蒼が導く幻想の旅路~東方蒼幻録~   作:wingurd

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だいぶ長い間更新が止まってしまい申し訳ありませんでした。
仕事の都合で東北の支社に単身赴任しており、休みの時も作成する余裕がほぼありませんでした。
合間にちょこちょこ書いていましたが、文章能力がなく時間がかかりましたがなんとか更新できました。

一応休みを長期でくれることになりましたが、これからドラクエ購入で更新が遅れそうです。
一応、更新ペースを安定させるつもりですが、2週間位が平均的になりそうです。

今パートで美鈴・咲夜戦は決着します。
では、本編をお楽しみください。


幻の旅路 第3話 緋色の狂気 part3

美鈴

「はあああああ!」

 

ショウ

「させるか!」

 

重い衝撃音の後に二人が離れる。

片方は剣、もう片方は拳、近距離戦を得意とする二人による戦闘は激しさを増していた。

 

美鈴

(つ、強い・・・弾幕ごっこなら負け越していたけど、接近戦でここまで苦戦するなんて・・・)

 

ショウ

(変わった動きだが、なんとかついていける。しかし、すごい人だな・・・ドライブで身体能力を強化しているのに肉薄されるとは・・・)

 

互いが互いの強さに驚愕する。

美鈴は自分が絶対の自信を持つ接近戦で苦戦していることに。

ショウは身体能力を強化しているにもかかわらず強さが拮抗していることに。

 

二人の戦いは硬直状態、互いに決定打を入れられない状況が続く。

その時ショウが動いた。

 

ショウ

「埒が明かないな。ならば、攻め方を変える!」

 

ショウは言葉の後に体から大量の魔素を放出し、地面に剣を突き刺した。

その瞬間、美鈴の足元から魔素が吹き出し美鈴に襲い掛かる。

先程とは違い搦め手を使いだしたショウの攻め方に美鈴は徐々に押され始めた。

更に、ショウが徐々に美鈴の独特の動きに慣れ始めた事も原因の一つとなっている。

 

美鈴

「見えない死角からの攻撃も混ぜられてはかなりきつい・・・しかも、ショウさんの反応も徐々に良くなっているとなると、長くは持ちませんね・・・ならば、短期決戦です!」

 

美鈴が気合を込めて言葉を発すると同時に周りに衝撃波が発生する。

そして、美鈴の体からうっすらとオーラのような物が沸き上がる。

明らかに先程と様子が違う美鈴に対し、ショウもなりふり構っている状況じゃないのは明白だった。

ショウも覚悟を決め、体に力を込める。

 

ショウ

「本気って訳か・・・ならば此方も全力でいくぞ!喰らい尽くせ!術式・・・解放!黒獣解放『リベレイト・ザ・ビースト』!!」

 

叫びと同時にショウの周りから大量の魔素が吹き出し、獣の頭のような状態に変化していく。

ショウがオーバードライブを起動させたのを見たアリスは、表情を曇らせつつショウに呼び掛けた。

 

アリス

「シ、ショウ・・・大丈夫なの?前の時は制御出来なかったのに。」

 

アリスはショウとの弾幕ごっこを思い出していた。

自身の目の前に迫る死そのものを体現した姿は少なからずアリスにトラウマを植え付けていたのだ。

 

ショウ

「アリスのおかげで身体に問題はない。短時間なら問題なく制御出来るから心配するな。長引かせて二人が怪我をしてしまったら元も子もない。なら、多少危険でも使うことに躊躇いはないさ。必ず守って見せる!」

 

アリス

「ショウ・・・なら、私は貴方を信じるわ。思う存分やりなさい。後ろは任せて!」

 

魔理沙

「嬉しい事いってくれるじゃないか。援護は任せな!ショウは美鈴に集中してくれ!」

 

魔理沙、アリス共にショウの横に並び気合を見せている。

対して、咲夜、美鈴はこちらに敵意を見せながら会話していた。

 

咲夜

「美鈴大丈夫?魔理沙、アリスならまだしもあのショウって奴は接近戦の貴方でも押さえきれなかった。私は魔理沙達の相手で手一杯だから、まともに援護はできそうにないわよ?」

 

美鈴

「・・・正直に言うと・・・無理です。最初の内ならまだしも、徐々に私の動きに慣れ始めている今では、まず勝てないですね。気を込めて肉体を活性化させてますが、ショウさんの変化はそれ以上にヤバイ代物だと思います・・・」

 

咲夜

「!?美鈴!あなた!?」

 

美鈴

「でも・・・同時に嬉しいと思う私がいます。今まで私には、接近戦で苦戦するような相手はまずいませんでした。でも今は、全力で戦っても勝つのが難しい相手が目の前にいる・・・例え勝てなくても、私は更に上を目指せるのが嬉しいんです。門番としては問題ですけどね・・・」

 

そう言って美鈴は困ったような顔で笑っていた。

 

咲夜

「美鈴・・・はあ、分かったわよ。好きにやりなさい。魔理沙達は私が押さえておくから。でも、何も出来ずに負けるのは許さないから。せめて、きついの一発叩き込んできなさい。」

 

美鈴

「はい!私もやられっぱなしで終わるつもりはありません!行きます!」

 

美鈴と咲夜は共に飛び出し此方に向かって来た。

それを確認したショウ達も美鈴達に向かって行く。

 

アリス

「咲夜は私達が押さえるから、ショウは美鈴に集中して。魔理沙は遠距離から咲夜を魔法で牽制、私は人形と一緒に中距離から弾幕を散らしておくわ。これなら咲夜が美鈴の援護に向かうのは困難になる。万が一抜かれても、ショウの周りに護衛用の人形を展開しておくからそれで迎撃出来る。ただし、美鈴にまで手は回らないから必ず勝ちなさいよ!ショウ!」

 

アリスは護衛用の人形を取りだしショウの周りに配置しつつ、ショウと魔理沙に指示を出す。

 

魔理沙

「オッケー!任しとけ!」

 

ショウ

「ああ。心配するな。必ず勝つ!」

 

二人が言葉を言い終わるとほぼ同時に、ショウと美鈴が衝突し、上空では魔理沙、アリスのコンビと咲夜の弾幕戦が再開した。

 

美鈴

「せいやぁぁぁ!」

 

ショウ

「はあぁぁぁ!」

 

再び衝突するショウと美鈴。

炸裂する衝撃音は先程とは比べ物にならない。

しかし、二人の戦いは先程とは違う点が一つあった。

 

ショウ

「そこだ!」

 

美鈴

「く!?反応が速い!?」

 

明らかに美鈴が押されていたのだ。

 

美鈴

(やはり・・・ですか。身体能力の上昇だけならまだしも、牽制用の弾幕が悉くあの獣の頭に迎撃される。恐らくは、私の弾幕に対して自動的に迎撃するようにコントロールされている様ですね。でなければ、一度も弾幕を見ずに全てを潰す何て神業が出来るはずもない。)

 

ショウは美鈴の独特の動きに慣れ始めており、先程とは違い美鈴にアドバンテージがない。

それに加え、美鈴の弾幕に対しては、変化した魔素が自動的に迎撃してしまうため、ショウは美鈴の動きだけに集中出来る。

結果、純粋な戦闘力の差が勝敗を分ける戦いになったが、僅かではあるものの確実にショウの方が強かった。

 

美鈴

「流石にこれはきついですね・・・でも・・・」

 

美鈴は押されながらも諦めた様子はない。

 

美鈴

「咲夜さんと約束した以上・・・」

 

美鈴の口から出る言葉には力が込められている。

 

美鈴

「何も出来ずに負けるわけにはいかないんです!」

 

闘志を燃やしショウに拳を突き出す。

ショウは回避しつつ反撃の体制を取ったが、美鈴の狙いはこれだった。

 

美鈴

「見えた!そこです!」

 

ショウの反撃に合わせて懐に踏み込み、その勢いを殺すことなく肩からショウに体当たりを仕掛けた。

中国武術の中に『鉄山靠』と呼ばれる技があるが、美鈴はこれを使用した。

全身の力を使い強烈な体当たりを当てる技、しかも、カウンターに利用したならその威力は計り知れない。

ショウは咄嗟に防御したが、流石に衝撃全てを吸収し切れずかなり後方まで飛ばされる。

そして、美鈴はそれを好機と見るや自身の両手に高密度に圧縮した気を集中させる。

勝負を決めるために自身が出せる最強の技をぶつけようとした。

 

美鈴

「はあああああ!」

 

みるみる内に美鈴の両手に集まる気を目にしたショウは直ぐに技を潰す為に美鈴に突っ込もうとしたが、気付いた時には既に技を放つ直前の状態にまで気が圧縮されていた。

 

ショウ

「な!?さっきまではまだ発動まで時間が必要だったはずだ!何が起きたんだ?」

 

突然の事に戸惑っているが、状況が長考を許さない。

 

ショウ

「なら、迎え撃つまでだ!」

 

直ぐに思考を立て直し、自身の前方に剣で術式の陣を描く。

それと同時に身体中の魔素を左手に集中させる。

時間的に集中しきるのは難しいが贅沢は言えない。

陣を描き終わるのとほぼ同時に美鈴が動いた。

 

美鈴

「紅魔館の門番として何も出来ないまま負けるわけにはいきません!ショウさん!これが・・・私の最後の技です!はあああああ!行きます!星気『星脈地天弾』!!」

 

美鈴が叫ぶと同時に美鈴の手から虹色に輝く気の波動が放たれる。

その波動はかなりの速度と質量を持ち、真っ直ぐショウに向かって来ていた。

それを確認したショウも完成した術式陣に左手をかざす。

 

ショウ

「負けられないのは此方も同じだ!貫け!『バニッシュ・・・ゲイザー』!!」

 

ショウがかざした左手の先にある術式陣からどす黒い色をした波動が放出される。

それは、先程美鈴が放った波動と衝突し、激しい炸裂音が鳴り響く。

 

美鈴

「いっけええええええ!」

 

ショウ

「貫けええええええ!」

 

二人は怒号のような声をあげお互いの技に力を込める。

最初の内は拮抗していたが、力を集中する時間が足りなかったショウの方が徐々に押され始めた。

この時、二人の衝突を観察していたアリスが魔理沙に向かって叫んだ。

 

アリス

「魔理沙!ショウの援護を!僅かだけどショウが押され始めてる!あれに対抗出来るのは魔理沙のマスタースパークしかないわ!咲夜は私が押さえておくから、お願い!・・・そして・・・」

 

魔理沙

「マジかよ!?オッケー!任しとけ!」

 

アリスの言葉を受け、魔理沙はショウの援護に向かおうとするが・・・

 

咲夜

「私の世界から逃げられるわけないでしょ?幻世『ザ・ワールド』。時よ・・・止まりなさい。」

 

咲夜が言葉を発した瞬間、彼女の周囲の時が停止した。

彼女自身を除いて・・・

咲夜は時が止まっている内に魔理沙の周囲にナイフを投げる。

すると、ナイフは魔理沙の周囲に停滞して止まる。

咲夜の体から離れた物体は例外なく時が停止するためだ。

咲夜は時が停止している間に周囲を確認すると、魔理沙は真っ直ぐショウの所に向かおうとしており、ショウは美鈴とのせめぎ合いの最中、アリスは懐に手を入れており何をしようとしているかはわからないが、大方援護に向かう魔理沙のサポートをするつもりのようだ。

アリスの口は何かを喋ろうとしているようだが、どのみち時が停止しているので意味はない。

停止を解除して魔理沙を倒せば、ショウは美鈴に競り負け敗北し、残ったアリスは美鈴と一緒にゆっくりと倒せばいい。

勝利を確信した咲夜は時間停止を解除した。

 

咲夜

「そして・・・時は動き出す。」

 

指を鳴らし時間停止を解除する。

瞬間、停止していたナイフは魔理沙の元へ、懐に手を入れていたアリスは懐から何かを取りだし、喋ろうとしていた言葉の続きを発した。

 

アリス

「悪いけど・・・あなたのやることは読めてるわ!」

 

アリスが言葉を発した瞬間、魔理沙の懐から数体の人形が飛び出しナイフを迎撃した。

アリスは最初から魔理沙の懐に人形召喚用の魔法陣を書いていたのだ。

その隙に魔理沙はショウの元へ、そしてそれを阻止しようとした咲夜の周りに数体の人形が出現した。

 

咲夜

「な!?」

 

アリス

「残念だけど、あなたはここでリタイアよ。さあ見せてあげる。ショウと一緒に考えた私の新しいスペルカードをね!狂劇『ハンニバルレクイエム』!!」

 

アリスが宣言した瞬間、咲夜の周囲の人形が無差別に弾幕をばらまきながら、咲夜に向かって突進した。

 

咲夜

「くっ!?数が多すぎる!?」

 

咲夜は弾幕を回避していたがあまりにも数が多く時折掠りながらも凌いでいた。

しかし、弾幕を放っていた人形同士がぶつかった瞬間、人形が爆発し、同時に放たれた弾幕も誘爆した。

 

咲夜

「な!?しまっ!?」

 

言葉を言い終わる前に咲夜は爆発に巻き込まれ、空中から落ちていった。

 

美鈴

「な!?咲夜さん!」

 

魔理沙

「おーい中国?そっちより自分の心配をした方がいいぜ?」

 

美鈴

「!?」

 

美鈴が咲夜に対して気をとられている間に魔理沙はショウの横にたどり着いており、手にはスペルカードが握られ、もう一つの手には魔理沙の武器、八卦炉が握られていた。

 

魔理沙

「待たせたなショウ。咲夜はアリスが倒した。なら後は美鈴を倒しゃ終わりだ。決めちまおうぜ?」

 

ショウ

「そうだな。終わらせよう!頼めるか?」

 

魔理沙

「任しとけ!そんじゃ、一緒に行くぜ!恋符『マスタースパーク』!!」

 

魔理沙の宣言と共に八卦炉から虹色の波動が放出される。

そして、押されていたショウの波動に沿うように美鈴の波動とぶつかり肥大化したエネルギーが爆発。

辺りに轟音を響かせながら、周囲に砂埃が舞い上がる。

 

美鈴

(くっ!砂埃で視界が!?)

 

美鈴の視界は砂埃で埋まり、周りは全く見えない。

美鈴は意識を集中し、周囲を警戒すると真っ直ぐ此方に向かって来る気配を感じた。

 

美鈴

(この気配はショウさんですね。さすがです。砂埃でまともに前が見えないのに真っ直ぐ此方に向かって来てますね。ですが、私もあなたが見えているんですよ!)

 

美鈴は向かって来た気配をぎりぎりまで引き付けカウンターを合わせるつもりで正拳突きを放つ。

しかし、その拳はショウの体を捉えることはなかった。

拳の風圧により周囲の砂埃が吹き飛び、明らかになった光景は・・・

 

美鈴

「そ、そんな!?」

 

美鈴の拳が捉えたのは、ショウの発生させた魔素だった。

正確には、ショウが自身の大きさとほぼ同じ大きさに調整した魔素だ。

ショウは、美鈴なら視界が塞がれていても接近した自分に必ず反応してくると考え、調整させた魔素を前方に配置し、自身はその魔素の後ろから美鈴の元へ向かったのだ。

その結果、美鈴は魔素に対して拳を振り抜いてしまい、技後硬直で動けない状態になる。

その隙を逃す筈がない。

 

ショウ

「これで・・・終わりだ!」

 

美鈴の拳を受けた魔素は霧散し、ショウの体へ戻る。

そして、魔素が自身の体へ戻ったのを確認した後、ショウは体内の魔素を一気に解放し、美鈴に向け走り抜けながら剣を振り抜いた。

 

ショウ

「全てを飲み込め!暴食の魔獣!」

 

叫びと同時に振り抜いた剣を地面に突き刺すと、美鈴の立つ場所の周りの地面から、獣の頭に変化した魔素が吹き出し美鈴の周囲を取り囲み、今にも襲いかかろうとしていた。

 

美鈴

「だ、だめだ・・・何かに縛られたように動けない・・・」

 

美鈴はその場から動かない。

ショウは、初撃で美鈴の体内に魔素を送り込み体の自由を奪っていた。

そのため、美鈴は魔獣型の魔素の一撃を無防備に貰うことになる。

 

ショウ

「『グレイプニル・ケルベロス』!!」

 

技名を叫んだショウの言葉に呼応するように、魔獣型の魔素は一斉に美鈴に襲いかかった。

美鈴を中心に魔素が爆散し、辺りに撒き散らされる。

そして、魔素が晴れ、そこに立っていたのは、倒れた美鈴を見下ろすショウの姿だった。

 

美鈴

「すみません・・・お嬢様、咲夜さん・・・負け・・・ちゃいました・・・」

 

自身を負かした相手を見つめながら、謝罪の言葉を呟き、美鈴はその意識を落とした。

 

to be continue

 




第3話 パート3 終了です。
一応の流れは、紅魔館突入後、魔理沙が離脱し、アリスと二人でレミリアの元へ向かい、レミリア戦を経て第4話の異変パートに入る予定です。

レミリア戦では新しくオリ主のスペルカードが登場予定で、レミリア戦の後に纏めて資料集を更新します。

異変パートでは、このssの肝の後日覚醒能力が解禁されますが、はっきり言ってチートなのでその辺りが苦手な方には申し訳ありませんが、この能力が書きたかったためこの作品を投稿したので変えるつもりはありません。ご了承ください。

では、次回更新までしばらくお待ちください。
ありがとうございました。
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