いや〜難産でした〜
是非読んでやってください…(^_^;)
アレットラ王国
ユーフィリア大陸の最東部に位置し、貿易商が国益の大半を占めている。また、貿易だけでなく、鍛治工や、漁業、農業なども盛んに行われいる商業国だ。
故に、争いを好まず、自ら戦争や小競り合いには参加せず、自衛の軍しか持たない。
ここに住まう人々は皆活気に溢れそこかしこから客引きの声や、商談の声が聞こえてくる。
さらに言えばアレットラ王国はユーフィリア王国で一番大きい国だ。
最も、ユーフィリア大陸自体が四大陸の中でも1番小さいので他の大陸の国に比べると数段見劣りするが、それでも国民たちは自分たちの仕事に誇りを持って毎日を送っている。
雅たちはアレットラ王国唯一の出入り門の前に来ていた。
出入り門は木製で、かなり大きい造りになっている。
門の前で番をしている自衛軍のシンボルがついている鎧を身につけた騎士にスピカリオンが近づく。
「ご苦労様でございます。初等魔法使いのスピカリオン=ウィンザーです。国外探索から帰還しました。門の開閉をお願い致します」
「ご苦労様です。通行許可証と、魔法行使証(マジックカード)を拝見させていただだいてもよろしいでしょうか?」
魔法行使証。通称、マジックカードとは、訓練魔法使い以上の魔法使いに携帯が義務付けられているもので、謂わば運転免許証のようなものだ。
通行許可証に関しては言わずもがな門の出入りに必要不可欠なもの。
二つの提示を求められたスピカリオンはドレスの懐から二つのカードを出した。
それを確認した騎士は自身の体を黄色いオーラで包見込むとそれに呼応するかのように門がギギギギと音を立てて開く。
「通行許可証、魔法行使証共に確認致しました。ちなみにそちらの御仁は?」
「こいつは私の友人よ。ちゃんと申請も通してあるわ」
「そうですか。失礼致しました。では、ごゆっくりと。そちらの御仁もごゆっくりどうぞ」
騎士は雅を一瞥すると流れるような動きで一礼し、外を向いた。
もちろん、雅の通行許可など降りていないし、スピカリオンが言った申請も降りているというのも真っ赤な嘘だ。
それでもこの世界はどの国も共通で、魔法使いは何においてもどの職業よりも上位に立つ存在と認識されているため、例え初等魔法使いのスピカリオンと言えどそこらの人よりかは立場が上なため、客人で通ってしまった。
「案外すんなり入れんのな」
「当然よ。魔法使いは全ての職業の頂点に立つ立場。余程の事がない限り咎められないわ」
「そういうモンなのか」
門を通るとすぐに大通りに出た。そこには大勢の人でごった返していた。門を出てすぐにはこの国一番のメインストリートであるフローリア通りに出る。
フローリア通りはこの国で1番露天商が多く、他国からの観光客も多く訪れる場所だ。
「おぉ〜」
フローリア通りの人の多さに感嘆の声を上げる雅。日本の東京でも人混みは見慣れているがそれ以上の人の多さに少々呆気に取られている感じだ。
「ちょっと。惚けていないでついてくる!」
「ハイハイハイハイ。んで?どこ行くんだよ?」
スピカリオンに襟首を捕まれ引きずられる。
ズカズカと大通りを歩きしばらくすると現実世界と比べられないほどの規模のものすごく大きい建物が見えてくる。
アレットラ国立魔法技術研究所と、大きく書かれた門を潜る。
広大な敷地にはグラウンドは元より魔法訓練に使われるであろう物がたくさん置いてある。
例えば、等間隔で埋まっている丸太。
丸太から約20メータ程離れた場所に印が掘られている。
これは、魔法のコントロールを訓練する為のものだ。離れた場所からでも的確に的に当てられるように正確性を鍛えるためのもの。
例えば、砂場。一見なんの変哲もないバーベルが不規則に何個も置かれている。が、このバーベル。重さは10k、100k、1000k。と
かなりの重さを持っている。
これは、魔法で操り、魔法で操ることができる重さを鍛え、威力を上げるためのもの。
このように、訓練の内容に合わせた様々な物がここにはある。
余談だが、訓練用の物が置かれているこのグラウンドの奥を行けば、これまた大きなプールがあったりする。
「(割と広いな…おっ?あそこに置いてある木剣なんて使えそうだな)」
辺りを見回して雅がニヤニヤしだす。
流石に慣れたのかスピカリオンは軽くスルーし進んでいく。
建物に入りひたすら広い廊下を突き進む。
行き止まり。否、扉だ。
「着いたわよ。これから局長。つまり、ここのトップに会うわ」
「俺の報告か?」
「まあ、それもあるけど大体は探索の結果報告をするだけよ。まあ結果報告って言ってもそんな大層なもんじゃないけどね。………
失礼します。初等魔法使いのスピカリオン=ウィンザーです。国外探索の結果報告に参りました」
数度ノックをすると、中からは〜い。と聞こえてきた。中に入り一礼。
部屋は狭すぎず、広すぎずと丁度いい広さで所狭しと、部屋中央のデスクや床には本や書類が積み上げられていて軽く山になっている。その中からのそのそと、這い出てくるは金髪のエルフの麗人。中性的ではあるがれっきとした男性。長い髪を後ろで束ね、目元に隈を携えた男。おまけに、微妙だが無精髭もある。
彼は頭を書きながらデスクの椅子に座った。
「いや〜悪いねスピカちゃん。ご苦労さん。おや?そちらの男性は?」
「局長、まずは結果報告の方を。後で話しますんで」
「ん、りょーかーい。さあ、聞こうか」
「はい。まずはこれを。」
スピカリオンは懐のドレスから一つの石を出した。その石を見ると局長は目を細め、ほぉ〜これは〜と感嘆の言葉を漏らす。
「(どこにしまってんだよ。入れとくスペースないだろうが)」
「これはどこで?」
「ウェジーナ洞窟の周辺で見つけました」
「なるほどね〜これは後で解析しとくよ〜ウェジーナって言ったらつい先日原因不明の異常魔力を検出した場所だしね。何か原因が分かるかもしれないし。ありがとうね。
で、そこの男性は?」
「局長驚かないでください。こいつ人間です」
「どうも人間です。虹岬 雅で〜す。」
シレッとした感じで返す。
隣のスピカリオンは頭に手を当てて、ため息を吐く。
「なるほど、人間ね…人間ねぇ…ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!????人間かい!?ほんとに人間なのかい!?」
「うん。まあそうですね」
驚愕。それ以外の言葉では今の彼の表情は表せない程にそれで満ちている。
「ま、まさか本当に人間が、存在するとは……申し遅れたが、私はここの局長をしているドゥスルバード=デ=モルグだ。気軽にモルグさんとでも呼んでくれ。」
「お、おうよろしく。なんでそんなに驚いてんだ?」
「スピカちゃんから聞いてないのかい?
人間と言う存在はこことは別の世界にいるとされていて、伝説上でしか存在が明かされていない。少なくとも人間がこの世界に居る。なんて記録は一切ないからね。こっちの人達からしたら驚くのも無理はないだろうね。ミヤビ君と言ったね、行く宛はあるのかい?」
「いんや、ないけど?」
「だったら、とりあえず今日はスピカちゃんの家に泊まりなさい。明日には君の住む所を用意しておくから」
「え!?ちょっと局長!!あたしがなんでこいつなんかと!?」
「いいじゃない。緊急事態だし勘弁してくれよ。じゃスピカちゃん頼んだよ〜」
話終えるとモルグはまた書類の山に沈んでいった。モルグと言う男は一度決めたらテコでも動かない男だ。
それを知っているスピカリオンは、観念したのか自宅へと向かう。
「ハァ…。こっちよ。付いてきなさい家へ案内するわ」
モルグの部屋を後にし、また長い廊下へ戻る。
時間帯は既に夜の時間帯に入っており、廊下の窓から見える月は淡い光で雅を照らす。
まだ、雅の異世界生活1日目は始まったばかりだ。
どうしでしたか?
感想、評価、アドバイス等々お待ちしております(*⌒▽⌒*)