長い、長すぎる・・・更新まで2ヶ月近く。
誠に申し訳ありませんでした。
実のところ、仕事が忙しくまともにさわれなかったので、1ヶ月近くブランクがある状態です。
ただでさえ壊滅的な文章力が下がっていないかと不安ではありますが、完結までは突っ走るつもりですので、お付き合いいただける心優しい方は、どうかお付き合いください。
では、幻蒼異変第一章、スタートです。
お楽しみください。
ショウ
「キサマァァァァァ!!!!!」
怒号と共に剣を振りかぶり、一瞬の内にアリスの元までたどり着く。
そして、憎悪を込めアリスを襲った敵に剣を振り下ろした。
ショウ
「アリスから・・・離れやがれ!!」
???
「フフフ・・・。」
三日月の笑みを浮かべる鬼はアリスに突き刺していた剣を引き抜き距離をとる。
剣を引き抜かれたアリスは重力に従い地面に崩れ落ちる。
倒れた床にはおびただしい程の血が流れていた。
ショウ
「アリス!しっかりしろ!アリス!!」
力の限り呼び掛けるショウ。
すると・・・
アリス
「・・・う、うる・・・さいわよ。大丈・・・夫だから、少し・・・落ち着きなさい・・・。」
ショウ
「アリス!?大丈夫なのか!?」
アリスから、弱々しくはあるものの返事が返ってきた。
アリス
「損傷した箇所を・・・魔力で修復しているし、血は組織閉鎖で・・・止血してる。治療は必要・・・だけど、大事には至らないから・・・心配する必要はないわ・・・。」
ショウ
「よかった・・・。」
アリス
「でも・・・あいつを何とか・・・しないと、どのみち・・・みんな死ぬわよ・・・。」
一先ず大事には至らない事が分かり胸を撫で下ろすショウ。
そして、アリスの言葉を受け覚悟を決めた表情に変わる。
ショウ
「ああ・・・分かってる。どんな奴が相手でも、どれだけ強大な相手でも、必ず守ってみせる。俺の・・・命に変えても!!」
力強く叫ぶショウの体から爆発的に魔素が放出され、ショウの周りを覆っていく。
それを見た鬼は狂気の笑みを浮かべていた。
???
「あはは・・・お兄ちゃん強そうだね?これなら久しぶりに・・・楽しく遊べるね!!」
そう笑った鬼からは強大なプレッシャーが放たれる。
しかし、そのプレッシャーはさっきまで戦っていた人物のものに酷似していた。
ショウ
「・・・?この感じ・・・まさか?」
鬼から放たれるプレッシャーに疑問を抱いた時、背後から声が響いた。
レミリア
「どういうつもり?・・・フラン!」
声を出したのはレミリア、そして鬼に対して『フラン』と呼んだ。
ショウ
「フラン?・・・まさか!?お前の妹、フランドール・スカーレットか!?どういう事だ!?幽閉していたんじゃないのか!?」
レミリア
「その筈よ・・・。どういう事かしら、フラン?扉の封印は特別製、貴方だけでは開けられない筈よ?」
フラン
「別に?普通に『ドカーン』しただけだよ?でも、いつもと感じが違ったかな?でも、今は関係ないよね?さあ、アソボウヨ?」
レミリアの問いに答えたフランだったが、直ぐに刺すようなプレッシャーを放ち臨戦体勢を取る。
レミリア
「貴方を外に出すつもりはないわ。また、部屋に戻ってもらうわよ!」
構えたフランに向かって一直線に突撃するレミリア。
フラン
「アハハハハハハハ!先ずはお姉様から遊んでくれるの?久しぶりなんだから・・・スグニコワレナイデネ!!」
突撃してきたレミリアを狂ったように笑いながら迎撃するフラン。
二人の吸血鬼による戦いが始まった・・・のだが・・・
フラン
「どうしたの?お姉様?いくらなんでも、弱すぎない?」
レミリア
「ハア・・・ハア・・・クッ!」
フラン
「・・・つまんない。全然楽しめないよ。」
始まってから直ぐに均衡は崩れている。
いや、拮抗してすらいない。
先程の暴力的なまでの強さを持っていたレミリアと同一人物とは思えないほどに、弱々しい少女の姿そのものだった。
フラン
「・・・何で?何で本気でやらないの?殺し合おうよお姉様!お互いが相手を殺そうと本気を出すから面白いのに!何でちゃんと遊んでくれないの!?」
レミリア
「ハア・・・ハア・・・」
レミリアは明らかに疲労している。
しかし、先程のような強さを持つレミリアが何故ここまで苦戦しているのか。
アリスの応急処置をしながら戦いを見ていたショウは、レミリアの動きを見て全てを理解していた。
フラン
「もういいや・・・つまんない。壊れちゃえ。禁弾『スターボウブレイク』」
レミリア
「フ・・・ラン・・・うあ!?」
フランが放った弾幕がレミリアを直撃。
かなりの勢いで吹き飛ばされる。
飛ばされた先は壁。
このままの勢いでぶつかれば只ではすまない。
飛ばされたレミリアが壁に激突する直前、レミリアと壁の間に何者かの影が割り込み、レミリアを救いだした。
衝突の衝撃が来ない事を不思議に思い周りを見たレミリアは、自分の現状を理解した。
ショウ
「無理してんじゃねえよ。戦いたくないって気持ちがまる分かりだ。俺と戦ってた時のままなら、こんな無様は晒さなかった筈だ。実の妹だから、殺す気にならないんだろ?」
レミリアは、ショウに抱き抱えられていた。
所謂、お姫様だっこの状態で。
レミリア
「あ・・・貴方に・・・何がわかるのよ!?私達の事を知りもしない貴方が!」
最初の内は動揺していたレミリアだったが、此方の事をなにも知らない部外者であるショウが知ったような台詞を言ったのに怒りを覚えて叫んだ。
そして、その叫びに対してショウは口を開いた。
ショウ
「わからないな。ただ・・・俺がやらなきゃならない事はわかる。」
レミリア
「何をする気?」
ショウ
「目の前に苦しんでる人、助けを求める人がいるなら、それを助けるのが俺のやるべき事だ。そして、今苦しんでる奴、助けを求める奴は、レミリアとフラン、お前達だ。」
レミリア
「!?わ、私はともかく、フランが苦しんでる?どういう事?」
ショウ
「顔を見ればわかるだろ?あいつの本心が。」
そう言われたレミリアはフランの顔を見つめる。
フランは変わらず狂気の笑みを浮かべていたが、彼女の右目にはくっきりと、一筋の水の跡が見えた。
つまり、彼女は・・・
レミリア
「フラン・・・貴方・・・泣いているの?」
フランは涙を流していたのだ。
その事に気づいたレミリアはショウに問いかける。
レミリア
「どういう事なの?何故フランが泣いて・・・」
ショウ
「原因はわからない。ただ、何らかの理由で暴走しているか、正気を失っていると考えるのが妥当だな。何か心当たりはあるか?」
ショウはフランが外的要因により暴走しているか、正気を失っていると考えレミリアに尋ねる。
その問いにレミリアは少し思考した後、はっとなにかに気づいたような表情を浮かべ問いに答えた。
レミリア
「そうだ!フランの剣よ!フランの剣の刀身は炎を象った赤色の刀身のはず。あんな紫色ではなかったわ!」
ショウ
「やはりか・・・。あの剣からは感じたことがある気配がしていたが、これで確信に変わった。あの剣からは間違いなく魔素の反応がある。しかも、かなり純度が高い。これ程の魔素は一体何処から・・・!?」
ショウはフランの持つ剣から魔素を感じ取っていた。
ショウが、その魔素を何処から取り入れたのか思案していた時、強烈な頭痛に襲われる。
そして、ショウの頭の中にアリスと戦っていた時と同じような映像が見えた。
ショウ
(こ、これは・・・あの時と同じ・・・?)
流れる映像には、二人の人物の姿が映っている。
一人は青年、赤色のジャケットを羽織り腰に大剣を差し膝をついている。
もう一人は仮面の男、白を基調とした鎧のような印象を受ける姿で、背中に身の丈ほどの長い刀を背負っている。
その二人が会話をしていた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■
???
「どうした?何故本気を出さん。貴様は、世界最強ではないのか?」
???
「こいつ・・・強いなんてもんじゃねえ・・・化物か!?くそ!傷が治らねえ・・・。どうなってやがる・・・?」
仮面の男が刀を突きつけ、青年を見下ろし言葉を発する。
そして、止めを刺そうと剣を振り上げた。
???
「さて、貴様との因縁も、これで・・・終焉だ!」
仮面の男が剣を振り下ろそうとした瞬間、男の周りの景色が歪み、何かが男を包み込んだ。
???
「・・・クッ!?これは!?・・・事象干渉か!邪魔をするな・・・。化け猫め!!」
一瞬苦悶の意思を表した男だったが、怒号のような叫びをあげ周りの空間を吹き飛ばした。
そして、青年に対して刀を突きつけ呟いた。
???
「さあ・・・冥府の王が呼んでいるぞ・・・。」
???
「くそが!俺は、こんなところで死ぬわけにはいかねぇんだよ!てめえがどんだけ強かろうが、負けるわけには・・・いかねぇんだ!」
止めを刺そうとする仮面の男に対して、青年は立ち上がり咆哮した。
そして・・・青年は右腕を自身の眼前にかざす。
???
「第666拘束機関解放・・・次元干渉虚数法陣展開!」
???
「ふ・・・来るか・・・。その力こそ、世界においての根元たる悪、我が切り捨てるべき、邪悪なる『蒼』の力だ!」
???
「蒼の魔導書『ブレイブルー』・・・起動!!」
青年の叫びと共に、かざした右腕からどす黒い霧が放出される。
そして、青年の右腕は、邪悪そのものを体現したような異形の物に姿を変えていた。
???
「いくぞ!このお面野郎が!」
???
「いいだろう・・・貴様のその力ごと冥府に送ってやる。我は空、我は綱、我は刃!我は一振りの剣にて、全ての罪を刈り取り、悪を滅する!・・・我が名は『ハクメン』、推して参る!!」
二人が同時に飛び出し、中央でぶつかり激しい衝撃波が周りを包み込んだ。
そして、ここで映像が途切れる。
■■■■■■■■■■■■■■■■■
ショウ
「!?い、今のは・・・?」
レミリア
「どうしたのよ!?この状況でボケッとするなんて!?死にたいの!?」
意識が戻ったが、状況はほとんど変わっていない。
どうやら、現実ではほんの一瞬の出来事だったようだ。
ショウ
(今の映像に出てきた言葉、『事象干渉』、『ブレイブルー』、そして『蒼』・・・か。明らかに今のは俺の記憶だが、意味まではわからない。しかし、あの男の右腕から出ていた霧、あれは魔素だ。使ったのは『ブレイブルー』、そして、仮面の男が言っていた『蒼』の力・・・。無尽蔵に沸きだす魔素、異形の腕・・・。そうか・・・そういうことか!)
ショウ
「・・・レミリア。フランの暴走の原因がわかった。」
レミリア
「!?暴走の原因がわかったの?」
ショウ
「ああ・・・。だが状況は最悪だ。どうやら、フランの剣には『蒼』って奴が埋め込まれているようだ。」
レミリア
「は?青?ごめんなさい。意味がわからないわ。どういう事?」
原因がわかったと言うショウの言葉、原因は『蒼』だと言うがレミリアには意味がわからない。
レミリアがショウに質問すると、ショウからは曖昧ながらも説明が返ってきた。
ショウ
「俺の記憶も曖昧だから、上手く説明は出来ないけどな。『蒼』って言うのは単純に説明すると、無尽蔵に魔素を供給出来る代物だと考えればいい。そして、魔素を過剰供給してしまうと精神に異常をきたしたりする場合がある。最悪の場合、肉体が変異し正真正銘の化物になってしまうこともある。だから最悪の状況なんだ。余り、時間の猶予はないぞ。だから・・・」
説明をしたショウだったが、最後に一呼吸おいてこう続けてレミリアに言った。
ショウ
「手を貸してくれ・・・レミリア。フランを、お前の妹を救うために!」
レミリア
「!?」
ショウは先程まで敵対していたレミリアに協力を申し出た。
レミリアはショウの言葉に驚愕の意思を示したが、直ぐに覚悟を決めた表情に変わる。
レミリア
「・・・時間の猶予はないんでしょう?なら、改めてそんなこと聞かないで。妹を救うのは姉として当たり前の事よ。足を引っ張る真似をしたら許さないから。」
ショウの申し出を承諾したレミリア。
二人はフランの方へ向き直り、ショウは剣を、レミリアは槍を構えて戦闘体勢を取る。
フラン
「お話、終わった?ウフフ・・・今度は二人で遊んでくれるんだ。さあ、アソボウヨ。いっぱいいっぱい・・・コロシアオウ!」
フランは狂ったように笑いながら、二人に向かって猛スピードで突っ込み、原因である紫色の剣を振り下ろした。
対して、ショウとレミリアは互いの得物でフランの剣を受け止め叫ぶ。
レミリア
「フラン!貴方は必ず助けて見せる!だから、待ってなさい!」
ショウ
「理由はわからないが、お前は絶対助ける!俺の記憶が、魂が、そう懇願している!死なせはしない。殺されもしない。必ず生きて、正気に戻してやる!」
ショウの記憶の中には、狂気を宿しながら、心の中で泣いていた、顔のわからない少女の姿が映る。
その姿は、目の前の吸血鬼の少女と瓜二つだった。
そして、その姿を見たショウは誓った。
この少女は必ず助ける・・・絶対に死なせはしないと・・・
to be continue
異変第一章、フラン《狂》対レミリア・ショウ戦導入部終了です。
以後の構成は、フラン戦の戦闘パート、フラン戦終了及び対???戦導入部、???戦の戦闘パート、???戦終了及び解決宴会、異変第一章の後日談といった構成を予定しています。
話数は未定、書きたいことをぶちこんで行くスタイルなので、どれ程の量になるかは分かりません。
更新は極力2週間を目指しますが、今回みたいに大遅延する可能性もあるので申し訳ありませんがご了承ください。
では、次回更新までしばらくお待ちください。
ありがとうございました。