今回ハーメルンで初めてオリジナルものに挑戦。何処まで出来るか分かりませんかどうぞ読んでやって下さいませ。
雲一つない夜空に浮かぶ満月の光が煌々と輝き、下界に立ち並ぶ摩天楼を照らす。摩天楼の七色の光は更に下のみを照らすが全てにその光は行き届かない。ビルとビルの間の狭き空間では暗き闇を好む様々な者が偲び様々な行いに及ぶ。時には人智の及ばないモノもまた…、惨く悍ましい行為に及ぶものである。
今宵も1人…
…だが其所に人影が一つ現れて何とその大きな角蛙に近付いて行った。人影は鋭角な襟を立てたマントに身を包みを化け物など恐れずに対峙した。深々と被る軍帽に妖しげなドクロマークを銀色に輝かせ、鋭く光る眼孔が化け物を睨んだ。牡牛の様な角を生やした化け物はその人影にギロリと視線を移して舌舐めずりをした。
「どうやら間に合わなかった様ね。仕方ないとはいえ助けられなかったのはやっぱり辛いな…。」
人影はマントを翻して両手を出した。マントの下はまるでアニメーションに出てくる様な近代的デザインの軍服でかなりの豊満な胸である事から人影の正体は軍服を着こなした女性である事が分かった。
《ミレイ、どうやらまた下級な次元魔の様だ。手早く済ませろ。》
「言われなくても解ってる!」
何処から途もなく男の太い聲が聴こえると“ミレイ”と呼ばれた軍服の女性は目を細め、両手左右にモーゼルC96を取り出し化け物に二挺の銃口を向け引き金を引いた。二つのマズルフラッシュを起こし二発の銃弾が化け物へと飛んでいくが何と稀に見ぬ反射神経とモーションを一切見せない六本足による垂直飛びで二発の弾丸を避けて其のままビルディングの上へと逃走。しかし避けられた筈の二発の弾丸は真っ直ぐとは飛ばずに蛙の化け物を追尾して更に加速。化け物を真下より命中させて腹から背中を貫通した。
「GYORAAAAAA!?」
激しい絶叫を発して化け物はビルの屋上に落下、そして何とあの軍服女性…ミレイがビルとビルの間を交互に跳びながら化け物が落ちた屋上まで昇って来た。彼女は右手のモーゼルC96を化け物に向けるが、ソイツは牡牛の様な二本の角を触手の如く高速で伸ばして反撃する。だがミレイは微動たにせず右手のモーゼルC96から二発を撃ち出して伸びて来た二本角を粉々に砕き折った。
彼女はまた二挺を構え銃口を向ける。すると化け物は口を閉じてモゴモゴと口の中を動かしたかと思えば、口を開けた瞬間に舌で先程呑み込んだ男をミレイに投げつけてきた。ミレイは一瞬動揺してしまい躱す事が出来ずに男を抱き止めてしまった。其れが大きな隙となり牡牛の角を生やした蛙の化け物はまたあの跳躍で逃走、今度は完全に逃げられてしまった。
ミレイは化け物より投げつけられた
すると何処からか一匹の“蝿”が飛んで来て彼女の右肩に留まり、耳元であの男の太い聲が聴こえまた少し嫌そうに顔をしかめた。
《毎度の事ではあるがイチイチ死体に謝るのが好きよのう、ミレイ。》
「貴方も相変わらず
どうやら彼女の肩に留まっている蝿が男の聲の主の様でミレイは蝿と話を始めていた。ヴェルと呼ばれた蝿はミレイと同じく横たわる死体を見、前肢を組んでミレイに警告する。
《逃がしてしまったな、此でまたあの次元魔…“ディメンジョン・デーモン”の犠牲者が出るぞ。
お前は長年
蝿に説教を貰った彼女…軍服美女こと浮之瀬美麗は中腰になって膝を抱え深々と被っている軍帽のツバで隠れた目をジト目にして肩にいる小さな蝿を睨んだ。
「仕方ないじゃない、私正義のヒロインじゃないし。
あの“DD”見かけに寄らず反応良かったし、被害者の人投げつけられちゃったし。」
先程化け物を追い詰めた勇ましい強者の姿そは何処へやら、美麗は軍帽のツバを下に更に深く被り直し肩の蝿…ヴェルにソッポを向いて拗ねてしまった。ヴェルはいつもの如く呆れ蝿の姿でやれやれと人間の手振りでジェスチャーした。