問題児たちと葉王さま(偽)が異世界から来るそうですよ   作:FG30%

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 えー皆様、現在フリーフォールの真っ最中であるテンプレ的な転生を果たした朝倉です。

 俺の他にも少年少女が三人に猫が一匹を確認できるが、このまま落ちたら下に見える湖にドボンか。濡れるのはやだな…スピリット オブ ファイア(S・O・F)で着地しよ

 

「来い、S・O・F」

 

 呼び出したS・O・Fの肩に乗り一安心してると大きな水しぶきが三つほどあがったのが確認できた。とりあえず三人と一匹が上がってくるのを待つか

 

 

 

 ーーーーー

 

 

 

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引きづり込んだ挙句、空に放り出すなんて!」

 

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

 

 かなり怒ってるようだが、対処法がなかったら俺も同意見だな

 

「まず間違いないだろうが、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にま変な手紙が?」

 

「そうだけど、まず『お前』って呼び方を訂正して。私は久遠 飛鳥よ。以後、気を付けて」

 

 おーおー初対面からバチバチやってるな。てか手紙?貰ってないけど、そーゆー設定だったっけ?まぁ話を合わせればいいか

 

「それで、そこで猫を抱きかかえてる貴方は?」

 

「……春日部 耀。以下同文」

 

 コミュ障かってぐらい簡潔だな、おい

 

「そう。よろしくね春日部さん。それで野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻 十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

 

「そう。取り扱い説明書をくれたら考えてあげるわ十六夜くん」

 

「はは、マジかよ。今度作っておくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

 この二人、相性が悪そうにみえるけど実は良さそうだな、なんて考えていると

 

「で、一人だけ濡れないで我関せずでいる貴方は?」

 

「俺は朝倉…朝倉 葉王だ。濡れるのはイヤだったんでね、退避させてもらった」

 

 一応転生したらしいからな、生まれ変わったって意味で名前を変え、どうせならってことで葉王を名乗ることにした

 あと逆廻、そんな面白い玩具見つけたみたいな顔でこっち見んな

 

「で、呼び出されたいいけどなんで誰もいねぇんだよ。この状況だと招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねぇのか?」

 

「ええ、そうよね。何の説明もないままでは動きようがないもの」

 

「なら聞いてみればいい」

 

 そう言いつつ茂みに指をさす

 

「なんだお前気づいてたのか」

 

「まぁな、てか今回は隠れてるやつが下手すぎる。逆廻も気づいてたんだろ?」

 

「当然。かくれんぼじゃ負けナシだぜ?そっちの二人も気づいてたんだろ?」

 

「ええ当然よ」

 

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

 

「へぇ、面白いなお前」

 

 四人で気配を察していたことに話をしながら軽く睨むと、茂みからウサ耳が出てきた

 

「や、やだなぁ皆々様。そんな狼みたいな顔で睨まれると黒ウサギは死んでしまいます? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵にございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

「断る」

 

「却下」

 

「お断りします」

 

「やっすいイメクラ?」

 

「あっは、取り付くシマもないですね♪てゆーか、黒ウサギはイメクラではありません!」

 

 そんなことを言っている黒ウサギを無視して、俺以外の三人は黒ウサギを囲み、耳をさわり始めた。俺も記念に触っとくか

 

 

 

 ーーーーー

 

 

 

「あ、あり得ないのですよ、学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに間違いないのデス」

 

「いいから話せ」

 

 鬼かコイツは…

 横目で逆廻を見ながら黒ウサギはなんとか気を取り戻して説明を始める

 

「ようこそ、"箱庭の世界"へ! 我々は貴方がたにギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかと思いまして、この世界にご招待いたしました!」

 

「ギフトゲーム?」

 

「YES!既にお気づきかもしれませんが、貴方がたは皆、普通の人間ではありません。皆様の持つその特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその恩恵を駆使して、あるいは賭けて競いあうゲームのこと。この箱庭の世界はその為のステージとして造られたものなのですよ!」

 

 なるほど、俺の恩恵とやらは特典のことだろうな。で、この世界は大きな遊戯盤ってゆーことか。全然、原作を覚えてないからこの辺の説明をちゃんと聞いとかないとな

 

「恩恵…つまり自分の力を賭けなければいけないの?」

 

「そうとは限りません。ゲームのチップは様々です。ギフト、金品、土地、利権、名誉、人間。賭けるチップの価値が高ければ高いほど、得られる賞品の価値も高くなるというものです。ですが当然、賞品を手に入れるためには"主催者ホスト"の提示した条件をクリアし、ゲームに勝利しなければなりません」

 

「……"主催者ホスト"ってなに?」

 

 久遠と春日部が知りたいことを質問してくれるので黙ってる

 

「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏から、商店街のご主人まで。それに合わせてゲームのレベルも、命懸けの凶悪、難解なものから福引き的なものまで、多種多様に揃っているのでございますよ!」

 

 なるほどねぇ、なんでもありだなやっぱ

 

「話を聞いただけではわからないことも多いでしょう、なのでここで簡単なゲームをしませんか?」

 

 ん、質問タイムは?なんで急にゲームになんの?強制イベントか?

 

「この世界にはコミュニティというものが存在します」

 

 どこからか出したトランプをシャッフルしながら黒ウサギは続ける

 

「この世界の住人は必ずどこかのコミュニティに所属しなければなりません。いえ、所属しなければ生きていくことさえ困難と言っても過言ではないのです!」

 

 そう言い切り黒ウサギはパチンッと指をならすと、突然カジノでよく見るようなテーブルが出でくる

 

「みなさんを黒ウサギの所属するコミュニティに入れてさしあげても構わないのですが、ギフトゲームに勝てないような人材では困るのです。ええ、まったく本当に困るのです、むしろお荷物・邪魔者・足手まといなのです!」

 

 なんか挑発っぽい感じだが、原作も覚えてないしどんな流れだっけ?大人しくしとくか

 

「今回のギフトゲームでは、みなさまは初めてですので、特別に何も賭けていただかなくて結構です。強いて言うなら、みなさまにはみなさま自身の『プライド』を賭けていただきます。賞品は…そうですね。勝った方の言うことを神仏の眷属であるこの黒ウサギが一回だけ何でも聞くというのはどうでしょう?」

 

 自信たっぷりな顔で黒ウサギが挑発してくる

 この勝負を受けないってのも面白そうだが、他の三人は勝負を受けることに決めたらしいので俺も受けることにした

 

「ではゲーム成立です」

 

 黒ウサギはそう宣言しまた指をならすと四人の手元に紙が現れた

 

『ギフトゲーム名"スカウティング"

 

 プレイヤー一覧、逆廻 十六夜、久遠 飛鳥、春日部 耀、朝倉 葉王

 

 クリア条件、トランプ52枚の中から絵札を引く

 

 ・引けるのはプレイヤー一人につき一回まで

 ・トランプを引く時を除き、トランプに触れてはならない

 

 敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなかった場合。

 

 宣誓、上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。 

                                 “サウザンドアイズ”』

 

「これは?」

 

「“契約書類”です。ホストマスターとプレイヤーの契約の書。そこにルールやクリア条件が記されています。ちなみに黒ウサギは“審判権限”という特権を持っていますから、ズルをしようとしても無駄ですよ。ウサギの耳と目は、箱庭の中枢と繋がっていますから」

 

「なるほど。じゃあ、ゲームの前にトランプに仕掛けがないか確認させてもらってもいいか?」

 

「はい、結構ですよ」

 

 逆廻が確認をとると、黒ウサギから許可が出たので、四人は各々トランプを手に取って確認する

 逆廻はそれぞれを念入りに確認し、久遠は絵札のトランプをなぞり、春日部は連れていた三毛猫に指をなめさせ、その指でトランプを擦っていた

 俺は占星術でも使えばいいかな?

 

 確認を終え、カードを並び直すと黒ウサギが俺らをそれぞれ見て聞いてきた

 

「それでは、最初はどなたからになさいますか?」

 

「じゃあ俺からで」

 

 一番手は逆廻からか、どーするんだろ?

 

「さっきは素敵な挑発ありがとよ、コイツはそれのお礼だ!」

 

 バンッと逆廻は思い切りテーブルに手を叩きつけた。その勢いの反動か、周りのカードは宙に舞い、裏表関係ナシにテーブルに落ちる

 

「じゃ、俺はこれで」

 

 そう言い、俺は表になった絵札を選ぶと他の二人も

 

「私はこれ」

 

「私はこれにさせてもらうわ」

 

「えっ、ちょ、これは…」

 

 散らばったカードから、絵札を拾う三人に戸惑う黒ウサギに、十六夜が悪戯っぽい笑顔を向ける

 

「別に何もルールに抵触してないはずだぜ、トランプには触れなかったしトランプを引いたのも全員一回だけだ」

 

「それは、そうですが…」

 

 反論しようとしたところで、黒ウサギの耳がピコピコ揺れ、がっくり項垂れる

 

「箱庭の中枢からも、『有効である』との判定が下されました。みなさまクリアです」

 

「やった」

 

「うん」

 

「で、でも!十六夜さんはまだ!」

 

「おいおい、俺を誰だと思ってる」

 

 逆廻が持っていたカードが表になると見事にそれは絵札だった

 

「う、嘘!ど、どうやって……」

 

「覚えた。全てのカードの並び順を」

 

 そう言って逆廻がどんどんカードを表にしながら言い当てていく。すげーなコイツ、どんな記憶力だよ…

 

「ところで黒ウサギ」

 

「はい、なんでしょうか十六夜さん」

 

「早速言うことは聞いてもらうぜ」

 

 それを聞いて、黒ウサギがあわて始める

 

「せ、性的なことはダメですよ!」

 

「それも魅力的じゃあるんだが、俺の訊きたいことはただ一つ、手紙に書いてあったことだけだ」

 

「なんですか?」

 

 十六夜は、何もかも見下すような視線で一言

 

「この世界は…面白いか?」

 

「Yes!『ギフトゲーム』は人を超えた者たちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保障いたします♪」

 

 そう言い黒ウサギは心強くうなづいた

 

 

 

 

 

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