魔法科高校のギルガメッシュ(偽物)   作:伝説期

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プロローグ

「やっと起きたかの?」

 

声をかけてきた老人が僕に向かって白く光った発光物を投げつけてきた。

何故か身体が動かずそれを受けてしまった。

 

「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

絶叫。この世の者とは思えない声音が自分の内から発せられる。

自分を作り変えられるような感触に気持ち悪さが襲う。

どれくらいの時が経ったのか、治り出した。

 

「ほう。面白い」

 

そう言って老人は数え切れないほどの糸の束を僕の前に取り出し、その中から一つ選べと。

一つだけ取り出し、老人はカカカと笑った。

その瞬間、目の前が真っ白に染まり意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

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目覚めたらそこは大きな屋敷だった。自分の幼い手を見て確信した。

赤ん坊になっていたと。正直な話、何故あの空間にいたのか今ここはどこなのか、全てが謎。

夢なのかさえ思ったが、このリアルな感触に悲痛な思いが胸を過ぎる。

 

一つ分かってるのは、僕の中では死んだ記憶が皆無な事。これは天上の存在である神に付随する誰かが行なった所業だとわかる。

だって手元には知らない鍵が握られている。それを捻ると様々な宝具が収められていた倉庫がある。

喉が渇いていたので水を取り出し飲んで見た。美味い。美味すぎる。これが英雄王の宝具か。

 

 

 

ハイハイや掴まり立ちが出来るようになり、この屋敷で行動できる範囲が広がった。

既に両親が他界しており住んでいるのは使用人と僕だけだった。

言葉を少なからず理解できるようになる。まだ話せないが耳が発達してきた所為か使用人の会話からしてこの世界のことが理解できた。

魔法科高校の劣等生……。さすおにの世界。やばい世界に来てしまったもんだ。

多分、転生特典がギルガメッシュの能力と容姿なんだろう。

しかも今世の名前が、王《おう》英雄《ひでお》だったりする。

どう見ても英雄王を入れ替えたにしか思えない。笑ってくれ、こんな現実を笑ってくれ。

確かに最強のサーヴァントだ。だけどな、僕みたいな一般人が使うような能力としては些か強すぎやしないか?

危険な世界だからと神が同情してくれたのかと思ったが、それは否定した。

どう見ても、あの作り変えられるような感覚はギルガメッシュとしての能力に魂が耐えられるか実験したにしか思えない。

それを戦った結果がこの状態なんだろう。転生だから肉体あるから受肉してるし、魔力は溢れんばかり存在を確認できる。

この世界ではサイオンだったかな。

 

 

 

 

 

 

 

2

 

中学を卒業し、今は入学式に向けて進学先の学校へ登校していた。

向かう学校は『国立魔法大学付属第一高等学校』。

そう、我らが原作主人公達が通う学び舎である。

 

 

どうしてこうなったのかを簡単に説明したいと思う。

魔法家系でない両親から化け物ごとく強い魔法師が誕生した。

両親は歓喜した。この世界の魔法はデメリットよりメリットの方が多いからだ。

それがいけなかった。僕のうちに秘めたある人形が防衛本能か分からないが自動に起動した。

そして両親を殺害した。両親は事故ではなく僕が無意識化で殺していた。だけど良かった点がある。

両親の死は事故死として処理され使用人からは逆に両親が幼い頃に亡くなってしまった可哀想な子供として優しく見守られた。

それから10歳のある日、使用人の一人あるゼルバー・ガルウスに手紙を渡された。

そこに書かれていた事に僕は絶句し、その条件を飲むしかなかった。

こんな特異な子供をこの世界は放置しない。日本を支配している十師族が特にだ。その中の一つの四葉家はなら尚更だ。

どうやってその情報を手に入れたかは定かではないが、おおよそ分かっている。黒羽家だろうと。

四葉の情報を統括している分家の一つであると原作知識のある僕には筒抜けだ。

まぁ、今は大人しく踊られよう。貴方達に今ひと時は膝を屈しよう。

だが、忘れるな。僕は英雄王として生まれ変わったが、王だ。

 

 

 

永遠に縛られるとと思うなよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

3

 

「納得出来ません」

「まだ言っているのか?」

 

入学式の当日、校門近くで行われている兄妹の三文芝居。

そそくさとその場を離れようと思ったら。

 

「そう思いますよね、英雄さん」

「うぇ!?」

 

僕の姿が見えていたであろう事実に泣きたくなる。彼らに関わらず穏やかに三年間過ごしたかった。

司馬深雪に話しかけられた僕は咄嗟の事に動揺してしまう。

 

「ですから、お兄様が補欠な事です!入試の成績はトップだったんですよ」

気迫のこもった深雪の問いかけに頷く。

「そうだね。達也は評価されるべきだし、そして早く四葉を支配してもらわないと」

「王!それは此処では言わない約束だ」

鋭い眼光に深雪は息を呑み、僕は笑って流した。

「でも、事実だからね。達也は少し自己評価をやり直すべきだね」

「その通りです!さすがは英雄さん!深雪もお兄様にはもっと前に出てほしいと思っています」

僕と深雪のさすおに賞賛に達也は溜息をついた。

「お前達二人が揃うと調子が狂うな!深雪、そろそろ答辞の準備じゃないか?早く行ってきな」

深雪は僕と達也に一礼してから講堂に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4

 

「それで、達也は僕に用があるのかな?」

「何故そう思った?」

「顔に書いてあるぞ」

「……え?そんな訳がないだろ」

久しぶりの達也の動揺した姿に苦笑が漏れてしまう。

あれから5年か。長かったようで短かったな。

「やっぱり、感情を取り戻してからはそういう感情の動きが激しくなったな」

そう、達也は既に感情を取り戻ししている。原作ではクールな達也で機械のような人柄だったが、僕が治した。

はじめて達也と対面した時は驚いたもんだ。同い年なのに人ではないような怖さがあった。

そういう経緯もあって達也と深雪とは良い関係を築けている。原作主人公と絆を深めるのは悪くない選択だと思うしね。

 

「……っ。俺は未だに戸惑っている。でも、これで良かったし、王には感謝している」

赤面しながらの礼に笑ってしまった。やっぱ、凄いわ宝具は。

あわよくばこの関係を続けていきたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この物語は英雄王の能力を授かった一人の人間が魔法科世界で織り成す伝説期である。

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