「夢・・・じゃないよな」
学校から帰っても考えるのは昨日のことだ。
確かに兵藤は腹を貫かれていてかなりの量の出血もしていた。見ただけでも死を予感できるほどの傷だった。
非現実的な状況でただ茫然としていたが、我に返り救急車を呼ぼうと携帯を取り出した瞬間、魔法陣のようなものが描かれ光り、そこから紅い髪の女の子が出てきたのだ。
その紅髪の女の子は兵藤に近づきチェスの駒を取り出した。いったいなんのためにと思っていたら兵藤の体に駒が飲み込まれていった。合計で7つ飲み込まれたところで冷静になった俺は途端に怖くなってきた。いわゆる見てはいけないものを見てしまったから自分も兵藤のように殺されそうになるのではと。
恐怖した俺は音を立てないようそこから静かに立ち去った。
「お兄ちゃーん、コンビニでアイス買ってきて」
マイスウィートシスター小町が風呂上がりの髪を吹きながらお願いしてくる。うん、可愛い。まったくしょうがないな。
考えもそこそこに、俺はコンビニに向かっていた。可愛い妹のお願いならばしかたあるまい。
しばらく歩くと公園が見えてきた。例の公園だ。
「忘れた方がいいんだろうな・・・」
「おい!逃げろ!ヤバイやつがこっちにくる!!」
前方から大声で誰かが叫びながら走ってくる。
何言ってんだあいつ。ん・・・あれって兵藤か?
「お前確か同じクラスのひき・・・がや?だよな!早く逃げろ!」
ぞくっ!
俺の背後から嫌なものを感じる。
「目撃者か、処分しなければな」
後ろを振り向くと黒い翼を生やしたスーツの男が立っていた。
コスプレ?にしてはいきすぎてるな。
「さて、手早く済まそう」
男はそういうと両手で光をらしきもの集め槍のようなものを形成した。
昨日の!ヤバイ!
理解した瞬間、とっさに体をひねり兵藤を突き飛ばした。
次の瞬間、俺の腹と足には光の槍が突き刺さっていた。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
「ぐ・・・ぁぁ・・・」
その場で呻く。耐え難い痛みで倒れふす。
「ひ、比企谷・・・!」
「ぁ・・・ぁやく・・・・・・逃げぉ・・・」
のどをふるわせ絞り出した声で言う。
「ほう、これは予想外だ。まさかかばうとはな」
本当にその通りだ。ちくしょう、なんでかばっちまったかな。
「しかし結果は変わらん。二人ともここで殺す」
男は兵藤にも同じ光の槍を放ち、兵藤の腹を貫いた。
「ぐぁ・・・!」
兵藤の悲鳴が聞こえる。
昨日と似たような光景、非現実的で夢かとも思うが腹と足の激痛が夢ではないと叫んでいる。
死にたくない・・・!
当然、俺の目の前で爆風が巻き起こり男の手元から鮮血が迸っている。
「そこまでよ」
俺の前には真紅い髪をなびかせた美少女が立っていた。
物語が全然進まない・・・