咲夜・美鈴戦の後の話とレミリアとの邂逅及び弾幕ごっこ対レミリア戦導入部になります。
レミリア戦は二部構成を予定しており、間に魔理沙サイドを挟んで決着します。
今後は、予定通りレミリア戦後資料集を更新してから異変パートに入ります。
では、本編をお楽しみください。
美鈴
(負け・・・ですか・・・でも、悔いはないですね。私は全力を尽くしました。であれば、今回の戦いでは勝ち目はありませんでしたね。ただ、咲夜さんの時間停止の能力を借りてこの結果ですか・・・咲夜さんになに言われるかわかりませんね・・・何て謝ろうかな・・・)
咲夜
「素直にごめんなさいでいいわよ。やれることはやったんでしょ?」
美鈴
「!?」
美鈴は気を失っていたが、どうやら寝言を喋っていた。
それに対して咲夜からの返答があり、驚きのあまり目を覚ます。
そして、美鈴の目の前には咲夜ともう一人の顔があった。
ショウ
「気がつきましたか?良かった。少しやり過ぎましたから心配していたんですよ。」
美鈴
「ショウ・・・さん?ど、どうして?」
咲夜
「彼とアリスが私達を治療してくれたのよ。どういう意図かは分からないけどね。」
美鈴
「治療?ショウさん、何のつもりですか?私達はあなたの敵ですよ?一体・・・いたっ!?」
ショウ
「まあ、それが答えです。完全には直してません。この意味、わかりますよね?」
ショウは心配しているといった顔をしていたが、その顔を真剣な表情に変え美鈴に答えた。
美鈴
「なるほど。そういうことですか。」
ショウの発した言葉の意味。
それは、完全に治療をせずに怪我を治し、もし再び戦いになってもショウ達に絶対的なアドバンテージを残すためだ。
つまり、もう一度戦っても必ずこちらが勝つから、もう戦うなという間接的な命令だった。
事実戦いになれば確実にショウ側が勝つことに疑いの余地がないため、美鈴達にはどうすることもできない。
美鈴
「わかりました。わざわざ治療していただいてありがとうございます。お通りください。私達にはもうショウさんを止めることはできません。悔しいですが・・・」
ショウ
「すみません。手荒になってしまって。本来なら日を改めるところですが。」
咲夜
「先に仕掛けたのはこちらですから気にしないでください。あと、魔理沙?あなたはもう少し落ち着いて行動した方がいいわよ?あなたが仕掛けるつもりだったから、こちらも強行手段を取ったんだから。」
魔理沙
「うっ!?わ、悪かったよ。だけどそっちも悪いんだぜ?理由くらい教えてくれてもいいじゃないか?初対面じゃないんだし。」
咲夜に指摘され謝罪した魔理沙だったが、咲夜の態度について指摘すると、咲夜はばつの悪そうな顔をした。
咲夜
「戒厳令についてだけど冗談抜きで知らないのよ。お嬢様は私にも理由を教えてくれなかった。私が知らないなら、館内の誰も知らないと思うわよ?」
美鈴
「別に秘密にしてたわけではなく、本当に知らなかったんです。すみません。」
戒厳令の理由については、二人とも知らないと言う。
それに対して疑問を浮かべる魔理沙とアリスだったが、ショウは全く別の感情を抱いていた。
ショウ
「なら、あなた達にこんな命令を出しておきながら、理由すら教えないだって・・・?ふざけるな・・・!」
ショウが抱いた感情はレミリアに対する激しい怒りだった。
美鈴・咲夜
「ショウさん?」
ショウ
「あなた達なら理由が分からなくても命令を確実に遂行するでしょう。でも、理由も分からず戦うのと、理由を把握した上で戦うのとでは、取り組み姿勢に差が出る筈です。集中力も違うでしょう。それは、全て戦闘力の差になります。今回もあなた達が理由を知り、納得した上で戦っていれば、結果は違ったかも知れません。あなた達の事をちゃんと考えているなら尚更だ!」
咲夜達の事を大事に思っているなら理由を話す筈であると考えているショウにとって、レミリアのとった行動は遠回しに彼女達を信用していないと言っているのと同義だった。
ショウ
「行こう。魔理沙、アリス。レミリアに聞くことが一つ増えた。話を聞かなきゃ気がすまない!」
魔理沙
「・・・悪いけど、私は行かない。パチュリーの所に行くよ。用事があるからな。」
ショウ
「あれ?魔理沙は来ないのか?」
アリス
「魔理沙・・・。また本を盗みにいくつもり?別に今じゃなくてもいいでしょ?」
魔理沙
「盗むなんて人聞きの悪い事言うなよ。借りるだけだぜ?死ぬまでだけど。」
ショウ
(人はそれを盗むと言うんだよ魔理沙・・・。)
魔理沙は一緒には行かず、紅魔館内の図書館に行くらしい。
アリスの問いに対し違うと言いつつ肯定の返答をする魔理沙に苦笑していると、魔理沙から思わぬ言葉が出てきた。
魔理沙
「それに、パチュリーの所に行くのはショウのためだぜ?あそこならショウの記憶の手がかりがあるかもしれないし、パチュリーにも意見を聞けるしな。」
ショウ
「え?俺のため?」
魔理沙
「ああ。ショウに関わったのは私が最初だしな。出来る限り協力するぜ。まあ、ショウと一緒だと退屈しないからってのもあるけどな。だから、調査は私に任せてショウはレミリアとの決着をつけてこいよ?一言文句言ってやるんだろ?」
ショウ
「魔理沙・・・ありがとう。なら、任せていいか?」
魔理沙
「任しとけ!何かしらの手がかりは見つけてやるよ!」
ショウ
「何から何まで世話になりっぱなしだな。本当にありがとう魔理沙。じゃあ、行こう!アリス!」
アリス
「そうね。行きましょう!」
魔理沙と別れ、アリスと二人で紅魔館内に入ろうとすると、咲夜が話しかけてきた。
咲夜
「ショウさん。私から何点か注意事項を説明させていただきますね。この時間お嬢様ならメインホールにいると思います。メインホールは入り口から真っ直ぐ廊下を進んだ先ですから迷うことはない筈です。だから、ショウさんは真っ直ぐお嬢様の所に行って下さい。寄り道はしないようにお願いします。また、間違っても地下室には行かないでください。妹様に関われば死ぬ危険もあります。絶対にしないでください。」
ショウ
「またずいぶんと物騒な話ですね。妹様とは誰なんですか?」
咲夜の口から初めて聞く人物についての話を聞き質問を返す。
咲夜
「お嬢様の妹で、名前はフランドール・スカーレット。見た目は可愛らしい少女の姿です。特徴として、輝く水晶の羽を持つ金色の髪をした方ですが、精神に異常を持っています。見知った顔であるなら問題は少ないんですが、初対面の場合は矛先が向く危険性が極めて高いですので、命が惜しいなら近づかないように。」
ショウ
「わかりました。わざわざすみません。」
レミリアには妹がいるようだが会うのは危険らしい。
咲夜の言葉を心に留めつつアリスと共に紅魔館の門を開き中へと進んでいった。
ショウの姿が見えなくなったのを確認した咲夜と美鈴は、残った魔理沙に話しかける。
咲夜
「魔理沙。ショウさんは一体何者なの?外来人とは聞いてるけど、接近戦の美鈴ですら真正面から戦えば負ける相手、しかもそれが人間なんてにわかには信じられない話なんだけど?」
美鈴
「妖怪特有の妖気や霊力は感じませんでしたから人間なのは間違いないですが、あの黒い霧みたいな物はただの人間に扱える代物じゃありません。どんな人なんですか?」
魔理沙は質問に対して苦い顔をしたが、意を決したように口を開いた。
魔理沙
「・・・私もショウについて詳しくは知らない。ただ、あいつが戦闘の時に使うあの黒い霧みたいな物については少しだが教えてもらった。少し話が長くなるけど構わないか?」
咲夜・美鈴
「「お願い(します)。」」
魔理沙
「分かったぜ。じゃあ、まずは・・・」
《少女説明中》
魔理沙
「・・・という話らしい。要するに、ショウの意思で自由にコントロールできる障気みたいな物だぜ。単体での毒性の強さ、汎用性が極めて高い代物だし、それにショウの戦闘力を合わせたら反則クラスの能力だな。」
咲夜
「呆れるほどに反則的な能力ね。身体能力の強化だけじゃなく、毒性の高さ、拡散、集束、硬化までとか、私の能力ほどあからさまな反則能力じゃないけど、充分チートね。美鈴が負けるのも頷けるわ。」
美鈴
「そこまで強い能力を持っていながら、戦闘技術も群を抜くレベルでしたし、勝てない筈です。途中で見せたあの獣の頭のような物については知ってますか?」
魔理沙
「ああ。知ってるぜ。あれはショウ曰く『オーバードライブ』って名前の能力らしい。効果は簡単に言えば、さっきのショウの能力を超強化する効果らしいぜ。ただ、デメリットもでかいらしいがな。色々教えてはくれたんだが、難しくて半分位しか分からなかったんだよ。詳しく知りたいなら本人に聞くか、アリスに聞いてくれ。アリスは実際に戦ったし、デメリットが発動した場面を見てるらしいからな。」
魔理沙の説明に興味津々といった態度で聞いていた二人だったが、ポツリと咲夜が爆弾発言を発した。
咲夜
「ちょっと興味が出てきたかも・・・戒厳令が解かれたらお茶にでも誘ってみようかしら・・・」
美鈴
「ちょ!?咲夜さん!?さらっとすごいこと言いませんでした!?」
咲夜
「そう?別に普通だと思うけど?それに、その方が美鈴にも都合がいいでしょ?ショウさんと一緒に修行したそうな顔してるわよ?」
美鈴
「な!?別にそんなつもりじゃ!?」
咲夜
「ならいいわね。今度誘ってみましょう。」
美鈴
「・・・さ、咲夜さん?」
咲夜
「何かしら?」
美鈴
「・・・誘えたら、教えてください・・・」
咲夜
「ふふ・・・素直でよろしい。最初からそう言えば良いのよ。ショウさんの性格なら多分、あなたが普通に誘っても承諾してくれると思うわよ?ショウさん紳士っぽいし。」
美鈴
「・・・その誘導の仕方は、ずるいですよ・・・」
いたずらが成功した子供のような笑顔を浮かべる咲夜に対し、顔を赤くした美鈴が文句を言う。
魔理沙は二人のやり取りを見て笑っていたが、そろそろ図書館に向かおうと考え、二人に一言言ってから紅魔館内に入っていった。
門前に残された二人は、レミリアの事について思案していた。
咲夜
「・・・さて、二人きりになったことだし腹を割って話しましょうか。美鈴、あなたはお嬢様の態度・・・正直なところどう考える?」
美鈴
「率直に感想を言うならちょっと悲しいですね。主従以前に家族のような関係を思い浮かべてましたから。まあ、お嬢様はそう考えておらず、私の独りよがりだったかもしれませんが。」
咲夜
「そんなことはないと思えれば簡単な話なんだけどね。ショウさんに言われて初めてお嬢様に疑問を抱いたし。でも今までそんなことはなかったはず・・・お嬢様に一体何が・・・?」
二人が考えを話し合うが結論は出ない。
その内、二人は戦闘の怪我と疲労でその場で眠ってしまった。
彼女達が求める答えは、当事者のレミリアしか分からない・・・
そして、彼女達が眠りについた時とほぼ同じ頃、紅魔館内では・・・
???
「・・・今日招待した人物はいないはずだけど?どちら様?」
ショウ
「あんたに話があって来た。聞いてもらうぞ・・・紅魔館の主、レミリア・スカーレット!」
レミリア
「礼儀がなっていないわね?死にたいのかしら?それにしても、咲夜や美鈴は何をしているのやら・・・こんな礼儀知らずに侵入を許すなんて。役に立たないわね。」
ショウ
「!?」
紅魔館の主レミリアと対峙したショウだったが、レミリアが放った言葉を聞き、頭の中で何かが切れた。
ショウ
「黙れ・・・」
レミリア
「・・・よく聞こえなかったわね・・・?今、この私に向かって、何と言ったのかしら?」
ショウの言葉を耳にしたレミリアは信じられないといった表情を浮かべ、目の前の無礼者に言葉を発した。
それに対してショウは視線に殺気を込め、レミリアを睨み付けながら答えた。
ショウ
「黙れと言った。彼女達はあんたの命令を守り、やるべき事をやった。見てもいないのに勝手なことを言うな・・・不愉快だ。」
レミリア
「・・・フフフ・・・アハハハハ!」
その答えにレミリアは高らかに笑う。
しかし、体からはかなりのプレッシャーを放っていた。
レミリア
「無礼な物言いもここまで来ると清々しいわね。気に入ったわ。直ぐに肉塊にしてやろうと思っていたけど、気が変わった。弾幕ごっこをしましょう。私が勝ったら、貴方は一生私の下僕にしてあげる。死ぬまで可愛がってあげるわ。悪いけど、拒否権はないわよ。ここは私のテリトリー。ここまで啖呵を切っておいて五体満足で帰れるなんて思わないわよね?」
ショウ
「わかった・・・なら、俺が勝ったらあんたには俺の質問に正直に答えてもらうと共に、咲夜さんと美鈴さんに詫びてもらう。異存はないな?」
レミリア
「いいでしょう。なら、残機4、枚数6で構わないかしら?」
ショウ
「わかった。アリス。手出し無用だ。こいつは俺の戦いだからな。」
アリス
「ええ、わかってる。私もむかついたけど、あいつに折檻する役はあなたに譲ってあげる。思う存分ぼこぼこにしてやって。」
ショウ
「ああ・・・。ここまでの怒りを覚えたのは記憶に有る限り初めてだ。悪いが、手加減する気は更々ない!」
レミリアの弾幕ごっこの提案を承諾し、勝利条件、残機及び枚数の決定は滞りなく終わった。
アリスに対して援護は不要と伝え、指先に傷を付けドライブを起動させるが、発生した魔素の量は今までとは比べ物にならない程膨大だった。
レミリア
「へえ・・・只の人間ではないとは思っていたけど、意外と楽しめそうね。・・・フフ、丁度夜になったし、今宵は満月。しかも、狂おしい程赤い月ね。舞台は整った・・・さあ、楽しみましょう!」
レミリアは椅子から立ち上がり、羽を広げて空中へ舞い上がる。
そして、ショウに視線を向け妖艶な笑みを浮かべていた。
二人は同時に飛び出し、お互いの弾幕を撃ち合う。
アリスはその戦いを見ていたが、スピードが速すぎて目で追いきれない程のハイレベルな戦いだった。
アリス
「は、速すぎる!?なんて戦いしてるのよ二人とも!これじゃあ、どのみちショウに任せるしかなかったわね・・・ショウ、負けないでよ・・・。」
アリスはショウの勝利を願いつつ二人の戦いに視線を戻す。
赤と黒の閃光が織り成す、ハイスピードな弾幕ごっこが始まった。
to be continue
第3話パート4終了です。
前書きの通り次回から弾幕ごっこレミリア戦です。
新しくショウのスペルカードが明らかになります。
レミリア戦の後は、咲夜・美鈴戦とレミリア戦で明らかになった技、スペルカードの情報を追加します。
追加された情報には《new》と表示してありますので参考にしてください。
では、次回更新までしばらくお待ちください。