第15話 プリキュアのリーダーは誰?
夢園中学校 2-A
担任「二学期が始まって二週間になると、みんな夏休みボケは抜けてきたみたいね。じゃあ、今日も一日頑張るように」
そう締めくくり、HRは終わった。
私こと金城 明日香の他、エンジェルプリキュアは全員無事に二学期を迎えている。
あの時、ティア・ストランのM・キュリーと名乗るロボットの発射したミサイルの爆発に巻き込まれた私達は、奇跡的に全員かすり傷程度ですんだ。
グルト曰く、プリキュアの力が守ってくれたんだろうとのことである。
ホントかどうかは分からないが、今こうして全員生きていることだけは確かである。
妖魔獣をやっとの思いで倒したというのに、すぐに出てきた新しい敵に私達は半ばうんざりしていた。
心美「二度あることはというけれど、全然うれしくないわよね」
恵「でも、あんな奴ら絶対放っとけないわ」
聖歌「はい、大変ですけど、また戦いましょう」
晶「何度でも悪い人達が現れるなら、何度でも戦うだけよ」
未来「私も手伝うわ、この世界絶対傷つけさせない」
明日香「よ〜し、みんなで頑張ろう!!」
とみんなで改めて決意を固めてすでに二週間、今のところ特に何も起きてはいない。
明日香「嵐の前の静けさってやつかな」
放課後
心美「今日も何も起きないね」
聖歌「いいことなんですけどね」
恵「でも気を抜けないわ」
晶「ええ、いつ仕掛けてくるか」
グルト「アイツらが来たら、グルトが知らせるグル」
未来「私も、すぐに飛んで行くわ」
明日香「ありがとう二人とも」
とりあえず今日も何も起きないだろうと思って、トリムを捕まえたりして下校していた時だった。
未来「なに、変な気配がする。まさかこれは!?」
グルト「アイツらグル!!」
二人の言葉に私達は顔を見合わせて頷いた。
明日香・心美・聖歌・恵・晶「「「「「プリキュアバワー、サモンアップ!!」」」」」
『サモン、ゴールドパワー』
『サモン、フレイムパワー』
『サモン、ウッドパワー』
『サモン、ラウンドパワー』
『サモン、ウォーターパワー』
私たちは五色の光に包まれて変身した。
ゴールド「金に輝く明日への希望 キュア・ゴールド!!」
フレイム「真っ赤に燃える心の炎 キュア・フレイム!!」
ウッド「新緑の映える聖なる木々 キュア・ウッド!!」
ラウンド「黄色に染まった恵みの大地 キュア・ラウンド!!」
ウォーター「命育む青き結晶 キュア・ウォーター!!」
未来「シャイニング・トランスフォーメーション!!」
『トランスフォーム』
ライト・ウイング「清らかな光溢れる正義の翼 ライト・ウイング」
未来も鮮やかな七色に光に包まれ、光の羽根を舞い散らしながら変身した。
ライト・ウイング「行きましょう、五丁目の方よ」
夢園市 五丁目
ゾーゾ「「「ゾーゾーゾー」」」
市民「うわーっ助けてくれ!!」
ゴールド「ゾーゾの大群!?」
ウッド「皆さん早く逃げてください」
到着した私達は、大量のゾーゾが町中で人を襲っているのを見た。
すぐにゾーゾ達を倒して回り、人を助けたが数があまりに多かった。
フレイム「くそ! 一体どれだけいるのよ」
ラウンド「アイツらもゾーゾを使うなんて」
そうしている間にも、ゾーゾは助けられなかった人の首に首輪をつけ、さらおうとしていた。
ウォーター「人をさらおうとしている!?」
ライト・ウイング「アイツら一体何を!!」
襲うだけでなく、誘拐しようとしている光景に多少戸惑っていると突然何かが飛んできた。
「貴様ら、プリキュアという奴らか。まさか生きていたとはな」
それは、鷹のような姿をしたロボットだった。
ゴールド「あなたもティア・ストランのロボットなの」
「その通り、俺はウイングの
ラウンド「一体何が目的なの!?」
O・ライト「決まっている。我が帝国の奴隷を捕らえにきたのだ。許可も無くうじゃうじゃと無秩序に存在する人間どもをな」
ウォーター「奴隷ですって、ふざけたことを言わないで!!」
ラウンド「そうよ!! 人間は奴隷なんかじゃないわ!!」
人を奴隷と呼ぶO・ライトにウォーター達は怒りを込めて言い放った。
O・ライト「ふざけているのは貴様達だ。機械神聖帝国 ティア・ストランのトップは、絶対的統治者たるA・テレス総統閣下。その下にサポートを行うM・キュリー様、その下に手足たる俺たちマシンロイド、人類など奴隷としてのみ生存を許される程度の最下層のものでしかない」
ゴールド「そんなこと、絶対させない!!」
ウッド「みんなは私達が助けます!!」
私とウッドはゾーゾに襲われている人達を助けに走った。
フレイム「こんの〜」
ラウンド「行くわよ」
フレイムとラウンドがO・ライトを挟み撃ちにして殴り掛かったが、高速移動でかわされ同士討ちをしてしまった。
フレイム・ラウンド「「キャア」」
ライト・ウイングも空を飛んで追いかけたが、
ライト・ウイング「くっ、追いつけない」
ウォーター「これでどう? プリキュア・ウォーター・バレット!!」
ウォーターが高速で空を飛び回るO・ライトに大量の水の弾丸を発射したが、
ウォーター「っ!! 当たらない!!」
空中を超音速で移動するO・ライト に弾丸が当たらず、流れ弾がライト・ウイングやゾーゾと戦っていた私とウッドに当たった。
ゴールド「イタタ」
ウッド「よく見てください」
そうこうしているうちに、人々がさらわれてしまった。
ゴールド「しまった!!」
悔しがる私達を見て、地上に降りてきたO・ライトは勝ち誇るように言った。
O・ライト「その場の思いつきで動くから、弱いのさ。人数はいても、バラバラなんだよ、貴様らは」
フレイム「なんですって!!」
O・ライト「組織や集団の基本は明確な指揮系統だ。リーダーの指示に絶対に従うことで、まとまり、強くなる。我らが、すべてA・テレス閣下の意思のもとに行動しているようにな。ところが、貴様らはどうだ。リーダーはいるのか?」
ウッド「うっ…それは…」
私達は言葉に詰まった。
O・ライト「所詮貴様らなど我々の敵ではない」
そんな私達を見て、嘲笑うようにそう言い残し、O・ライトは飛んで行った。
日本海溝の底にドームで守られた要塞のようなものが存在していた。
これこそが、機械神聖帝国 ティア・ストランの海底基地マシンランドである。
先ほどの戦いの一部始終を10サイのA・テレスはモニターで見ており、激怒しながらM・キュリーに言い放った。
A・テレス「M・キュリー、これはどういうことだ! プリキュアのデリートは完了したと聞いていたぞ」
M・キュリーはその言葉を怯えながら聞いていた。
M・キュリー「申し訳ございません。まさか奴らが生きていようとは」
A・テレス「この、ポンコツが! 我が10サイの一つ『裁断ショック』発動」
そう怒鳴ると、A・テレスの目が赤く光り、M・キュリーに取り付けられている装置から電流のようなものが発せられ、彼女の全身を痛めつけた。
A・テレス「覚えておけ、私の前ではすべてが完璧でなければならない。ミスを行えばその裁断ショックを私は躊躇無く発動させることを忘れるな」
M・キュリーはボロボロになりながら答えた。
M・キュリー「イ、イエス…」
未来の部屋
さっきの戦いでマシンロイドにいわれた事について私達は考えていた。
心美「リーダーか、考えたこと無かったわね」
明日香「みんな友達で、上も下もないもんね」
未来「前のプリキュアは二人だったからそんなの必要なかったし」
聖歌「でも、多人数をまとめるにはリーダーがいた方がいいかもしれません」
晶「あのティア・ストランに対抗するには同じようにまとまる必要があるでしょうしね」
恵「そうね、やってみる価値はあるわ」
グルト「じゃあプリキュアのリーダー、誰がやるグル?」
グルトの質問に私達は少し考えた。
明日香「うーんと、やっぱり晶さんがいいんじゃない。ほら、元々生徒会の役員だし、クラス委員もやってるからそういうの得意じゃない?」
心美「そうね、一番冷静だし」
聖歌「私も賛成です」
恵「異論はないわ」
未来「同じく」
みんなも賛成してくれた。
晶「分かった、引き受けたわ。じゃあまずはさらわれた人達を探しましょう。未来、上空を飛んでティア・ストランの居場所を探せないかしら」
未来「分かったわ、しばらく待ってて」
そう言って未来が変身して出て行って30分ほど後、ティア・ストランを見つけたと連絡が入った。
晶「未来ありがとう。みんな行くわよ」
明日香・心美・聖歌・恵「「「「了解」」」」
とある山の中
ライト・ウイング「捕まった人達はみんなあの洞窟の奥よ」
ラウンド「ゾーゾが見張りをしてるわね」
フレイム「でもあの鷹のロボットがいない。今のうちに乗り込もう」
ウォーター「待って。上を見て」
ウォーターの言葉に空を見上げるとO・ライトが飛んでいた。
ウォーター「上空から監視してるわ。うかつに行っては駄目」
ゴールド「さすがリーダー!」
私達は冷静なウォーターに感心した。
ウォーター「ライト・ウイング、アイツをここから引き離せるかしら」
ライト・ウイング「囮ってこと? 人使いの荒いリーダーね。まあいいわ、飛べるの私だけだしね」
仕方ないというようにぼやくとライト・ウイングは飛び立ち、上空でO・ライトに攻撃した。
ライト・ウイング「O・ライト、見つけたわよ。さっきの借りは返して上げる」
O・ライト「一人でくるとはいい度胸だ。返り討ちにしてくれる」
上空でO・ライトととの戦いが始まり、ライト・ウイングは攻撃をかわしたりしながら、少しずつ遠くへ誘導して行ってくれた。
ウォーター「作戦通りね、私達も今のうちに行くわよ」
私達は頷き合うと、見張りのゾーゾを不意打ち気味に倒して洞窟に侵入した。
洞窟の中
入ってみると、多くの人達が鎖でつながれ、反抗しようとするとゾーゾに痛めつけられていた。
フレイム「アイツら!!」
フレイムが怒りに任せて飛び込もうとしたが、ウォーターがそれを静かに止めた。
ウォーター「確実に助けられるように、奴らの注意がそれた隙を狙うの」
私達はゆっくりと頷くと、ゾーゾが捕まえた人達から離れた隙を狙って飛びかかり、ゾーゾを叩きのめした。
ウッド「みなさん、もう大丈夫です」
ゴールド「見張りはいません。早く逃げてください」
ラウンド「奥にまだ捕まってる人がいるみたいだわ」
ウォーター「ええ、行きましょう」
奥へ進んで行くと大きな鉄の扉があった。
フレイム「何この扉?」
フレイムが何気なくドアを叩くと警報が鳴り響いた。
ゴールド「いけない、見つかった」
警報を聞いてゾーゾが集まってきた。
ウォーター「なんとかドアを開けるわ、フォローをお願い」
ウッド「分かりました」
扉をウォーターに任せ私達はゾーゾの相手をしていた。
が、しばらく戦い続けるもなかなかドアが開く気配がなかった。
ラウンド「ちょっと、時間かかり過ぎじゃない?」
ゴールド「どんな感じなの」
いい加減しんどくなってきた私達はウォーターに尋ねた。
ウォーター「このドアは、10桁の暗証番号でロックされてるの。でたらめに入力してもまず無理だわ。だから非常用の開放システムがないか探してるんだけど…」
フレイム「けど何?」
ウォーター「それがどこにあるか分からないの。おそらく制御室みたいな場所があるんでしょうけど多分そこに行かないと…」
ウォーターの答えに、フレイムは
フレイム「あーもうさっきからイライラする! こうすりゃいいんでしょ! プリキュア・フレア・ボンバー!!」
そう言うや否や、フレイムは必殺技でドアを力任せに破壊した。
フレイム「ほら、これで先に行けるよ」
ゴールド「おおすごい!」
思わず私は拍手していた。
そうして先に行こうとしたら
ウォーター「みんな待って」
ウォーターが私達を呼び止めた。
ゴールド「どうかした、ウォーター?」
ウォーター「私がリーダーだと、行動力に難点があるわ。フレイム、そう言う意味では、体育会系のあなたの方がリーダーに向いているわ」
ウォーターは少し考えた後そう言った。
ウッド「確かに」
ラウンド「運動部の部長だし、プリキュアにはそっちの方が合ってるかも」
フレイム「私が…リーダー?」
ゴールド「リーダー、作戦は?」
私はフレイムの肩を叩いてそう言った。
フレイムは目をつぶって考えていたようだが、意を決したように目を見開いて言い放った。
フレイム「よーし、正面突破あるのみ。多少強引でも突き進むわよ!!」
「「「「オーっ!!!」」」」
上空
ライト・ウイングが三次元的な飛行を行い、O・ライトの攻撃をかわしつつ、攻撃を繰り返していた。
O・ライト「おのれちょこまかと!!」
ライト・ウイング「負け惜しみかしら? 空中戦はあなたの十八番なんじゃないの? ほらこっちよ」
ライト・ウイングはうまく挑発を繰り返し、O・ライトを洞窟から引き離して行った。
ライト・ウイング(大分時間も稼げた。うまくやってればいいけど、連絡が無いところを見ると、もう少し時間を稼ぐ必要があるかしら)
O・ライト「隙ありだ!!」
ライト・ウイングはわざと隙を作り、攻撃を受けて墜落していく振りをして地上へと降りて行った。
ライト・ウイング(うまく行った。さあ追いかけてきなさい)
O・ライト「ふん、逃がしはせんぞ」
O・ライトもとどめを刺さんと地上に降りていった。
O・ライト「やつめ、どこだ」
O・ライトが木々の間を縫ってライト・ウイングを探し歩いていると、ライト・ウイングが木の上から奇襲を掛けた。
ライト・ウイング「かかったわね、地上戦ならこっちのものよ」
O・ライト「なめるな小娘」
O・ライトは両腕の鷹の爪のようなかぎ爪で、ライト・ウイングを攻撃した。
その攻撃をライト・ウイングはうまく受け流しつつ、隙を見てはパンチを浴びせた。
O・ライト「おのれ」
ライト・ウイング(よし、うまく行けばこのまま倒せる)
その時だった。
M・キュリー「O・ライトこんなところで何をしているの?」
O・ライト「はっ、M・キュリー様!!」
M・キュリーが問い詰めるような口調とともに現れた。
M・キュリー「あなたが総統から拝命された任務は何?」
O・ライト「はっ、奴隷収容所の警備です」
O・ライトは敬礼をしながら答えた。
M・キュリー「その通り。それなのにあなたが持ち場を離れて、21分26秒、27秒…」
それを聞いてO・ライトは気づいた。
O・ライト「しまった、奴は囮!!」
M・キュリー「わかったなら、早く行きなさい!!」
O・ライト「イエッサー!!」
敬礼をするとO・ライトは洞窟に向かった。
ライト・ウイング「っ!! 待ちなさい!!」
ライト・ウイングが後を追おうとしたが、M・キュリーが指先から放ったマシンガンで足止めした。
M・キュリー「どこへ行くつもり? あなたの相手はわたしよ」
ライト・ウイング「やるしかなさそうね」
ライト・ウイングは舌打ちをしそうな顔でそうつぶやいた。
M・キュリー「当然よ。いいこと? チャンスとはそれに相応しい資質を備えた者にのみ与えられるものよ」
洞窟内
「「「「「うおーっ!!!」」」」」
私達はフレイムをリーダーに、洞窟内を突き進んで行った。
ゾーゾたちを片っ端から蹴散らし、捕まってる人達を解放していった。
フレイム「よし、作戦順調ね」
ゴールド「うんさすがリーダー」
ウォーター「やっぱりこの方がいいわね」
フレイムの行動力に富んだリーダーシップぶりに私達は感心していた。
その時、洞窟の天井の一部が大きく崩れてきた。
市民「「うわぁぁぁ!! 落盤だあ」」
その所為で、一部の人が瓦礫の向こうに閉じ込められてしまった。
ウォーター「大変!!」
ラウンド「みなさん大丈夫ですか? 怪我は?」
市民「大丈夫だ、誰も怪我は無い。でもこれじゃ出られない」
フレイム「ええいどうしよう。瓦礫を根こそぎ吹き飛ばしたら向こうの人も怪我しちゃうし、一個一個岩を取り除いてる時間もないし…」
突然のことにフレイムはどうしたらいいか悩んでいた。
ウッド「大丈夫です。えーっと、こことここの岩を取り除けば…、よいしょ」
ウッドが瓦礫の山を見つめた上で、いくつか岩を取り除くと、瓦礫がうまく崩れていった。
市民「おおっ助かった」
ウッド「さあ、出口はあっちです。早く逃げてください」
ウッドが脱出を促すと、みんな大急ぎで出口へと向かって行った。
ウッド「これで全員無事脱出出来ました。私達も出口に行きましょう」
ゴールド「ウッドすごい」
私は今の手際のよさに感心していた。
ウッド「私こういうパズルみたいなの得意なんです」
その言葉を聞いて、フレイムも感心したように言った。
フレイム「ねえ、私だとうまく行ってるときはいいけど、不測の事態に対応しにくいわ。そういう対応力があるウッドがリーダーに向いてると思うの。これからは任せるわ」
ウッド「へ?」
ウッドはきょとんとしていた。
とにもかくにも、さらわれた人達を助けた私達は出口へと向かって行った。
すると、出口についた時に怒り心頭のO・ライト がやってきた。
O・ライト「貴様ら、よくも捕らえた奴隷どもを逃がしてくれたな。叩きのめしてやる」
ゴールド「今の私達はこの前とは違うよ」
フレイム「リーダーでまとまった私達の力、見せたげるよ」
私達は堂々と言い放った。
O・ライト「面白い、貴様らの組織力見せてもらおうか」
ウッド「えっ? えっ? えっ?」
私達の会話をよそにウッドはかなり戸惑っていた。
ラウンド「リーダー指示は?」
ウッド「し、指示って!? む、無理です!! だ、大体こういうのは人一倍度胸の据わったラウンドの方が向いてます」
そう言って、ウッドはラウンドをぐいぐいと前に押し出した。
ラウンド「ちょっ、ちょっと」
O・ライト「どうした? 貴様らの組織力とは?」
O・ライトがどこか苛ついたように言った。
「「「「リーダー!!」」」」
私達もラウンドに催促した。
ラウンド「あーもう。一斉攻撃!!」
ラウンドが頭をかきむしりながら指示をすると私達はそれに従って、O・ライトに一斉に飛びかかった。
しかし、高速移動するO・ライト にあっさりかわされ、全員で頭をぶつけ合った。
ゴールド「イタタ」
フレイム「よく周りみてよ」
O・ライト「ふん、愚か者どもが」
頭を押さえているところに、O・ライトが上空から爆撃してきたため、私達は爆発に巻き込まれて見事に吹っ飛んだ。
フレイム「何でよ? ちゃんとリーダーを決めて動いてるのに、何でうまくいかないの?」
フレイムが悔しそうに地面を殴りながら言うと、O・ライトが馬鹿にするように笑った。
O・ライト「フハハハハ!! 実に素晴らしい組織力だ。貴様らの低能ぶりが見事に反映されている。さあ次はどんな立派な作戦でくるのかな」
ラウンド「作戦…、えーっと…」
ラウンドも悔しそうに顔を歪めていたが、何も思いつかないようだった。
O・ライト「哀れな奴らよ。もしまともなリーダーがいればもっと長生きも出来ただろうにな」
ゴールド「こ、こうなったら」
私は立ち上がりながら言った。
ゴールド「なるようになれ!!」
私は一人でO・ライトに突っ込んで行った。
「「「「ゴールド!!」」」」
フレイム「何考えてんの!?」
ウォーター「仕方がない。援護するわよ」
私は、O・ライトに殴り掛かるがパンチを受け流され、跳ね返された。
ウォーター「プリキュア・ウォーター・バレット!!」
でもその隙を狙って、ウォーターの水の弾丸がO・ライトに着弾した。
O・ライト「ええい、こしゃくな」
ダメージを受けたO・ライトは高く飛び立とうとしたが、
ウッド「プリキュア・アイビィ・チェーン!!」
蔦の鎖を足に絡み付け、それを阻止した。
ラウンド「今だ、プリキュア・サンド・ソーサー!!」
砂の丸鋸が背中の羽を切り裂き、O・ライトはバランスを崩して地上に落下して行った。
O・ライト「何!?」
フレイム「ハァァ!!」
そこを狙って、フレイムの飛び蹴りが炸裂した。
O・ライト「グハァ!」
O・ライトは大ダメージを受けて地面に転がった。
ラウンド「やった!!」
ウォーター「そういえば、私達、いつもこうだったわね」
私達は、なおも攻撃しながら気づいた。
ウッド「誰かが動くと、それに合わせて、みんなが動きました」
O・ライトが攻撃をしてきたが、それを庇い合った。
ラウンド「危ない時は、自然と誰かがフォローに回った」
フレイム「思いつきで動いているわけでも、バラバラなわけでもない」
ゴールド「とっさに動けるぐらい、私達のチームワークは、ばっちりなんだよ」
一方別の場所ではライト・ウイングとM・キュリーの戦いが続いていた。
M・キュリー「プリキュアの誰よりも優れていながら、自分より弱いものに使われる身とは、情けないとは思わないのかしら」
ライト・ウイング「それは違うわ。私はプリキュアの部下でもないし、使われてる訳じゃない。私達は上下関係なんかじゃない、心でつながってるのよ」
私ははっきりと分かった思いの丈を言い放った。
ゴールド「私達にはリーダーなんていらない。私達は大切な友達。友情という心の絆が私達の強さよ」
私の言葉にみんなは頷いていた。
「「「「「絆の生んだ奇跡の力!! エンジェルプリキュア!!」」」」」
ゴールド「みんな、いくよ」
私たちは、金色の光を放つキュアブレスを頭上に掲げた。
するとひときわ大きな光の玉が私たちの頭の上にできた。
O・ライト「なめるな!!」
バランスを崩しながらも、O・ライトは飛び上がり高速移動でかく乱してきた。
フレイム「なっ」
ウッド「こんなに早く動き回られたら当てられません」
O・ライト「その通りだ、食らえ」
戸惑っている私達に爆撃を加えてきたため、私達は散り散りになって回避した。
その結果光の玉が消滅してしまった。
ラウンド「くっ、エンジェリック・シンドロームが撃てない」
ウォーター「まずいわ!!」
ゴールド「まだだよ!!」
みんなの不安をかき消すように私は言った。
事実、キュアブレスには金色の光が輝いたままだった。
ゴールド「当てられないなら当てられるようにすればいいんだよ」
私は大きくジャンプして必殺技の体勢に入った。
しかしその隙を狙って、O・ライトがミサイルで攻撃しようとしてきた。
フレイム「ゴールド!!」
ウッド「危ないです!!」
ラウンド「助けないと!!」
ウォーター「今行きます!!」
みんなも私の回りに大ジャンプしてきた。
その時だった。キュアブレスがひときわ大きく輝くと、私達5人は巨大な光の玉になり、そのままO・ライトの方へと飛んで行った。
O・ライト「なんだこれは?」
O・ライトはミサイルを発射したが、光の玉となった私達にはミサイルが跳ね返された。
O・ライト「おのれー」
O・ライトはジグザグに飛んで逃げようとしたが、私達はぴったりとそれにくっついて行った。
O・ライト「くっそー!! 引き離せん!!」
ゴールド「いっくよー!!」
ゴールド・フレイム・ウッド・ラウンド・ウォーター
「「「「「絆の紡ぐ奇跡の光! プリキュア・エンジェリック・ダイナマイト!!」」」」」
私達はそのままO・ライトに突撃した。
O・ライト「ぐおおーっ!!」
直撃したO・ライトは大爆発を起こしバラバラになった。
これを見ていたライト・ウイングとM・キュリーは驚き半分、呆れ半分だった。
M・キュリー「なんて不合理なことをするのかしら、理解できないわ」
ライト・ウイング「理解できなくて結構、それがプリキュアよ。受けなさいシャイニング・ナックル!!」
一瞬攻撃の手が鈍ったM・キュリーにライト・ウイングの重い一撃が炸裂した。
M・キュリー「ぐっこんな!! あなた達の力は分析済みのはず」
ライト・ウイング「たった今、理解できなかったくせによく言うわ。ずいぶん型落ちしたコンピューターで分析したみたいね」
小馬鹿にするように言い捨てるとライト・ウイングはシャイニングパレットに力を込めだした。
ライト・ウイング「汚れた魂を浄化する正しき光を受けなさい!! ライト・ウイング・サンシャインフラッシャー!!」
パレットを一振りすると、大きな光のヒマワリがライト・ウイングの前に現れ、すごくまぶしい光が照射された。
M・キュリー「まさか!! ああっー!!」
ライト・ウイングの必殺技をまともに受けたM・キュリーもまた大爆発してバラバラになった。
それを確認すると、ライト・ウイングは一息ついた。
ライト・ウイング「ふう、こっちも一丁あがりっと」
未来の部屋
グルト「勢いで新しい合体攻撃を作っちゃうなんてすごいグル!」
明日香「えっへん!! なせばなるのだ」
グルトの大絶賛に私は鼻高々に胸を張ったが
心美「どう考えてもたまたまでしょうが」
恵「運が良かっただけというか」
晶「正直、本当に奇跡の光だったわ」
聖歌「無事に帰って来れたのも奇跡かもしれません」
未来「まっ、らしいっちゃらしいけど」
みんなの評価はかなり低かった。
明日香「ううっ、みんなひどい…」
みんなの言い様に私はいじけてしまった。
グルト「でも、なんだかんだで明日香が中心になってるグル。 仲間を思いやれる事が一番大切なことグル」
心美「まあね」
聖歌「です」
恵「私達がプリキュアになったのも、ね」
晶「ホント、大した人だわ」
未来「まあ、プリキュアの光が最初に認めただけのことはあるわね」
明日香「ぐっすん、ありがとうグルト」
グルトのフォローに私は少し立ち直った。
機械神聖帝国 ティア・ストラン 海底基地マシンランド
手術台のような所に横たわっていたM・キュリーの目が光り輝き、起動した。
ライト・ウイングに敗れ、バラバラに破壊されたはずの彼女をA・テレスがもう一度組み立てたのだ。
M・キュリーは状況を把握すると、感謝の念を込めて言った。
M・キュリー「A・テレス総統、私を必要と見なし再度組み立ててくださったのですね。 私はその思いに必ずや…」
その言葉が言い終わらないうちにA・テレスの怒号が飛んだ。
A・テレス「思い上がるな!! このポンコツが!!」
すると、M・キュリーに取り付けられた裁断ショックが起動し、電撃がM・キュリーを痛めつけた。
A・テレス「覚えておけ、貴様とて私からすればただのマシンロイドの一体でしかない。必要なのは、貴様が交戦したプリキュアとライト・ウイングの戦闘データだ」
M・キュリーは愕然としながらその言葉を聞いた。
M・キュリー「そ、そんな…、私は最高性能のマシンロイドなのでは? だからこそ私が必要なのでは…」
A・テレス「黙れ! この世界で最高の性能を持つものとはこの私だ。まさかそんなことも分からないポンコツではあるまいな」
その低い声にM・キュリーは何も言えなかった。
A・テレス「立場が分かったならば、先ほど回収した奴の調整を行うのだ。十二分に奴には働いてもらわねばな」
M・キュリー「イエス…」
M・キュリーの声はかなり暗かった。
続く
怪人紹介
このティア・ストランの怪人は名称モチーフが分かりにくいかもしれないので簡単な説明を付けます。
10サイのA・テレス
白い甲冑に身を包んだ鎧武者のようなロボット
ティア・ストランの総統
名称モチーフは哲学者 アリストテレス(Aristotélēs)
エージェントのM・キュリー
女性型ロボット
名称モチーフは放射線の研究者マリー・キュリー(Marie Curie)ことキュリー夫人
ウイングのO・ライト
鷹の能力を持ったロボット
名称モチーフは飛行機の発明者の一人、オーヴィル・ライト(Orville Wright) ライト兄弟の弟