ガールズ&パンツァー 東海の覇者   作:橘花

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激突です

国道一号線を東に向かって走るセンチュリオン。その車長用キューポラから顔を出して私は後ろを確認する。

 

「敵、後ろから追撃中。フラッグ車である7TPは丁度真ん中の位置です」

 

「了解です」

 

砲塔を後ろに回し、明美は狙いを定める。

 

「今度は中てて見せます」

 

「装填完了」

 

徹甲弾を装填した麻衣は明美に伝え、次の砲弾を抱える。

 

「撃て!」

 

「発射します!!」

 

砲音と共に17ポンド砲弾が後ろに向かって放たれる。砲弾は7TPの前を走るTKSに命中し、白旗を挙げた。

 

「すみません。また外してしまいました」

 

「気にしないで。十分な戦果よ」

 

 

『こちらTKSB号車です。敵フラッグ車からの攻撃で戦闘不能』

 

「了解、ご苦労様です」

 

『役立たずね』

 

「隊長、そう言ってあげないで下さい。彼女らは頑張ったんです。機関砲しか装備していないのに」

 

ゾーシャはそう言って無線を切る。続いて車内無線に切り替えた。

 

「砲手、中てなくても構わないので砲撃してください」

 

『了解』

 

ゾーシャの乗る7TPは前を走るセンチュリオンに狙いを定める。ゾーシャが砲弾を装填し、砲手が狙いを定める。

 

『ゾーシャ、何を撃っているの?』

 

「中らなくても威嚇にはなります。それで十分です」

 

『中らなければ意味ないでしょ。必中させなさい』

 

 

 

「敵発砲です」

 

先頭を走っている7TPとTKSからの攻撃を受ける。

 

「TKSの攻撃は問題ないので無視してください。でも、7TPは注意してください」

 

TKSなら20mm機関砲を装備しているだけなので脅威ではないが、7TPは37mmの主砲を持っている。中れば危険である。

 

「もうすぐ国道一号線と東海道、往還通りとが交差する場所」

 

ようやく、終点が見えてきた。

 

 

 

「TKS、履帯を狙ってください」

 

『了解』

 

ゾーシャの前両翼にいるTKSは、機関砲を下の方に向けてセンチュリオンの履帯を狙って攻撃した。

 

 

「なっ!?」

 

ガクンと衝撃を受けたと思うと、次の瞬間には地面を滑りながら走っていく。

 

『左右の動力計に異常!!。車体が制御不能です』

 

朱里は必死にコントロールしようとしたが、両方の履帯が切断された為に無意味であった。火花を散らしながら徐々に速度を落としながら滑っていくセンチュリオンは丁度交差点に入ったところで停車した。

 

「やられたけど、そっちも終わりね。全車、攻撃」

 

 

 

「止めを刺しなさい」

 

ゾーシャがそう言った時、稲荷山神社へ行く道からトータスが現れ、前を塞いだ。そして、至る所に擬装されて潜んでいた舞阪女子の戦車に包囲された。

 

「待ち伏せか!!」

 

ヴイチクがそう言った時には遅かった。

 

 

「待ち伏せは、池田流戦車道の教えよ」

 

待ち伏せによる包囲殲滅を教えとしている池田流戦車道。これまでも個々に待ち伏せする事はあったが、囮を除く全車の待ち伏せは殆ど試した事がなかった。

 

「相手が全車で攻めてきて、こちらも全車集結している事で威力を発揮するからね。殆ど成功しないのよ」

 

各車がタイミングを合わせて砲撃し、敵に反撃する隙を与えなかった。

 

「でも成功すれば、敵に大打撃を与えられる」

 

 

 

「ゾーシャ、付いて来なさい」

 

ヴイチクはゾーシャに無線で伝え、左に旋回して家と家の僅かな隙間から脱出した。流石にそんな狭い場所から脱出するなんて考えていなかった舞阪女子は取り逃がしてしまった。

 

 

 

『申し訳ありません。取り逃がしました』

 

トータスの車長が私にそう伝えた。

 

「了解、ご苦労様です」

 

そう言って麻衣に2号車に無線を切り替えるよう伝える。麻衣が『了解』と答え、2号車と無線を繋げた。

 

「2号車、私達と交代してください。2号車の乗員は履帯の修理をお願いします」

 

『了解』

 

2号車がこちらに走ってきて、近くで停車した。乗員は私達と交代し、1号車に乗り込んだ。

 

「これより、指揮官は2号車に移動します。3、4,6,7,8号車は私達に従って付いて来て下さい。残りはフラッグ車である1号車を守ってください」

 

私はそう伝えて前進させる。稲荷山神社の道を左に曲がった。線路の下を潜る坂になった道路を下り上り、新幹線の線路下を走って吹上に出た。

 

 

「ここで決着ね」

 

ヴイチクとゾーシャ、私達が相対したのは砂集積場であった。線路を潜ったすぐの所に見える砂道を走れば行き着く場所である。

 

「7TP2台が私達6台と相対する。戦力的にはこっちが上だけど良いの?」

 

私はヴイチクに尋ねる。

 

「構わないわ。どうせ、そっちにはフラッグ車が居ないんだし。でも、貴女を仕留めれば私達の威光は上がるわ」

 

「降参すればいいのに、流石はポニャトフスキ将軍を公式行進曲にするだけの事はあるわね」

 

「私は部下を裏切らない。役立たずでも、向こうが最後まで戦うのなら私も最後まで戦う」

 

「貴女こそ、軍功勲章に相応しいわ」

 

双方が猛スピードで走り出す。数で勝るこちらが有利だが、向こうは私さえ仕留めればいいのだ。

 

「ギリギリまで引き付けて」

 

17ポンド砲なら十分貫通できるが、向こうはまだ撃ってこない。この距離なら向こうは私達を撃ち抜く事は出来ない。だから、撃ち抜けるまで距離を詰めるのだろう。

 

「決闘なら受けて立つわよ。ここで逃げたら、女が廃る!」

 

「こっちも、ここで負けたら女が廃る!!」

 

横の3号車が砲撃し、ゾーシャの乗る7TPを仕留める。

 

「全車停止。後は私達でやるわ」

 

両者がほぼ零距離で狙う。私は頭を車内に入れて命じた。

 

「発射!!」

 

撃った瞬間、向こうも発砲した。




もともと包囲殲滅は原流戦車道の教本にしようと考えてましたが、そちらを池田流にして元々池田流の教本にしようとしていた戦術を原流に回しました。
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