-名古屋-
「何とか炎からは逃れられたけれど」
双眼鏡で周囲を見るが、左しか曲がれそうにない。
「次々と砲撃音が聞こえます。街が破壊されているようですね」
「自分達に有利にする為に、わざと街を壊すなんて。いくら連盟から補填が出るとはいえ、やりすぎね」
左に曲がると、正面に道路を工事中している場所に出くわした。片側の3車線まるまる工事中のようだ。
「置いてあるのは、パワーショベルにロードローラと資材等が積まれているわね」
よーく見ると、資材の上に筒のような物が備えた大きい箱がある。
「箱?」
そう思って、私は箱を見る。すると、その箱がゆっくりと動き、筒のようなものをこちらに向けてくる。
「やられた。急いで前進!!」
間一髪、資材の向こう側に居る戦車の砲撃を回避した。一撃で仕留められなかった戦車は車体を反転させ、逃走を図ろうとする。
「イギリス版『ギガント』、ビショップね。攻撃!!」
麻衣が徹甲弾を装填し、明美が狙いを定める。ビショップは砲塔が固定式のため、後ろを狙えないのだ。
「アーチャー対戦車自走砲なら良かったのに。発射!!」
発射した砲弾はビショップのエンジンルームの真上に命中して停車させた。白旗が挙がらないが、完全に沈黙する。
「止め!」
再び砲弾を放つ。今度は車体後方に中り、白旗が挙がった。
『こちら14号車。そちらの方に向かうブラックプリンス2台とヴァレンタイン3台を確認。砲塔側面にはウェルシュ・ドラゴンです』
「本隊ね。そちらはテトラークを探して。ウェールズには屈辱のパーフェクト・ゲームをやってあげる」
パーフェクト・ゲーム。それは非常に難しい、1台の損失無く勝利する事である。東海大会では初代優勝校が1回戦と準決勝で見せて以来、達成した高校は居ない。
「15号車、フラッグ車の捜索をお願い」
忙しく私は無線で指示を飛ばす。ウェールズの高飛車隊長は怒らせればそれだけ冷静な判断をとれなくなる。周りから仕留めていけば良い。
「そっちがクロコダイルで待ち伏せしたのはこちらの池田流への挑戦と見た。倍返しで答えてあげる」
たった一台のセンチュリオンで相手を翻弄してやる。
「朱里、指示通り、寸分違わぬ機動をお願いするわね」
「了解、隊長も指示は出来る限り簡潔にお願いしますね。あまり難しい事はできないので」
「分かってるわよ」
そう言って私は無線機を入れる。
「向こうの本隊が本車に接近中です。各車、先ほどの指示ポイントにて待機していて下さい」
先ほど指示した待機地点に全て向かわせている。それらの前におびき寄せてゆっくり料理してやればいいのだ。
「見つけましたわ」
ブラックプリンス2台とヴァレンタイン3台がこちらに向かってくる。
「切り札を出さなかった事、必ず後悔させますわよ」
「そちらこそ、切り札をこのタイミングで投入しなかった事を後悔させますわよ」
「フラッグ車が見つからないわね」
15号車はフラッグ車を探して主要道路や脇道を出たり入ったりしている。
「そもそも、向こうのフラッグ車って一体?・・・・ん?」
主要道路を走っていると、路地からローカスト3台が姿を現した。
「ローカスト。フラッグ車じゃないけど、一応報告と撃破をしましょう」
そう言って砲手に攻撃命令を、無線手に一号車への報告命令を出そうとしたその時、信じられない物を見る。ローカストの出て来た路地から巨大な戦車が現れたのだ。
「TOG2重戦車。こんなのが、フラッグ車なんて」
その戦車はローカストに前3台、後ろ2台で護衛されながら走行している。そして、15号車を発見するなり、こちらに進路を変更した。
「不味い。総員脱出!!」
急いで全員、各々のハッチから脱出する。その瞬間、TOG2重戦車の体当たり攻撃を受けて撃破された。
world of tanks始めました。マジで楽しいです。このゲームのお陰で、BT7と言う素晴らしい戦車に出会いました。
快速戦車?そんな貧弱戦車、偵察用。っと考えていた私の心を変えてくれました。この小説でもソ連の高校であるミンスク高校戦車として登場予定です。