その後、この《エテルノ》について簡単に説明をされ、今は《アルタイル・トルテ》のメンバーと学生用の宿舎に向かっている。
「そういえばまだ2人に自己紹介してなかったな。改めて俺は日向玲だ。よろしくな」
「私は
カチューシャがトレードマークの沙島。
俺は一方的にこいつを知っている。
いや、ストーカーとかじゃなくて。
というのも沙島が裏庭にエクスカリバーを突き立てたか何かで職員室に呼び出されていた時に見たことがあったのだ。
ちなみに俺も居眠りばかりしていたので呼び出しを食らって怒られていた。
「わ、私は
美山はこのアルタイル・トルテのリーダーである。
リーダーだけあって真面目であり、メンバーに振り回されることも多いという。
「それにしても驚いたよ。まさか伊緒たちが世界を守るために戦ってるなんてな」
「こっちこそ驚きだよ。玲がエテルノに来るなんて考えたこともなかったよ」
「しかしこれで謎が解けましたね」
「どういうこと?サトカちゃん」
澄原の言葉に沙島がなんのことか聞く。
「七不思議候補だった《謎に包まれた転校生》のことですよ」
五稜館学園七不思議候補《謎に包まれた転校生》
女子校である五稜館学園に転入してきた唯一の男子。
とある目的のために転入してきたらしいが詳細は誰も知らないという。
「根も葉もないってこういうことなんだな」
「そうでもないですよ。厳密にいえばティエラ先生は知っていましたが本人さえ知らない目的があったです」
「あー…そういえばそうだな」
ということはあながち七不思議は間違ってなかったってことか。
すると美山が顎に手を当ててなにか考え事をしていた。
「どうしたの椿芽?」
「へ?あ、ごめん。ちょっと考え事してた…」
「七不思議のことか?そういえば美山が俺のことをいろいろと先生に聞いてたけど俺の噂とか聞いたことないのか?七不思議候補にもなってたし」
不本意ながらだけどな。
「あ…そのことなんですが…」
そこでティエラ先生に会うまでの記憶がないこと、五稜館学園に美山椿芽という生徒がいないということを聞いた。
「あー…なんか不躾なこと聞いて悪かったな」
「い、いえ!そんなことは…」
そんなことを話しているといつの間にかアルタイル・トルテの宿舎についていた。
「今更なんだが俺が一緒の宿舎に泊まっていいのか?」
「え、泊まらないの?」
伊緒が不思議そうに聞いてくる。
「いやだって女子5人のとこに男子1人って…」
「前は一緒にお風呂も入ってたでしょ?」
「えっそうなの!?玲ちんズルい!」
「それ10年くらい前のことじゃねーか」
伊緒には俺に対する倫理観ってものをもう少し持ってもらいたい。
この前も俺の目の前で着替え始めたこともあったし。
そんなこんなで宿舎の中へ入る。
中は結構広く二階には一人一人の部屋もあるらしい。
すると、まながこんな提案をする。
「ねえねえ、みんなで玲ちんの歓迎パーティーやろうよ!」
「おお、いいね!なら腕によりをかけて料理するよ!」
「え、沙島って料理できるの!?」
なんか料理すると
「悠水ちんの料理はすっごい美味しいんだよ!」
「パーティー…、料理がたくさん…、フフフ…」
「サトカ戻ってきて」
どこかにトリップしてしまった澄原を美山がゆすって戻そうとしている。
そんなに美味いのか、沙島の料理。
「というかさっきからついてきてるこの黒猫はなんだ?」
だれかの飼い猫だろうか。
「ああ、紹介してなかったね」
伊緒が猫をひょいと持ち上げ、抱きかかえる。
「この子はフィフスフォースの隊長さんだよ」
「……もう一回言ってもらえるか?」
「フィフスフォースの隊長さん」
聞き間違いじゃなかった。
「えーと…よろしく?」
隊長らしい猫に挨拶をする。
するとどこからか声が聞こえたような気がした。
「うおっ!?なんか聞こえた気がする!?」
「それが隊長さんだよ」
「うん、なんか納得したわ」
こんなの普通の猫じゃできないわ。
それからしばらくの間他愛ない話をしているとキッチンの方からいい匂いがしてきた。
すると沙島がキッチンから出てくる。
「みんなご飯できたよー」
テーブルを見ると色とりどりの料理が所狭しと並んでいる。
全員が席に着くと美山が音頭をとる。
「それでは手を合わせて…」
『いただきます!!』
そこからはもう料理に夢中だった。
澄原がトリップしていたのがわかるくらい沙島の料理は美味かった。
1時間も経つころには料理はすべてなくなっていた。
「あ~美味かった。こんな美味いの生まれて初めてかも」
「も~褒めたってなにも出ないよ。あ、デザート食べる?」
「デザート出るじゃん」
デザートまできっちり完食する。
その後は少し早いが就寝ということになり、みんなは部屋に向かっていった。
俺はそのまま大広間のソファで寝ることになった。
これからフィフスフォースの一員としてオブリと戦うことになるだろう。
どうなるかはわからないが、とりあえずゲームをする時間は確実に減るだろうということは分かる。
いろいろと今後のことについて考えていたが、疲れていたのかいつの間にか寝てしまっていた。
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闇。
そうとしか言えない空間に俺はいた。
いたという表現は少しおかしいかもしれない。
自分の姿も、上下左右でさえわからない空間に意識だけははっきりとしていた。
しかしこれは夢だとすぐに分かる。
これが夢だと自分で理解しているときってなんて言うんだっけ?
そんなことを考えているとどこからか声が聞こえてきた。
「……さい。………た」
しかし聞こえてくる声は小さくあまり聞き取れない。
「そ……です。そう…ば」
「世界は滅びる」
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「…はっ!!」
俺は飛び起きた。
部屋はまだ真っ暗のままだ。
時計を見てみると夜中の3時になったところだった
「さっきのは…」
夢の内容はあまり覚えていないがなぜか最後の言葉だけが頭に残っていた。
「世界が…滅びる…?」
突拍子もない、しかも夢であるのにもかかわらず俺はなぜかそれをたかが夢だと切り捨てることができなかった。
その後俺はそのことであまり眠ることができなかった。