この素晴らしい世界にオーブの祈りを!   作:波紋疾走(pixiv)

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リクエスト作品です


この愛らしい珍獣に友達を!

 ある日、屋敷の門の前に一人の少女が、果物の詰め合わせを持って立っていた。

 

 「た、たのもーう! 今日こそは決着をつけるわよ! めぐみん!」

 

 彼女の名前はゆんゆん。めぐみんと同じ紅魔族の出身であり、彼女のライバルをしている。なので、屋敷の前にいるのはめぐみんに勝負を挑むためである。

 が、屋敷からは誰も出て来ない。もう一度、呼んでも結果は同じ。誰も出てこなかった。

 

 「あ、あれ? 今日もいないのかな?」

 「そこの家の人なら、何日か家を空けるって言ってたよ~ 明日には帰ってくるんじゃないかな~」

 

 通りすがりの人からそう言われたゆんゆんは、仕方なく帰路に就こうとしたその時、道端に、小さな羽に黄色い体毛とクリクッリとした青い目が特徴の、見慣れない生き物を発見する。

 

 「ぱ、ぱむぅ⋯⋯」

 「大丈夫? えっ⋯⋯!? ケガしてるの?」

 

 よく見ればケガをしている。とりあえず応急手当てを施すが、ケガの度合いは酷く、回復魔法を施さなくてはならないほどだった。しかしアークウィザードであるゆんゆんは、回復魔法を使うことが出来ない。仕方ないので、ゆんゆんは寒空の中、カズマ達の帰りを待つことにした。

 

 そして次の日、カズマ達はクエストから帰ってくるなり、門の前で珍獣を抱きかかえながら、ぶるぶる震えているゆんゆんを発見する。

 

 「ど、どうしたんだよゆんゆん!?」

 「あ、あの⋯⋯ 回復魔法を⋯⋯ この子に⋯⋯」

 「わかった。とりあえずその子をこっちに渡して、早く風呂に入るんだ」

 

 とりあえず屋敷に入り、ゆんゆんから珍獣を預かると、彼女を風呂場に案内し風呂に入れる。その間にアクアは回復魔法を施した。

 

 十分以上経った頃だろうか、風呂に入っていたゆんゆんが、髪を布で乾かしながら居間にやって来る。

 

 「あ、ゆんゆん。今さっき治療が終わったわよ。ちょっと安静にしたら、普段通りにすごせ⋯⋯」

 「ぱむー!」

 「わわっ!」

 

 ゆんゆんの姿を見ると、アクアから離れて一目散に小さな羽を羽ばたかせて、彼女の胸に飛び込んでまるで甘えるかのような仕草を見せたのだ。これを見たカズマ達は驚きを隠せない。

 

 「く、くすぐったいよぉ~」

 「まさかゆんゆんが生き物に懐かれるなんて⋯⋯」

 

 失礼なことを言うめぐみんだが、これには理由があった。少し前にウィズの店でめぐみんとゆんゆんが、仲良くなる水晶をどちらが上手く扱えるか勝負した時のこと。水晶の効果で、彼女の恥ずかしい過去が暴露され、その中にどんな生き物にも懐かれないどころか逆に避けられるという過去があること知ったからだ。

 

 「でもまぁ、世界は広いから、ゆんゆんに懐く動物もいてもおかしくはないけど⋯⋯ にしてもかなり懐いてるな。名前とかあるのか?」

 「な、名前? 特にはないですけど⋯⋯」

 「じゃあ私が名付けてあげますよ。そうですね⋯⋯ 羽があるから、ハネジローっていうのはどうでしょう?」

 「ハネジローって⋯⋯」

 

 どストレートな名前を付けるめぐみん。この名前は嫌がるだろうと思いながらゆんゆんの方を向くカズマ。しかし、ゆんゆんはその名前を気に入ったのか、はたまためぐみんに名付けてもらったのが嬉しかったのかは定かではないが、ハネジローという名前を喜んで受け入れた。変わり者が多い紅魔族の中でも常識のあるゆんゆんなのだが、これにはカズマもショックを隠せなかった。が、当の本人が喜んでいるならそのままにしておくべきだな。と、考えるのだった。

 

 そんなこんなでゆんゆんとハネジローは仲を深めていき、日を追うごとにお互いをかけがえのない存在と認識していくのだった。このままハネジローとすごしたいな。そう思うゆんゆん。しかし、それを壊す存在がこの世界に迫っていることなど知る由もなかった⋯⋯ 

 

 

 

 

 

 ゆんゆんがハネジローを保護してから数日後、城壁の外に謎の宇宙船が停まっているのをクエストに向かう冒険者が発見。見知らぬ円盤を一目見ようと野次馬たちが城壁の外に集まっていた。カズマたちもまたその一員で、野次馬をかき分けて最前列に向かう最中、同じ目的のガイとばったり遭遇する。

 

 「あ、ガイさん」

 「おうカズマ。お前も円盤を見に来たのか?」

 「まあそうですね。中にどんな宇宙人がいるのか気になりますし」

 「なるほどな」

 「善良な宇宙人ならいいのですけど⋯⋯」

 

 そう言うのには理由がある。かつてカズマは人間を奴隷にしようと企む悪質宇宙人を目の当たりにしたことがあるので、故に彼は宇宙人と聞くと、まず善良かどうかを気にするのだ。

 そんなことを言っていると、宇宙船の扉が開き中から自分たちと同じ姿をした宇宙人が現れる。

 

 「お騒がせしてすまない。私の名前はファビラス星人。宇宙警察特別捜査官だ。ここに立ち寄ったのには訳がある。数日前、この街にムーキットと呼ばれる危険な宇宙生物が潜んでいるとの情報が入った」

 

 危険な宇宙生物がいると聞いて、野次馬たちは騒ぎ始める。

 

 「特徴は黄色い体と青い目、背中には羽が生えていて非常に愛らしい姿をしている。が、危険なので捕獲次第私に連絡をしてほしい。もちろん捕獲したものには報酬ははずむ。君たちを巻き込んで済まないが、これも捜査の一環だ。協力をお願いする」

 

 そう言うと、ファビラス星人は宇宙船の中へと戻っていった。野次馬たちが解散し、報酬の欲しい冒険者たちは危険生物探しに向かう中、カズマ達はファビラス星人の言葉に戸惑いを隠せなかった。

 

 「まさか⋯⋯ ハネジローが危険生物だなんて⋯⋯」

 「ん? どうしたカズマ、そんな顔して」

 「⋯⋯ガイさん。ちょっと屋敷に来てください」

 

 人の多いこの場でハネジローのことを伝えたらマズイので、とりあえず屋敷に戻ってガイに事情を説明する。

 

 「なるほど⋯⋯ ゆんゆんが保護した、そのハネジローって生き物が、ファビラス星人の言っていた危険生物なのか」

 「ゆんゆんに懐いているんで、そんなことはないとは思うんですけど⋯⋯」

 

 「あの、さっきから何を話してるんですか? もしかして、ハネジローのことでしょうか?」

 

 ガイとカズマの会話に気付いたゆんゆんが問いかけてきた。上手くはぐらかそうとするが、ハネジローに関することを秘密にされるのは不安だと彼女が言うので、仕方なく今朝の出来事を話す。それを聞いたゆんゆんは当然の如く、そんなことはないと反論した。

 

 「ハネジローが危険な生物だなんてありえません! その宇宙人は、嘘をついているに決まってます!」

 「そう言いたいのは分かるけど、嘘と決めつけるのは⋯⋯」

 

 「いえ、あの宇宙人は嘘をついていますよ」

 

 そう言って反論したのは、なんとめぐみんだった。

 

 「めぐみん⋯⋯」

 「別にあなたを助けるつもりはないですよ。ただ、あの宇宙人が胡散臭いと思ったから、こう言ってるだけです」

 

 こうは言っているものの本心は、ゆんゆんとハネジローを助けたいとめぐみんは思っていた。それはそうと、めぐみんはなぜファビラス星人が嘘をついていると疑っている理由を話し始める。

 

 「いいですか。まずあの宇宙人はハネジローのことを危険と言いました。しかし危険と言い張るだけで、どう危険なのか具体的に言ってませんよね。本当に危険なら、なにがどう危険なのかを伝えるはずです。次にあいつは私たちに、捕獲して連れてきてほしいと言いました」

 「おう、それがどうした?」

 「そこがおかしいんですよ! どうして危険な生物を私たちが捕まえて連れて行かなきゃならないんですか? 普通ならあの宇宙人も捕獲に赴くはずです。それをしないってことはつまり⋯⋯」

 「つまり⋯⋯?」

 「ハネジローが、冒険者じゃない一般人でも捕獲できるようなひ弱な生物だってことを知っているから。じゃないでしょうか」

 

 めぐみんの筋の通った反論に納得するカズマ達。しかしここで一つの疑問が浮かぶ。ファビラス星人が嘘までついてハネジローを捕獲する理由だ。これにめぐみんはこう答える。

 

 「ハネジローが、あの宇宙人にとって都合の悪いナニカを知っているからじゃないでしょうか。一度ハネジローに聞いてみましょう」

 

 めぐみんはハネジローに、ここに来るまでに何があったの? 優しく問いかける。彼女の言葉を理解したハネジローは、目から自身の記憶を投影し、映像化する。そこに映っていたのは、とある惑星が異星人によって侵略されている様子だった。その光景は凄惨なもので、侵略者に歯向かう原住民はすべて殺害され、その他の者は奴隷のように扱われていた。緑豊かな大地も、侵略者のせいで荒廃してしまった。そこで映像は終わり、壮絶な光景を目にしたカズマ達は言葉を失った。

 

 ハネジローの記憶を垣間見たカズマ達は、ハネジローを保護する方向で決める。そして、ファビラス星人の嘘をど証明するかを話し合い始める。

 

 「ハネジローは保護するとして、問題はあいつの嘘をどう暴くかだ」

 「この映像を街の人々に見せるのはどうでしょうか?」

 

 めぐみんが案を出すが、ダクネスはそれでは無理だと反論する。何故かと聞くめぐみんにダクネスはこう答える。

 

 「あいつは人間の姿をしていて、真の姿を現していない。もし仮に映像を流したとしても、上手く言い逃れられる」

 「なるほど⋯⋯ じゃあどうすれば⋯⋯」

 

 「だったらアイツの口からボロを出させればいいんじゃない?」

 「ボロを出させるって⋯⋯ どうやって?」

 「そうね⋯⋯ ハネジローを受け渡すとか」

 

 アクアの爆弾発言に、戸惑うカズマ達。そんなことをしたらあいつの思うつぼだと詰め寄るカズマ。しかしその時、アクアの言葉からある作戦を思いつく。そして彼女に、お前のおかげで作戦が思いついたと言うと、なぜかカズマはウィズの店に向かった。

 そして数十分後、彼は何かのアイテムを買って帰ってくると、思いついた作戦の内容を話すのだった。

 

 

 

 

 

 次の日、街は朝から騒然とした雰囲気だった。例の危険生物が捕まったのだ。捕まえた当事者であるめぐみんは鳥かごにムーキットを閉じ込め、城壁の外で停まっている宇宙船の元へ向かい、降りてきたファビラス星人に渡した。

 

 「ご協力感謝します。これが報酬です」

 「報酬はいいです。それよりも、しっかりその生物を処理してくださいね」

 

 そう言うと報酬を受け取らず、めぐみんはそのまま街に戻って行った。彼女が街に戻ったのを確認すると、ファビラス星人は宇宙船に戻り、鳥かごを開けてムーキットを取り出した。

 

 「クックック⋯⋯ 馬鹿な奴らだ。まんまと騙されやがって。これで我らの蛮行の記録は消える。こいつを始末すれば⋯⋯」

 

 口角がニヤリと上がると、ムーキットを殺害しようと試みる。その時だった。

 

 「だーれが馬鹿な奴らだって?」

 「だ、誰だ!?」

 

 ハッと振り向くファビラス星人。するとそこにはさっきまでいなかったはずのカズマとガイ、ゆんゆんがそこにいたのだ。

 

 「今の言葉、ばっちり聞かせてもらったぜ」

「どうして君たちがここに?!」

「ちょっくら、潜伏スキルを使わせてもらったんだよ!」

 「やっぱりあなた、嘘をついていたんですね!」

 「ち、違うんだ! 私はムーキットに操られてあんなことを⋯⋯!」

 

 見え透いた嘘を性懲りもなく吐くファビラス星人など構わず、カズマはスティールを発動し、ハネジローを取り返し、ゆんゆんの元に預ける。

 

 「な、なにをするんだ! 危ないぞ、早く私の方へ返すんだ!」 

 

 そう言って銃を忍ばせゆんゆんに近寄る。すかさずガイが間に入り彼を殴る。殴られたファビラス星人は銃を手離して倒れてしまう。

 

 「いい加減正体を現せ。お前は何者だ?」

 

 ガイの問いかけに対し、とうとう嘘をつくのは不可能と悟ったファビラス星人(?)は不気味な笑みを浮かべながらそっと立ち上がった。

 

 「クックック⋯⋯ まさかここまで賢いヤツがいたとは、正直侮っていたよ」

 

 体がオレンジ色に光ると、真の姿を現す。その姿はハネジローの記憶に映っていた奴隷にされている種族ではなく、侵略者の方だった。

 

 「私の名はナターン星人。文明ある星を侵略してきた」

 「なんだと⋯⋯?!」

 「じゃ、じゃああの映像に映っていたのって⋯⋯」

 「あれこそがファビラス星人だ」

 

 なんとナターン星人は侵略したファビラス星人の名を名乗り、アクセルの街の人々をだましていたのだ。これにはカズマも下衆野郎と吐き捨てる。そしてなにより一番そのことに怒りに燃えていたのはゆんゆんだった。

 

 「許せない⋯⋯! ハネジローの故郷を侵略して、しかもその星の人々の名を悪用して悪事を働くなんて⋯⋯ あなたには良心ってものがないんですか?!」

 「我らにとって侵略は文化なのだ。良心などない。質問はこれで終わりか? なら⋯⋯ ここで消えてもらうぞ」

 

 銃を構える。逃げ出そうとするが、扉は閉まりさらに宇宙船は飛び降りれば死ぬ高さにまで浮上していた。絶体絶命のピンチ。しかしカズマ達は余裕の表情を見せていた。

 

 「窮地に追いやられているのに、なんだその余裕の態度は!」

 「⋯⋯俺達がここまで想定していないと思っていたのか?」

 

 ガイがそう言ってカズマにアイコンタクトを送る。するとカズマは本来使えないはずのテレポートを使い、三人とも地上に降り立ち脱出に成功する。そう、昨日彼がウィズの店に向かったのは、一度だけ味方のスキルをコピーするアイテムを買うためだったのだ。そこでカズマはウィズのテレポートをアイテムに記憶させ、宇宙船に入る前にそのアイテムを使っていつでも発動できるようにしたのだ。

 

 またもや劣等種族に出し抜かれたナターン星人は怒り狂い、宇宙船から金色の体に角が何本も生えた凶悪な姿をした怪獣、グラールを召喚する。そしてナターン星人はグラールに、アクセルの街の人間すべてを殺すよう命令をする。命令を受けたグラールは、人々を殺さんと侵攻し始める。

 

 「カズマ、ゆんゆんを連れて逃げろ!」

 「そんな! 私も一緒に戦います! ガイさん一人だけで、戦わせたりしません!」

 

 ナターン星人に怒りを燃やすゆんゆん。しかし危険にさらすことは出来ないと考えたガイは、カズマに無理やりにでも彼女と共に逃げるよう指示する。カズマは戦おうとするゆんゆんの腕を無理やり引っ張りながら、その場から離れる。二人が十分離れたと確認すると、オーブリングを取り出す。

 

 「ウルトラマンさん!」

 『ウルトラマン!』

 「ヘェッ!」

 

 「ティガさん!」

 『ウルトラマンティガ!』

 「チェッ!」

 

 「光の力⋯⋯ お借りします!」

 

 『フュージョンアップ! ~~♪♪~~~♪♪♪ ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!!』

 

 紫の光と共にウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンが現れる。

 

 「俺の名はオーブ! 闇を照らして、悪を撃つ! シュオッ!」

 

 決め台詞を放つと、両者を土煙をあげながら接近、激突し組み合い力勝負をする。オーブは力を振り絞るが、グラールの腕力はオーブを上回っており、頭部をはたいてオーブを後退させる。

 ナターン星人に殺されたファビラス星人の仇を取る。そう胸に誓ったオーブは、拳を握りしめると再び向かって行く。そして顔面に二発パンチを、太ももに蹴りを一発入れる。

 

 が、頑丈な体のグラールにはまったく効いていない。それどころか、オーブが太ももに放った二発目の蹴りを受け止めると、逆にももを殴って体勢を崩してしまう。怯んだその隙に顔面に二発パンチを入れ、最後は腹に蹴りを入れ再び後退させる。さらに続けざまに角から電撃を放ち、オーブを苦しめる

 

 予想以上にグラールが強敵なので、持久戦に持ち込まれると不利だと感じたオーブは、あえて早めに決着をつけるべく、スペリオン光線発射の構えを取る。

 

 「スペリオン⋯⋯!」

 

 十字にクロスさせ、発射しようとしたその時。なんとナターン星人の宇宙船がビームを放ち、妨害してきたのだ。オーブはスペリオン光輪を放って撃墜を試みるが、あっさり避けられてしまう。

 それどころか、宇宙船に気を取られすぎて、グラールが接近していることに気付かなかった。気付いたときには既に時遅し。顔面を殴られ跪かされると、腹を何度も蹴られ転がっていく。そして、重い一撃を腹に喰らって蹴り飛ばされてしまう。

 

 蹴り飛ばされたオーブは、力を振り絞り立ち上がる。そんなオーブに対し、グラールは背びれを発光させて必殺の破壊光線を放つ。咄嗟にスペリオンシールドを展開するが、強力な破壊光線の前では無力に等しく、すぐに壊れてしまった。オーブは破壊光線を受けて大ダメージを負い、そしてそのまま倒れ、地に伏してしまう。

 

 「グッ⋯⋯ ウゥッ⋯⋯」

 「マズイ⋯⋯!」

 「このままだとオーブがやられちゃいます!」

 

 カラータイマーが点滅を始めてもなお、オーブは立ち上がろうとする。しかしダメージを受けたせいで、立ち上がることはおろか、体を満足に動かすことすらできない。

 そんなオーブにトドメを刺そうとグラールはゆっくりと近づいていく。絶体絶命のピンチ!

 

 「ぱむー!」

 「は、ハネジロー!?」

 

 その時、オーブを助けようと、ハネジローがゆんゆんの元から飛び立ったのだ。小さな羽を必死に羽ばたかせ、オーブの目の前にたどり着くと、その場で回転しグラールのホログラムを見せ、胸のコアが弱点だと知らせる。

 

 「小賢しい真似を!」

 

 弱点を教えたハネジローをナターン星人は宇宙船からビームを放ち、狙撃する。

 

 「ンッ!?」

 「ハネジローーーーーっっ!!!」

 

 ハネジローはそのまま地上に落下した。その光景を見たオーブは拳を握りしめ、ナターン星人への怒りをあらわにする。そして、身を挺してまで自分に弱点を教えてくれたハネジローのために、侵略されたファビラス星人のためにもこいつは倒さなければならない。その思いがオーブを突き動かし、力を振り絞りゆっくりと立ち上がり、タイプチェンジをする。

 

 「ゾフィーさん!」

 『ゾフィー!』

 「ヘアッ!」

 

 「ベリアルさん!」

 『ウルトラマンベリアル!』

 「ヌアァッ!」

 

 「光と闇の力⋯⋯ お借りします!」

 『フュージョンアップ! ~~♪♪~~~♪♪♪ ウルトラマンオーブ! サンダーブレスター!!』

 

 サンダーブレスターに変身すると、そのままグラールへと一直線に向かって行く。グラールもまた角から電撃を放つが、それを直撃してもオーブは止まらない。そうこうしている間に、オーブは距離を詰め、怒りのこもった拳をグラールの弱点に放つ。コアは破壊され、グラールは崩れるようにゆっくりと倒れると、活動を停止する。

 そんな一方で、ゆんゆんは傷ついたハネジローのもとに駆け寄り、抱きかかえながら必死に名前を叫んでいた。

 

 「ハネジロー!? しっかりして、ハネジロー!」

 

 何度呼びかけても返事はない。その光景を見たオーブは再び怒りに燃える。そして怒りをぶつけるかの如く、空に漂うナターン星人の宇宙船を睨みつける。

 

 「ヒッ!?」

 

 あまりの威圧感に圧倒されたナターン星人は、その場から逃げようとする。だがその行為がオーブの逆鱗に触れる。ナターン星人を逃がさまいと、オーブは活動を停止したグラールを持ち上げて、宇宙船目掛けて投げ飛ばす。そして怒りのゼットシウム光線を放つ。ゼットシウム光線はグラールに直撃し、大爆発。そしてその爆発に宇宙船も巻き込まれ、惨めな断末魔をあげながら誘爆し、ナターン星人は倒されるのだった。

 

 戦いが終わり、オーブは光となって消える。カズマは城壁の中で待機していたアクアを呼びつけ、ハネジローにリザレクションをかけるよう指示する。

 そして数分後、リザレクションがかけ終わると、再びゆんゆんは抱きかかえながら、必死にハネジローの名前を呼びかける。

 

 「ハネジロー! 死なないでハネジロー!」

 

 しかしどんなに呼びかけても目は閉じたままだ。

 

 「目を⋯⋯ 開けてよぉ⋯⋯ 私まだ⋯⋯ ハネジローとすごしたいの⋯⋯ だから⋯⋯ 目を開けて⋯⋯!」

 

 ゆんゆんの涙が頬を伝い、ハネジローにこぼれ落ちた。その時だった。

 

 「ぱむぅ⋯⋯?」

 「は、ハネジロー⋯⋯!」

 

 ハネジローが目を開けた。その瞬間、ゆんゆんはうれし涙を流し、ハネジローを抱きしめた。ハネジローもまた、ゆんゆんと再会できたことを喜ぶかのように、頬を寄せるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




グラールはネオスに登場した怪獣です。かなりの強敵だったのが印象的です。

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