら今のは風か?
「笑い声が聞こえた気がして」
「・・・・・・困らせようとしてるの?だとしたらがっかりなんだけど」
「そういう訳では・・・・」
「ふふふっ」
摑まれた腕が、義姉《ロッサ》が跳ねたのを伝えてくる。ちらっと覗くと彼女の顔はどんどん青褪めていく。
「えっ、進むの!?」
「だって、なんか揶揄われてるみたいで癪じゃないですか。いっそのこと正体教えてもらわないと割りに合わないでしょ?」
「それは・・・・・そうかもだけど」
一歩進むたびに腕にしがみつく力が強くなっているのが解る。
笑い声の正体が、どっかから風の吹き込んでる音なら別にそれでも構わないけど、直に見調べないと・・・・・アイツの大事な同行者の為にも。
今回は、最初の方はロッサ視点で書きました。伝わる事を祈るばかりです。前回に引き続き神装について、というか戦闘シーンについて書いてみました。まぁ詳しいことはまだ記載してませんが(オイ)
そんでもって、実はロッサが怖がりというちょっとした設定を加えてみたりな今回でした。
それではまた次回。