そこには既に各武将達が各々椅子に座って待っていた。
和樹「すみません…皆さんお待たせしました。」
ノブナガ「一体何をしていた?お主が説明すると言うたんじゃろうが⁉」
ミツヒデ「待って下さい!ノブナガ殿!沢井は皆にお茶を用意していました。」
ヨシテル「そうですよ!ノブナガ殿!何もそこまでの言い方をされなくても…和樹さんが可哀想ですよ?」
ヨシモト「全く持ってその通りですわ‼これだから野蛮人は困りますわ!」
しかしヨシモトのその一言がいけなかった。
ヨシモトから言われた言葉を聞いたノブナガの雰囲気が鋭くなり身体から闘気が立ち昇り始める。
ノブナガ「ほう?…ワシに向かってその物言い…それならば一戦交えるか…お嬢?」
その様変わりし始めたノブナガを目の当たりにしたヨシモトも同じ様に闘気を立ち昇らせ始めた。
ヨシモト「良いですわ‼受けて立ちますわ‼」
正に売り言葉に買い言葉…その一触即発の雰囲気を漂わせる2人を心配する家臣と義妹。
ヒデヨシ /イエヤス「お館様‼/お姉様…。」
ノブナガ/ヨシモト「いくぞ!/いきますわ!」
2人が互いの武器を構え同時に攻撃打ち込まんとする…その時⁉
ガッ‼‼‼
2人を諌めたのは何と⁉先程まで優しい雰囲気で事を見ていた和樹が突然2人の間に入り込み片腕づつで同時に戦国武将2人の攻撃を止めてみせた。
和樹「そこまでにして貰いましょうか?……お二方がこれ以上暴れるのでしたら、代わりに俺が相手をしますが?」
2人に鋭く視線を移し威圧する。
その光景に驚いているヨシテル達がいた。自分達が居た戦国時代では女性の方が地位が高く男性の地位が低かったので、ヨシテル達中では男性が強いという認識が余りなかったが、その中には当然例外もいた。
榛名の力を得た毛利輝基…そして、将軍家に謀反を起こした松永弾正久秀がいたが、自分達の力で解決してきた。だからこそ戦国乙女である自分の攻撃が止められるとは思ってもいなかった。
そうして止められた事に、2人は驚いた顔をしていたが直ぐにヨシモトの方は冷静になったようで謝ってきた。
ヨシモト「急に暴れてしまい申し訳ありませんでしたわ…本当にすみません。」
そう謝罪をするヨシモトを見て、もう武器を掴んでいる必要も無いかと思い手を離しながら2人に問い掛ける。
和樹「大丈夫ですか?怪我が無くて本当に良かったですよ?」
先程とは打って変わり、和やかな雰囲気になっていた。しかし俺はこの時ある事を忘れていた…そうもう1人の戦国乙女がこの程度で治まるはずがないと…寧ろ闘気がより燃え上がる奴が居るのを。
ノブナガ「くくくっ‼‼わっはっはっは‼やるではないか和樹よ!ワシと差しで勝負じゃ‼」
ヨシテル「ノブナガ殿‼‼」
ヨシモト「ちょっと‼ノブナガさん⁉せっかく和樹さんが止めて下さったのに何でケンカ腰なんですの⁈」
和樹(そういや忘れてた…(苦笑)ノブナガはこういうキャラだったな。ゲームとかパチンコとかで分かっているつもりだったが致し方ないか!…もうなるようになれだ!)
ノブナガ「何を言うか‼お嬢!…ワシとお嬢の攻撃を止めたんじゃ…ただの男がな……くっ!くくっ!!何とも楽しいではないか‼それだけでワシの興味をそそられたんじゃ!だから何が何でも勝負をしてもらうぞ‼」
和樹「はぁ…分かりました!その勝負受けて立ちます‼」
そうして俺がいつも武道の鍛錬に使っている(最近は殆ど鍛錬していないが)離れの道場に向かうことに……その道中、織田様の家臣の2人が俺に詰め寄る。
ヒデヨシ「かっちゃん駄目だよ!お館様と勝負なんて怪我するよ!」
トシイエ「そうだぜ!悪い事は言わねぇから止めとけって!オイラやヒデヨシが2人係でも全く歯が立たないんだからな!」
2人が俺の側で闘うな!止めとけ!と言っているが、他の武将は単純に俺の心配してくれていたり、興味本意で見たいと言っている。
そうこう話していると離れの道場に到着。先ずは自分とノブナガが先に道場に入り、その後に他の武将達が続けて道場に入った。
ノブナガ「うむ‼中々に良い道場じゃ!」
和樹「ありがとうございます。」
ノブナガ「因みにお主…武器は使わんのか?」
和樹「ええ…まぁ自分が使うのは武術ですからね。」
ノブナガ「ふっ!なるほどのぅ~それでは少しは期待しても良さそうじゃな‼」
和樹「…余り過渡な期待をして欲しくは無いんですが(苦笑)」
ノブナガ「まぁ…そう言うではない。ワシは木刀で構わんじゃろ?」
和樹「構いませんよ………。」
お互いに向き合い構えを取る。
和樹(すぅ~ふぅ~…でも確かに余りこの武を人…ましてや女相手にやるのは好ましくはないが、だが一方で何処まで今の自分が戦国乙女の1人織田ノブナガに食らい付いていけるのか試してみたい‼まさか…まだ自分の中にこんな感情があるなんてな…。)
ふと自称気味に笑ってみる。
ノブナガ「なんじゃ?いきなり笑いよって気味悪いのぅ…まあ、よい‼‼それでは始めるとするかの!全力で来い!」
和樹「行きます!」
この時……俺は師から受け継いだ流派を使うその名は【月影流】日本の伝統の武【合気道】と【中国拳法】を織り交ぜた師匠直伝のオリジナル流派だ。
ノブナガは何時も使っている天下不武が彫られている大剣を使わず、木刀で向かってくる。
ノブナガ「はぁ!やぁ!」
和樹「てい!うらぁ!」
ノブナガが木刀での連撃で仕掛けてくるが、それを俺は手でいなす…そして直ぐ拳や蹴りを繰り出すが、それを意図も簡単にノブナガに防がれてしまう。
ノブナガ「ほぅ…中々にやりよるのぅ。ワシの攻撃をここまで防いだのは、男の中ではお主が初めてじゃ!」
和樹「お褒めに預かり光栄ですね!」
ノブナガ「ふん!滅多な事を言うで無いわ‼」
その言葉と共に勢い良く木刀を振り下ろすノブナガに俺は攻撃を避け大きく後ろに距離を取った。
和樹「はは…これは失礼!では次で決めます‼」
ノブナガ「ワシもじゃ!これで終いじゃあ‼」
そして2人同時に走り出しガキン‼‼‼と道場内に大きく衝撃音を立てながら双方刃を交えた………その場に片膝を着いて倒れたのはノブナガだった 。
ノブナガ「ちっ⁉ワシの負けか…。」
和樹(ハァ‼ハァ‼危なかった⁈瞬間的に弐ノ型・陽炎から参ノ型・木枯らしに切り替えて良かった…もし替えて無かったら倒れてたのは俺の方だったかもしれないな。)
和樹「ふぅ……ありがとうございました。後でしっかりと説明を受けて下さいね。」
ノブナガ「あぁ…分かった!分かった!」
そうしてノブナガと話していると、急に思い出したかの様に他の武将達が俺の周りに集まってきた。
和樹「ちょ⁉ちょっと⁉皆さんどうかしましたか⁉」
ヒデヨシ「どうしたじゃないよ!凄いよ⁉お館様に勝っちゃうなんて⁉」
トシイエ「やるじゃんかお前‼少しだけ見所がある奴だな!」
ヨシモト「ええ//…本当に凄いですわ////(殿方がこんなに格好いいとは思いませんでしたわー///。)」
イエヤス「確かに凄い…です。」
リキュウ「ほぅほぅこれは中々ですね。」
ミツヒデ「まさか⁉勝つとは…な。」
ヨシテル「ふふっ…!本当に凄いお方だ。」
ソウリン「ひゃー⁉本当に勝っちゃうなんて////(初めて見た時から胸がドキドキしてます⁉これは恋⁉うふふ‼///)」
ドウセツ「ソウリン様…顔がだらしないです。」
マサムネ「意外とやるな!(いくらノブナガ殿が本来の武器では無いとは言え勝ってしまうとは…私でもノブナガ殿との木刀同士での打ち合いは負ける事も多いと言うのに。)一度是非手合わせを願いたい物だ!」
モトナリ「確かに凄い事だけど…私は余り興味無いわ…。」
ヒデアキ「えぇー⁉そっそうなんですか‼モトナリ様!あんなに凄い試合だったのにぃ⁉」
モトチカ「くぅー‼やるわね!思わず私もウズウズしちゃうじゃない!」
皆がそれぞれ色んな声を掛けてくれた。その事に少し安堵している自分がいた。
和樹「取り敢えず、皆さんにこれから事を説明するのでリビング…じゃない居間の方に向かいましょうか。」
全員「ああ/分かった/分かりました」
その後…皆が道場から居間に戻り、冷えたお茶を温かいのに入れ替えてから、一先ず先に俺は自分の部屋で服を着替えていると…⁉⁉⁉
和樹「嘘だろ⁉これって⁈」
それは…良く和樹が愛用している携帯ゲーム機でよく戦国乙女のゲームをしている。突如として携帯ゲーム機の画面が勝手に映り、ゲームのタイトルが目に映ったその画面には和樹が目を疑う物が映っていた。
和樹「早く、これを皆に見せないと!」
俺は直ぐ様、着替え終わりゲーム機を持ち…皆が待っているリビングに急いで掛け下りた。
ダダダダダッ!バンッ‼
和樹「皆さん‼‼‼」
皆「⁉⁈⁉⁈」
ヨシモト「かっ和樹さん⁉」
ヨシテル「どうしたのですか⁉そんなに慌てて?」
和樹「あっ!すっすみません!脅かす積もりは無くt…じゃなくて⁉とにかくこれを皆さんに見て欲しくて!」
全員「···これは?」
和樹「これはゲームと言うこの時代の娯楽です。ここにカセットと呼ばれる物をゲーム機に入れて電源を入れれば画面に映ります。」
そして、ゲーム画面が写し出された…しかし⁉その映し出された画面には皆の姿が白く塗り潰されていた。
全員「!!!」
これには驚きを隠せないようだ。それもそうだ…いきなり400年先の未来に逆トリップをし、其処で自分達が娯楽の遊戯になっていて、更には自分達の姿がその画面に映ってなかったのだから。
ヨシテル「和樹さん⁉これはどういうことですか?」
和樹「それが俺も先程自分の部屋で服を着替えてる時に気づいたんです。多分…これは自分の憶測に過ぎませんが、何等かの理由でこの時代に逆トリップしてきたと思います。皆さんが此方の時代に来る前に何か共通の出来事みたいな事が起こりませんでしたか?」
全員「うーん???」
ノブナガ「ワシはサルとイヌとの修行に付き合っていたからのぅ~?」
ヨシモト「私達は三人でお茶を嗜んでおりましたわ!」
ヨシテル「私はミツヒデと義昭とソウリンとドウセツと共にこれからの事について話をしていました。」
マサムネ「私達は旅の途中の山道で偶然モトチカ殿に会い、近くの村まで歩いている時だった。」
和樹「皆さん…ものの見事にバラバラですね。」
モトチカ「ねぇ⁉もしかして帰り方とか分かちゃったりする?」
モトチカの言葉に皆が期待を込めた眼差しをして一斉に俺の方を見てきたが、生憎解る訳もなく…俺は力なく首を横に振った。
和樹「申し訳無いです力になれず。」
ヨシテル「大丈夫です!そんなに気を落とさないでください!」
ミツヒデ「それにしてもどう致しますか?いくら戦が無いと言っても、まだ確認すら出来ていない状況で、この大所帯で動くのは得策ではないと…。」
ソウリン「…弱りましたね。」
俺は此処である提案をする。
和樹「皆さんがもし、よろしければ俺の家に住みませんか?」
ヨシモト「えっ⁉でもよろしいんですの?こんな大所帯ですが迷惑じゃありません事?」
和樹「それについては大丈夫ですよ!生憎家は広いんで、それと提案しといて何ですが皆さんこそいいんですか?一応見ず知らずの男の家に住むのは結構大変だと思いますが?」
ヨシテル「いえいえ!こちらこそ有り難い申し出です。この時代の事を何も分からない私達を忖度も無しにに住まわせてくれる様に提案して頂けていますから此方としては断る理由はありません…これからお世話になります!宜しくお願いしますね!。」
和樹「はい!分かりました!」
こうして………
戦国乙女達とのハチャメチャな生活が始まろうとしていた。