エンジェルプリキュア   作:k-suke

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注意 閲覧の前に



この話には、プリキュアのタブーに触れる描写があります。

人によっては、読まれた事でかなりの不快感を感じられるかと思います。

しかし、これは執筆当初から予定していた展開であり、変更するつもりは一切ありません。

ただ、この物語は最終的にはハッピーエンドにする事は決めておりますので、不快に思われた方も、ご安心ください。


以上を了承の上で閲覧ください。



第23話 衝撃の真実 世界の敵はプリキュア!?

 

 

アルティメット「闇を裂く究極の閃光 キュア・アルティメット!!」

 

 

私達の頭は目の前の現実に完全についていっていなかった。

 

ゴールド「キュ、キュア・アルティメット!?」

 

フレイム「って、アイツ、フライシアよね!? 今までずっと戦ってきた」

 

ウッド「は、はい。間違いありません。この目で見ました」

 

ラウンド「それより、ホントにプリキュアなら、味方ってことなの!?」

 

ウォーター「そ、そう言う事になるけど、あの人ホントにプリキュアなの!?」

 

ライト・ウイング「あ…あ…、アルティメット…」

 

 

 

混乱している私達をよそに、キュア・アルティメットはバキバキと指を鳴らし、ぐるぐると肩を準備運動のように回すとニィ〜と笑って言い放った。

 

アルティメット「さ〜てと、派手に行くぜ!!」

 

そう叫んだアルティメットは怪人達に向かっていき、筋タロウに殴り掛かった。

 

 

アルティメット「オラァ!!」

 

そのパンチは強烈で、一撃で筋タロウを数メートル殴り飛ばした。

 

 

筋タロウ「ぐ…、貴様…」

 

なんとか起き上がった筋タロウはパンチを繰り出したが、アルティメットはそれを片手であっさり受け止めた。

 

アルティメット「どうした筋タロウ? 随分非力になったな?」

 

筋タロウ「ぬう…!」

 

筋タロウは苦し紛れにもう片方の手でパンチを繰り出すも、それすらアルティメットは受け止め、そのままおかしな方向にねじ曲げ両腕をへし折った。

 

 

筋タロウ「ギャアアア…」

 

 

フレイム「す、すごい力!! あの筋タロウを…」

 

彼女の怪力に驚いている私達をよそに、悲鳴を上げて苦しんでいる筋タロウをローリングソバットで大きく蹴り飛ばした。

 

 

 

A(アリス)・テレス「プリキュアめ!!」

 

A・テレスが大量のミサイルをアルティメットに向けて発射した。

 

しかし彼女はミサイルをパンチやキックで全弾汁ベエやA・テレスの方へ弾き飛ばし、爆発に巻き込まれた二人は大きく吹き飛んだ。

 

汁ベエ「どっへ〜!」

 

A・テレス「ぐおおおっ!」

 

アルティメット「へっ、ブラックムーンで格闘技術や素のパワーそのものをアップさせて…」

 

 

 

レッドビー「おのれ!!」

 

モスブラック「ふん!!」

 

隙ありとばかりにレッドビーとモスブラックが光弾を発射した。

 

しかし彼女は突然溶けたように姿を消した。

 

ゴールド「消えた!?」

 

ウォーター「違うわ、影に潜ったのよ!」

 

ウォーターの言葉通り、アルティメットは次の瞬間モスブラックの足下の影から姿を現し、アッパーパンチを浴びせた。

 

 

 

そして彼女は腰のところにある六角形の小さな箱に手をやった。

 

アルティメット「妖魔獣からは幻術の力を得て、影に出入りできるようにして、ラドンパの箱の作り方を覚えて…まあ小型化した分、なんとかポケットみたいな機能しか持たせられなかったがそれで十分だ」

 

その箱からは剣が飛び出してきて、それを手にレッドビーとモスブラックに斬りかかった。

 

レッドビー・モスブラック「「ぐああー!!」」

 

レッドビーとモスブラックはかわすなり受けるなりしたかったようだが、すごいスピードで振りおろされた剣にどうする事も出来なかった。

 

 

 

さらにアルティメットはジャンプして、怪人達の頭上を取ると、その箱に剣をしまうと、今度は大きな四連発式のロケットランチャーを取り出して、ミサイルを乱射した。

 

「「「どわあー!!!!」」」

 

大爆発に巻き込まれた怪人達は悲鳴とともに大きく吹き飛んだ。

 

 

 

アルティメット「んでもって、ティア・ストランから技術力を学んで、ついでに武装させてもらった。負けねえよ、もうどんな野郎が相手でもな!!」

 

ロケットランチャーをしまいながらアルティメットは自信満々にそう言い放った。

 

 

ウッド「色んな組織にいたのはそう言う理由で…」

 

 

 

 

 

汁ベエ「くっ、調子に乗るんじゃな〜いよ」

 

汁ベエがゲル状になって攻撃しようとしたが

 

アルティメット「どっちが調子に乗ってんだ、死に損ないが。プリキュア・エレクトロン・シャワー!!」

 

アルティメットが右手のひらを空にかざすと、電気の火花が、雨の様に降ってきて、怪人達にさらにダメージを与えた。

 

 

汁ベエ「あ〜ぢゃぢゃぢゃ!!」

 

アルティメット「けっ、この四年間でプリキュアとしての元々のパワーもアップしてんだよ。バーカ!!」

 

筋タロウ「おのれ…」

 

怪人達はアルティメットから受けたダメージですでにボロボロだった。

 

 

 

 

アルティメット「さ〜てと、そろそろとどめと行きますかね。試し斬りだ、新必殺技のな」

 

 

そう言って、アルティメットは再度剣を取り出して、空にかざした。するとその剣に向けて雷が落ちた。

 

 

アルティメット「はああ」

 

そのまま剣を大きく振り回して、切っ先を怪人達の方に向けると、電撃の混じった横向きの竜巻が発生して、怪人達を拘束した。

 

モスブラック「ぬう、う、動けん」

 

汁ベエ「ま、まずいよ〜。これは」

 

怪人達は必死にもがくも、まともに指一本動かせないようだった。

 

 

アルティメット「へっ、もらったぜ!!」

 

そう言い放ち剣を構えると、背中から二対四枚の翼を広げ、滑るように突っ込んでいった。

 

次の瞬間、アルティメットは姿を消したかと思うと、怪人達の後ろの影から不意打ち気味に出現し、突っ込んでいった勢いそのままに全員を背中から真一文字に叩き切った。

 

 

 

アルティメット「プリキュア・アルティメット・グランプリ!!」

 

 

 

 

「「「覚えておけ!! プリキュアー!!」」」

 

 

必殺技の決まった怪人達は恨みの声とともに大爆発した。

 

アルティメット「あいにくだな、下らねえことはすぐ忘れる事にしてんだよ。バーカ!!」

 

 

 

 

 

アルティメットの一連の戦いぶりを見て、私達は感嘆のため息をついていた。

 

ウォーター「す、すごい…」

 

ラウンド「なんて強さ…。あの五人を一方的に…」

 

ゴールド「でもはっきりしたよ、あの人はプリキュア。私達の仲間だよ」

 

そう、私は確信していた。たった今怪人達と迷わず戦ってくれたことから、あの人はまぎれもなく「プリキュア」だと。

 

 

アルティメット「さーて、と。お次は…」

そう呟きながら剣をおさめたアルティメットが私達の方に振り返った。

 

 

 

 

私はアルティメットに駆け寄って握手を求めた。

 

ゴールド「あの、ありがとうございました。私は…」

 

だがアルティメットは私達ではなくどこか別の方を見て何か探しているようだった。

 

 

フレイム「あの、何か探してるんですか?」

 

フレイムが尋ね終わったかと思うと、アルティメットはついに見つけたというような表情とともに、大ジャンプした。

 

 

アルティメット「逃がすかテメエ!!」

 

アルティメットのジャンプした先に何があるのかと思い、見てみて驚いた。

 

なんとそこにいたのは、逃げ出そうとしていたグルトだった。

 

 

そしてアルティメットはグルトの前に着地すると、憎しみをぶつけるかのような目でグルトを睨んだ。

 

グルト「グ…グル…。ア、アルティメット…」

 

 

 

グルトは完全に蛇に睨まれた蛙といったように怯えていた。

 

そんなグルトにアルティメットは吐き捨てるように言い放った。

 

アルティメット「相変わらずだなテメエも。本来なら無関係なはずの女に戦わせて自分は高見の見物か。この、くず野郎が!!」

 

 

その言葉とともにグルトを思いっきり蹴り飛ばした。

 

グルト「グルー!」

 

ゴールド「グルト!!」

 

蹴り飛ばされたグルトに駆け寄り私はグルトを抱え上げた。

 

 

 

ウッド「グルトさん、大丈夫ですか?」

 

ウォーター「あなたどういうつもり? いきなり何を!?」

 

ウォーターの質問は私も言いたい事だった。事態がうまく飲み込めないのだ。

 

 

アルティメット「どういうもこういうもねえ。ほら出せ、エンジェルクリスタルを。そうすりゃ、手荒な事はしねえからよ」

 

ラウンド「こんな乱暴なことする人に渡せる訳ないでしょ!」

 

フレイム「まさかとは思ったけど、アンタやっぱり敵で裏切り者ってこと?」

 

 

 

フレイムの言葉にアルティメットの眉がピクリと動いた。

 

アルティメット「裏切り者? そ、れ、は…」

 

アルティメットは静かにそう言いながら、ゆっくりと左拳を引いていった。

 

アルティメット「そいつのことだ!!」

 

怒声とともに左拳を突き出すと、突然竜巻が発生して私達はそれに巻き込まれた。

 

「「「キャアアア!!!」」」

 

 

竜巻にしばらく巻き込まれ続けた私達は、ボロボロになって地面に叩き付けられた。

 

 

 

フレイム「なんて…威力よ…」

 

ウッド「体が…バラバラになるかと思いました…」

 

ウォーター「みんな…大丈夫?」

 

ゴールド「うん…。それよりどういうこと? グルトが裏切り者って…」

 

 

すると私のいや、私達の疑問に答えるようにアルティメットはゆっくりと話し始めた。

 

アルティメット「四年前、あたしと翼はプリキュアになって妖魔獣と戦って、汁ベエと筋タロウをラドンパの箱に封印した」

 

それを聞いて私は驚いた。

 

 

ゴールド「あ、あなたが、グルト達の言ってたゴッデスプリキュアなの!?」

 

アルティメット「ああ、そうさ。あたし達はそいつが必死に頼むから、仕方なくプリキュアになった。世界を救うためだとか、人類のためだとかなんとか言われてな。だがそいつは…そいつは…」

 

彼女は怒りに満ちた目つきで肩を振るわせながらグルトを指差した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルティメット「最後には、あたし達を妖魔獣に売りやがったんだ」

 

 

 

 

 

 

 

ゴールド「う、うそ…」

 

フレイム「そ…ん…な…」

 

ウッド「ど…どういう…こと…ですか…」

 

一瞬彼女が何を言ったのか理解できなかった。

 

頭が真っ白になってなにも考えられなかった。

 

 

アルティメット「四年前、私と翼が家族ぐるみでハイキングに行った時だった。

そいつは私と翼のキュアブレスを調整すると言って、私達から預かった。」

 

アルティメットは静かに語り始めた。

 

アルティメット「でもそいつは、妖魔獣の汁ベエと筋タロウとこっそり取引をしていて、キュアブレスを妖魔獣に渡しやがったんだ。キュアブレスを渡せば、妖魔獣はもう行動をしない。そうすればフェアリーゾーンも無事だと汁ベエと筋タロウが持ちかけた話にそいつは乗った」

 

そう言うアルティメットの肩は小刻みに震え出した。

 

 

アルティメット「でも、当たり前だがアイツらがそんな約束守る訳も無かった。その所為で、妖魔獣に襲われてもプリキュアに変身できなくて…父さんも…母さんも…翼の両親も…翼も…みんな死んだんだ!!!」

 

 

アルティメットは目に涙を浮かべながら怒りの形相でそう言い放った。

 

 

信じられない。嘘に決まってる。私はそう叫びたかった。でも彼女の言葉には重みがあった。真実を知っている人だけが言う事の出来る重みが。

それを否定する術を私は持っていなかった。

 

 

アルティメット「翼が自分を犠牲にして妖魔獣からキュアブレスを取り返してくれたから、かろうじてあたしだけは助かって、なんとか妖魔獣を封印できたんだ。でもそいつは翼が殺されたら、自分だけはフェアリーゾーンに逃げ帰った。忘れねえぞ、フェアリーゾーンの為に仕方なかった、伝説の戦士プリキュアだから諦めてくれとかいう台詞は!!」

 

吐き捨てるように彼女は続けた。

 

 

フレイム「し、信じられるもんか、そんな話が!!」

 

フレイムは何かを振り払うように叫びながら立ち上がった。

 

私も信じたくなかった。しかし、何も言い訳をしないグルトを見て、彼女の言葉が真実なのだと嫌でも思い知った。

 

 

フレイム「こ、これでもくらえ。プリキュア・フレア・ボンバー!!」

 

フレイムは目の前のアルティメットを否定しようとするように必殺技を放ち、ハンドボールぐらいの火の玉が、アルティメットに向かって飛んでいった。

 

アルティメット「ええい、わっかんねえ奴らだな。プリキュア・エレクトリック・ボンバー!!」

 

すると、アルティメットもフレイムとほとんど同じモーションで電撃の玉を打ち出した。

 

しかし、彼女のそれは大玉転がしに使うのではないかと思えるほど巨大な物であっさりフレイムの火の玉を飲み込んでしまった。

 

フレイム「う、うそでしょ!?」

 

その玉の大きさに驚いて動けなくなったフレイムを庇うようにラウンドが咄嗟に前に出た。

 

ラウンド「プ、プリキュア・サンド・ソーサー!!」

 

砂の盾を展開して攻撃を防ごうとした。が

 

そんな物など紙の盾だと言わんばかりで、アルティメットの攻撃には何の影響も与えず、電撃の玉は私達に直撃した。

 

「「「キャアアア!!」」」

 

 

 

アルティメット「あのな。お前らのその力は、あたし達がエンジェルクリスタルを隠すために残したプリキュアの力のちっぽけな欠片だ。はっきり言って変身出来ただけでもびっくりなおもちゃレベルの物なんだからな」

 

アルティメットは呆れ返ったようにそう言った。

 

 

確かによくよく見てみると、彼女のコスチュームは、イヤリングが片方無かったり、ラインやフリルが所々不自然に少しだけ欠けていた。

 

おそらくその欠けた部分が私達の力の元なのだろう。

 

アルティメット「大体、その妖精の王子様は、その力が劣化コピーでしかないことも、オリジナルのあたし達の力には到底及ばないことも、はじめからわかってたはずだ。それでいて命がけの戦いをさせようってんだから、もう呆れ返って言葉もねえよ」

 

 

 

ウォーター「あなただって、私達が戦ってる間、何もしてなかったじゃない。自分の事を棚に上げてよくも!! プリキュア・ウォーター・バレット!!」

 

ウォーターがその叫びとともに大量の水の弾丸を発射した。

 

 

アルティメット「あ〜… あたしとしちゃ手はちゃんと貸してやってたつもりなんだがな。プリキュア・フェザー・バレット!!」

 

アルティメットは、頬を掻きながら、今度はウォーターと同じようなモーションで羽の弾丸を発射して、ウォーターの攻撃をこともなげにすべて撃ち落とし、ついでに何発か攻撃を当ててきた。

 

ウォーター「キャアアア!!」

 

 

 

 

 

フレイム「くっ、ライト・ウイング。手を貸して!」

 

苦戦をしていたところ、フレイムがそう呼びかけた。

 

 

ライト・ウイング「あ…うあ…」

 

この一連の流れを見ていながら、ライト・ウイングは何も言わずただ棒立ちになっていた。

 

しかし、ついに意を決したかのように雄叫びを上げてアルティメットに向けて突っ込んでいった。

 

 

 

ライト・ウイング「う、うわーっ!!」

 

 

しかし、それはどこかやけくそ気味であり、普段の彼女からは考えられない光景だった。

 

そしてそんな状態で繰り出したパンチは、当然あっさり受け止められた。

 

 

アルティメット「よう、威勢の良さは相変わらずだな。バター」

 

するとアルティメットは久しぶりに会った友達に話し掛けるように、ライト・ウイングに話し掛けた。

 

その言葉にライト・ウイングは一瞬肩をビクリと振るわせた。

 

 

アルティメット「こうやって、面と向かって会うのも四年ぶり……でもないか。妖魔獣と戦ってた時に、一度檻を挟んで会ったっけ。随分見た目は変わってたが、初めて見た時にすぐにお前だとわかった。お前があたしと翼のプレゼントを大事にしててくれたのには嬉しかったぜ」

 

ライト・ウイング「え…あ…う…」

 

突然話し掛けられた事にライト・ウイングは混乱しているようだった。

 

無理もないだろう。彼女、キュア・アルティメットはライト・ウイングの未来の憧れの人なのだから。

 

 

ウッド「ライト・ウイング、下がってください!! プリキュア・アイビィ・チェーン!!」

 

ウッドが蔦の鎖でアルティメットの手をからめ捕った。

 

そのおかげでライト・ウイングの拳はアルティメットから解放された。

 

しかし、アルティメットは顔色一つ変えず、鎖にからまれた手を振り回し、逆にウッドを引きずり回した。

 

 

ウッド「うああーっ!!」

 

散々振り回されたウッドは大きく投げ飛ばされ、地面に叩き付けられた。

 

 

ゴールド「ウッド!! ええい、プリキュア・ゴールド・ブレイカー!!」

 

私は大ジャンプして、オレンジのオーラを纏った。しかし次の瞬間

 

アルティメット「プリキュア・プラズマ・チェーン!!」

 

 

アルティメットが光の鎖を放ち、私はそれにからみ取られてしまい、おまけに

 

ゴールド「うわーっ!!」

 

 

強烈な電撃がその鎖から流れ込み、ダメージを受けた私はそのまま墜落してしまった。

 

私はボロボロになりながらも、怯えているグルトを視界の端に捕らえた。

 

ゴールド「グルト…、大丈夫? 私達が守るから…」

 

アルティメット「もういいだろう。そこまでして守るほどのもんでもあるまい。早くエンジェルクリスタルを渡せ」

 

 

ボロボロの私達を見て、アルティメットがなおもエンジェルクリスタルを渡すよう要求してきた。

 

ゴールド「渡せないよ。グルトの国のために必要なんだから…」

 

私はグルトを、フェアリーゾーンを守りたくて必死だった。

 

その私の言葉にアルティメットは頭を掻きながら言った。

 

 

アルティメット「あーもう、しゃあねえな」

 

そして、アルティメットは大ジャンプし、電撃のような物を全身に纏った。

 

 

アルティメット「プリキュア・ライトニング・ブレイカー!!」

 

すると電撃を纏ったアルティメットは稲妻の様に私達に突撃してきた。

 

「「「キャアアア!!!」」」

 

その攻撃に私達は吹き飛ばされ、グルトも離れたところに飛んでいってしまった。

 

 

 

それを確認すると、アルティメットは間髪入れずグルトのところへジャンプした。

 

グルト「グ…グル…」

 

グルトはアルティメットに怯えているようだったが、そんな物は気にも止めないといったように、彼女はグルトを蹴飛ばした。

 

その衝撃で、エンジェルクリスタルがグルトの懐から転がり出た。

 

 

アルティメット「やれやれ、やっと手放したか。この期に及んでどこまでも腐った奴だ」

 

そのエンジェルクリスタルを手にしたアルティメットは、汚いものでも見るかのようにグルトを見て、そう吐き捨てた。

 

 

フレイム「アンタ…、それでどんな願いを叶えようってのよ!!」

 

フレイムが必死に立ち上がりながら、アルティメットを睨みつけて言った。

 

ウッド「まさか…死んでしまった家族や仲間を…」

 

私もそうじゃないかと思っていた。もしそうなら話し合いの余地はあるとも。

 

 

 

するとアルティメットの言葉は斜め上を言った。

 

アルティメット「見損なうな、こんなもので願いを叶えようと思うほど性根は腐っちゃいねえよ。この世界でやりたい事もあるし、世界をぶっ壊すなんてこともしたくないしな」

 

 

ラウンド「ちょっ、ちょっと。何よそれ、何でエンジェルクリスタルを使う事が世界を壊す事なのよ」

 

ウォーター「それは、願いを叶えてくれるフェアリーゾーンの宝物なんでしょう」

 

アルティメットの言葉に戸惑っていると、アルティメットは呆れたように言った。

 

 

アルティメット「はーん、なるほどな。その程度の認識な訳だ。いや当然教える訳もないか」

 

フレイム「どういうことよ。アンタは何を知ってるのよ!?」

 

 

フレイムが尋ねると、アルティメットはため息をついて静かに答えた。

 

アルティメット「あまり言いたくはないんだがな。どんな願いも叶うエンジェルクリスタル。そんな都合のいい物がこの世にホントにあると。何のデメリットもなく願いが叶えられると、お前らいい年して本気で思ってるのか」

 

 

ウッド「ど、どういうことですか…」

 

 

アルティメット「トリムはな、確かにこの世界の希望の結晶なんだ。その本来の役割はこの世界の闇の力が大きく育つのを封じることだ。闇の力が大きくなり始めると現れて、そいつが大きく育つ前に相殺する。四年前の妖魔獣はそれでも抑えきれなかったんだが、まあ本来そういうもんなんだよ」

 

アルティメットは静かに語り始めた。

 

 

アルティメット「そんなもんを闇の力と相殺する前に、片っ端からエンジェルクリスタルに集めていけばどうなると思う。闇の力が一方的にどんどん増大していくんだよ。よ〜く思い返してみろ。トリムを捕まえるとそのたびに敵が出てきたはずだ」

 

その言葉に私達は記憶をたどった。

 

思い返してみると、確かにトリムを捕まえるたびに怪人がすぐに出てきていた。

 

 

 

ラウンド「じゃ、じゃあまさか…何もかも私達がトリムを集めていたから…」

 

あまりのことに私達は言葉を失い、ラウンドも必死にその言葉をひねり出したようだった。

 

 

アルティメット「そうだよ。そして希望の結晶であるトリムを一定以上集めて願いを叶えると、その対価として世界の全ての希望は消え去り、絶望の世界になる。だから絶対に使っちゃいけねえ力なんだよ」

 

フレイム「で、デタラメに決まってる!! 何でアンタがそんな事知ってるのよ!!」

 

ゴールド「そ、そうだよ!! きっとグルトもそんな事になるって知らなかったんだよ!!」

 

 

フレイムと私は全力で事実を否定するように叫んだ。が、アルティメットはグルトを指差して続けた。

 

アルティメット「全部そいつが四年前にあたし達に言った事だ。エンジェルクリスタルは願いの代わりに世界を破滅に導くと。だから本当にどうしようもなくなったときにだけ使う禁断の力だと。だからこそあたしと翼はエンジェルクリスタルを悪用されないように、プリキュアの力の欠片で封印したんだ」

 

ゴールド「ふ、封印!?」

 

 

 

アルティメット「そうだよ。あたし達の行動圏内で手軽に監視が出来て、人目にもつきにくいところ。それが学校の図書館だった。プリキュアの力を少しだけ残して、汚れた魂を持つ奴には絶対に見つけられないようにした、はずだった。そいつがブラックムーンの奴に在処をペラペラしゃべらなければな!!」

 

ラウンド「な!!」

 

アルティメット「新月のフライシアが言ってたぜ。ちょっと脅したら妖精の王子様が命惜しさにペラペラしゃべったって。フェアリーゾーンにエンジェルクリスタルはないから、今ヒューマンゾーンに置いてあるから、自分たちを見逃してくれと立派な王子様がぬかしたとな。全く、自分の国が守れれば、他の連中はどうでもいいってか。ご立派な王子様だよ!!」

 

 

ゴールド「じゃあブラックムーンがヒューマンゾーンに来たのも、妖魔獣やティア・ストランが復活したのも! 全部グルトが悪いって言うの!!」

 

私は彼女の吐き捨てるような言葉を否定したくて、自分の信じていた事を、友達を信じたくて必死の思いで叫んだ。

 

しかし、アルティメットの答えはあまりにも冷徹なものだった。

 

 

アルティメット「そう言ってんだよ。さあ、わかったならもういいだろ」

 

 

 

ラウンド「やめなさい! だったらあなたの願いを叶えてしまったら…」

 

ラウンドがそう言うとアルティメットは呆れたように言った。

 

 

アルティメット「人の話を少しは聞け。そんな事する気はねえって言ったろ。大体そんな気ならとっくにやってる」

 

そう言いながらアルティメットはエンジェルクリスタルに何かの力を込めた。

 

するとエンジェルクリスタルが光り出したと思うと、中にいたトリムがすべて飛び出してきた。

 

 

ウォーター「な!!」

 

驚く私達をよそに、アルティメットは満足そうに飛んでいくトリムを見つめていた。

 

 

アルティメット「これでいい。これで闇の力も浄化されるから、世界も平和になる。と、こいつが最後の一匹だ。 フラッシュ・イリュージョンで新月のフライシアに化けてた頃から世話になったな。おかげで綱渡りみたいな作戦もうまくいった」

 

アルティメットは懐からトリムを取り出すとそれもまた逃がした。

 

 

ゴールド「いったい、何で…? 家族や友達を生き返らせたりするんじゃ…」

 

私達はてっきりそのつもりだと思っていたから驚いていた。

 

 

アルティメット「あん? まあそんなことを一度も考えなかったといえば嘘になるがな」

 

フレイム「じゃあ何で? アンタにとって家族や友達ってそんな程度だったの?」

 

アルティメット「いや、大事な奴らだった。それを取り戻せるならと思った事もある。でもあたしはその現実を受け止めて今を生きているからな」

 

ウッド「え…」

 

アルティメット「どんなにつらい過去でも、それを否定してしまえば、今度は今の自分を否定することになる。嫌な過去を変えて、自分の望み通りの明日を生きる。でもな、そんなのはつまんねえじゃねえか」

 

そして彼女はエンジェルクリスタルを持つ手に力を込めた。

 

 

アルティメット「だから、そもそもこんな物はいらねえ。夢も明日も自分でつかみとるもんだろ!!」

 

力強く言い放たれたその言葉とともに、エンジェルクリスタルは粉々に握りつぶされ、バラバラと手から崩れ落ちていった破片も光になって消えていった。

 

 

ゴールド「あ…あ…」

 

彼女の言葉と目の前の光景に私達は言葉を失った。

 

 

 

そしてアルティメットはグルトの方にゆっくりと足を進めていった。

 

アルティメット「悪用を防ぐために、ホントは四年前も封印じゃなくこうして破壊しようと思った。でもお前の国の宝だと言うから、あえてそうしなかった。今回もエンジェルプリキュアなんて立派な奴らといれば、アイツらを友達だと本気で思っていれば、いつかは考え直すんじゃないかと考えたんだがな。お前なんかを信じようとしたあたしが馬鹿だったよ」

 

そして怯えているグルトの首をつかむと顔の高さまで持ち上げた。

 

するとグルトは必死に叫び出した。

 

 

グルト「わ、悪かったグル!!」

 

アルティメット「あ?」

 

グルト「全部、全部謝るグル!! 何でもするグル!! だから、だから許して欲しいグル!!」

 

それを聞いたアルティメットはしばらくの沈黙の後、グルトをつかんでいた手を放した。

 

 

 

グルト「ケホケホ。わ、わかってくれたグル!?」

 

解放されたグルトは嬉しそうにアルティメットを見上げたが、そこで凍り付いた。

 

私にも見えた彼女のグルトを見下ろす目は、完全に軽蔑しきったような、まるで興味のない物を見るかのような目だった。

 

 

アルティメット「そうかよ。じゃあ二度とあたしの前にその面を見せるな」

 

感情の全くこもらない声でそう言うとアルティメットは踵を返して歩き出した。

 

 

 

 

フレイム「ま、待ちなさいよ。どこに行くのよアンタ!?」

 

フレイムが叫ぶと、アルティメットは面倒くさそうに言った。

 

 

アルティメット「あ? 帰って餅でも食うよ。正月だしな」

 

ゴールド「ふざけないで!! みんな、行くよ!!」

 

私たちは、キュアブレスを掲げ光の玉を作った。

 

 

ゴールド・フレイム・ウッド・ラウンド・ウォーター

「「「「「悪しきを砕く、絆の生んだ奇跡よ! プリキュア・エンジェリック・シンドローム!!」」」」」

 

 

 

私達は巨大な光の玉をアルティメットに向けて発射した。

 

 

アルティメット「オラァ!!」

 

何と彼女はただのキックで私達の必殺技をあさっての方向へ蹴り飛ばした。

 

 

ウッド「そんな!?」

 

ラウンド「嘘でしょ!?」

 

 

アルティメット「痛って〜。脛に当たった〜!!」

 

驚く私達をよそに彼女は足を押さえて飛び跳ねていた。

 

 

 

フレイム「こ、こんなに力の差があるの?」

 

ウォーター「諦めちゃ駄目よ。もう一度」

 

私達はウォーターの言葉に従い、もう一度必殺技を撃とうとした。

 

 

アルティメット「えぇい、うっとおしい!!」

 

そんな私達に苛ついたようにアルティメットは右拳に力を込め始めた。

 

 

アルティメット「大地を揺るがす裁きの鉄槌、受けて見やがれ! プリキュア・ジャッジメント・サンダー!!」

 

なんと彼女はそのまま拳で地面を思いっきり殴った。

 

 

 

ゴールド「えっ?」

 

すると、地面が波打つように上下し始め、その波がものすごいスピードで私達に向かって来た。

 

そして私達の足下に到達したかと思うと、波打つ地面から発せられた強烈な電撃で私達は弾き飛ばされるように上空に舞い上がった。

 

「「「うわーっ」」」

 

驚いた次の瞬間、空をまっ二つに切り裂くかのような稲妻が落ちてきて、私達に直撃した。

 

「「「キャアアアアア!!!!」」」

 

 

電撃と落雷による大ダメージを受けて地面に叩き付けられた私達は、変身も解除され身動きとれなくなっていた。

 

見ると、全員気絶してしまっているようだった。

 

 

明日香「み、みんな…」

 

私はもうろうとする意識の中、慌てて駆け寄ってくる足音を聞いた。

 

そして、霞む目に映ったのは、心配そうに私達を覗き込むアルティメットの姿だった。

 

 

 

アルティメット「よかった、全員気絶してるだけだな。悪かったな、威力は最小限に絞ったつもりだったんだがな」

 

薄れ行く意識の中、私の頬を優しくなでる感触があり、ほっとしたように呟くアルティメットの声と暖かい笑顔が見えたような気がした。

 

 

 

続く

 

 

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