あとそれと共に、アスカのとある力を引き出します。
では、どうぞ。
それは携帯に突然だった。
『アスカへ、今度の休日、翼さんと奏さん、未来とで買い物するから、来るように♪ ああ、翼さん達のことを考えてね♪♪』
そんなメールを見て思ったことは、
「………中性的な衣装にしろと言うことだな。女装じゃないよな女装じゃな」
待ち合わせの場所で、奏さんと翼さんに出会い。奏さんに怒られた。
「なに考えてるんだよっ、ここはスカートだろ!?」
「………」
よどんだ目をしているだろう。まあまあと翼さんがたしなめる中、それでも考えたんだ。
わざわざ中性的な衣装にしてもダメなのかと、世界が暗く閉ざされる。
後れてきた響達、響にも、スカートじゃない!?と言われた。もうやだ。
「なんで休日まで女装しなきゃいけないの!?」
「いいから最初は洋服店でいいな響っ」
「はいっ、アスカには急いで似合う物をっ」
もう仲良いよなと思いながら、静かに女性服専門店に出向く。静かに二人を見るが、静かに顔を逸らす。助ける気は無いらしい。
「………もうやだ」
それから、色々だった。何故洋服店でゴスロリ着せられたりしたり、買い物したり、翼さん達に気づくファンがいたり、ゲーセンでぬいぐるみを取ってあげたり、カラオケ行ったり、楽しんだ。
「龍崎は、その………本当に、そのな」
「男だよ………なんで疑問に思うんだよ………」
翼さんはもうあれだ、落ち込んでいた。オレの肌つや触って驚いていたり、服着たら可愛いと驚かれたり、歌歌ったらこの調子である。
「嫌だって、カラオケで本人より本人の曲で得点出せばな~」
そう言いながら笑う奏さんをぽかぽかと叩く翼さん。
仕方ないじゃないか、それ以外知ってるのは前世の曲でいまは無い。後は翼さんソロ曲しかない。
その様子に、響達は昔を思い返す。
「いっや~正直、幼稚園で知り合って、そのまま長付き合いですからね、私達は」
「そうだよね、アスカとも、小さい頃でしたけど、お互いお泊まりしたり、お風呂入ったりしましたから、その、ね………」
二人とも信じられないと言う顔で思い返す。なんでだよ。
「二人とも、そろそろ泣くぞ。なんでそんなにオレを女の子にしたいんだよ」
そうだ、二人とは長い付き合い、女の子と男の子だ。だがこの調子だ。
「だってアスカと買い物行くと、私と未来よりナンパされたり、可愛い服似合うしっ、その肌だって化粧品使ってないでしょっ!!」
「確かに………少しずるい。響だって、使う物くらい気を付けてるのに」
「オレは男だぞ、臭わない程度のシャンプーだけでいい」
だから安い物使っているが、ぽかぽか叩かれていた奏さん達が止まる。
「………待て、いまのは聞き捨てならない。あの肌つやは天然だったのか?」
「その肌つやは天然かアスカ………少し触らせろぉぉぉぉぉ」
「なんでさ!?」
その後、女子から頬や背中など、素肌を触られた。しかも途中から奏さんと響の様子がおかしくなって、途中でやめてもらった。怖い………
そんなこんなで夕焼け空、奏さんと翼さん、響が仲良く話し合う中、未来はオレに話しかける。
「ごめんねアスカ………ずっと、響のこと守ってたのに」
「いいよ、未来の気持ちは分かろうとすれば分かるはずだったし、分かってたはずだったんだ」
そう、そう思いながら静かに歩く。
「戦いの場は必ず守るよ、それだけは約束する。だから、未来は、彼奴の側にいてくれよ」
「アスカ………」
その言葉に頷く未来を見ながら、少しだけ過去を思い出す。
前世、その時の過去。
現実から逃げていた、自分を………
奏さんから翼さんのコンサートチケットを受け取った。元々、この長い体調管理のために、アイドル活動を休んでいた翼さん。今回で復活するらしい。
とは言え、自分はこういうのに興味ないのが本音だ。この前聞いたし、こういうところがいけないんだろう。
だけど、オレは結局ダメだった。
「アスカっ、大見得切ったんだっ!! 男として活躍しろ!!」
『分かってますよッ』
ノイズが発生する、しかもコンサート近く。ギリギリで避難地区では無いが、早く撃退しなければ、コンサートが台無しになる。
だけどオレは、響、未来、翼さんや奏さんのため、自分だけに任せてもらった。
我が儘言った以上、男を見せなければいけない。
「まあ、あの格好でそれはその………」
『セクハラです藤尭さん』
現場ではクリスがいた。どうやらクリスを狙うノイズらしい。しかも会場近く、彼奴らの大切な日に横やり入れたノイズ。しかもクリスを狙う。
『許す気はない!! ヒポグリフっ、行くぞ!!』
何個の大型ノイズへと突進しつつ、片腕でクリスを掴み上げ、背中に乗せてから、戦い始める。
「テメ、なんで!?」
「守りたいからだ、でいいだろ? あと翼さんのコンサートだから、ノイズ邪魔。クリスもどうだ? このまま天井から聴くっての?」
確かオープン的な会場だったはずだ。
「ざっけんな!!!」
戦いながらのやりとり、槍と剣を振る舞わしながら、ヒポグリフを操る。
空に浮くのは魔笛で払い、本で阻んだりして、滑空しながら、射撃している。爆撃機のように、ノイズはすぐに落ちていく。
「相性いいなオレら」
「な、なに言ってるんだバカっ!!」
遠距離攻撃無いんだ。魔笛は歌をやめないとさすがに使えないんだよ。
真っ赤に何故かなるクリスと共に、ノイズを蹴散らし、全て終えた後、その場に下ろす。
「クリス、向こう、フィーネから命を狙われてるなら、オレ達のもとに来てくれ」
「ハッ、やだね。誰が行くか」
「クリス」
その後ろ姿から、何か言いたげだった。
クリスが何を感じているか分からない。そう、いつもそうだ。だが、
「クリスっ」
いまはそれでも構わない。その腕を無理に掴む。
「離せよっ、テメェもなに考えてるんだっ」
「オレはお前を守りたい」
「!」
驚くクリスだが、すぐに顔を歪める。
「お前も大人だからとか、んな理屈かよ!?」
「? なんだそれ?」
「!」
クリスの側に立ち、その手を握りしめ、
「オレはクリス達を守りたいから我が儘言ってるだけだよ、それだけだ」
それに驚くクリス、しばらく黙り込むが、だけどその手をふりほどき、その場から跳んでいく。
その姿を見ながら、ただ黙るしかない。これ以上追っても無駄だろう。
「………やっぱオレ、他人の心分からないんだな」
そう呟きながら、コンサートへ急いで戻る。
緒川さんのおかげでコンサートには別で聞いていたと言う話になり、そのおかげで、
「もし私達に内緒でなんかしてたら、この前買った服装でまた遊びに行こうぜ」
「はい奏さんっ♪」
緒川さんに涙目に訴え、苦笑して頷いてもらった。回避できたが怖い。響が即答して、ちゃんと保存してるからねと、満面の笑みの未来が言う。
オレの味方は緒川さんと司令官しかいないと、心から思った………
――???
「やっほ~♪」
そんな日々であったのだが、また白い世界だった。そこにいるのは、三つ編みをした彼、アストルフォが笑顔でいた。
「………なにか文句かあるか」
なんとなく、自分は彼に何か言われても仕方ないと思う。それに彼はふむふむと顔をのぞき込む。
「少しは君の悪いとこ分かったんだね。ボクも、少し心配だな。君のその悪い癖」
「………」
それを言われ黙り込むと、急に抱きついてくる。止めて欲しいのですぐに引き離した。
「ひっど~い~ボクのなにが嫌なんだい!?」
「男同士っ」
「ボクは気にしないよっ♪」
嬉しそうに微笑みながら抱きつこうとしたり、引き離したら涙目になったり、そしてウインクして満面の笑みを浮かべるアストルフォ。忙しい奴だ。
無理だろ男同士でよ。てか、オレにそんな趣味はない。
どんなに可愛くても、性別の壁は越えられない。
さて、現実逃避はいい加減にして、この妙な空間を見渡す。
「もうこれが夢か現実か分からないけど、アストルフォ」
「なぁに~?」
「オレになにさせたい?」
「………」
その時、アストルフォは固まった。
明らかにおかしいんだよ、オレ事態、過去の自分を知っていたり、面白いようにこの世界が特別に抱える問題に首を突っ込んだりと、色々都合が良すぎる。
だが、英雄願望やら、なんやらなんて無い。元々自分は流れ作業的に生きてきた人間なんだ。本当になんなんだと問いかけたい。
アストルフォはその問いかけに、静かににっこりと笑う。
「君が決めていいんだよ」
そう言いながら、得意げにくるくると周り、楽しそうに両手を広げる。
「この世界で生きる君が決める、ボクの力であろうと、いまは君の力だっ♪ なにより、君は何が有ろうと、誰かを守るために使う意志の強さは知ってるっ。ならボクは文句なんて言わない♪♪ むしろ君のことが大好きだよアスカ♪」
「答えになってない」
「それじゃ、君はこの世界に転生して嫌だった?」
それには、
「いいや、響達を守る力があるんだ、むしろ感謝してる」
そう、即答できる。最初はともかく、いまははっきり言える。
守りたいと言う願いがある。なら、彼の力は助かっていんだ。
それでもだ。
それでも理由が知りたい。何故自分なんだと?と………
「ごめん、それは言えない」
その言葉だけは、暗い顔でそう呟いた。
「いずれ君は知るだろう、君が何者か、君の運命が何なのか。きっと分かる日が来る。本当はあり得ないんだこの状況。ボクも分からないのが正しい」
そう言いながら、彼はごめんねと言い、しょんぼりする。
「ボクにできることは、君の言うところ。できることだけなんだよ、それは頑張るよボク♪♪」
そんな言い方されても困ると、髪をかきながらため息をつく。
「………んなFate/シリーズじゃねぇんだ………」
その時、背筋が凍り付く。
「………Fate/シリーズ?」
Fate/シリーズは必ず、過酷な運命、宿命がある。
主人公に思い選択が架せられたり、人の命が簡単に潰える。
欲望、色々な思い、運命、定められた事柄に、主人公は翻弄される物語。
まさかとは思う、傲りたくないが、まさか、
「気づいた?」
その時ばかり、アストルフォの笑顔は、ぞっとした。
「待ってくれ、あれは物語、創作物の」
「だけど君はこうしてボクと話して、創作物のような世界にいる」
「………」
そうだ、ああそうだ。何故気づかなかった? やはり変わらないのか。
自分は根本的に見ていなかった。考えれば前世の記憶持ちであり、自分が知ることが当てはまる力なら、それが取り巻く環境だって当てはまる。
ならもしかしたら、とんでもない、考えられない規模で動く、あの物語、聖杯。そんなものに、自分と言う存在が関わっているんじゃないか?
それを知ったとき、考えたとき、足が不意に、後ろに下がりかけた。
だけど、
「響」
その言葉に、それは止まった。
「………守りたい?」
その言葉に、震えながらも、臆しながらも、それでも、
一歩前に歩いた。
それに満面の笑みを見せ、それにアストルフォはとても嬉しそうに周りではしゃぐ。正直冷や汗は止まっていない。
自分がうろ覚えで知っている物語は、聖杯大戦など、多くの一般人が巻き込まれたりする物騒極まりない出来事ばかりだし、サーヴァントの能力もだ。正直関わりたくないのが本音だ。
だが、それでも踏みとどまるくらいしなきゃいけないらしい。まだ決まったわけではないが、それでもちらつく影は、ノイズより問題だ。
「やっぱり思っていたとおりだよ♪ アスカ♪♪」
もうアストルフォを引き離す気も起きない、いまは安心して良いだろう。仲間がいるんだ。ポンコツでも英雄らしい英雄が、わざわざ自分に手を貸してくれている。
主人公のように成らなくても、抗って見せなければ、彼に悪い。
「ちゃんとできるかな?」
「それこそ分からないよ。それはアスカの、アスカ達のがんばりさ♪♪ ボクらは応援してる」
アストルフォのボクらと言う言葉に疑問に思ったが、辺りが光り輝く。
正直このアストルフォが、自分の知るアストルフォで、ボクらと言う部分が、他の彼らを言っているのなら、やはり自分が取り囲む問題は、ノイズやいま生きている世界だけで終わる規模では無い。
聖杯。
それを囲む物語が、どのような形であれ、自分と言う存在に関わっている。
不安そうな顔をするが、アストルフォを見ると、信じてると言う顔していた。
「選びの時が近づいてる、君の選択を後押しする。アスカ………」
そう言われたアストルフォ。おそらくだが、彼が貸せる力は限られていて、それでも、自分を応援すると言っていた。
なら、
「頑張るよ」
その一言に、彼は頬を赤く染めて、満面の笑みを浮かべた。
そしてオレは夢の世界から覚めるように、ノイズ警報と共に目を覚ました………
響「それじゃ、この服は全部買いだね♪」
アスカ「うん………」
男が一度着た女物を買わないのは問題?と言う理由から、彼は買うのだが、正直翼は戦慄していた。
翼(全部女性物だと言うのに、平然と着られるのかアスカ!?)
奏(マジで男なのか………そして律儀には買うんだなアスカ………)
未来(家とかで着たら動画で撮ろう………)
そしてアスカの服以外誰も買わなかったと言う話。
現在の彼は完全にアストルフォとうり二つです。Fate/シリーズのやばい面を出し始めます。女装するアストルフォ似のオリ主だけではないんです。メインはそれですけど。
アスカ「メ・イ・ン・か・よ」
女性服着れる、彼の女子力。凄いね。
それでは、お読みいただき、ありがとうございます。