ガールズ&パンツァー 東海の覇者   作:橘花

2 / 27
ここでの東海地区とは静岡県、愛知県、岐阜県、三重県の東海4県です。


練習試合前です

東海地区は、毎年激戦区となっている。戦車道聖地、東富士演習場があるからだ。

 

 

-町立舞阪女子高等学校学園艦-

 

舞阪町が金を出し合って建造された町立学園艦。町が出した為、学園艦の規模は小さく、乗っている人も8000人程度と少なめである。だが、それでも古くからあり、伝統もある。特に、各種武道では多くの実績を持つ高校である。

 

 

「隊長、今度の練習試合は地元の舞阪ですね」

 

私事、池田まみは頷いた。今日も訓練に明け暮れる。この東海大会前年度の覇者として。

 

「相手はドーチェスター高校ですね。強豪校ですよ」

 

さっきから話しているのは砲手の三条あけみ。私の母が師範を務める池田流戦車道の門下生。

 

「東海地区は何処も強豪校だよ。ドーチェスターだけじゃない。ウェールズ、アラス、ミンスクにブダペスト、ヴェステルプラッテ、セダン。そして、」

 

「富士女子高校。最大のライバル校」

 

そして、ライバルの原伊吹の通う学校でもある。

 

 

でも、これらを倒さなくては再び全国大会には出場できない。そして、この東海大会は連覇するのも難しい。だからこそ、何処も必死に練習して優勝を狙ってくる。

 

 

「もうじき、訓練終了時間ですね」

 

日が傾いてくる。もうじき、訓練終了を知らせる連絡が来る。

 

「終わったら何しますか?」

 

「そうだねえ、ご飯でも食べに行くかな?」

 

そんな事を言っていると、運転席の方から

 

「私、今日はカツ丼が食べたい」

 

と声が聞こえる。この戦車、センチュリオンの操縦手の橘あかりだ。

 

「う~ん、そうなると陸に上がらないとね。コンビニとかじゃなく、どうせなら本格的なところ。往還通りにある晴美は?」

 

「うん、そこ良い。晴美のカツ丼美味しい」

 

「明日の練習試合で今日浜名湖に停泊しますので丁度いいですね」

 

その時、訓練終了の連絡が入った。

 

『今日はもう終わりにしよう。明日は練習試合だ。練習試合だからと言って、気を抜いてはいかんからな』

 

全車から応答があり、僚車も格納庫へ向かって走り始める。私達のセンチュリオンも続いた。

 

 

 

「明日はドーチェスター高校との練習試合です。場所は私達の地元の舞阪なので、地の利を生かして戦いましょう。相手は3年前に全国出場。昨年と去年も東海大会ランク3位の高校です。油断せずに、連携で確実に撃破しましょう」

 

全員がオー!っと返してくれる。試合前日の訓示も難しいのだ。でも、皆元気良く答えてくれるので、言い終わった後は気持ちがいい。

 

「では、本日は解散!」

 

『『ありがとうございました』』

 

そう言いながら、全員が礼をする。

 

 

 

-生徒会室-

 

「今日もお疲れ様」

 

生徒会室には生徒会長の田辺翔子が生徒会長執務机にて書き物をしていた。

 

「相変わらず多忙ですね。お手伝いしましょうか?」

 

「いいよ別に。私はこの学校の生徒会長。忙しいのもまた仕事だからね。そっちの仕事は戦車道部を優勝に導く事でしょう」

 

生徒会長は机に肘をつけて言う。この学校、そして学園艦を束ねる生徒会長になるだけの人なのだ。器が大きいのだろう。

 

「では、更に忙しくして申し訳ありません。これが今日の報告書です」

 

報告書には今日の総走行距離や燃料消費量、部品の磨耗などが事細かに書かれている。数字で目が回りそうな位である。

 

「はいはい、確かに受け取りました。そういや明日、練習試合なんだよね?」

 

「はい。ドーチェスター高校と。今日の夜には浜名湖に入れるそうですけど」

 

会長はそれを聞いて腕時計を見る。スイス高級ブランドメーカー『パテックフィリップ』のワールドタイム。大体600万前後もする時計だ。

 

「こっちはあと1時間ほどで今切れ口から浜名湖に入れるよ。後で、浜名バイパス管理所に電話して、今切れ口のバイパスを上げてもらうから」

 

今切れ口の上には浜名バイパスが通っている。そのままでは学園艦が入れないため、国土交通省中部地方整備局管轄の浜名バイパス管理所(元料金所)の管理でイギリスのタワーブリッジの様に上下可動が可能となっている。

 

「7時半ごろには上陸許可が出ると思うよ」

 

 

 

学園艦は鳥居と問屋の丁度中間辺りに停泊した。それから船舶課が上陸の為の船を用意し始める。夜間の為、上陸する人は私達を入れて20人ほどだった。

 

「準備が出来たので上陸します。これから上陸艇に乗るので、順番に一列で乗ってください」

 

全員が船舶課の言うとおりに一列となり、上陸艇に乗り込んだ。全員乗り込んだことを確認し、船舶課の人も乗り込む。そして、上陸艇は出発した。

 

 

北雁木(きたがんげ)から上陸した私達は道なりに南へ向かって歩きます。そして、西町公民館前にある舞阪のメイン道路、往還通りを東に向かって少し行った所に晴美がある。白い外観の三階建て建物です。

 

 

「ここって、ラーメンとかも美味しいようだけど、やっぱり私はカツ丼が一番だよね?」

 

「いや、それは個人の好みだし」

 

装填手の山本まいは練習中も練習後も一言も喋っていなかったが、ここでようやく橘の言った事に突っ込んだ。

 

「まあまあ。おじさん!、カツ丼4つ」

 

「あいよ」

 

晴美の店主はそう返してカツを油で揚げ始める。その時、店のドアが開いた。

 

 

「ここのカツ丼って美味しいってネットに書き込みあったよ」

 

「それじゃあ、店主さん。カツ丼2つお願いします」

 

っと、制服姿の少女2人。何処かで見覚えがあると思ったら

 

「あれ?メアリー?とスカーレット?何してるの、明日試合なのに」

 

「そう言う貴方達こそここで何してるのよ?」

 

質問に質問で返された!!。っと、ドーチェスター高校の隊長と副隊長は睨んでくる。

 

「いや、まあ。カツ丼を食べに来ただけだけど」

 

「ふ~ん、ゲン担ぎのつもり?」

 

「そういえば、よく試合前にも敵に勝つって事でカツ丼食べる人っているよね。でも別にそう言う訳じゃあ」

 

「おじさん、こっちカツ丼1つ追加」

 

っと、何か張り合いだした人が一名。

 

「く~、じゃあこっちは2つ追加」

 

「ちょっと隊長、私は一つで構わないですけど」

 

「隊長命令よ。食べなさい」

 

スカーレットはただ頷くしかできなかった。

 

 

っと結局、大食い勝負の形相となり、最終的に橘、メアリー両者ダウンの引き分けになった。ついでに、外野の私達は追加のたびに出された大根2切れと白菜が少し載った漬物皿を片付けるのでダウンしそうになった。

 

最後に飲んだお茶、おいしかった。




舞阪の地名は実在しますが、高校はありません。

舞阪高校の所有車両

トータス駆逐戦車

T28重戦車

T29重戦車

センチュリオン

コメット

クロムウェル


池田流の創始者は一応池田末男少将と言う事にしています。学園艦の形状は・・・龍驤かな(艦橋は飛鷹)。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。