夢…
夢を見ていた…
それはとても懐かしくて…
それは、たしかに【わたし】だった…
『やだっ! 雄二と離ればなれなんてヤダッ! 【埼玉】になんて行かない! ずっとずっと、この街にいて、雄二のお嫁さんになるんだからぁっ!!』
あっ、でも、この後って確か…
『パパもママも嫌いっ!!』
そうそう、無理矢理押し込まれて、車は走り出したんだけど…
(へへ~ん♪ 【わたし】の雄二への想いを、甘く見てもらっちゃ困るんだよーだ!)
前触れなく、車内から突然消える、今よりもずっとちっちゃいわたしの体!
そして、現れたのは、
『あい・きゃん・ふら~い♪』
正確には、【跳躍(ジャンプ)】なんだけど、英語、苦手だったの…今もだけど(汗)
『What dose it!? Why falling from the Sky!?(どうなってやがるっ!? 何故に空から降ってくる!?)』
ちっちゃいわたしが現れたのは、同じく今よりずっとずぅ~っとちっちゃい雄二の頭上3m☆
ちなみに、この頃から、雄二は英語がペラペラだったんだよ?
そして、わたしは重力さんに引かれるままに、雄二の胸に飛び込んだのさ!
"どし~ん!"
それでも、しっかり私を抱き止めてくれた雄二…
(格好良かったなぁ…)
だから、雄二の胸板に顔を埋めて、思わずすりすりしてしまったわたしに、罪はないと思うんだ♪
そして、わたしは…
『雄二、ただいま!』
雄二は、びっくりしたままだったけど、
『イテテ…よくわからないけど、』
それでも、わたしの大好きな笑顔で…
『おかえり。【ありす】』
わたしの意識は、ゆっくりと夢想から、現実へと戻ってくる。
(雄二に会いたいって想いが、【能力開花】の起動キーだったなんて…)
我ながら、凄いと思う。
(それにしても…)
「懐かしい夢を見たなぁ…」
あれはもう、何年前だっけ?
そして、わたし…【ありす】は、同じベッドで同じ毛布にくるまって、安らかな寝息をたててる男の子の顔を覗き見る。
昔よりずっと精悍で、凛々しく男らしくなったけど…
(変わらないなぁ…)
炎のような真っ赤な髪と、今は閉じられた瞼の下にある力強くて優しい瞳…
わたしの大好きな、大好きな…
「おはよ、【雄二】♪」
起こさないように、そっと唇を重ねた…
(さてと…)
わたしは、やっぱり雄二を起こさないように、そっとベッドから出る。
(さて、シャワーを浴びてきますか♪)
たしかに雄二なら、こんな風なわたしを【色っぽくていい】とか言いそう…嘘つきました。実際言われます。
だけど…
「これでも一応、女の子ですから☆」
例え、身長が141cmしか無くたって、引っ込んでるとこ引っ込んでて、出るところもついでに引っ込んでて(泣)、雄二に「その【なだらかな肢体(からだ)】がまた萌える」とか言われても、
(女の子なんだい!)
大体、【なだらか】って何よっ!?
それ、絶対に女の子の体型に使う言葉じゃないよねっ!?
(う~っ…わたしの【第二次性徴期】って、どこにいっちゃったんだろ…?)
いや、そりゃあ、こういう体型の方が雄二は喜んでくれるけど…
「女の子は、色々複雑なんですっ!」
すっぽんぽんのまま、おかしな気合いを入れて、下着片手にシャワールームへ、Go A Head!!
「よしっ!」
少ししんみりした空気を洗い流すようにシャワーを浴びるわたし。
小さな肢体中に【マーキング】された【雄二の匂い】を落とすのが、ちょっとだけ惜しいと思うのは、ナイショだよ?
でも、雄二が目を覚ます前に、わたしはいつもの【ありす】に戻って、おはよーのキスをして、朝ごはんの準備をしなければならないのだっ♪
あっ、そういえば、わたしの自己紹介、まだだったよね?
わたしは、【新条ありす】♪
雄二と同じ、【文月学園】高等部の高校2年生♪
身長は141cmで、ちょっぴりちっこいけど、自慢はいっつもツイン・テールにしてる黒色の長い髪と…
何を隠そう、Lv4の【テレポーター(空間跳躍者)】だったりして☆
「そして、現在…ううん。何年も前から、雄二の可愛いお嫁さんになるべく、坂本家にて絶賛花嫁修行中なのですよ♪」