色を持たない機竜   作:怠惰ご都合

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話のつなげ方に悩みました。


予感

 「おいルクス、悠も起きろって」

 

 目を覚ましてすぐに二人を起こす。

 昨日は《ドレイク》に乗って、ルクスを追っていたはずのノクトが来てしまった為、抵抗を諦めた。

 そしてルクスが入っている地下牢へと入れられ、寝てしまったのだ。

 

 「う、ん」

 

 「ん・・・・」

 

 「どうしたの、ハミア?」

 

 「お客様だよ」

 

 「客?」

 

 寝ぼけている二人にどう説明しようか悩んでいたところで彼女は来た。

 ハミアと悠は初対面なのだが、ルクスはそうでもないらしい。

 察するに、ルクスを捕えたのは彼女の様だ。

 彼女はルクスの機攻殻剣(ソード・デバイス)を持つと尋ねてきた。

 

 「この機攻殻剣(ソード・デバイス)は誰のかしら?」

 

 「・・・僕のですけど」

 

 「三本とも?」

 

 「いいえ、一本はハミアのです」

 

 「そう、珍しいのね。それにこの黒い剣」

 

 ルクスは顔を背けた。

 ハミアも悠も理由を知っているが、話すつもりはない。

 

「まあいいわ」

 

 「クルルシファー、ここで何をしている?」

 

 「別に。可愛らしい覗き魔を見に来ただけよ」

 

 クルルシファーは去っていき、鮮やかな金髪に、勝気な赤い瞳が印象的な少女が入って来た。

 

 「えっと、君は?」

 

 「昨晩は助けてくれてありがとう、『王子様』。ついでに素晴らしい口説き文句だったぞ?思わず惚れてしまいそうになるほどな」

 

 「・・・・ああっ!?」 

 

 瞬間、ルクスは声を上げる。

 

 「なあルクス、あの状況でなんで口説いたんだ?」

 

 「とにかく女の子は褒めた方がいいって仕事先のおじさんが言ってたから」

 

 「ルクス、残念だけど状況を考えて」

 

 小声で話し合っていると、少女の声が聞こえてきた。

 

 「ふっ。まあお前たちに言いたい事は死ぬほどあるけどな。その前に、学園長から話があるそうだ。ついて来い」

 

 三人は無言で牢屋を出ると、少女が名乗り始めた。

 

 「わたしの名はリーズシャルテ・アティスマータ。新王国第一王女。通称、『朱の戦姫』。五年前にアーカディア帝国を滅ぼした、新王国の姫だ。よろしくな」

 

 ルクスの叫びを聞きながら、ハミアと悠は溜め息をついた。

 

 

 

 

 

 学園長室へ入ろうとする前にハミアは立ち止まってしまう。

 

 「おいハミア、どうしたんだ?」

 

 「入りたくない」

 

 ハミアの答えは、ルクスに疑問を抱かせた。

 

 「どうして?」

 

 「知り合いが、それも僕の過去を知っている人がいる気がする」

 

 「いいから、さっさと入れ!」

 

 ハミアの煮え切らない態度に、リーズシャルテは怒鳴り声を上げる。

 

 諦めて学園長室へ入るとハミアは声を上げてしまった。

 

 「なんでいるの!?」

 

 学園長室には三人の女性がいた。

 

 一人目は元皇族であるルクスの、数少ない顔見知りである財閥の令嬢、学園長のレリィ・アイングラム。

 二人目はこの学園で『D』関連の授業全てを受け持っている篠宮遥。階級は大佐らしい。

 ここまでは良い。だが、次の人物の存在がハミアの疑問の原因だった。

 

 「久しぶりじゃのう、ハミア」

 

 「もう一度聞くけど、なんでいるの?」

 

 「お主の保護者じゃからに決まっておろう。ラナは元気か?」

 

 「ああ、追いかけられたよ」

 

 「なら良い」

 

 「・・・・って、そうじゃなくて!」

 

 「しつこいのう。お主が可愛いからじゃ」

 

 女性の言葉に一同は固まってしまう。

 

 「ちょっ・・・何言ってるの?」

 

 ハミアは顔を赤くしてしまう。

 あのハミアが珍しい事に、照れているのだ。

 

 「それこそ、昔は・・・」

 

 「やめて!」

 

 「『お姉ちゃん、僕が大きくなったら結婚しようね』って言ってたであろう」

 

 「ルクス、悠、殺せ。今すぐ僕を殺してくれ!」

 

 自分の過去を暴露されてしまったハミアはその場でうずくまってしまった。

 

 「やはり、可愛い反応をするのう」

 

 「うう・・・・」

 

 満足げな女性を見てルクスは尋ねる事にした。

 

 「僕はルクス・アーカディアといいます。失礼ですが、あなたは?」

 

 「おお!お主が噂の没落王子じゃったか!これは・・・・、何という好都合じゃ!」

 

 「あのー、ですからあなたは?」

 

 「これは失礼した。わしはマギアルカ・ゼン・ヴァンフリーク。ヴァンフリーク商会の元締めじゃ」

 

 「・・・・はぁ」

 

 「それと同時にラナとハミアの母じゃ」

 

 「えっ?」

 

 「血は繋がっていないだろ!ルクス、騙されるな。あくまで養子だ!」

 

 「つまらんのう」

 

 「・・・まったく」

 

 「そろそろいいかしら?」

 

 その言葉を聞いた途端、ハミア・ルクス・悠の三人はレリィに向き直った。

 

 「今回の事は不幸な事故、でいいのよね?ルクス・アーカディアくん?」

 

 「はい」

 

 ルクスは今回の依頼に関する情報を思い出していた。

 

 装甲機竜(ドラグライド)機攻殻剣(ソード・デバイス)は、それぞれ一対となって使用される兵器。

 装甲機竜(ドラグライド)は、普段は各地の『格納庫』と呼ばれる場所に安置されており、機攻殻剣(ソード・デバイス)を鞘から抜き、グリップにあるボタンを押すことで、対応する機竜を転送・召喚する。

 装甲機竜(ドラグライド)以外の兵器で、そんな真似はできない

 光と化し、空間の転移を可能とする金属、幻玉鉄鋼(ミスリルダイト)と、機竜の動力源である核石、幻創機核(フォース・コア)があるからこそ可能な芸当だ。

 転送自体の構造(メカニズム)は、未だに解明されていない。

 装甲機竜(ドラグライド)が、遺跡(ルイン)から発掘された古代兵器であることと、ある事情によって、遺跡(ルイン)の調査自体がなかなか進んでいないのが、主な原因だ。

 だがそれでも、装甲機竜(ドラグライド)の持つ力は、『技術が解明しきれていない』という理由で使用を控えるには、あまりに途方もない威力を秘めていた。

 故に、機竜の構造、原理解明の調査も、各国で激しく競争が行われている。

 

 「装甲機竜(ドラグライド)が、遺跡(ルイン)から発見されて十余年。私たち女性は、旧帝国が敷いてきた男尊女卑の風潮と制度のより、その使用は、ほとんど禁じられて来たわ」

 

 レリィが言葉を区切ったところで、ルクスたちの後ろに立っていたリーズシャルテが、ふっと口を開く。

 

 「五年前のクーデターで新王国が成立したのを境に、その認識は一変。操縦に使う運動適性はともかく、機体御制御自体の相性適性は、女の方が遥かに上というデータが報告され、以後、専門の育成機関を設立し、他国に負けない装甲機竜(ドラグライド)の士官を揃えるべく、その育成に力を注いでいる、というわけだな」

 

 「ええ、その通りです」

 

 リーズシャルテの補足に、レリィが頷く。

 装甲機竜(ドラグライド)は、それまで戦争の主力だった、剣、銃、大砲、馬、そのすべてを無に帰すほどの超兵器だ。

 登場以来、もはや戦争、外交、商工を含め、その言葉なしでは、何も語れないところまできている。

 その辺りの事情、装甲機竜(ドラグライド)の育成機関があることくらいは、ほとんどの人が知っている。

 

 「で、でも、なんで僕たちが呼ばれたんですか?」

 

 仕事の依頼をしたのはレリィだ。

 ルクスがその事について、困惑した表情で聞く。

 

 「あらあら。かの『無敗の最弱』ともあろうものが、随分と謙遜するのね」

 

 年上らしい、悪戯っぽい笑顔が返ってきた。

 

 『無敗の最弱』。

 王都のコロシアムで月に一度行われている、装甲機竜(ドラグライド)を用いた公式模擬戦(トーナメント)

 戦績次第では賞金も出るその場で、最多の出場回数をほこり、その戦闘スタイルからつけられた異名で、ルクスは呼ばれている。

 

 「この学園でも屈指の使い手であるリーズシャルテさんにも引けを取らないんじゃないかしら?」

 

 レリィの言葉が不服だったのか、リーズシャルテがぴくっと肩を震わせる。

 

 「気持ちは理解できるわ。でも残念なことに、人手が足りないのよ」

 

 ルクスが反論する前にレリィは続ける。

 

 「機竜装甲(ドラグライド)の歴史はまだ浅いでしょう?長年、機竜装甲(ドラグライド)を独占していた旧帝国の使い手は、大半がクーデターで死んでしまったし。となれば、不本意といえど、定期的に男の協力者を招くしかないのよ。機竜整備士も、機竜使い(ドラグナイト)もね」

 

 「僕は、整備の方はほとんどできませんよ?」

 

 「ハミア君がいるじゃない。教わればいいわ。使い手として予備知識があるだけでも貴重なのよ」

 

 レリィは即答する。

 

 「この学園にある、新王国第四機竜格納庫。あなたたちの働き口はそこだから、今日から週三回、通ってもらうわ。機竜の整備は汚れるし、危険もあるでしょう?良家のお譲様たちにさせられないわ」

 

 からかうような声で、レリィが微笑んだ。

 話がまとまったと思った時、ふいにリーズシャルテが、手を突き出し、話に割り込んできた。

 

 「学園長。わたしはやはり納得できないな」

 

 鋭い眼差しで三人を見据え、言う。

 

 「わたしたちにとって、この三人は覗き魔・痴漢・下着ドロの変態で犯罪者だ!そんな『男達』をこの学園で働かせるなど、あり得ない。というか、まずは軍に突き出す方が先だろ!」

 

 「確かにそうねえ。私は付き合いがあるから三人の事はよく知っているけれど。あなたからすれば疑って当然よね」

 

 「そこは断言してくださいよ!?」

 

 やや涙目で、ルクスは訴える。

 

 「なら、本件の被害者かつ、二年生主席であるリーズシャルテさん。彼らの処分はあなたの裁量に任せるわ」

 

 「任せちゃうんですか!?」

 

 ルクスは新王国設立時の恩赦として、元皇族であった罪を許され仮釈放されて入るが、同時に交わした契約で、国家予算の五分の一に相当する額の借金を負わされている。

 そんな『咎人』のルクスが、さらに犯罪者になるのは、とても都合が悪いのだ。

 

 「ならば、装甲機竜(ドラグライド)で勝負だ。代表者は選んでくれていい」

 

 そう告げて、リーズシャルテは帯剣の柄に触れ、同時にゆっくりと、学園長室の扉の前に歩いていく。

 

 「わたしに負ければ、お前たちは犯罪者として牢獄行き、勝てば、無罪放免で働いてよし。それでいいな。野次馬たち」

 

 そう言って、リーズシャルテは部屋のドアノブをひねった。

 

 「きゃあっ・・・・・!?」

 

 バタバタと、ドア越しに集まっていた女生徒たちが、部屋になだれ込んで山を作った。

 どうやら、噂で聞いたルクスたちの処遇が気になって外で聞き耳を立てていたらしい。

 

 「学園の皆に伝えろ。新王国の姫が、男達をやっつける見せ物だとな」

 

 それを聞いた女生徒たちは、楽しそうな声を上げて去っていく。

 

 「教育体制を見直す必要があるかしら?一応真面目な学校なのよねえ、ここ」

 

 レリィの呆れたような呟きに、悠は突っ込みたくなった。

 

 「ところで、三人とも。決闘の前に、ちょっと寄ってほしい場所があるの」

 

 三人が振り向くとレリィは続ける。

 

 「すぐ近くの応接室でね、あなた達の妹さん達がまってるわ」

 

 ハミアは溜め息をついてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「もう、兄さんは何をやっているんですか?」

 

 「呆れて物も言えません」

 

 「フンッ!」

 

 学園の来客用応接室。

 さすがに貴族子女が集まる学園の中だけあって、家具、調度品共に高級感のあるその部屋には、四人の女生徒が佇んでいた。

 

 「色々とごめん。アイリ」

 

 「悪い。深月」

 

 「・・・・・」

 

 ルクスは実妹であるルクスと同じ銀髪を持ち、同じ首輪をつけた少女、アイリ・アーカディアに軽く詫びる。

 悠も妹の物部深月に詫びる。

 だが、ハミアはラナに謝れなかった。

 応接室に入って早々、左頬を叩かれたのである。

 

 それを見たアイリは嘆息と同時に肩を竦め、隣の少女に視線を移した。

 

 「彼女は女子寮での私の同居人(ルームメイト)です」

 

 「Yes.一年のノクト・リーフレット・・・・・と、申します。昨晩は失礼を致しました」

 

 物静かな印象の少女は、そっと小さな頭を下げて、ルクスを見つめる。

 昨晩の浴場乱入事件。

 その時に追ってきた、あの三人組の一人だ。

 

 「どうやら、あなた方は本当に、ポシェットを追いかけていただけらしいですね。変態扱いしてしまい、申し訳ありませんでした」

 

 「あ、僕達の方こそすみません。その・・・・、下着が入っているとは思わなくって・・・・。でも、よかった。ちゃんと荷物は無事なようで」

 

 「楽しい会話中、申し訳ありませんが」

 

 ルクスとノクトのやり取りをジト目で見ていたアイリが、不機嫌そうに呟く。

 

 「今、兄さん達のせいで、それどころじゃないんですけど?」

 

 「う・・・・・」

 

 悠が落ち込んだ瞬間、深月は溜め息をつく。

 

 「せっかく私たちが体裁上、カッコイイ兄だと周囲に伝えていたのに、いったいどうしてくれるんですか?覗き魔に、下着ドロに、痴漢。身内が犯罪者だなんて、私たちの学園での立場を考えてください」

 

 「あ、体裁上なんだ・・・・。じゃなくて、それは誤解だってば!?」

 

 「Yes.顔だけは一応王子様らしくあるかと。やや頼りなさげですが」

 

 「・・・・・持ち上げられたと思ったら、落とされた!?」

 

 「そろそろ、本題に入りましょうか」

 

 こほんと咳払いをして、ルクスたちがショックから立ち直ったのを確認すると、アイリはソファーに腰掛ける。

 深月とラナもそれに続く。

 つられるようにそれぞれが対面に座ると、ノクトは用意されていたポットから、ティーカップにお茶を注いでくれた。

 

 「正直なところ。たまには兄さん達も痛い目を見ればいいなと、私たちのは考えていまが」

 

 「ひどっ!?」

 

 ルクスの反応も気にせず、アイリは真顔で続ける。

 

 「今回ばかりは特別です。兄さんが捕まったら、私一人でどう借金を返せばいいんですか?」

 

 「・・・・・」

 

 旧帝国の中でも冷遇されていた、生き残りの皇族兄妹。

 新王国設立と同時に交わした恩赦の契約では、ひとりが『雑用係』となり、新国家の予算を一部負担しては働くこと。

 そして、もうひとりは、王家の目が届く一で暮らすというものだった。

 ルクスが逃げたり、不始末を犯したりすれば、代わりにアイリが処分を受ける、という取り決めになっている。

 といっても、ルクスはこの取り決め自体を不満に思ったことはない。

 誰からでも雑用の仕事を受けなくてはいけない、という制約はあるものの、『王国の所有物』であるのだから、そこまで無体な扱いを受けた事はない。

 そもそも、長年圧制を敷いて来た旧帝国の皇族など、誰かの逆恨みで殺されてもおかしくないのだから、ある意味では、借金を返すために働かされている、罪を償っているとして、立場上、新王国に守られているともいえる。

 事情は他にもあるが。

 

 「あの子は、強いの?」

 

 ルクスは自分が戦っていた、王都で行われる装甲機竜(ドラグライド)のトーナメントでは、リーズシャルテが出場していた記憶がなかった為、問いかける。

 

 「私たち学園の生徒は、トーナメントへの参戦が認められていません。軍事力の秘密の為でもありますが、士官候補生の生徒が負けたら、格好がつきませんので」

 

 「ってことは・・・・」

 

 「ええ、代わりに校内戦というものが定期的にあります。深月さん達とは違った事をやります。リーズシャルテ様は現在無敗です。更に機竜を使い始めてからは、圧倒的な強さで連勝を続けています」

 

 機竜の中でも特別な力を持つ神装機竜を操れるということは、確かに強敵だろう。

 

 「止めてはダメですよ、ノクト」

 

 申し出ようとしたノクトを、アイリは笑顔で制止する。

 

 「自分の行動は、自分で責任を取らせるのが一番です。昔から思い立ったら即行動して、ちっとも冷静になれないから、こういう目にばかり遭うんです」

 

 「うわひどっ!?恩赦の日から『雑用係』の使命はずっと僕がやってるのに!?」

 

 「ふうん。じゃあ兄さんは、今更私の代わりに新王国の人質になりたいと、そうおっしゃるんですか」

 ルクスの反論を、アイリは涼しい顔で受けて立つ。

 

 「兄さん。人質として監視される身も、すっごい大変なんですよ?この首輪のせいで、いつも他人からは奇異の目で見られますし。それでも円滑な人間関係が維持できているのは、ひとえに私に人柄、努力の賜だと思いますよ。あ、それとですね、私だって借金返済にはかなり貢献しているんですよ?『遺跡(ルイン)』で発掘された古文書の解読や、装甲機竜(ドラグライド)指南書(マニュアル)の更新とか、学園で勉強しながら深夜にまで及ぶ内職でいくら稼いでいるか具体的に言いますと・・・」

 

 「わ、わかったよ。僕が悪かったってば・・・・」

 

 「ふっ、また勝ってしまいました。これで百二戦、百二勝ですね。私が兄さんに負かされる日はいつ来るんでしょうね?」

 

 子供っぽい笑みを浮かべて、アイリはすっと立ち上がる。

 ここ数年の口ゲンカは、ルクスが負け続けている。

 この優等生の妹は、昔は病弱で母親とルクスにべったりだったが、今はとても強い。

 

 「誰が戦うか、決まりましたか?」

 

 「うん。僕が戦うよ」

 

 深月の問いに今まで黙っていたハミアが答える。

 

 「じゃあ、《ビフロスト》を使うの?」

 

 「ああ。ルクスは手の内をさらしたくないだろうし、悠は”D”だ。必然的にそうなるよ」

 

 「でも・・・・」

 

 「『性格の変化』についてなら制御出来るようになってるし、何かあれば、二人に止めてもらうよ」

 

 「わかりました」

 

 「心配してくれてありがとう。ラナ」

 

 「うん」

 

 自分を心配してくれるラナの頭を撫で、感謝をする。

 ラナの機嫌は直った。

 

 「それでは、機竜格納庫に行きましょう。模擬戦前の機体チェックは、学園内で必須事項ですから。そこまでは、ご案内します。ついでに、リーズシャルテ様の対策も教えます」

 

 さらりと告げると、アイリは応接室を先に出る。

 

 六人もそれに続いて応接室を出る。

 

 「まあ、兄さん、悠さん、ハミアさんの三人なら大丈夫だとは思いますよ」

 

 確信を込めた声が聞こえた。

 そして、学園の離れに歩き機竜格納庫へ向かい、ルクスとハミアの機攻殻剣(ソード・デバイス)を返してもらう。

 もうすぐ、決闘となる。

 

 

 

 




次回、リーズシャルテとの決闘。
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