エンジェルプリキュア   作:k-suke

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第27話 絶望の果てと希望の明日と

 

 

 

私達八人は一丸となって巨大なデストロイに立ち向かっていった。

 

 

ウォーター「はああ!!」

ウッド「ええい!」

ウォーターとウッドが飛び込みパンチを一緒に食らわせる。

 

 

ラウンド「やぁぁ!!」

フレイム「もらったぁ!」

続いてラウンドとフレイムの飛び蹴りが直撃した。

 

 

 

インフィニティ「プリキュア・サイクロン・ソーサー」

 

インフィニティは風の円盤を何枚も連射した。

 

 

 

ライト・ウイングは背中の羽根を広げて羽ばたかせ、光の羽を舞い散らせた。

 

ライト・ウイング「受けなさい、ジャスティス・フェザー」

 

その羽はデストロイに接触すると連続で爆発を起こした。

 

 

ゴールド「プリキュア・ゴールド・ブレイカー!!」

 

それを見計らって、私はオレンジのオーラを纏って突撃し、必殺技を直撃させた。

 

 

 

アルティメットは、私が着地すると同時に右拳に力を込め始めた。

 

 

アルティメット「大地を揺るがす裁きの鉄槌、受けて見やがれ! プリキュア・ジャッジメント・サンダー!!」

 

そして拳で地面を思いっきり殴ると、地面が波打つように上下し始め、その波がものすごいスピードでデストロイに向かって行った。

 

そして波打つ地面から発せられた強烈な電撃はデストロイの全身に及び、次の瞬間、空をまっ二つに切り裂くかのような稲妻が落ちてきて、デストロイに直撃し、大爆発が起きた。

 

 

 

しかし、もうもうと立ち上る煙が晴れた時にいたのは無傷と言っていいデストロイだった。

 

私達の一斉攻撃を受けながらも、デストロイの巨体にはほとんど何の影響も与えていなかったのだ。

 

 

 

 

ウォーター「そ、そんなまるで効いていない…」

 

ラウンド「あれだけ攻撃して無傷なんて…」

 

 

デストロイ「無駄だ…我は絶望の化身、終焉のデストロイ。絶望した者の思いある限り我は滅びぬ」

 

 

フレイム「なるほど、これだけデスローチが暴れてる地獄絵図じゃ絶望する人も多いってか」

 

ウッド「でもそれじゃどうしようも…」

 

 

ウッドの言う通りだった。

 

いくらなんでもこの状況では、諦めない人よりも絶望しかけている人の方が多いだろう。

 

 

インフィニティ「それはどうかしら? 絶望しかけてる人から無限にエネルギーを吸収してるって訳じゃないんじゃないでしょう」

 

そんな中インフィニティが自信たっぷりに言い放った。

 

アルティメット「どう言う事だ?」

 

インフィニティ「才能ブレインで解析してみたけど、私達の攻撃はきちんとダメージを与えているという事よ。ただ奴の中心核のような所から絶望のエネルギーが全身に循環して瞬時に回復してるってところね」

 

 

アルティメット「じゃあ、その核をなんとかした方が早いな。どのぐらいの大きさでどこにある?」

 

 

インフィニティ「ちょうど心臓の部分よ。サイズは四五十センチって所かしら」

 

ゴールド「じゃあ、そこをみんなで攻撃すれば…」

 

インフィニティの言葉に私の胸には希望がともった。

 

もう少しでこいつを倒せるかもしれないと思ったからだ。

 

 

しかし、私達の希望を打ち消すかのようにデストロイは言った。

 

デストロイ「無駄だ、プリキュア。貴様達に我は倒せぬ。我の核の中枢をなすものを見るがいい」

 

するとデストロイは心臓の部分を透き通らせ始めた。

 

 

そしてその核になっている存在を見て、私達は目を見開いた。

 

 

ウォーター「そんな…」

 

ラウンド「嘘でしょ…」

 

ライト・ウイング「お、お兄ちゃん!?」

 

 

そう、そこにいたのはお正月以来行方不明になっていたグルトだった。

 

デストロイ「この者は、何もかも無くし絶望のどん底にいた。希望の力により闇の力を押さえ込まれた我の復活の良い肥やしとなったのだ」

 

 

ゴールド「グルトが絶望を…」

 

フレイム「確かにあん時はカッとなったけど…」

 

ウッド「それが原因で絶望を…」

 

愕然としていた私達に対して、デストロイはヘドロのようにどす黒い巨大な弾を発射してきた。

 

完全に不意をつかれた私達は直撃を食らってしまった。

 

 

 

「「「「キャアアア!!!」」」」

 

 

 

 

 

デストロイ「聞こえるかプリキュアよ。この者の絶望の声が」

 

デストロイの不気味な言葉とともにグルトの声が響いてきた。

 

 

グルト「グルトの所為でプリキュアやその家族を死なせてしまったグル…。その所為でフェアリーゾーンを守る事もできなかったグル…。おまけに自分が傷つくのが怖くて本当の事が言えず、友達からも嫌われたグル…。グルトにはもうなんにも無いグル」

 

 

 

 

デストロイ「この絶望が我の力となる。プリキュアよ、貴様達も絶望し我の糧となれ」

 

 

 

 

 

アルティメット「ちっ、あんのクソボケ野郎。どこまであたしらに迷惑かけたら気が済む!!」

 

ダメージを受けて吹き飛ばされた先で、アルティメットは吐き捨てるようにそう言った。

 

 

インフィニティ「全く。私も大概だと思ってたけど、アイツの身勝手さには負けるわ」

 

 

 

フレイム「ちょっと、そんな言い方…」

 

ラウンド「フレイム、無理よ。先輩達は…」

 

フレイム「あ…」

 

 

 

 

 

そうこの先輩達はグルトの所為で家族を殺され、インフィニティに至っては死んでしまったのである。

 

友好的な感想を持てという方が無理だろう。

 

しかし、私達もグルトになんと言えばいいのか分からなかった。

 

 

そう思っていると、先輩達の言葉は続いていた。

 

 

アルティメット「おいこら、妖精の王子様よ!! テメエは何も無いんじゃなくて、何もしてなかっただけだろうが!! プリキュアに、他人に頼るだけだからすぐに落ち込んじまうんだよ。いっぺんでいいから自分で自分の事をやってみやがれ!!」

 

インフィニティ「自分の都合だけしか頭に無いから、誰も最後にアンタを思わないのよ。そうやって絶望したのも、あなたのただの自己満足でしょうが。私達に倒されて、それでお詫びですなんて言うんじゃないでしょうね。 そんな事で許してもらえるとかカッコいいとか思ってるなら底抜けの馬鹿よ」

 

 

先輩達の言葉は厳しいながらも、もっともだった。

 

それを聞いて私達も思いの丈をぶつける事にした。

 

 

ライト・ウイング「お兄ちゃん、エンジェルクリスタルはなくなったけど、フェアリーゾーンまでなくなった訳じゃないのよ。みんなで力を合わせればきっといつか復興できるよ。だから一緒に頑張ろう」

 

…トク

 

ラウンド「私は奇麗な世界で生きていきたいけど、貴方だって世界を汚されると生きていけないんでしょう。この世界が滅べば、それこそフェアリーゾーンは再起不能になるんじゃないの? 自分の世界を汚すようなまねをしないで!!」

 

…トクン

 

ウォーター「貴方は何を置いても自分の世界を守りたかったんでしょ。王子という貴方の責任は私達とは比べ物にならなかったと思うわ。でもいまさら何もかもを放り出すみたいな無責任なことしないで!!」

 

…ドクン

 

ウッド「私は一度友達に裏切られました。でもその事で、本当の友達がなんなのか分かるようになったと思ってます。グルトさん、貴方はフェアリーゾーンに私達を招待しようと考えていたと言っていました。最後には私達の事をきちんと考えてくれていました。今度はみんなで話し合ってこの先の事を考えましょう!!」

 

…ドクン…ドクン

 

フレイム「はじめは何でプリキュアなんてって思ってた。でも普通じゃ出来ない事して、色んな経験積んで、夢に進むための土台を固める事も出来た。アンタの過ごした時間だって無駄な時間じゃないって言ってみなさいよ!!」

 

…ドクン…ドクン…ドクン

 

ゴールド「グルト、あの時何も言ってあげられなくてごめんね。でもグルトの国を元に戻そうって気持ちは、なんにも変わってないよ。貴方はどうなの? 私達に嫌われて絶望したなら、その気持ちを私達に教えて!! 私は友達でしょグルトー!!!」

 

…ドクン…ドクン…ドクン…ドクン

 

私達の言葉が響くたびに、デストロイの心臓にある核が鼓動を打ち、輝き始めた。

 

デストロイ「馬鹿な…何だこれは…絶望が消えていく…」

 

それとともにデストロイは苦しみ始めた。

 

デストロイ「ぐ、ぐおー!!」

 

 

デストロイが大きく叫び、そして眩しい光とともにグルトがデストロイから飛び出してきた。

 

 

グルト「プリキュア〜!!!」

 

ゴールド「グルト!!」

 

私は飛び出してきたグルトをジャンプして受け止めた。

 

 

 

グルト「ごめんグル!! ごめんグル!!」

 

グルトは泣きながら謝っていた。

 

 

ゴールド「いいんだよ。わかってくれれば、私たち友達でしょ」

 

グルト「ありがとうグル」

 

 

 

核であったグルトにいなくなられたデストロイは苦しんでいた。

 

デストロイ「馬鹿な…その者は絶望に満ちていたはず…なぜだ…」

 

アルティメット「けっ、あんな糞野郎でも大切に思ってくれてるヘンテコなやつはいるんだよ。どんなにボロボロになって、何もかもをなくしたとしても、自分のことを大切に思ってくれてるやつが一人でもいる限り人は絶対に絶望なんかしねえ」

 

インフィニティ「そして、どんな馬鹿やろくでなしにも必ずその人を守りたいと思う人がいて、死んだら泣いてくれる人がいる。それこそがこの世界の希望よ」

 

先輩たちの重みある言葉に私たちも勇気づけられた。

 

 

 

ゴールド「友達は自分にないものを与えてくれる。だから大切にしたいものなの」

 

フレイム「友達がいるから夢に向かっていくこともできる」

 

ウッド「一人じゃないから喜びを分かち合うこともできます」

 

ラウンド「自分一人では気づけないことを教えてもらって変わることもできる」

 

ウォーター「支えあうことでより大きな困難も乗り越えられる」

 

ライト・ウイング「自分の知らない世界を知ることで新しい明日を創れるかもしれない。それが絆よ」

 

 

 

 

デストロイ「戯けたことを。我がいる限り、この世界に絶望は必ずもたらされる」

 

そういうとデストロイの核はもとの形を取り戻し始めていた。

 

 

 

インフィニティ「やはり核を根こそぎ破壊するしかないわね」

 

アルティメット「おいテメエら。あいつの動きは私たちが止める。テメエらはピンポイントで核を撃ち抜け」

 

ゴールド「えっ、は、はい!!」

 

そんなことができるのかと思ったが、自信満々な言い方に思わず返事をしてしまった。

 

 

 

 

すると先輩たちは手をつないだ。

 

 

インフィニティ「吹け! 断罪の嵐よ!」

 

アルティメット「轟け! 裁きの雷よ!」

 

そのセリフとともに、二人のキュアブレスにはものすごい力が込められていった。

 

 

アルティメット・インフィニティ「「絶望の闇を薙ぎ払う光となれ!! プリキュア・ツイン・エクストリーム…」」

 

 

先輩たちはそのまま力強く一歩踏み出すと力のこもった手を勢いよく押し出した。

 

 

アルティメット・インフィニティ「「スマッシャー!!!」」

 

 

次の瞬間、デストロイの巨体を覆い尽くすかのような電撃交じりの横向きの竜巻が発生した。

 

その威力はとてつもなく、射線上の地面のみならず周辺までも削り取っており、さしものデストロイも参ったかと思われたが

 

 

 

デストロイ「おのれ…だがこれしきで我は滅びぬ…」

 

核であるグルトを失ったとはいえ、デストロイの再生能力は健在のようで、先輩プリキュアの必殺技による破壊と再生とがかろうじて釣り合っているといった状態だった。

 

アルティメット「てめーら、なにをボケーッとしてやがる!!」

 

インフィニティ「長くはもたないわ、早くしなさい」

 

デストロイも技の威力に押されて動きが取れなかったようだが、先輩たちもいっぱいいっぱいといった感じだった。

 

 

ラウンド「あっはい、わかりました」

 

ゴールド「みんな行くよ」

 

私はグルトを地面に下ろすと、みんなと一緒にキュアブレスを金色に輝かせ大ジャンプして大きな光の玉になった。

 

ライト・ウイング「後押しするわ、思いっきりやりなさい」

 

そう言うとライト・ウイングもジャンプして、シャイニングパレットを取り出すと、ありったけの力を込めだした。

 

 

ゴールド・フレイム・ウッド・ラウンド・ウォーター

「「「「「絆の紡ぐ奇跡の光! プリキュア・エンジェリック・ダイナマイト!!」」」」」

 

 

ライト・ウイング「汚れた魂を浄化する正しき光を受けなさい!! ライト・ウイング・サンシャインフラッシャー!!」

 

パレットを一振りすると、光のヒマワリがライト・ウイングの前に現れ、光の奔流といった感じのものが照射され、私たちの突撃を後押ししてくれた。

 

その勢いのまま、私達はデストロイの核へと突撃していった。

 

 

だがやはり急所とは言えそう簡単には突破できなかった。

 

デストロイ「こんな力が絶望をはらうだと…片腹痛いわ…」

 

 

 

…ピシ

 

 

 

ゴールド「私達は諦めない! 友達っていう希望があるんだからー!!!」

 

 

 

…ピシ…ピシ…ピシ

 

 

 

 

デストロイ「何…馬鹿な…そんなことが…」

 

 

動揺し始めたデストロイをよそに、少しずつ私達の突撃が核にめり込んでいった。

 

ゴールド・フレイム・ウッド・ラウンド・ウォーター・ライト・ウイング「「「「はあぁぁぁー!!!」」」」

 

 

私達がさらに気合いを込めると、突撃の勢いが増しついに核を完全に打ち砕いた。

 

 

それと同時にデストロイの再生能力が失われた。

 

 

インフィニティ「いまよ!!」

 

アルティメット「わかってる!!!」

 

それを見届けると先輩達も最後の気合いを振り絞って必殺技に込めた。

 

 

アルティメット・インフィニティ「「うおおおあー!!!」」

 

 

すると、わずかずつだがデストロイの巨体がボロボロと崩れ始めた。

 

 

デストロイ「ギャアアアア…そんな…馬鹿な…この…我…が…」

 

そのまま断末魔の悲鳴とともに、デストロイの巨体は強烈な攻撃の渦の中に飲み込まれて消滅していった。

 

 

すると町中を覆っていた不気味な雲も晴れ渡り、雲一つない奇麗な青空が広がっていった。

 

 

その空を見上げながら、私達は限りない満足感を味わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし喜んでばかりもいられなかった。

 

 

翼「どうやら時間切れのようね」

 

変身解除と同時に翼さんの体が透き通り始めたのだ。

 

そうデストロイの力を利用して生き返った翼さんは、その消滅とともに消える事になるのだ。

 

聖歌「そんな…せっかく会えたのに…」

 

恵「ろくに話も出来ないなんて…」

 

唇を噛み締め泣き出しそうな顔をしていた私達とは対照的に、ひかるさんや翼さんは晴れ晴れとした顔をしていた。

 

ひかる「ま、死んだ人間が生き返るなんて事がおかしいんだ。当然だわな」

 

翼「私は満足よ。久しぶりに思い切りときめいたからね」

 

 

すると、ひかるさんが小馬鹿にしたように尋ねた。

 

ひかる「また地獄へ行くのか、ろくでなし」

 

翼「ええ、馬鹿には分からないときめきがあるのよ。 地獄からこっちに来るようなやつらが出てこない無いようにするって言うね」

 

ひかる「けっ、相変わらず変わったやつだ」

 

翼「いいじゃない、私は問題児なんだから」

 

ひかる「だよな、あたしも不良らしく生きていくよ」

 

翼「頑張りなさいね。じゃあさよなら」

 

ひかる「ああ、あばよ」

 

ひかる・翼「「相棒!!」」

 

 

その短い会話を終えるとともに翼さんは消えていった。

 

 

 

 

 

晶「未来、あなたの憧れる気持ちがよくわかったわ」

 

心美「最高の友情ってのを見せてもらった気分ね」

 

未来「でしょ! やっぱりいいなぁ、あの二人」

 

 

私達が羨ましそうに先輩達のやり取りを見ていると、ひかるさんがこっちに振り返った。

 

ひかる「さてと、次はあたし達がたっぷり見せてもらう番だぜ。 お前達の友情ってやつの生み出すものをさ。平和以上の羨むものを見せてくれるんだろ!!」

 

私達を指差して、微笑みながらそう言ったひかるさんに私は満面の笑みで答えた。

 

 

 

明日香「はい!! 見ててください」

 

 

 

 

続く

 

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