問題児たちと葉王さま(偽)が異世界から来るそうですよ 作:FG30%
原作キャラの口調が怪しい…
「ジン坊ちゃーン! 新しい方を連れてきましたよー!」
先頭で歩く黒ウサギは門前にいるジンという少年に手を振りながら叫ぶ
「お帰り、黒ウサギ。そちらの二人が?」
「はいな、こちらの御四人様がーーーー」
カチン、と固まる黒ウサギ
「……え、あれ? もう二人いませんでしたっけ? 全身から"俺問題児!"ってオーラを放っている方と"我関せず"って感じの一番まともそう方が」
「ああ、十六夜君と葉王君のこと? 彼らなら『ちょっと世界の果てを見てくるぜ!』と言って駆け出して行ったわ」
「な、なんで止めてくれなかったんですか!」
「『止めてくれるなよ』と言われたもの」
「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」
「『黒ウサギには言うなよ』と言われたから」
「嘘です、絶対嘘です! 実は面倒くさかっただけでしょう御二人さん!」
「「うん」」
ガクリ、と黒ウサギは前のめりに倒れる
「た、大変です! ”世界の果て”にはギフトゲームのため野放しにされている幻獣が」
「幻獣?」
「は、はい。ギフトを持った獣を指す意味で、とても人間では太刀打ち出来ません!」
「あら、それは残念。もう彼らはゲームオーバー?」
「ゲーム参加前にゲームオーバー? ……斬新?」
「冗談を言っている場合じゃありません!」
黒ウサギは溜息を吐きつつも立ち上がる
「はぁ……ジン坊っちゃん。申し訳ありませんが、御三人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「わかった。黒ウサギはどうする?」
「問題児様を捕まえに参ります。"箱庭の貴族"と謳われるこの黒ウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります」
黒ウサギは黒髪を淡い緋色に染めていく
「一刻程で戻ります! 皆さんはゆっくりと箱庭ライフを御堪能ございませ!」
そう言って、黒ウサギは淡い緋色の髪を戦慄かせて弾丸のように飛んで行った
ーーーーー
「オラァッ!」
『ガッ!』
現在、俺の目の前には逆廻が大蛇を殴り飛ばす光景が写っていた。そして大蛇は水しぶきをあげながら倒れる
「おい、逆廻。俺までびしょ濡れにするなよ」
水しぶきを浴びた俺はびしょ濡れになり、同じくびしょ濡れの逆廻に文句を言う
「ヤハハハ。悪い悪い、さっき濡れてなかったから丁度いいだろ」
「なんだその理論は」
そんな風に話しながらS・O・Fで乾かそうとしていると、先ほど俺たちが来た森からピンク髪のウサ耳少女がでてきた
「あれ、お前黒ウサギか? どうしたんだその髪の色」
「もう、一体どこまで来てるんですか!?」
「"世界の果て"まで来ているんですよ、っと。まぁそんなに怒るなよ」
「もう! まあ、十六夜さんと葉王さんが無事でよかったデス。水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしましたよ」
「水神? もしかしてーーーーアレのことか?」
え? と黒ウサギは硬直する。すると俺が指差した川面から大蛇がでてきた
『まだ…まだ試練は終わってないぞ、小僧共ォ!!』
「蛇神……! って、どうやったらこんなに怒らせられるんですか!?」
ケラケラと笑う十六夜は事の顛末を話す。ってかあれ蛇神だったのか。俺と少し似た雰囲気持ってんなーって思ったけど、なるほどそーゆーことか
「なんか偉そうに『試練を選べ』とか、上から目線で言ってきたからよ。俺を試せるかどうか試させてもらったのさ」
「俺はただの見学だ」
逆廻が"世界の果て"まで行くとかゆーから付いてきたら、まさかこんなことになるとは。まぁこの世界のやつらの戦闘を見ておきたかったってのもあるからいいけど
『付け上がるなよ人間! 我がこの程度のことで倒れるか!!』
蛇神が甲高い咆哮を響かせると、巻き上がる風が水柱を上げて立ち昇る
「十六夜さん、葉王さん、下がって!」
「何言ってやがる。下がるのはテメェだろうが黒ウサギ」
「心配すんな、黒ウサギ。見た感じ逆廻のが格上だし、これはあいつが受けたゲームだ」
「葉王の言ったとおりだ。もし手を出せばーーーお前から潰すぞ」
本気の殺気が籠った十六夜の声音、おー怖っ
『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様らの勝利を認めてやる』
「ずいぶん温いこと言うな」
「全くだ。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ」
『フンーーーその戯言が貴様らの最後だ!』
竜巻く水柱四本が逆廻と俺に二本ずつ、生き物のように襲いかかる。いや、俺はゲーム受けてないんだけどなんで?
「十六夜さん! 葉王さん!」
「ーーーハッーーーしゃらくせえ!!」
「ふっ!」
逆廻と俺は竜巻く水柱をただ腕の一振りでなぎ払った。流石はサイタマの力だ
「嘘!?」
『馬鹿な!?』
逆廻は蛇神の頭上に飛び込み蹴りを打つ。蛇神は空高く打ち上げられて川に落下。その衝撃で逆廻はまた水しぶきを浴びて全身を濡らしていた。俺は濡れるがイヤなので退避させてもらったけど
「今日はよく濡れる日だ。クリーニング代は出るんだろーな、黒ウサギ」
ーーーーー
「きゃーきゃーきゃー♪ みてください! こんな大きな水樹の苗を貰いました! コレがあればもう他所のコミュニティから水を買う必要もなくなります! みんな大助かりです!」
蛇神から貰った水樹の苗を抱きしめながら黒ウサギは奇声を上げながら飛び回てる
「喜んでもらえて何よりなんだが、一つ聞いていいか?」
「どうぞどうぞ!」
そこで、ふっと逆廻から軽薄な声と表情が完全に消える
「オマエ、なにか決定的な事を隠しているよな?」
逆廻の殺気がこもった声が森に響く
「……な、なんの事です? 箱庭の話ならお答えすると約束しましたし、ゲームの事も」
「違うな。俺が聞いているのはオマエ達の事ーーーーいや、核心的な聞き方をするぜ? 黒ウサギ達はどうして俺達を呼び出す必要があったんだ?」
表情には出さなかったものの、黒ウサギは激しく動揺してるな。結構わかりやすい
「これは俺の勘だが、黒ウサギのコミュニティは弱小チームか、もしくは訳あって衰退しているチームか何かじゃねぇのか? だから俺達は組織を強化するために呼び出された。そう考えれば今の行動や、俺や葉王がコミュニティに入るのを拒否した時に本気で怒ったことも合点がいく、ーーーどうよ? 黒ウサギ?」
「っ……!」
すげーな逆廻。これまでの情報でそこまで推測するのか。それよりも…
「沈黙は是也、だぞ黒ウサギ。この状況で黙り込んでも状況は悪化するだけだぞ? それともほかのコミュニティに行ってもいいのか?」
俺がそう言うと、黒ウサギは慌てる
「や、だ、駄目です! いえ、待ってください!」
「だから待ってるだろう。ホラ、いいから包み隠さず話せ」
逆廻は川辺にあった手ごろな岩に腰を下ろして聞く姿勢をとる。俺も似たように岩に座り静かに話しを聞こうとしている。しかし黒ウサギはすぐに話そうとしない
「……話せば、協力していただけますか?」
「ああ、面白ければな」
「内容次第だ」
ケラケラと笑うが、やはり逆廻の目は笑っていない。黒ウサギはようやくコミュニティの現状を話す決心をしたようだ
「……分かりました。では語らせていただきます。私達のコミュニティの現状そしてなぜそうなってしまったのかを…」
ーーーーー
「……ふぅん、魔王から誇りと仲間をねえ」
「……」
うわー、思ってたより重い話しだな。できれば魔王云々と積極的に戦うとかやりたくないんだけどな
隠していたことをすべて話した黒ウサギは俺と逆廻に深く頭を下げて懇願している。しかし、必死の告白に十六夜は気の無い声で返している。俺は無言だし、その態度は黒ウサギをいっそ不安にさせてるんだろうな
(ここで……ここで断られたら……私達のコミュニティはもう……!)
少しの沈黙を終わらせたのは逆廻で
「いいな、それ」
「………は?」
「は? じゃねえよ。協力するって言ったんだ。もっと喜べ黒ウサギ」
不機嫌そうに言う逆廻。呆然として立ち尽くす黒ウサギは二度三度と聞き直す
「え……あ、あれれ?今の流れってそんな流れでございました?」
「そんな流れだったぜ。それとも俺がいらねぇのか?失礼な事を言うと本気で余所行くぞ」
「だ、駄目です駄目です、絶対に駄目です! 十六夜さんは私達に必要です!」
「素直にそう言っとけ。で、お前はどうすんだ? 葉王」
逆廻に聞かれたが、マジでどうしようかな?スペック的には問題ないだろうけど、それでも今まで戦闘なんてものはやったことないし、正直に言えば魔王なんて勘弁なんだが
「……とりあえずは保留でいいか?」
その言葉を聞いた瞬間黒ウサギの顔が曇った
「なんで保留なんだ?」
逆廻が俺に率直な疑問を聞いてくるが
「はい、そうですか。で見捨てることもできるが話しを深く聞きすぎた。だけど俺は今まで戦闘なんてしたことないから不安なのと、黒ウサギや黒ウサギのコミュニティとの信頼関係がない、ってとこで保留だな」
逆廻は俺を探るように見てくるが、本当のことしか言ってないぞ?一応、騙されかけてたわけだし
「それじゃ黒ウサギ。あの蛇を起こしてこい。その後は川の上流にある滝と世界の果てを見に行くぞ」
「は、はい!」
それから俺たちはその場を後にし、世界の果てに向かった
早く葉王さまを戦わせたいけど戦闘描写が…