ガールズ&パンツァー 東海の覇者   作:橘花

22 / 27
東海大会、三回戦です

-舞阪-

 

文化センター前の駐車場に戦車を並べた私達は、対戦校のセダン高校を待った。

 

「もうじき、集合時間です。そろそろ、着くと思いますが」

 

明美が私に言ったその時、国道一号線から右折してくる18tハーフトラックとそれに牽引される116型トレーラーが見える。そして、その後ろにはグロッサーメルセデスが続いた。

 

「吹奏楽、演奏始めて」

 

吹奏楽部は楽器を構えて、セダン高校戦車道部公式行進曲『プロイセンの栄光』を演奏する。

 

「お久しぶりです。去年の大会以来ですね」

 

私はグロッサーメルセデスから降りたテオドールに挨拶する。

 

「ええ。こちらこそお久しぶりです」

 

相手も挨拶し、お互い握手を交わす。

 

「そちらは一台しか来てませんが」

 

「先に、出撃場所に移動しました。少々、移動に手間取る車両がありますので」

 

「なるほど」

 

私は事前に提出された相手車両のリストを見る。確かに、最後の方に手間取りそうな車両があった。

 

「では、今日もよい勝負を」

 

「こちらこそ」

 

 

 

「これより、舞阪女子高等学校対セダン高等学校の試合を始めます。一同、礼!!」

 

「「宜しくお願いします!」」

 

試合前の挨拶を終え、セダン高校の選手は全員移動を始めた。

 

 

 

「会長、気楽にお願いします」

 

『分かってるわよ。操縦手もようやく慣れたみたいだから』

 

私はセンチュリオンに乗り込み、会長にそう言う。

 

「去年もやってるから、大丈夫ですよ」

 

『去年はエンストしてそのままエンジン破壊したわよ』

 

『試合開始、10秒前!。10、9』

 

そうアナウンスが流れ、私達は集中する。

 

『5、4』

 

『隊長さん』

 

突然無線で会長が呼びかけたので、私はそちらを見た。

 

『勝利、期待してるわよ』

 

『試合開始!!』

 

信号弾が上がる。それと同時に私は頷いた。

 

 

 

「全車、停止」

 

私達は記念橋の前まで移動する。

 

「この橋は慎重に渡ってください。あまり、負荷をかけ過ぎると崩落の危険があるので」

 

そう言って私は無線を朱里に繋ぐ。

 

「朱里、慎重に渡って。大丈夫、敵は重戦車が多いからそう早く来ることはない」

 

『了解』

 

私たちの乗るセンチュリオンはゆっくりと橋を渡る。渡りきり、私は直ぐに左折させて後続車の援護体制を作った。

 

「渡ったら真っ直ぐ進んでください」

 

『了解』

 

2号車以降の車両が渡ったらそのまま前進する。

 

 

「こちら偵察部隊。敵車両、記念橋を渡りました」

 

『了解。そのまま監視任務を続行せよ』

 

「了解しました。直ちに移動、監視任務を続けます」

 

対岸で見つからないように市街地迷彩を施されたⅠ号戦車とⅡ号戦車は移動を開始する。

 

 

 

「舞阪女子は橋を渡って浜を目指しているそうです」

 

無線を切り替えて、ゲルマニアはテオドールに伝える。

 

「その橋、私のティーゲルは大丈夫かな?」

 

テオドールの乗るティーガーⅠは停車してある車を踏み潰す。

 

「トータスやT34などが渡れたのだから、大丈夫と思われますが」

 

舞阪女子の保有する重戦車等が渡れたのだから、大丈夫とゲルマニアは伝える。

 

「まあ、あの重戦車達は別ルートだから良いけど。最後に渡る。先に行かして」

 

テオドールの乗るティーガーは道の端に止め、後続車を先に行かせる。

 

 

 

「隊長、半分渡れました。あと少しです」

 

ゲルマニアの乗るパンターが援護するなか、ティーガーは記念橋を渡る。しかし、あと少しの所で橋は崩落する。

 

「え?」

 

テオドールのそんな声と共に橋桁から二つに折れ、ティーガーは後ろ側が少し水に浸かった。

 

 

 

「こちら15号車。ティーガー、橋の崩落に巻き込まれました。白旗は上がってませんが、あれでは動けないと思われます」

 

偵察に動いていたクロムウェルが橋の崩落を目撃し、隊長に報告する。

 

『了解。敵に気付かれないように慎重に監視してください』

 

「待ってください。ティーガーから黒煙が」

 

 

 

「やってくれたわね、舞阪女子。でも、こんなトラップでやられる程、私達は弱くないわ」

 

操縦を代わったテオドールはエンジンを吹かし、低速ギアで一気に崩落した橋を上って脱出した。

 

 

 

「こちら15号車。ティーガーが脱出しました。無茶苦茶ですよ、あんな脱出方法」

 

『了解。14号車と連携して逐一敵の所在を教えてください』

 

「了解。迂回して追跡します。14号車にも位置を伝えました」

 

 

 

私は無線を切る。

 

「まだ、あの戦車との接敵報告は無いのね」

 

私は砲塔内に入って言う。

 

「所在が掴めないんじゃ、不安ですからね」

 

5台、未だに所在が分からない。

 

「早く見つけないと不味い。あの戦車は強力すぎる」

 

私は車両リストの最後の5台に見る。そこには、E50、75、100と書かれていた。




何だかんだで三回戦。

続くとは思わなかったですけど、三回戦。私のやってきたスポーツでは色々因縁のある三回戦を書ききれるよう頑張ります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。