1ヶ月ちょいかかりました。
もう少し早めに仕上げたいかな?仕事の都合と折り合いがつかないのがもどかしいです。
今回の話は、???ファンの方にはちょっと申し訳ない形になってしまうかもしれません。
先に謝罪しておきます。
申し訳ありません(後の話でちゃんとした良い役所用意しますので)
戦闘導入部の続きなので本格戦闘は次回からです。
戦闘パートは二話構成で、後日覚醒能力は二話目になります。
???さんは戦闘能力激高なので、覚醒能力のチートっぷりを表すのにはうってつけですから、お鉢が回ってきました。
割りと胸糞悪い展開なので苦手な方は申し訳ありません。
心境変化の都合上、最初の内はオリ主の???さんに対してのヘイトが限界を振り切ります。
実際こんな対応されれば、ヘイトが限界を振り切るのも当たり前ですが。
では、本編をお楽しみください。
部屋を飛び出し、階段をかけ降りる。
既に猶予はない。
殺気の元凶は既に正門にいる。
このままでは美鈴に被害が及ぶと確信しているショウは、持てる力の全てをただ速く、迅速に正門にたどり着くために振り絞る。
階段は降りきった。
あとは、正面玄関の扉をくぐれば正門は目の前だ。
ショウ
「間に合ってくれ!・・・扉が見えた!美鈴さん!!」
恩人の名前を呼び、玄関の扉を乱暴に押し開いた。
扉が開き、光が差し込む。
光により一瞬視界が白くなり、直ぐに光に適応した瞳に、紅魔館の庭が写る。
???
「・・・あら?随分と騒がしい出迎えね?もう少し静かに来れないのかしら?」
美鈴のものではない静かな声。
聞いたことのない声を発した人物が視界に入る。
その姿は、傘をさしこちらを見る大人びた印象を受ける金髪の女性。
一目見るだけで美人だとわかる風貌を持っていた。
間違いなく面識がない人物だったが、他に人影や気配もない。
今近くにいる気配は、目の前の女性のものだけ。
そう、その女性の気配
・・・《ただ一つだけだった》・・・
ショウ
「―――――」
その事実を認識したショウの顔には、静かな、しかし確かな殺意が宿っていた。
殺意を微塵も隠さず、ショウは最後の確認をする質問を口にする。
ショウ
「・・・・・・お前が誰かはどうでもいい。一つだけ質問に答えろ。正門にいたはずの女性は、どうした・・・?」
???
「・・・消えたわ。」
ショウ
「!?」
???
「いや、違うわね。正確には・・・消した、かしら。で?それが何か?」
ショウ
「――――そうか。・・・それが分かれば、充分だ・・・!」
???
「一体何―――!?」
質問の答えを聞き、静かに返答したショウ。
その態度に怪訝な顔をして声を出そうとする女性。
しかし、その声が終わるよりも早く、一瞬で女性に肉薄したショウが振り抜いた剣が、辛うじて体を反らした女性の元あった首の位置を通過していた。
???
(速い!?)
ショウ
「ああそうだ!・・・その答えだけで充分だ!それだけで、俺がお前を殺す理由は、事足りる!!!」
ショウの口から出る言葉には、殺意という言葉すら生ぬるいと感じられるほどの殺気、憎悪とも呼べる感情が込められていた。
???
「・・・初対面の女を相手に随分な仕打ちね?かわしてなければ死んでいたわよ?」
ショウ
「聞いてなかったのか?殺すつもりだと言った。俺はお前を許さない。ここで死んでもらう!」
殺されかけたにも関わらず、軽口を叩く女性に対し、殺すつもりだったと隠す気もなく言い放つ。
既にドライブは起動しており、体から大量の魔素を放出させながら、剣を女性へと向けつつ戦闘体制をとるショウ。
対する女性は傘を持ったまま、妖艶な笑みを浮かべている。
???
「そういうことなら仕方ないわね。殺されるわけにはいかないし、抵抗させてもらうわ。これで貴方が死んでも、正当防衛になるわね。」
ショウ
「笑わせるな。初めから分かってんだよ。狙いは俺だろ?最初にお前を見た時、一瞬だけだが殺気を向けられたのには気付いた。直ぐに消えたが、あれは俺が館内から感じた殺気の気配と同じものだった。なら、あの時この場所にいたのは俺とお前だけである以上、殺気を向けたのはお前以外いるはずがない。下手な芝居はやめろ。」
???
「・・・・・・・・・何だ。バレてたのね。つまらない人。まあ、手間が省けるから楽ではあるか・・・。」
柔和な笑顔を浮かべていた女性の顔から笑顔が消え、冷たい視線を向けながら凄まじい殺気を放つ、冷酷な表情に変化した。
???
「ならもう分かっていますよね?私は貴方を消します。この意思を変える気はない。申し訳ないとは思いますが、死んでいただきます。」
ショウ
「・・・まったく、ここ最近は命を狙われてばっかだな。日頃の行いは悪くないつもりなんだが・・・。」
ショウは、目の前の女性の狙いは自分の命だと看破していた。
看破されたことがわかった女性からは、先程館内から感じた殺気と同じかそれ以上の強い殺意が感じられる。
だが、この女性とショウは今初めて会った者同士であり、ショウはここまでの殺意を抱かせる理由に心当たりはない。
ショウ
(ただ一つ気になる言葉があったな・・・。申し訳ない、か。命を奪うことに対し罪悪感を感じているような台詞だ。・・・確かめてみるか。)
ショウ
「しかし、随分とひどい話だな?お前とは初対面だが、何故か殺される話になっている。何でだ?俺としても理由くらいは聞いておきたい。それとも・・・」
???
「・・・・・・・・・」
ショウ
「喋る事なく死にたいか?なら、望みどうりにしてやる。構えろ・・・。先程言った通り、お前を許す気はない。理由は知りたいが、話す気がないなら結構だ。」
ショウは目の前の女性に対し、自分を狙う理由を尋ねるが、話す気がないなら必要ないと殺気を強めて言い放った。
だが、ショウ自身は理由を知ることに苦労はないと考えている。
ショウの問いに対し女性は口を開き語りだした。
そして、ショウが考えていた通り、女性はショウを狙う理由を口にする。
???
「・・・いえ。単純な理由なので構いませんよ。貴方はこの世界においては異物、イレギュラーな存在です。そのイレギュラーが『私の世界』にとって、存在が許されない者であるならば、私はこの世界の責任者として、貴方を排除しなければならない。ただそれだけの事です。」
女性が語った内容は単純なもの。
ショウの存在がこの世界にとって許されないものだと言う。
だが、ショウの頭に引っ掛かったのは別の言葉、『私の世界』と言ったことだった。
そして、その言葉へと思考を切り替えた時、ショウは一つの結論に至る。
しかし、その結論こそショウにとって、最も許してはいけない答え。
眼前の女性が犯した最悪の間違いだった。
ショウ
「・・・『私の世界』だって?つまり、この幻想郷が自分の世界だと言ってるのか?ハッ!笑える冗談だ。ならお前は神様か?神様だから、この世界に生きる命を好き勝手にしても良いと?ふざけるな!確かに俺は異物、イレギュラーな存在だと認めるが、美鈴さんは違う!それを、俺を殺す為には邪魔だったから消しただと!?どこまでふざけた奴だ!そんな奴が神様だと!?そんな神なんか、たとえ万人が認めても俺は認めない!!お前の世界である『幻想郷』に生きる命の為に、お前には消えてもらう!!!」
眼前の女性を完全に敵だと見なし、体から魔素を爆発的に放出させる。
???
「異物風情が好き勝手言ってくれるわね?貴方こそ生かしては帰さないわ。私の世界には存在してはならない者よ、貴方は。ここで死になさい!私は私の世界のために―――!?」
ドゴオオオオン
喋る途中で後方に回避する女性。
その一瞬後に元居た位置に黒いレーザーが突き刺さる。
放ったのはショウであり、かざしている左手の前には術式陣が展開していた。
ショウ
「もういい。喋るな。お前の言葉に耳を傾けるつもりはないし、聞くだけ不愉快だ。お前の辿る運命はここで消えること。ただそれだけだ。だから・・・」
???
「・・・いい加減にしろ、この糞ガキが!!」
ショウ
「黙って死ね!!!」
ショウと金髪の女性の二人による戦闘が始まる。
その戦いは、お互いに相手を消滅させようとする大火力が飛び交う壮絶なもの。
当然、その轟音は館内にいた面々にも届き、何事と思いながら外へと出てきた。
レミリア
「何事よ!?ドカンドカンとうるさいったらないわ!一体誰が!?・・・ショウ!?それに、あなたは・・・八雲紫!?なんであなたが!?」
霊夢
「うるさいっての!!昼前から何やってんのよ!?・・・って、紫!?あんたなんでここに!?それに、どうしてショウと戦ってんのよ!?」
庭に出るなり大声で怒鳴るレミリアと霊夢に続いて、咲夜、魔理沙、フランも出てくる。
流石に周りを巻き込む可能性があり、互いの顔見知りがいる為、互いに手を止めた。
霊夢達はショウの元、対面に紫を見据える位置へ集まる。
ショウ
「紫・・・それがこいつの名前か?こいつは一体何なんだ?」
霊夢
「こいつは八雲紫。この世界『幻想郷』を創造した妖怪の賢者よ。本人はスキマ妖怪と名乗ってるわね。」
レミリア
「私は外の世界から案内されてここに来たが、勧誘したのはこいつだ。まあ、あの時の事は感謝しているが。フランの件に加え、周囲からも敵視されていた時だったからな。」
ショウ
「・・・成る程な。『私の世界』と言ったのは、あながち間違っちゃいないわけか。」
ショウの言葉に答えた後、視線を紫に戻して話を始める霊夢とレミリア。
霊夢
「さて、どういうつもり、紫?アポなしで訪ねるのはいつもの事だけど、流石に度が過ぎてるわよ?ショウはここにとっては恩人の扱い。それを勝手に襲撃したなら、それなりの対応をしなきゃならなくなるけど?」
レミリア
「勝手に敷地に入ったことについて咎めたりはしない。だが、正式に客人として迎えているショウに対して危害を加えるつもりなら、その限りではないぞ?」
紫
「・・・・・・・・・」
霊夢とレミリアは紫に対して敵対心を向けながら問いかける。
ショウの両隣にはフランと咲夜、真後ろには魔理沙が来て、ショウの心配をしている。
だがここで、咲夜はいるはずの人物の姿がない事に気付き、ショウに質問した。
咲夜
「・・・ところでショウ様?美鈴の姿が見えませんけど、何処に?」
咲夜の質問を受けたショウは一瞬顔を歪め、続いて怒りを浮かべた顔になり、ゆっくりと口を開いた。
ショウ
「・・・・・・消されたよ。目の前にいる、あの女にな!!」
全員
「な!?」
紫
「・・・・・・・・・」
ショウの答えを聞いた紅魔館の面々は驚愕し、紫を見据える。
その目は驚きの感情から、直ぐに憤怒を宿すものに変わっていった。
霊夢
「・・・どういう事よ、紫?ショウの話が本当なら、あんたをただで帰すわけにはいかないんだけど?」
レミリア
「・・・これは宣戦布告と捉えて良いのか、妖怪の賢者殿?身内に危害を加えられた以上、相応の報いを与える必要がある。詳細を語って貰うぞ?ショウに対する件も含めてな。」
紫
「・・・・・・・・・」
二人
「答えろ!!!」
ショウ
「・・・もういいよ。霊夢、レミリア。俺はどっちにしろこいつを許すつもりはない。喋らすだけ無駄だ。例え如何なる理由があろうと、美鈴さんはもう戻らない・・・。それだけで充分だ。絶対に許さん。生かして帰す気はさらさらない!」
紫に強い口調で問い質す二人を制止して、再び剣を構えるショウ。
霊夢
「いや、聞かないわけにはいかないのよ!紫には私も世話になったことがある。あいつのやることが間違っているなら、私が正してやらなきゃ―――」
ヒュン
霊夢
「―――え?」
ショウの言葉に反論し、再び理由を尋ねようとした霊夢の眼前に、大量の弾幕が飛来していた・・・
ショウ
「―――霊夢!!!」
瞬時に反応したショウは霊夢の前に立ちはだかり弾幕の直撃を受ける。
ショウ
「ガッ!?グッ・・・て、てめえ。どこまで、腐ってやがる・・・。」
霊夢を庇い弾幕の直撃を受けたショウはたまらず膝をつく。
霊夢は信じられないといった表情を浮かべ、弾幕を放った紫を見ていた。
紫
「はあ・・・しぶとい男ね?今ので死なないなんて。それと・・・霊夢?これは私個人の問題じゃないの。幻想郷そのものに関わることなのよ。子供の貴方は黙ってなさい。まあ、今のは利用したけどね。この男の性格なら絶対に庇うと思ってたし。」
霊夢
「ゆ、紫・・・。あんた・・・何、考えてんのよ?利用、したって・・・。ショウが庇うと思って・・・?」
レミリア
「貴様・・・!咲夜!そいつを好き勝手にさせるな!これ以上の狼藉は、この紅魔館の尊厳に唾をかけるも同義だぞ!私もやる!神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」
咲夜
「・・・流石に、やりすぎよ!傷魂『ソウルスカルプチュア』!!」
紫
「・・・部外者に用はないわ。廃線『ぶらり廃駅下車の旅、二両通過』」
レミリア
「しまっ――ぐあ!?」
咲夜
「お嬢様!?お気を確か――きゃあ!?」
紫の行動に激昂したレミリアは咲夜に指示し、自らも槍を構えて紫に向かって行く。
咲夜も堪忍袋の尾がすでに切れており、指示を受けるのとほぼ同時にスペルカードを発動した。
しかし、無情にも突進した二人に合わせるかのように紫がスペルを発動。
空間に発生した裂け目から、巨大な長方形の物体2つが二人にカウンター気味に直撃し、弾き飛ばされて気絶してしまう。
霊夢
「―――――けんな・・・」
紫
「・・・・・・・・・」
霊夢
「ふざ、けんな!!霊符『夢想封印』!!」
目の前の現実を信じられない霊夢は錯乱したようにスペルを発動。
しかし・・・
紫
「・・・幻巣『飛行虫ネスト』」
冷たい口調でスペルを宣言する紫。
霊夢のスペルを軽々といなしつつ、自身のスペルは的確に霊夢を捉えていた。
直撃を受けた霊夢は弾き飛ばされ、紅魔館の壁に叩きつけられてしまう。
霊夢
「ゆ・・・ゆか、り。どう、し・・・て・・・?」
壁からぐらりと離れ、地面に落ちていく霊夢。
その目からは、一粒の涙が溢れ落ちた。
ガシッ
霊夢
「―――――」
既に気を失っている霊夢。
だが、地面には激突していない。
落ちる前に、ショウが霊夢を受け止めていた。
紫
「・・・私は私の世界のため、成し遂げなければならないのよ。その為なら、悪党になろうとも構わない。あとでいくらでも謝るから、今は寝ていなさい、霊夢。」
瞳を閉じ、語りかけるように話す紫。
既に三人が倒れ、魔理沙、フランの二人は状況についていけず呆然としている。
しかし、ショウが発した一言で我に返った。
ショウ
「・・・魔理沙、フラン。霊夢たちを永琳さんのところへ連れていけ。気絶しているだけだ。診て貰えれば直ぐに目を覚ます。行け・・・!」
魔理沙
「シ、ショウ?」
フラン
「お兄・・・ちゃん?」
ショウ
「早くしろ!!」
二人
「!?わ、わかった!」
魔理沙とフランは手分けして気絶している3人を運んでいった。
紫
「・・・賢明ね。彼女達がいれば、また私に標的にされる。キレている様に見えて案外クールじゃない。」
ショウ
「・・・・・・・・・」
紫
「こちらとしても好都合よ。消さなきゃならないけど、彼女達に貴方は信用されている。その人物を始末するところを見せたいとは流石に思わないからね。これで邪魔者は――――」
ショウ
「黙れ・・・」
ゾクッ
紫
「!?」
喋っていた紫は急に口を閉じ、冷や汗を流す。
目の前の男が口を開いた瞬間、心臓を握りつぶされたかと錯覚する程の悪寒に襲われたからだ。
ショウ
「・・・殺す前に一つだけ教えてやる。俺があいつらをここから逃がしたのは、お前がいたからじゃない。むしろ、お前の理由と同じだ。顔見知りを殺すところを見せたくなかった。加えて、お前を殺す俺の姿を見せたくなかったからだ。」
紫
「な、何の事よ?」
ショウ
「わからないか?なら簡単に言ってやる。俺が人を惨たらしく虐殺する姿を・・・見せたくなかったって言ってんだよ!!」
紫に対して殺気を放ちながら語るショウ。
そして、言葉の最後を言い終えると同時に体から爆発的に魔素を放出し、凄まじい速度で斬りかかった。
紫
「く!?」
辛うじてかわした紫だったが、ショウが放つ威圧感にあてられており、顔は蒼白く、冷や汗が絶えない。
ショウ
「・・・消してやる。今すぐに。貴様の痕跡一つ、この世界に残させやしない!!」
嘗てないほどの憎悪を抱き、復讐の刃を振るうショウ。
その瞳には、ただ目の前の怨敵を虐殺する、殺戮の意思だけが写っていた・・・
to be continue
と、言うことで本編終了です。
異変パート第二戦闘は対八雲紫戦です。(まあ、バレバレだったかな?)
紫さんの対応にはヘイトが溜まりますが、紫さん側にもここまでの対応しなきゃならない理由がありますので仕方ないんです。
次回は本格的に戦闘開始で、戦闘は二話構成の予定ですが、途中で乱入者と介入者が現れます。
この二人が登場することで異変は終息に向かっていく予定です。(大事な事なので二回言いますが、あくまでも『予定』ですのでご了承ください)
では、次回更新までしばらくお待ちください。
ありがとうございました。