「あれは…?」
いつものように、妖怪の山の警備をしていた椛が空を見つめる。
何かが集まってきている。
黒い…細かいものが一つの球体を作っていた。
椛は弾幕の一種かと思い目を離した。
その瞬間、その球体から光が放たれて…。
その少し前、奴隷と美鈴は地下室にいるフランドールと弾幕ごっこをしていた。
美鈴は休憩がてらこっちに来たらしい。
奴隷と二人でフランドールに挑んだが、結局二人共被弾してしまい、弾幕ごっこは終わった。
疲れた体を癒しに、奴隷は飲み物を取ってくる事にした。
「フランドールと美鈴は何飲む?」
「紅茶でお願いしますよ」
「私も」
紅茶はメイド長に淹れて貰おうかと考えていると大廊下に出た。
「…?」
奴隷はある異変に気づいた。
窓から漏れている光がとても眩しく見えた。
「今日は曇りのはず…。それにしても眩しいな」
カーテンを掛けようかと一つの窓に近寄った。
当然、窓に近づけば光を浴びる。
「痛っ!?」
突然激しい頭痛が襲った。
奴隷はあまりの頭痛に床を転がった。
窓から離れた瞬間、頭痛が治まった。
奴隷は月傘を差し、紅魔館中に響くように大声を出した。
「皆、この光を浴びるなぁ!」
謎の光を浴びぬよう、月傘で遮りながら部屋を見て回る。
すでにメイド妖精は倒れていて、その中には咲夜とレミリアも含まれていた。
奴隷の声に気づいた美鈴がこちらに向かっていくのを見た。
「こっち来るな美鈴!その光を浴びるな!」
慌てて美鈴を止める。
「奴隷さん、これは一体!?」
「俺にもわからん。とりあえず、地下にいるメイド妖精をその場に留まらせないと」
メイド妖精の避難は終わらせた。
しかし、まだ紅魔館内には光の影響をうけた者達が多数いる。
「原因はわかりますか?」
「あくまで予測でしかないけど…」
美鈴に月傘を渡す。
「外に見覚えのない球体が見えるんだ。あれじゃないかな?」
しばらく外を見ていた美鈴だったが、あれで間違いないと言う。
「あれを壊すとなるとキツイな。ルーミア辺りがいれば近づけるけど」
二人で思案していると、フランドールが手のひらを球体に向けて差し伸べた。
「フランドール?何をして…」
奴隷が全てを言う前に、フランドールは手のひらを握った。
外を見ていた美鈴は、爆発四散した球体を見た。
光は消え、外には曇り空が映った。
「なんとまあ…近づくまでもないとは」
地下にいるメイド妖精達に、影響をうけた者達をベットに運ぶように言う。
「これはなんの騒ぎ?」
パチュリーが姿を現した。
奴隷は経緯を説明した。
「気になるわね。その球体に」
「外へ調べに行こうかと思ってるんだ。光の影響をうけたのは紅魔館だけじゃなさそうだからな」
「頼むわ」
パチュリーに留守番を頼む。
奴隷が外へ出ると、美鈴とフランドールが待っていた。
「私達もついて行きますよ」
「奴隷に協力するわ」
三人は紅魔館の門をくぐった。
「…?」
美鈴が突然立ち止まった。
辺りをキョロキョロと見渡し始めた。
「この気…まさか!?」
「美鈴?」
美鈴が慌てだしたのと同時に、紅魔館の敷地内の空間に亀裂が入った。
無鬼夜行が襲ってきた。