今日は、中学校の卒業式だ。
今日までが短かったのか長かったのかが分からなかったほど楽しい三年間だったと思う。
「やっと卒業かあ~」という声が色々な所から聞こえてくる。
私はその時、明日になれば悲しい「別れ」が来る事を既に知っていた。
でも、あえて口には出さなかった。
口に出すと涙がこぼれてしまうから。
…とここで突然サクラが声を出した。
「…ユキ~?」
あまりの突然さに私はびっくりして、
「はっ?!はい?何でしょう?!」
と変な返事をしてしまった。
案の定、サクラはそれに反応し、
「…どしたのユキ?(笑)あー!もしかして、今日告白でもするの??!(笑)」
と、要らない事を付け足してきた。
「…っ違ぇよ??!てか今日リュウヤ高校行ってるし!!」
「え、帰ってからでもしないの?告h…」
「しねえよ?!!!!」
「はっは、顔赤くなってるゥ〜(笑)」
「うにゃぁ~~!(笑)」
といういつもと変わらない会話をする。
…こんな会話ももう少しでほとんど無くなってしまうのか…。
私は悲しくなったが、顔には出ないようにサクラと笑っていた。
数分後、担任の先生が教室に入ってきた。
「さあ!!今日はとうとう卒業式だぁ!!!みんなここまでよく頑張った!!!」
「「「うぇーーーい!!!!!」」」
先生の言葉でみんなが一気に叫ぶ。私も「いえーーーい!」と叫んだ。
みんな楽しそうな顔をしている。
中二病チックな男子達も、「これで中学校生活が終わるのか…」と嬉しいような悲しいような顔をしていた。
私もそんな、複雑な気持ちでいた。
卒業式が始まった。
私たちが会場に入ると、大きな拍手に包まれ、華やかな舞台となっていた。
私は、ここにきて一層「卒業」という感じが高まった。
…それと同時に、「別れ」という言葉もでてきた。
─卒業。
それは、一つの通過点にすぎないが、同時に「別れ」を伴う。
別れ。
それも、一つの人生の通過点なのかもしれないが、「悲しみ」を伴う。
しかし、それらを通過しなければ、いつまで経っても成長できない。─
卒業式が本格的に始まった。
国歌斉唱が終わり、校歌を歌い始めた。
…もう、この校歌もみんなで歌うことができないのか…。
そう思うと、涙が出そうになった。
しばらく経ち、卒業証書を受け取る時になった。
私は最初のほうに受け取ったため、他のみんなが受け取るのをずっと待つ。
しかし、その時間の長いこと、約一時間もかかるのだ。
…三十分くらい経っただろうか、今もまだ他のみんなが卒業証書を受け取っている。
私はだんだんお尻が痛くなってきた。
卒業式中は、姿勢をきちんとして座っていなければならなかったので、椅子の背もたれに背中をつけれないままだった。だから、肩は痛いしお尻は痛いし寝てもダメだし、…キツい…。
そんなことを思っていると、急にくしゃみをしたくなった。
でも、会場の雰囲気を壊すわけにもいかないので必死にこらえようとした。
…そして、出そうになった瞬間、私は息を止めた。すると、体はびくっとしたが、くしゃみの声は出ずに済んだ。
そんな私にびっくりしたのか、隣に座っていた友達が口パクで「大丈夫?」と半笑いで私に言った。私はすかさず手で「大丈夫」の意味を示す親指を立てた。
…花粉のせいだろうか…、くしゃみが出たのは…。。。
…もう花粉の季節か…。つまりは「春」になったんだな…。
そんなことを考えていた。
しばらく経ち、卒業証書授与も終わり、卒業の歌を歌う時がきた。
もうその時には、大半の女子が泣いていた。
私はまだ泣いていなかった。
歌が始まり、私達は歌いだした。
♪いつのまにか~時は流れ~もう今日は卒業の日~…♪
一番の歌を歌い終わり、二番に差し掛かろうとしたとき、周りのみんなが泣き出した。
私は周りにつられて泣かないように、必死でこらえながら歌った。
でも、その歌詞は感動する言葉ばかりあって、私も泣きそうになった。
歌のサビの部分で、目の前がぼんやりしてきた。涙だ。
私はその涙がこぼれないように少し上を向いて歌った。
歌が終わり、私達は席に戻った。
8割の人が泣いていた。
でも、私はギリギリ泣かなかった。
私は、「危なかった〜」と思い、心臓がバクバクしていた。何でこんなことに緊張しなきゃなんないのかは自分でも分からないプライドのせいなのかもしれなかった。。。
卒業式が終盤に差し掛かり、みんなで蛍の光を歌った。
…これでもうみんなと一緒に歌うことは無くなるのだと思った時、また涙が出そうになった。
でも、それも必死にこらえてガマンした。
卒業式が終わり、教室に戻った。私はなんとか涙を流さずに済んだ。
しかし、担任の先生の話し声を聞くと、涙がこぼれそうになった。
もうこの変人で面白い担任の先生とも会えなくなってしまうのか…。
周りのみんなは泣き顔だった。
鼻をすする音が教室に響く。
その音につられて私も泣きそうになった。
しばらく経ち、運動場の花道を通る時が来た。
花道にはいつの間にか保護者や後輩たちでいっぱいになっていた。
同学年のみんなはその光景を見て、「俺も一年前はあそこに居たよなー」
と、懐かしそうに言っている。
私は、その時、時間の流れはものすごく早いなぁと思った。
しばらく経ち、やっと私たちは花道に出た。
部活動の後輩達が色紙や花を渡しに来てくれた。
他のみんなも貰っていた。
私は、この後輩達ともしばらく会えなくなるのかと思い、悲しくなった。
花道を通り終わり、運動場で自由に写真を撮ったりする時間になった。
私は今までお世話になった友達や先生と一緒に写真を撮ったり話したりした。
友達のお母さんとも少し話したりした。
しばらく経って、最後に私はサクラの元へ行った。
そこで、サクラに会える日は今日で終わってしまうかもしれないという悲しみが一気に溢れ出し、私はついに我慢をしていた涙が溢れ出した。
私は、涙声でサクラを呼んだ。
サクラはもう既に泣いていたが、私を見てもっと泣いた。
私達は、そのまま抱き合った。
「サクラ…、今までありがとう、元気でね…」
「こちらこそ、ありがとう、ユキも元気でね…」
それだけ言うと、解散の時間になり、みんな一斉に学校を出た。
私とサクラは、一緒に帰った。
…そして、いつも帰る時に別れる場所に来た。
とうとう、サクラとお別れになる。
私達は、最後は「笑顔」で別れようとずっと前から決めていた。
だから、私達は笑顔で、
「今までありがとう、さよなら」
と言い、サクラに別れを告げた。
家に帰る途中、たまたまリュウヤに会った。
私はさっき泣きすぎて涙が止まっている今でも目が赤かった。
そんな私を見て、リュウヤは
「おう、卒業式で泣いたのかー?てかお前が泣くとか、俺見たかったー(笑)」
と、からかってきた。
私は、「なんだとー!(笑)」と言い返したが、ふとサクラのふざけた発言を思い出した。
「今日告白でもするの??!(笑)」
でも私は、今の状態じゃ告白できないと思い、ぐっとこらえ、リュウヤと別れを告げて家に帰った。
夜になり、私は家で貰った物を整理していた。
そこで、私はふと思い出した。
サクラは今日の夜8時に出発するという事を。
私は今夜は何も予定が無かったので、サクラを見送りに行こうと思い、急いで着替えた。
着替え終わり、そこで時間を見ると、もう7時45分だった。
私は大急ぎで外に出た。
私は、サクラ一家が車で行く事を知っていたので、サクラの家に向かって走り出した。
7時50分、私はサクラの家に着いた。
すると、丁度サクラが車に荷物を詰めているところだった。
「サクラ!!!」
その呼びかけに気づいたサクラは走り疲れた私を見て、びっくりしていた。
「…ユキ!!!来てくれたんだね!!!」
私は頷き、笑顔を見せた。
サクラもすぐに笑顔になり、短い間だったが話しをした。
ついに本当の別れの時間が来て、私とサクラはお互いに「ありがとう」と言い、サクラは車に乗った。
そして車は走り出し、だんだん遠くなっていく。
私は笑顔で車が見えなくなるまでめいいっぱい手を振り続けた。
やがてサクラ一家の乗った車は見えなくなり、春の風が吹いた。
近くの公園では夜桜が綺麗に咲いていた。
…春。それは、新しい生活の始まりと同時に、別れを告げる季節でもある。
夜桜が春の風に吹かれて少し散った。
その花びらがたまたま私の手に乗った。
その花びらは、私に別れの悲しみと同時に未来への希望を教えてくれた様な気がした。
私はその花びらをぎゅっと握りしめ、春の風に吹かれながら家に着くのだった。
はい、お久しぶりです、HonoRinです!
「卒業~別れ」、どうでしたか?!
この小説は、私の初めての連載小説でした!
今回、やっと最終回を出すことができました!
今日、この日まで、超連続で小説を出したり、全く小説を出さない日が連続したりして、不安定な投稿でした…(笑)
でも、この小説を見て下さった人に感謝しています!
実は、この小説、約半分は実際に現実で起こった事を元にしています!
もちろん、名前は変えていますが、サクラの面白い行動や、私(ユキ)の謎なほど(心の中ですが)叫ぶという行動など、ほぼ一致しています…(笑)
私の友達が卒業式の後に遠くの県に引っ越してしまうという事を聞き、この小説を書き始めました。今ではメールのやり取りのみで、その日から会っていないのも事実です…。
まあ、そんな事は置いといて、今までこの小説を読んで下さっていた方々、本当にありがとうございました!
そして、この小説の続編をまたいつか書こうと思っているので、そちらもご期待下さい!また不定期更新になってしまう確率が99%ありますが、これからもよろしくお願いします!!!
以上、HonoRinでした!