この素晴らしい世界にオーブの祈りを!   作:波紋疾走(pixiv)

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皆さまお久しぶりです。半年以上放置して申し訳ありませんでした。
今回はオーブだけが活躍するのではなく、カズマ達も活躍してほしいというリクエストから生まれた作品になっています


この優しい先生に平穏を!

 

 

 

 

 ある日の昼下がり。ガイはいつも通り暇を潰すべく、ギルドに併設されているバーでラムネを嗜んでいた。そんな時、聞き覚えのある四人組の声が聞こえたので振り向くと、そこにはカズマ達がなにやら冒険者カードを見つめながら言い争っていた。

 

 「ようダクネス。どうしたんだ?」

 「ガイか。いや実はだな⋯⋯」

 

 そう言うと、ダクネスはガイになぜ二人が言い争っているのかを語りだす。

 実はこの間アクアのレベルが上がったらしく、それに伴い上級魔法を習得できるようになったらしい。しかしアクア自身はそんなものには興味はなく、性懲りもなく宴会芸スキルを覚えたがったので言い争いに発展したんだとか。

 

 「お前たちらしいっちゃ、らしいな」

 「ふふっ 騒がしくてすまないな」

 

 カズマ達らしい喧嘩の理由に呆れながらも納得するガイであった。

 

 「ねえちょっとガイ! カズマさんに言ってあげて! 人様のスキル習得に口を挟まないでって!」

 「ふっざけんな! お前は貴重なアークプリーストなんだぞ! 宴会芸なんかに貴重なポイント割かれたら、俺達に迷惑がかかるんだよ!」

 

 とカズマが言ったのを皮切りに徐々に言い争いが激しくなっていく。このままでは他の冒険者たちに迷惑がかかるので仕方なくガイは間に入って仲裁を試みる。

 

 その時だ。カズマがスティールを発動し、アクアの冒険者カードを奪って勝手に上級魔法を習得してしまったのだ。

 

 「ああー!! せっかくポイント貯めてたのに⋯⋯」

 

 落ち込むアクア。これには流石のめぐみんやダクネスもアクアに同情し、カズマに対して侮蔑とも取れる視線を送る。一方カズマはというと悪びれる様子もなく宴会芸に使われるよりかはマシだと自分の中で納得するのだった。

 

 「それで、どんな魔法を習得したんですか?」

 

 ふと何の魔法を習得したのかと受付嬢のルナが尋ねる。

 

 「えーっと、上級魔法のセイクリッド・プリフィケーションですね」

 「ええ!? それを習得したんですか?!すごいです!それってすごく役に立つ魔法なんですよ?」

 「そうなんですか?」

 「ええ。呪いを除くすべての状態異常を治癒して、さらに短時間ですが状態異常無効が付くっていう便利な魔法なんです」

 

 かなり使える魔法であることにアクアを除く三人は喜びの笑みを見せる。

 

 「⋯⋯そんなのいらない。最近ほとんどクエスト行ってないのにどこで使うの?」

 「どこでって⋯⋯ そりゃあ魔王を倒すときだろ」

 「魔王なんて金で雇った優秀な冒険者たちに倒させればいいじゃない」

 

 かなり不貞腐れてるせいか危うい発言をするアクア。見かねたガイがこの魔法が必要なクエストを掲示板で探し始める。すると、とあるクエストが彼の目に留まった。

 

 「なあ、こんなクエストなんてどうだ?」

 

 と、言って紙を渡す。内容は、毒に侵された村の大切な人を救ってほしい。というものだった。

 

 「人助けのクエストか⋯⋯ 」

 

 あえて聞こえるように呟くカズマ。人助けをダシにするのは罪悪感を感じるが、こうでもしないとアクアは動かない。

 

 「⋯⋯わかったわよ。そのクエスト、受けるわ」

 

 困ってる人がいるなら助けるのが世の常。アクアはそのクエストを受け、早速その村へと向かうのだった。

 

 

 

 

 翌日、カズマ達一行は村へと通じる林道を通っていた。

 

 「⋯⋯で、なんでガイさんまでついてきたんですか?」

 「いやまあ、このクエスト見つけたの俺だし。それにアクアが活躍するところを見たいってのもあるな」

 「⋯⋯なーんかすごくバカにされてる気がするんですけどー」

 

 いろいろと理由を述べているが、要は暇だったのでついてきたということだ。

 そんな他愛もない話をしながら村へと目指していると、めぐみんが道端に咲いている綺麗な白い花を発見する。

 

 「カズマカズマ。見てください! あの花、すごく綺麗じゃないですか?」

 「確かに綺麗だな~」

 

 カズマがそう言うと、めぐみんは花の香りを嗅ごうと近づこうとした。

 

 「その花から離れるんだ!」

 

 どこからともなく声が聞こえると、初老の男性が現れた。

 

 「ど、どうしてなんですか!?」

 「いいから早く離れるんだ!」

 

 そう言って花の前に立ちふさがる。その時、鼻から紫色の花粉が放出される。男性が胸の前で腕を交差させると花粉は瞬く間に男性に吸収されていった。

 

 「これで最後か⋯⋯」

 「な、なにが起きてるの?」

 

 目の前で起きる不思議な現象に戸惑うカズマ達一行。その時だ。花粉を吸収した男性は突然苦しみ始め、花粉と同じ紫の光を放つと銀色の宇宙人へと変わっていた。

 

 「う、宇宙人!?」

 

 先程の男性が宇宙人であることに驚くカズマ達。そんな彼らに苦しみながらも暴走しているキュリア星人は襲い掛かってきた。

 しかしすかさずガイが間に入り、宇宙人の攻撃を右腕で受け止めると、腹を殴って後退させるとそのまま後ろ回し蹴りをお見舞いした。それを食らった宇宙人は一度は立ち上がるものの、体に限界が来たのか人間の姿に戻り気を失ってしまった。

 

 「ああ~びっくりした~」

 「ホントガイさんがいて助かりましたよ~」

 

 そう言われながらガイは気絶している男性の元に歩み寄る。その時。村人が駆け寄ってきて男性を保護したのだ。

 

 「先生!しっかりしてください!先生!!」

 「あなたたち、一体先生になにをしたんだい!?」

 「なにをしたって、その人が変な花粉を吸ったら暴走して襲い掛かってきたんですよ!⋯⋯ってもしかして、あなたたちはミスルハイド村の人たちですか?」

 「ああ、そうだが⋯⋯ もしかしてあなたたちがクエストを受けてくれた冒険者なんですか?」

 「ええ。そうです」

 「これは失礼いたしました。ここではなんですので、村へどうぞ」

 

 そう言われ一行は村人についていき、村へと到着する。そして村の集会場へと案内されそこでクエストの詳しい内容と、あの男性⋯ ヤマノのことについて話し始めた。

 

 「その、宇宙人とは一体どういう関係なんですか?」

 「宇宙人じゃなくて、キュリア星人です。診療所を営んでいる先生は何百年も前からこの村を守ってくれているんです」

 「守る?」

 「ええ。実はこの村には、ある時から人間にとって危険な花粉をまき散らす花が咲いているんです」

 

 危険な花粉をまき散らす花と聞いて、道端で見たあの白い花を思い出す。

 

 「だから先生が吸収して、村を守ってくれているんです」

 「じゃあ燃やしちゃえばいいんじゃないですか? 例えば私の爆裂魔法とかで」

 「残念ながら、燃やすとより強力な毒を発生させるんですよ⋯⋯」

 

 つまり爆裂魔法でも放とうものならもっと被害が出るということだ。

 

 「それで、どうして先生の治療をアークプリーストなんかに?」

 「はい。皆さんも見たかと思いますが、先生の体はもう限界に達しているんです。今日も最後の花を見つけたから行くと言って⋯⋯」

 「だからあの時⋯⋯」

 

 それを聞いてなぜあの時、ヤマノが襲い掛かって来たのかが分かった。体の限界が来ていた彼は無理をして花粉を吸収し暴走した。その時、たまたまその場に居合わせたため襲われたのだ。つまり最初から悪意を持って襲ってきたわけではないということだ。

 

 「なので、優秀なアークプリーストの方に毒を浄化してもらいたいんです」

 「なるほど⋯⋯ アクア、出来るか?」

 「任せて!このアクア様に出来ないことなんてないわ!」

 

 自信たっぷりなアクアを見て希望を抱く村人たち。早速ヤマノを呼んで浄化を始める。手を取り、プリフィケーションを発動し、毒の浄化を試みる。

 しかし何百年という月日を重ね、蓄積されていった毒は通常の浄化魔法では効果がないようだ。

 

 「どうしよう⋯⋯ プリフィケーションじゃ浄化できない⋯⋯」

 「じ、じゃあセイクリッド・プリフィケーションはどうだ?」

 

 そう言われてセイクリッド・プリフィケーションを発動しようとする。だがここで致命的な問題が発覚する。

 

 「ちょっと待って⋯⋯ この魔法、呪文の詠唱が必要みたい」

 「おいおい詠唱なんて呪文を見ながらすればいいんじゃ⋯⋯」

 「バッカね。こういう上級魔法は呪文を覚えて詠唱しないと発動できないのよ!」

 「じゃ、じゃあ浄化は出来ないってことですか?!」

 

 焦る村人。そんな彼らにアクアは一日待ってくれと言う。その言葉を聞いて安心したのか落ち着いたようだ。

 

 しかし安心したのも束の間だった。

 

 「その必要はない」

 「そ、村長!?」

 

 突然若いこの村の村長が近衛兵を連れて現れたのだ。

 

 「君たち、私に内緒で一体何をしている」

 「いや、これは、その⋯⋯」

 「まさか、先生の治療ではないだろうな」

 

 その言葉を聞いた村人は図星を突かれ動揺する。そしてそれを見た村長は確信する。

 

 「先生の体はもう限界だ。いつ自我を失って暴走し始めるかわからない。私はこの村を治める者としての村人の安全を守る義務がある。だから⋯⋯」

 「だから⋯⋯?」

 

 「明日、先生を処刑する」

 

 衝撃の一言にその場は大混乱に陥る。

 

 「どういうことですか!!」

 「さっき言った通りだ!! 何度も言わせるな!!」

 

 怒りを露にしながら詰め寄る村人たちを振り払う。そして近衛兵たちはヤマノを連れだした。

 

 「ずっと昔から世話になった人を簡単に処刑するなんて、あんた最低だよ⋯⋯!」

 

 カズマもまた怒りをぶつける。しかしその怒りは村長には届かなかった。皆が村長に向かって怒号を送る中、なぜかガイは一人ずっと意味ありげに村長を見つめていただけなのだった。

 

 

 

 

 その夜、怒りの収まらないカズマ達は村長の悪口を言いながら夕食を嗜んでいた。

 

 「しかし、村を守るためとはいえ、昔から世話になった人を簡単に切り捨てるなんて、村長は血も涙もない方なのだな」

 「冷酷無慈悲!っていう言葉がお似合いですね! ところでガイさんはどこへ?」

 「ああ。なんか、星を見に行くって言ってたぞ」

 

 そんな会話をしていると一人の村人が現れ、こう言った。

 

 「すいません、食後でいいので私の話を聞いてくれませんか?」

 

 

 一方その頃ガイは天体観測⋯⋯ではなく村長の館に訪れ、村長と対面していた。

 

 「村長、あんたに話したいことがある」

 「君はあの冒険者たちの仲間か? なんだい?」

 「先生を連れだすとき、あんたの体が微かに震えていた。本当は殺したくないのだろう?」

 

 そう言われた村長は一瞬の沈黙の後、こう言った。

 

 「ヤマノ先生の処刑は⋯⋯ 先生自らが志願したことだ」

 

 

 「えっ⋯⋯ 先生自らが処刑を望んだんですか?」

 「はい。体に限界が来ている。もうじき咲く最後の花の花粉を吸収すれば、私は自我を失って暴走してしまい村を、人々を傷つけてしまうと。それを食い止めるべく、村長はあなた方に依頼したんです」

 「じゃあクエストの依頼主って、村人じゃなくて村長なのか⋯⋯」

 

 

 「私だって先生を殺したくはありません。先生には皆、お世話になりましたからね。なので、最初この話を聞いたときは辛かったんですよ。ずっとこの村のこと見守ってくれると信じていたから⋯⋯」

 「確かに辛いな」

 「ええ。最初は私も反対したんですよ。ですが、先生の意思は固くて⋯⋯ 悩みに悩んで先生の意思を尊重して、処刑を決めたんです」

 「でもやはり心残りがあって、ギルドにクエストとして依頼した、か⋯⋯」

 「そう⋯⋯ですね」

 

 ガイはふっと立ち上がり、ヤマノとの面会はいいかと問いかける。快諾した村長は、ヤマノがいる部屋に案内する。部屋を開けると彼は窓から夜空に浮かぶ星たちを見つめていた。

 

 「あなたは⋯⋯」

 「あなたと話がしたい」

 「そうですか。その前に一ついいですか?」

 「どうぞ」

 「あなたは、この星の人間ではないですね?」

 

 どうやらヤマノはガイがウルトラマンであることに気付いていたようだ。隠す必要はないので、そうだと返事をした。それを聞いたヤマノは笑みを浮かべそして再び星空を見上げた。

 

 「今日の星空を見てると、私が初めてこの村にやって来たことを思い出します。傷ついた私をこの村の人たちは看病してくれて、そのどころか受け入れてもくれた。だから私はこの村で生きようと、村人のために働こうと思ったんです。でも、それも明日には終わっちゃうとなると悲しいです」

 

 星空を見上げていたヤマノはガイの方に振り向いてこう言った。

 

 「もし私が暴走して、村人たちに危害を加えてしまうなら、その時は⋯⋯ 躊躇なく倒してください」

 

 真剣な表情のヤマノ。しかしガイはそれを拒否し、

 

 「悪いが俺の仲間が今、必死にあなたを救おうと頑張っている。俺の出る幕はありませんよ」

 

 そう告げて部屋をあとにした。

 

 

 村長の思いを知ったカズマは、さっき自分たちが放った悪口を反省していた。そんな時、ふとアクアが話の途中でいくなっていたことに気付く。理由を聞くべく、アクアの部屋に向かうと中からぼそぼそと声が聞こえてきた。耳を澄ますと呪文のような言葉だった。

 

 「⋯⋯私は女神よ。出来ないことなんてないんだから⋯⋯」

 

 そう言いながら必死に呪文を覚えていた。本気でヤマノを救いたいという意思があると知ったカズマは、その場を離れそっとしておくのだった。

 

 

 

 

 そして翌日。ついに処刑の時がやって来た。村長はヤマノが拘留されている部屋の前までやって来ると、まるで悲しみを押し殺すかのように大きく深呼吸をしてドアノブを回して扉を開けた。そこには待っていたよ。と言わんばかりにヤマノが扉の方に向いてい立っていた。

 

 「⋯⋯行きましょう」

 「最後にいいかな?君にこんなことをさせてすまない。ホント、自分勝手だよ私は」

 「⋯⋯そんなことありませんよ。今までこの村はあなたにお世話になって来たんですよ?これぐらいのお願いなら⋯⋯」

 

 その時、終わりを告げるかの如く鐘の音が部屋中に鳴り響く。

 

 「どうやら時間のようだね。さあ、早く」

 

 そう言って腕を出して手錠を促す。涙を堪えながら村長は手錠をかけようとしたその時だ。

 

 「ぐっ!うっ!」

 

 突然ヤマノが体を紫色に発光させながら苦しみ始めた。どうやら体の限界に達したらしく、暴走を始めたようだ

 

 「先生!!」

 「早く私から離れるんだ!! どうやら暴走のようだ⋯⋯! うわああああ!!」

 「先生ぇぇぇぇぇ!!!」

 

 ついに暴走を抑えきることが出来ずヤマノはキュリア星人の姿に戻り、天井を突き破るほどの大きさにまで巨大化してしまった。

 

 天井を突き破る音を聞いた村人たちは、まさかと思い音の聞こえた方角に振り向く。するとそこには苦しみながら、暴走するキュリア星人の姿があった。

 

 「先生ぇ!」

 「遅かったか⋯⋯!」

 

 あと少し早ければと、悔しさをにじませるカズマ。しかしそんな誰よりも悔しがっている人物がいた。アクアだ。

 

 「私があの時、ちゃんと呪文を覚えていれば⋯⋯!」

 

 後悔の念が押し寄せる。そんな彼女を見たガイはこう言った。

 

 「アクア、呪文は全部覚えたのか?」

 「ええ、まあ⋯⋯」

 「なら、俺が先生を食い止める。その間にお前は先生を浄化する準備をしろ」

 「⋯⋯分かったわ!」

 

 アクアがそう言うと、ガイはキュリア星人を食い止めるべく走り出し、アクアは巨大なキュリア星人を覆い囲めるほどの魔法陣を書くべく、どこか広い場所は探し始める。と、一人の村人が、ヤマノが初めてこの村に来た時乗っていた、円盤が墜落していた場所があると言う。カズマ達は村人と共にそこを目指すのだった。

 

 キュリア星人を食い止めるべく走り出したガイはそのままオーブリングをかざす。

 

 「ウルトラマンさん!」

 『ウルトラマン!』

 「へアッ!」

 

 「ティガさん!」

 『ウルトラマンティガ!』

 「チェッ!」

 

 「光の力、お借りします!」

 『フュージョンアップ! ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!!』

 

 光りと共にウルトラマンオーブが現れる。そして暴れるキュリア星人を抑えようとする。しかし暴走状態である今のキュリア星人には、何者であろうと攻撃してしまう。抑えようとするオーブを振りほどき、殴り掛かって来た。それ何とか受け流すオーブ。普段なら反撃をするところだが今回は違う。ヤマノを救わなければならないため、傷つけないようにしなければならない。故に今回はすべての攻撃を受け流さなければならないのだ。

 

 一方その頃カズマ達は、円盤が墜落していた現場にたどり着いていた。

 

 「よし、この広さなら!」

 

 早速魔法陣を書き始めるアクア。その時、キュリア星人が放った光弾が近くに着弾した。

 

 「きゃっ!」

 「ン!?」

 

 アクア達の近くに光弾が着弾したことを受け、今度は腕を抑えるオーブ。しかし凄まじい力で振りほどかれ、さらに光弾を受けてしまう。加えて追い打ちをかけるようにうつ伏せに倒れているオーブの腹を蹴って吹き飛ばした。

 

 立ち上がるオーブ。それを見たキュリア星人は光弾を乱射しながら突進していく。オーブは光弾を全て受け止めたがそれも束の間、今度は掴み掛って来た。しかしオーブはこの状況を利用し、時間を稼ぐことに専念する。それを見たアクアは急ピッチで魔法陣を仕上げていく。そして⋯⋯

 

 「できた!!」

 

 つい巨大な魔法陣が完成した。アクアはすぐさまそれを報告する。

 

 「オーブ!魔法陣は完成したわ!!」

 

 それを聞いたオーブは腕を振りほどくと、そのまま魔法陣の方に向かって投げ飛ばした。魔法陣の中心に投げ飛ばされたキュリア星人はすぐさま立ち上がる。しかし。

 

 「シャットダウンプロテクト!」

 

 シャットダウンプロテクトで隔離されてしまう。それを見たアクアはすぐさま魔法の詠唱を始める。

 

 「全てを浄化する光よ。流水の如くその苦しみを払いたまえ。微笑む女神の如く慈悲を与えたまえ。優しき閃光でその者を包みたまえ! 聖なる加護の光よ。我に力を! セイクリッド・プリフィケーション!!」

 

 青い光がキュリア星人を包み込む。そのタイミングでシャットダウンプロテクトを解除すると、その光を全身に浴びる。

 キュリア星人を包み込む青い光は、体内の毒素を完全に無毒化する。そしてついに浄化されキュリア星人はその場に座り込むと、人間大の大きさへと戻り、ヤマノの姿へと戻った。

 

 「先生!!」

 

 ヤマノの元に駆け寄る村人たち。どうやらヤマノの体を蝕んでいた毒は完全に浄化されたようだ。それを知った村人たちは大いに喜んだ。そして何よりも喜んでいたのは、他でもない村長だった。

 

 「よかった⋯⋯ ほんとによかった⋯⋯!!」

 

 涙を浮かべる村長の姿を見ていたアクアはなんだか嬉しい気持ちになっていた。しかしそれも束の間、魔力の使い過ぎでその場に倒れこんでしまう。

 

 「おいアクア大丈夫か!」

 「大丈夫よ。少し魔力を使い過ぎたみたい⋯⋯」

 「今私の魔力を分け与えますから」

 

 そう言うとめぐみんの魔力をカズマ経由でアクアに渡していく。その様子を見ていたヤマノは村長に尋ねた。

 

 「あの子たちが私を?」

 

 すると村長は。

 

 「ええ。彼らがやってくれました。あなたを救いたいという思いが、彼らに力を与えたんです。彼らは、いや彼女は⋯⋯ この村のヒーローです」

 

 と、アクアの方を向いてそう答えたのだった。

 

 

 

 




新しいウルトラマンが楽しみです。感想、リクエストなどお待ちしています
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