既出であろうがこの二人(というか沖田さん)
の話を書きたかった。
沖田さんが佐々木殿に技を学ぶ(?)というお話
〇原作プレイ推奨(プレイ済み前提で話してます。)
〇細かい設定が矛盾してるかも…
〇沖田さんカワイイ
それでもおkなら、どうぞ。
月光が頭上を照らす静寂の夜、二人の剣豪は、今まさに相まみえんとしていた。
「遅いぞ、武蔵」
「待たせたな、…って、私ムサシさんじゃないんですけど~」
青い和の装い、上に束ねた髪、片手に身長より長い刀を携えた剣士は、自身の
雅な口上文句を陽気に返した女剣士を、余裕の笑みで見つめていた(いわゆるどや顔である)。
さて、なぜこうなってしまったのか、順を追って説明しよう。
………………………………
「ほう、我が秘剣を学びたいと?」
「はい、ぜひに!」
とある施設の、とある廊下での一幕。
どこまでも続いていそうなほど長いながい無機質の道の傍らに
かつて剣豪としてその名を極めた侍が二人…和やかに談笑していた。
本来ならばこの一文だけでも、あり得ない現象であるが、事情事象が重なりかさなって
この現状である。 詳しくは原作を、どうぞ(ダイマ感)
「ふむ、拙者の思い違いでなければ、お主ほど武芸の才に秀でたものも、そうはおるまいが…」
男はじっと彼女を見つめる、品定めならぬ”剣客定め”に目を光らせて
…最も、自分にはそのような資格はないと笑みながら。
「そんなお主が、この野侍に、斬りかかることあれ、何を学ぶことがあろうか?」
「そうだろ、沖田総司殿?」
自身に対する皮肉を交えながら、彼はその名を口にした。
沖田総司
日本においてその名を知らないものはいない、近代のラストサムライ。
新選組という、江戸時代当時の警察機構において一番の剣の使い手だった。
その腕前は、敵味方問わず、多くの剣客から称賛された「神童」であった。
…しかし晩年は病にかかり、床に伏せたまま他界。享年20代。
そんな彼女が、目の前の男に技を学びたいと、当然彼も名の知れた大剣豪である。
そう、名前「だけ」は。
佐々木小次郎
宮本何某との決闘「巌流島」はあまりにも有名。
沖田がラストなら、こちらはレジェンド・オブ・サムライ
燕を斬るためだけに編み出した魔技(本人は秘剣という)「燕返し」を持つ。
しかし一方で、その出生、出自、その多くが謎に包まれているが…
「生憎、お主の期待には応えられそうにないなぁ」
別に、自分が人に何かを教える人間であるとはおもっていない。
そもそも、自分は佐々木小次郎”ではない”のだから。
「伝承では、彼のものは岩流という流派の師範だったそうだが
生憎、某はただの農民ゆえ、鍬の使い方ならお教えできるが…」
「???」
「そもそも、佐々木何某などというものは、どこにもいない」
「はぁ」
「某はただの、鍬を刀に持ち替えただけの風来坊よ」
「そうですか」
「期待に沿えず面目ござらんが、縁がなかったとあきらめてくれ」
「わかりました、それでいつ教えてくれるんですか?」
話聞いてんのかこの病人は!?
「またまたぁ、今は好感度低いだけで、あげたら教えてくれるんデショ!もぉーこのツンデレ
(はぁと)」
「…」
絶句だよ、絶対あきらめないパターンだよこれ。
「…承知した、が待たれよ。理由を訊いておこう。」
「理由ですか?」
「そうだ、”なぜ某に”ではなく”なぜ強くあろうとするか”だ」
彼女はうーんと渋る声を出す。そして間を置き問い返した。
「なら、どうして貴方は剣客になったのですか?」
その時脳裏に響いたのは、剣戟の音、肉の切れた音、そして、虚しく空を見上げる
男の背中だった。
「さぁ、何だったかな」
生憎わからんと言わんばかりに頭を掻く。
「忘れちゃったんですか?なら…」
おもむろに刀を抜く沖田。
「我が剣技で、どうか思い出してください。」
凛とし、低くそれでいて爽やかな声で告げる。
「フッ、随分と自信家…いや、お主にとっては当然の気迫か?」
「私は、強くありたいのではなく、”あり続けたいのです”。」
「それは難問よなぁ、英霊とは完成された道具である以上、その先はない。それが当たり前なの
だ」
「そうですね、でも研鑽を怠っていたら、刀(どうぐ)は錆びてしまいますよ?」
「………ふっ、アッハッハッハ!!」
--なるほど、それもあり、か。--
………………………………
「で、マスターたちに内緒でレイシフトしたわけですが」
「何、ここは特異点ではなし、なにより何かあっても時代に特に影響はないという。」
雲一つない夜空に、煌く数多の星と、蒼く照らすくっきりとした満月。
地上はすすきが野一面に、強く、静かに風に揺れていた。
正に日本の風情、原風景の一つがそこに広がっていた。
「いやいや、そうでなくてですね、こんな原っぱになんの…」
「忘れたか、沖田殿」
佐々木小次郎は、ゆっくりと、ゆるりと刀を正面にもっていった。
「拙者は無骨者故、本より手取り足取りなどという教養はござらん」
ドヤ顔で言い放つ農民。
「であれば、真剣勝負にて、我が秘剣を伝授しようと思うてなぁ」
「あぁ~なるほど、わかりやすいですねぇ。」
言われるまま沖田総司も、自身の構えを取る。
「あ、じゃあこうしませんか?」
「ん?」
「私が最初に宝具で仕掛けます、それを撃ち返してください。よくあるじゃないですか、ジャ〇プとかで」
「ほう、必殺の打ち合いとな」
「私だけ見せないというのもアレですし、見せ合いっこしまショ!…だめですか?;」
なるほど、教えにならない気もするが
「面白い、興が乗った、何よりその方が風情もあろう」
「わ、やった」
小さく感嘆の声を漏らす。その瞬間…
「…では」
「うむ」
短い合図を送り合う二人に緊張が走り、空気が変わった。
…思えば、このような特異な状況はそう訪れるものではない。
片や無念の死により、志半ばで倒れた桜花の麗人
片や無念に至るため、修羅の道を歩んだ月下の魔人
生きた時代も、歩んだ道も、それぞれ違う二人。
しかし、時は違えど、剣は一つ。
刀に魂(いのち)をこめて、いざ…
ザッ
沖田が鬼気とした構えのまま前に
(来るか…)
一歩音越え…
二歩無間…
三歩絶刀!!
瞬間、距離を取って居たはずの沖田は目の前に”飛んでいた”。
そのまま、三つの突撃を”同時”に繰り出していた!
(見事!、ならば、私も応えよう…!)
桜花の剣客が目前に現れた瞬間、構えを取った魔人は、正に嬉々として迎え撃った。
「秘剣…」
「無明…」
一瞬、時が止まったようだった。
その静止した空間には、三つの突撃、三つの斬撃が在った。
現在(いま)、月明かりの闇に、互いの剣能がぶつかり合った
「燕返し!!」
「三段突き!!!」
三対の閃光は、深い黒空を照らした。
そして…
― 桜刃、月光に煌めけり ―
(貴方は、どうして自分にって言いましたけど、そのまま聞いてくれなくて良かった。)
(だって、”尊敬するあなたに教わりたい”、なんて気恥ずかしいですしね…)
(まぁ、最後は教えって感じじゃなかったんですが…ふふっ)
元ネタはFGO沖田さんのマイルーム会話(佐々木小次郎所持時のアレ)
これを書くうえで調べてわかったのですが…二人って結構仲良かったんですね。
(沖田さんが花見に誘うほど。)
囲みに、作者はFGO事前登録組で、最初の★5セイバーは沖田さんでした。
ドヤァ…( ・´ー・`)